<ネタバレあらすじ>
登場人物一覧:
里見偲:男性。警視庁機動捜査隊所属。相棒の猪熊と恋人同士。
猪熊夕貴:女性。警視庁機動捜査隊所属。相棒の里見と恋人同士。
橘カラ:女性マネージャー急性アルコール中毒死(実は他殺?)の犯人?猪熊に興味を持つ。
渡:猪熊の寮の向かいに住む。カラを家に置くこととなった。
月本:美容整形外科医。カラと乃花を担当した。
乃花:カラの元同僚。不倫の恋に生きていたがカラに殺害される。
千歳:生活安全課所属。
・前回までのあらすじはこちら。
「サイレーン」第22話「人質志願」(山崎紗也夏作、講談社刊「週刊モーニング」連載)ネタバレ批評(レビュー)
周囲の様子を窺いながら、ナイフ男と対峙するカラ。
ナイフ男は凶刃を奮うが、カラには届かない。
まるで古の剣豪の如く、ヒラリヒラリと紙一重で躱して行く……。
人垣が目隠しとなる中で、猪熊たちが近付いて来た。
これを確認するやカラはナイフ男へと身を寄せる。
ナイフ男がぎょっと驚くのも気に留めず、カラはナイフ男の身体で自身を拘束した。
傍目には人質にされたようにしか見えない。
カラに底知れぬ恐怖を抱いたナイフ男はその脇腹へナイフを突き立てようとするが……。
カラの膂力で腕を押さえられてしまう。
進むも退くも叶わぬ状況だ。
そんなこととは知らない猪熊はナイフ男の注意を惹くべく、立ち塞がる。
その間に背後へと回り込んだ里見が隙を突いて飛び掛かった。
里見がカラを引き剥がし保護する。
猪熊がナイフ男を取り押さえる。
見事な連係プレーであった。
こうして事件は解決した。
カラは呟く「見たいものは見た」と―――24話に続く。
<感想>
「週刊モーニング」では『レンアイ漫画家』や『シマシマ』、『はるか17』などで知られる山崎紗也夏先生の新連載です。
『レンアイ漫画家』は設定と展開が面白くて読みました。
そんな「サイレーン」、内容は刑事もの……しかも男女バディもので、「警視庁機動捜査隊(キソウ)」を取り上げた作品となりました。
設定に「キソウ」を採用している点が珍しいですね。
ドラマでも「キソウ」がメインになった作品は「警視庁機動捜査隊216」くらいか。
・月曜ゴールデン「警視庁機動捜査隊216V 命の値段 知らされなかった誘拐事件が生んだ最悪の偶然!?命か金か?選択を迫られた家族の運命と犯人を繋ぐ社会の暗闇!」(12月24日放送)ネタバレ批評(レビュー)
その第23話。
ちなみにコミックス1巻が2013年9月20日に発売されています、こちらも注目!!
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サブタイトルは「人質志願A」。
カラの狙いは、猪熊の行動を間近に見ることだったか……。
それにしても、カラの膂力は半端ないなぁ。
里見も感じていたけど、それを上回るんじゃないか。
ただ、今回のカラの行動は得られたものと比較するとハイリスクな気が。
ナイフ男にカラの行動を明かされたら疑われるだけだし、それでなくとも目撃者も多いだろうし。
場合によってはマスコミにも注目されかねない気が……少なくとも、目立ち過ぎだろうなぁ。
本人は目立つことを望んでいないようなのに……。
それと、カラにはもっと黒幕的な暗躍を期待しているんだけどなぁ……あまりに前面に出過ぎかな。
こうなると、カラを操る存在―――本当の黒幕が居るような……。
だとすると、月本かなぁ。
怪しいのは月本医師。
彼もまたカラに利用されているのか?
それとも、彼がカラを利用しているのか?
こちらも一波乱あるかも。
さて、此処でまとめ。
目標である捜査一課へひた走る猪熊。
そんな猪熊をターゲットとしてロックオンしたカラ。
そんなカラをターゲットとしてロックオンした里見。
追う者と追われる者の構図が明らかになりつつあるようです。
カラの目的は猪熊からの信頼を得ること。
其処で、カラは人に信頼される要素として2つを上げていました。
1.弱味を見せること。
2.役に立つこと。
猪熊を乃花へと誘導したことが2の「役に立つこと」。
過去に整形したことがあることを明かすことが1の「弱味を見せること」だったか。
まさに、マッチポンプの犯罪だなぁ。
ところが、この行為が里見の警戒心を招くことに。
疑心にまでは至っていないようですが、どうなるか?
ただ、猪熊はカラ寄りになってしまっており、里見との不仲の原因になりそう。
「橘カラの欲しいもの」は「猪熊の正義感」。
これを狙うべく、渡宅に潜り込んだ「第一の作戦」に続き「第二の作戦」。
当然、次に来るのは猪熊を孤立させるべく里見との離間策を狙った「第三の作戦」。
最終的には、一旦喧嘩別れしつつ、カラにより猪熊の危機到来。
これを猪熊を心配していた里見が救う流れになるのか。
今回の描写により、今のカラが整形により手に入れた顔であることが判明。
過去を捨てようとしていたらしいことと併せても、事件の匂い。
やはり、薬局店息子殺人事件に関連ありか。
カラはその名の通り、中身の無い虚ろな「空」。
それゆえに、自身に欠ける物を補おうと求めている。
以前から予測している通り「カラは自身に無い物を持っている対象を特定すると、これに近付き相手を殺害することで、自身に欠けた物を相手から奪う」で正しいようです。
キャバクラの女性マネージャーを殺害し「その垢抜けた佇まい」を奪い、綺麗になった。
タクシー運転手は「自身は選ばれた」と語っていたが「その選ばれた存在であること」を彼を殺害することで奪ったものと思われます。
だとすると、これまでにも同様の犯行を重ねているのが当然。
里見が過去に遭遇した「薬局店息子殺人事件」を皮切りに変貌したものと思われますね。
カラの闇は想像以上に深そうだ。
止められるのは里見と猪熊のカップルのみかも。
これに渡が意外な活躍を示しそうな予感。
果たして、如何なる結末を迎えるのか……24話に期待!!
ちなみに、山崎先生と言えば『七瀬ふたたび』のコミカライズでも知られる方です。
・「七瀬ふたたび」(筒井康隆著、新潮社刊)ネタバレ書評(レビュー)
◆関連過去記事
・「サイレーン」(山崎紗也夏作、講談社刊「週刊モーニング」連載)第1話から20話までネタバレ批評(レビュー)まとめ
・「サイレーン」第21話「正義感の源」(山崎紗也夏作、講談社刊「週刊モーニング」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・「サイレーン」第22話「人質志願」(山崎紗也夏作、講談社刊「週刊モーニング」連載)ネタバレ批評(レビュー)
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