ネタバレあります、注意!!
<あらすじ>
絶食の空腹感と戦う中、おやつ盗難事件が発生!?
「絶食って、何も食べちゃいけないんですか」――体質改善セミナーに参加したメタボな男性4人組。インストラクターの無慈悲な指導によって、耐え難い空腹感が行き場のない怒りへと変わっていく中、冷蔵庫のシュークリームが盗まれる事件が発生する。ミステリマニアの受講者、四谷は探偵役に名乗りを上げるが――!?
爆笑必至の「限定販売特製濃厚プレミアムシュークリーム事件」はじめ、ひと味違う本格ミステリ作品を3編収録!
目次
限定販売特製濃厚プレミアムシュークリーム事件
通い猫ぐるぐる
名探偵南郷九条の失策 怪盗ジャスティスからの予告状
(講談社公式HPより)
<感想>
やっぱり、倉知先生はイイ!!
シリアスからコメディまで、千変万化の作家さんです。
惜しむらくは寡作な事か……。
そんな倉知先生が講談社刊『メフィスト』誌上にて発表された短編群を2ヶ月連続にて短編集として刊行されました。
それが『シュークリーム・パニック 生チョコレート』と『シュークリーム・パニック Wクリーム』の2冊。
『シュークリーム・パニック 生チョコレート』については過去にネタバレ書評(レビュー)してますね。
タイトル通り少しビターな作品を収録した1冊でした。
・『シュークリーム・パニック 生チョコレート』(倉知淳著、講談社刊)ネタバレ書評(レビュー)
と言うワケで『シュークリーム・パニック Wクリーム』は甘々なテイストの作品群を収録した1冊。
収録作は次の3作。
・『限定販売特製濃厚プレミアムシュークリーム事件』
果たして誰が「プレミアムシュークリーム」を盗んだのか。
そもそもアレは許されるのか!?
・『限定販売特性濃厚プレミアムシュークリーム事件』(倉知淳著、講談社メフィスト掲載)ネタバレ書評(レビュー)
・『通い猫ぐるぐる』
愛猫家必読!!「ぐるぐるうずまきちゃん」の描写が可愛〜〜〜いい!!
あらすじは本記事下部の「ネタバレあらすじ」参照のこと。
・『名探偵南郷九条の失策 怪盗ジャスティスからの予告状』
これまたトリッキーな1作。
やはり、アレは許されるのか!?
・『名探偵南郷九条の失策 怪盗ジャスティスからの予告状』(倉知淳著、講談社メフィスト掲載)ネタバレ書評(レビュー)
それにしても、本当に倉知先生は作品の雰囲気の作り方が上手い!!
この雰囲気はあらすじで到底伝えられるものではなく、思い切ってかなり改変しています。
興味を持たれた方は倉知先生の緩急自在ぶりを味わう為にも本作それ自体を読むべし!!
こうなると、猫丸先輩の新作も読みたいぞ!!
<ネタバレあらすじ>
・『通い猫ぐるぐる』
真紀は25歳のOL。
ワンルームマンションに暮らしている。
そんな彼女の心の支えは2つ。
1つは部屋に通って来る猫「ぐるぐるうずまきちゃん」。
おなかの横に渦巻き模様のある猫で、どうやら飼い主宅から通って来ているようだ。
「うずまきちゃん」と遊ぶことは真紀にとって欠かせない。
当然、今日も真紀は「うずまきちゃん」と遊んでいる。
そして、もう1つが……来た!!
真紀が開けた扉の先に立っていたのは恋人の満久。
所轄署の刑事で、結婚を前提に交際中である。
普段は元気いっぱいの彼なのだが、今日は浮かない表情である。
何があったのか真紀が尋ねると……。
近所の資産家・浜尾宅で傷害事件が発生していたのだ。
被害者は主人の浜尾。加害者はその妻・千賀子。
浜尾が愛人と旅行に出かけることを知った千賀子が逆上したらしい。
思わぬ襲撃を受けた浜尾は意識不明となり入院することに。
ところが、此処で困ったことが起こった。
経済事犯専門の2課が浜尾の隠し資産を追っていたのだが、これにより金庫の暗証番号が分からなくなってしまったのだ。
浜尾は飼い猫・琥珀に手掛かりを残していたのだそうだが、当の琥珀も消えてしまっていた。
と、此処で真紀の膝の上を見た満久が止まった。
「そ、それ……」
震える声で指さす満久。
その先にはうずまきちゃんが座っていた。
そう、うずまきちゃんこそが浜尾家の琥珀だったのだ。
では、うずまきちゃんに金庫の番号が隠されていることになる。
真紀と満久はうずまきちゃんを調べることに。
だが、首輪にも特に不審な点は無い。
困り果てた満久だが、真紀があることに気付いた。
もちろん、暗証番号の在処だ。
うずまきちゃんの両手足の切られた爪の本数こそが暗証番号を示していたのだ。
爪は普段は隠れていて見えない。
もし、浜尾に何かあっても放置しておけば爪が伸びて暗証番号を隠し通してくれる。
それが狙いだったのだ―――エンド。
・『限定販売特性濃厚プレミアムシュークリーム事件』(倉知淳著、講談社メフィスト掲載)ネタバレ書評(レビュー)
・『名探偵南郷九条の失策 怪盗ジャスティスからの予告状』(倉知淳著、講談社メフィスト掲載)ネタバレ書評(レビュー)
◆倉知淳先生関連過去記事
【ネタバレ書評(レビュー)】
・『壺中の天国』(倉知淳著、東京創元社刊)ネタバレ書評(レビュー)
・『シュークリーム・パニック 生チョコレート』(倉知淳著、講談社刊)ネタバレ書評(レビュー)
・『現金強奪作戦!(但し現地集合)』(倉知淳著、講談社メフィスト掲載)ネタバレ書評(レビュー)
・『限定販売特性濃厚プレミアムシュークリーム事件』(倉知淳著、講談社メフィスト掲載)ネタバレ書評(レビュー)
・『強運の男』(倉知淳著、講談社メフィスト掲載)ネタバレ書評(レビュー)
・『名探偵南郷九条の失策 怪盗ジャスティスからの予告状』(倉知淳著、講談社メフィスト掲載)ネタバレ書評(レビュー)
・『夏の終わりと僕らの影と』(倉知淳著、講談社メフィスト掲載)ネタバレ書評(レビュー)
・「ミステリ愛。免許皆伝!メフィスト道場 」&「ミステリ魂。校歌斉唱!メフィスト学園」(講談社刊)ネタバレ書評(レビュー)
(収録作『Aカップの男たち』について)
【その他】
・倉知淳さんの「猫丸先輩」が舞台化!!
・倉知淳先生の作品集「なぎなた」&「こめぐら」は東京創元社さんより9月30日発売!!
・倉知淳先生短編集が講談社さんより2013年10月発売予定!!
・倉知淳先生、短編集はよもやの2ヶ月連続刊行予定!!2013年10月『シュークリーム・パニック 金(仮)』に『銀』が続く!?
ラベル:シュークリーム・パニック Wクリーム シュークリーム・パニック 倉知淳 講談社 通い猫ぐるぐる 名探偵南郷九条の失策 怪盗ジャスティスからの予告状 限定販売特製濃厚プレミアムシュークリーム事件
【関連する記事】
- 『どこかでベートーヴェン』(中山七里著、宝島社刊)
- 『通いの軍隊』(筒井康隆著、新潮社刊『おれに関する噂』収録)
- 『クララ殺し』最終話、第6話(小林泰三著、東京創元社刊『ミステリーズ!vol.7..
- 『自殺予定日』(秋吉理香子著、東京創元社刊)
- 『タルタルステーキの罠』(近藤史恵著、東京創元社刊『ミステリーズ!vol.76 ..
- 『歯と胴』(泡坂妻夫著、東京創元社刊『煙の殺意』収録)
- 『迷い箱』(長岡弘樹著、双葉社刊『傍聞き』収録)
- 『噂の女』(奥田英朗著、新潮社刊)
- 『追憶の轍(わだち)』(櫻田智也著、東京創元社刊『ミステリーズ!vol.69 F..
- 『コーイチは、高く飛んだ』(辻堂ゆめ著、宝島社刊)
- 『恋人たちの汀』(倉知淳著、東京創元社刊『ミステリーズ!vol.75 FEBRU..
- 『東京帝大叡古教授』(門井慶喜著、小学館刊)
- 『傍聞き』(長岡弘樹著、双葉社刊『傍聞き』収録)
- 『動機』(横山秀夫著、文藝春秋社刊『動機』収録)
- 『愚行録』(貫井徳郎著、東京創元社刊)
- 『転生の魔 私立探偵飛鳥井の事件簿』(笠井潔著、講談社刊『メフィスト 2016v..
- 『声』(松本清張著、新潮社刊『張込み』収録)
- 『黒い線』(横山秀夫著、文藝春秋社刊『陰の季節』収録)
- 『図書館の殺人』(青崎有吾著、東京創元社刊)
- 『陰の季節』(横山秀夫著、文藝春秋社刊『陰の季節』収録)