2013年10月24日

「C.M.B. 森羅博物館の事件目録」第79話「その朝、8時13分」(加藤元浩著、講談社刊「月刊少年マガジン+(プラス) 2013年7号」連載)ネタバレ批評(レビュー)

「C.M.B. 森羅博物館の事件目録」第79話「その朝、8時13分」(加藤元浩著、講談社刊「月刊少年マガジン+(プラス) 2013年7号」連載)ネタバレ批評(レビュー)です!!

ネタバレあります、注意!!

登場人物一覧:
森羅:主人公。C.M.B.の指輪の主。多大な影響力を持つ。
七瀬立樹:森羅のパートナー。身体を動かすことが得意。

日々野常男:サラリーマン。恋人であるチエリとは喧嘩中。
チエリ:日々野の恋人。
戸崎桜:消息不明の女性。

<ネタバレあらすじ>

午前7時13分、サラリーマンである日々野常男は出社の為に起床した。
手元の携帯を見る。
だが、今日もチエリからの返信は無い。
数週間ほど前に喧嘩して以来、チエリと音信不通になってしまったのだ。

「ちぇっ、まだ怒っていやがら」
不平を口にしつつ、座り込むと手に広告が触れた。
それは森羅博物館の広告。
利発そうな少年が館長で、チエリに誘われて1度だけ足を運んだことがあった。
だが、今となっては虚しいだけだ。

あ〜〜〜、朝一からアンニュイだ。
気分を切り替えることにした日々野。

今更ながら社会人として朝一番にすべき仕事は景気動向や社会情勢の把握である。
日々野は新聞を手にテレビの電源を入れた。
すると、不思議なニュースが!!

なんでも、生放送中の番組に乱入者があったらしい。
戸崎桜という女性が行方不明になっており、その家族がテレビで情報を呼びかけたようだ。

「へぇ、そんなこともあるもんだな」
戸崎桜の顔写真を目にしつつ、日々野は出社の準備を始めた。

午前8時13分、駅のホームに立つ日々野。
今日もいつも通りの時刻、いつも通りの風景である。
ところが、その中に異物が紛れ込んでいる事に気付く。
それは女性であった。

「でさ〜〜〜彼氏と喧嘩しちゃって」
女性は隣に立つ男性に話しかけているようだ。
その横顔に見覚えのある日々野。
先程、テレビで目にした戸崎桜だ。

絶句した日々野だが、どうしても気になって彼女の跡を追ってしまう。
桜は角を曲がると突き当りで姿を消してしまった……其処にはタオルで顔を隠した清掃員の女性しか居ない。

人1人が煙のように消える!?
そんな馬鹿な!!

日々野は清掃員こそが桜の変装だ……と確認することに。
ところが……そこに居たのは桜とはまったくの別人であった。
呆気にとられる日々野、彼の心を不安が苛んだ……。

結局、会社に遅刻した日々野は上司に大目玉を喰らう。
ところが翌日もまた桜を見かけることに。
またも追跡してみたが、同じように消えてしまう。
そして、清掃員はやっぱり別人であった。

思い悩んだ日々野は森羅のことを思い出し、彼に相談することに。
森羅はヒントとして「すぐ近くに居るのかも」と告げる。

何が何やら分からない日々野。
そして通算3回目、今日もまた戸崎桜をホームで見かけることに。
桜が声をかけていたと思われる人物を呼び止める日々野。
だが、彼は怪訝そうにイヤホンを外す。
これでは、会話にならないだろう……。

諦めて桜を追う日々野。
またも例の突き当りへ。
そして案の定、煙の如く消え失せてしまった。

3回目ゆえに慣れたのか、清掃員は日々野の方を見ようともしない。
此処で日々野は森羅のヒントを思い出す。
(すぐ近く……まさか)

「ここだ!!」
清掃員のカートを確認する日々野。
ところが、其処にも誰も居ないのであった……。

日々野は精神の均衡を崩し始めた。
桜は何処に居るのか……。
もしかして、本当に生きているのか……。
だとしたら、あそこには居ないのか!?

日々野は人気のない深夜の山中に赴き、必死に土を掘り返す。
すると……居た!!
やっぱり、彼女は此処に居たではないか!!

安心すると同時に周囲に人の気配が湧いた。
振り返れば、森羅や清掃員の女性など大勢の人々が立っている。
罠だ……そう気付く日々野だが、もう遅い。

「お姉ちゃん!!」
森羅の隣に立っていた若い娘がそう叫ぶと土の中の彼女に駆け寄る。
清掃員の女性も「桜!!」と声を上げて泣いていた。
どうやら、戸崎桜の家族のようだ。

「チエリさんは桜の英訳であるチェリーブロッサムから来ているんですね」
森羅は日々野に語りかける。
頷くしかない日々野。

森羅は重ねて説明を始める。
今回の依頼人は桜の妹であった。
妹は桜から日々野と交際していることを聞かされていた。
そして、もし喧嘩したら殺されるかもしれないとも。

事実、桜は行方不明になってしまった。
安否を気遣った妹は家族と共に、日々野の件同様に桜から聞かされていた森羅に相談した。

相談を受けた森羅は日々野に揺さぶりをかけることを提案する。
桜に似ている妹を桜に変装させ、日々野の目に留まるように仕向けその動揺を誘ったのだ。

消えた桜のトリックはシンプルなもの。
最初は後に日々野が見破った通りカートに隠れたのだ。
ただし、3回目だけは清掃員に変装した。
すでに1度調べたところを再度調べる筈がないとの心理を利用したものであった。

唯一、森羅が誤算だったのは日々野が森羅博物館にやって来たことだったらしい。
だが、結果最終的な揺さぶりに繋がったのだそうだ。

日々野は膝から崩れ落ちると、涙を流し始める。
喧嘩の際に、カッとなって殺害してしまった恋人。
その恋人が生きていてくれれば……とずっと祈り続けていたのだ。
だが、その祈りは届く筈もなかったのである。
なにしろ、彼自身が手を下したことなのだから―――エンド。

<感想>

「月刊少年マガジン+(プラス) 2013年7号」に掲載された「79話 その朝、8時13分」です。

今回の主人公は日々野常男。
名前の通り、日々同じようにあることを望む平凡なサラリーマン……の筈でした。
ですが、彼は既に非日常的な事を起こしていたのです。
それがチエリこと、恋人・桜の殺害でした。

この真相が、まるでサスペンス映画のようにじわりじわりと浮かび上がる構成は見事でしたね。

伏線としては「チエリという名前」や「喧嘩中であること」など幾つかあったので早期に気付けたのですが、それでも次の展開が気になる回でした。
次回も期待!!

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