ネタバレあります、注意!!
第36話登場人物一覧:
黒峰朝陽:主人公、通称「アナザル」。
白神葉子:朝陽の意中の人物。ある秘密が……。
紫々戸獅狼:葉子の幼馴染。彼もまたある秘密を……。
紫々戸獅穂:葉子の幼馴染。彼女もまたある秘密を……。
藍澤渚:クラス委員長。彼女にも秘密が……。
藍澤涼:渚の兄、意外な形で登場することに……。
紅本茜:紅本の親族らしい。彼女にも秘密が……。
紅本明里:教師。彼女にも秘密が……。
黄龍院凛:33話より登場した謎の少女。彼女にも秘密が!?
朱美みかん:朝陽の幼馴染。新聞部所属。通称「オレンジ」。
岡田:朝陽の友人の1人。通称・岡。眼鏡が特徴。割と友人想いの様子。
嶋田:朝陽の友人の1人。通称・嶋。軽い。
桜田:朝陽の友人の1人。通称・サクラ。渋い。
フクちゃん:「福の神見習い」を名乗る眼鏡。
朝陽の父:朝陽の家族。22話に初登場。
朝陽の母:朝陽の家族。22話に初登場。
朝陽の妹:朝陽の家族。22話、28話に登場。
葉子の父:吸血鬼。額に十字傷を抱く巨人。当ブログでは「オトン」と呼ばれる。
葉子の母:人間。和服の美女。当ブログでは「オカン」と呼ばれる。
<ネタバレあらすじ>
〜〜〜これまでのあらすじ〜〜〜〜
「アナザル」こと「絶対に秘密を守れない男」黒崎朝陽は憧れのヒロイン・白神葉子の秘密を知ってしまった。
その秘密とは「白神葉子がハーフの吸血鬼である」こと。
朝陽は葉子の為に、この秘密を守らねばならない―――。
取り巻く人々を相手に、朝陽は秘密を守り抜くことが出来るのか?
矢先、実は宇宙人であった委員長・渚、狼男で肉食系女子な獅穂、悪魔っ娘の茜、未来人の凛も加わって……。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
その日、朝陽は自宅の頭上で壮絶なバトルを目撃することになった。
片側に位置するのはドラゴン、相対するのはUFOだ。
ドラゴンの主は凛、UFOの主は……渚である。
機体を操作する2人は、光線を交錯させながら睨み合う。
「朝陽を連れて行くのは私」
「いや、私だ」
互いの主張を譲らない2人。
普段は冷静な渚もこの時ばかりは一歩も退かない。
だが、渚はこの戦いで大切なモノを失うこととなるのだ……。
事の発端は2日前に遡る―――。
学校にて、今日も凛が朝陽に抱き着いていた。
そして、これをじと目で眺めやる葉子の姿。
事情を説明したい朝陽だが、凛が未来人で明かすことはタブーである。
(藍澤さんがおるのに……黒峰君は!!)
そんな朝陽の心中を知らない葉子は朝陽と凛が触れ合うことに不満を抱いている様子である。
さらに、未だに渚と朝陽の恋を応援していた。
だが、当の渚はといえば……特に感情を表に出すことはない。
暫く朝陽と凛を見詰めると、おもむろに保健室へ……。
さて、保険室内。
入って来るなり、渚は豹変する。
「ええぃ、白神が好きではなかったのか!!こんなことなら私は……」
朝陽に対して思いの丈を言葉にしてぶつける渚。
やはり、朝陽を異性として認識しているようである。
と、これを聞きつける者が居た。
渚と保健室の組み合わせとなれば、必ず登場するあの人……獅穂だ。
どうやら、保健室の主的な存在になっているようだが……。
獅穂に朝陽を好きなことを知られてしまった渚は大パニックに。
何故なら、獅穂は葉子の親友。
当然、葉子と朝陽の仲を応援しているに違いないからだ。
同時に、渚もまた葉子と親友なのである。
これはある種、裏切りとも取られかねないものであった。
だが、獅穂はそんな渚の恋を応援すると宣言。
獅穂としては、葉子も渚も大事な友達でその気持ちを大切にして欲しいらしい。
これを聞いた渚は感じ入る。
とは言え、最終的に葉子と争うことになるかもしれないにしろ、眼前の敵は凛だ。
注意しなければと、教室に戻りつつ頭を悩ませていたところ……。
教室内にはその凛が居た。
後輩にも関わらず、たびたびやって来ているのだ。
しかも、今回は食事を用意して来ているらしい。
な、なんだとぉぉぉぉぉぉぉ……。
戦慄する渚。
男性の心を振り向かせる為に胃袋を抑えに来たと考えたのだ。
恐るべし……心中に流れる汗を拭いつつ、凛への警戒心を強める渚。
だが、ふと思う。
相手がその気ならば、こちらも同じ手を用いれば良いだけではないか……幸い自分は料理が得意なのだ。
いやいや、そんなことをしてどうする……恥ずかしいぞ。
葛藤を続ける渚。
その頃、朝陽は凛から差し出された食事が「お粥」であると知り「そんなに歯は悪くないから」と必死に断っていた。
翌日、あれだけ葛藤を続けた渚の机の上には立派なお重が積まれていた。
もちろん、渚手製の弁当であることは言うまでもない。
しかも、ただの弁当ではない……大ボリュームかつ渚渾身の一作であった。
さて、作ったもののどうしよう……。
いざとなると、なかなか行動に移せない渚。
そんな渚を尻目に、今日も凛が朝陽の教室へ食事を届けにやって来る。
今日の食事は「しけったせんべい」であった。
「いや、お年寄りじゃないから。本当に歯は大丈夫だから」
必死に断りを入れ続ける朝陽。
そんな朝陽を横目に、渚はやっぱり渡せないなぁ……とぼんやり思う。
其処へ獅穂が登場。
渚は獅穂に弁当を食べてくれるようお願いするのだが……。
「もしかして、力を入れ過ぎてご飯の上にそぼろでハートマークなんてないよね!?」
これに渚は過剰に反応。
思い当たる節があった渚は1人で弁当を平らげることに。
放課後、共に下校する渚と葉子。
その斜め前には相変わらず朝陽に密着したままの凛が。
く、く、くやしい〜〜〜嫉妬の炎が止められない渚。
そんな渚に無邪気に葉子が「ああ、あの娘は思ったより悪い娘じゃないよ」と伝える。
「えっ?」思わぬ急変に戸惑う渚に、葉子は理由を述べる。
なんと、朝陽が断った「しけったせんべい」を代わりに貰ったのだそうだ。
大変、美味しかったらしい。
これを聞いた渚が再度戦慄する。
異性だけでなく同性までも、その心を抑えに来ると言うのか!!
凛への警戒レベルをどんどん上げて行く渚。
その目の前で、凛が朝陽にある提案を。
自宅まで乗り物で送るつもりらしい。
凛が頭上に手を翳した途端に現れたのは……ドラゴンである!!
愕然とする朝陽、葉子、渚。
凛によれば、このドラゴンはタイムマシン。
選ばれた者にしか見えない設定になっているそうだ。
その証拠に、ドラゴンの出現と同時に雨が降り始めたが、誰も頭上のドラゴンには気付かない。
その場に居て気付いているのは凛、朝陽、葉子、渚だけだ。
朝陽は慌てて「いいから……いいから、ドラゴンを片付けて」と凛に懇願する。
これに不満そうな凛。
一方、このやり取りを見ていた渚は危機感を強める。
何しろ、朝陽と葉子はUFOに興味津々であった。
ドラゴンならば、彼らの関心を惹き付けるに申し分ないだろう。
だが、凛にドラゴンがあるならば、こちらには本家本元のUFOが……。
其処まで考えて渚は自身の思考を恥じた。
UFOは最重要機密なのだ。
私的に用いることは出来ない。
そう、そうなのだ……。
そして翌朝。
凛によるドラゴンのお迎えを避けるべく、朝陽は通常よりも早めに家を出た。
ふと、空を見上げると浮かんでいたのは……見覚えのあるUFO!?
あれは確か……。
「大丈夫、周囲には見えないように光学迷彩を施している」
そんな朝陽にUFOから声が。
搭乗者はもちろん渚である。
(何をやっているんだ……)
冷静な自分からツッコミを受けつつ、どうしても凛への対抗心が止められなかったのだ。
「えっ、えっ、委員長?なんで?」
疑問符だらけの朝陽。
其処へ、凛が駆るドラゴンも到着。
こうして、冒頭に繋がるのである。
「朝陽を連れて行くのは私」
「いや、私だ」
互いの主張を譲らない2人。
「えっ、連れて行かれるって……未来なの?宇宙なの?」
実は学校までなのだが、当事者ながら全く事情の呑み込めない朝陽を他所に渚と凛の攻防は続いた。
そして……。
数十分後、未だに困惑し続ける朝陽の前で地面に膝をつく渚と凛の姿があった。
凛は今回の罰として未来への帰還を大幅に延期されることとなった。
渚もまた、今回の罰として暫くUFOを没収されることに。
これこそが渚が失った大切なモノだったのだ―――37話に続く。
<感想>
「週刊少年チャンピオン」にて「さくらDISCORD」を連載されていた増田英二先生の新作。
「さくらDISCORD」は未読の管理人ですが、1話を読んで注目している作品です。
コミックス1巻に続き2巻も重版出来とのことで、目出度い。
さらに、3巻も2013年10月発売。ちなみに表紙は獅穂ですよ!!
そして、本作かなり面白い!!
その36話。
今回は「凛」と「渚」でした。
これから数話の間は新キャラ「凛」と既存キャラとの掛け合いが中心になるのかな。
だとすると、みかん、茜との掛け合いが楽しみ。
それにしても、葉子は当事者の意識が低いなぁ。
あのキャンプが嘘のようだ。
でもって、凛登場時に背景にあったドラゴンがタイムマシンと判明。
なるほど〜〜〜これでまた1つ疑問が解消。
それにしても、凛の語る「ドラゴンを見ることが出来る選ばれた者」の基準ってなんなのだろう。
今回だと、ドラゴンを目視出来たのは朝陽、凛、葉子、渚。
これに何か意味はあるのだろうか……それとも「選ばれた者」とは凛のノリか?
でも、それだと葉子と渚の2人にも明かす必要はなくなるワケだし……謎が残ったな。
さらに、獅穂が渚の恋も応援することに。
あれ?これで渚は葉子と獅穂の2人から支援される立場に!?
でも、獅穂は「フクちゃん」関連の回でみかんの気持ちも知ってるんだよね。
もしかして、獅穂には特定の人物を支援するつもりはないのかなぁ。
そして、読者からはキャラ同士が自然に動いているように見えますね。
ということは、キャラが成立していることに相違ありません。
つまり、何が言いたいかと言うと次回にも期待!!
そう言えば、上でもお伝えした通りコミックス3巻が発売。
表紙は1巻の葉子、2巻の渚に続き、獅穂のようです。
予想通り。
こうなると、4巻は茜の順かな?
みかんは後半の切り札か。
ちなみに、上記のあらすじは本作の魅力を伝えられるよう改変を加えてまとめていますが、その面白さを伝えきれていません。
やっぱり、あの絵とコマ割りなどのテンポあっての本作。
是非、「週刊少年チャンピオン」本誌を読んで欲しい。
もう1度繰り返しましょう。
本作に興味を持たれた方には、是非、「週刊少年チャンピオン」本誌を捜して読んで欲しい。
最近の「週刊少年チャンピオン」は「名探偵マーニー」や本作など本当に粒揃いでクオリティが高い作品が多い。
注目の雑誌の1つと言えるでしょう。
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