ネタバレあります、注意!!
登場人物一覧:
さゆり:謎の少女。4歳ながらとてつもない怪力を誇る。
おじいちゃん:さゆりの保護者。普通の人。
バニー・ラビット:宇宙警察の刑事。
リコス:バニーが追う逃亡犯。
<ネタバレあらすじ>
宇宙警察の刑事であるバニー・ラビットは凶悪犯・リコスを追っていた。
辿り着いた先は地球にある日本の何処かの山の中。
互いの宇宙船は破損し、修復は不可能。
バニーは仲間に助けを依頼しつつ、リコスの追跡を再開する。
もちろん、リコスも無抵抗ではない。
こうして、互いに応戦することに。
異世界のテクノロジーを用いた武器を駆使する2人。
山は震え、木々が燃える。
周囲の被害は甚大だ。
だが、2人にとってそんなことは関係ない。
と、其処へメットを被った4歳児の少女がバットを片手に現れる。
思わぬ現地人の登場に慌てるバニー。
このままでは巻き込んでしまう……。
ところが、その少女の行動はバニーの予測を上回っていた。
バットを振りかぶるや、リコスを殴り付けたのだ。
しかも、百戦錬磨の凶悪犯である筈のリコスがあっさりと気絶させられてしまう。
呆気にとられるバニーの前で、少女は「おじいちゃんの山を壊すな」と告げる。
さらに、少女―――さゆりの制裁はバニーにも向かうことに……。
次にバニーが気付いたとき、其処は日本家屋の居間であった。
見れば、さゆりの前でリコスが正座させられている。
奥にはさゆりの言うおじいちゃんらしき老人がちょこんと腰かけていた。
そして、リコスの頭部にはさゆりに打ち付けられたのであろう大きなコブが!!
あれほどの凶悪犯が形無しである。
チャンスとばかりにリコスを取り押さえようとするバニーだが。
「だから、騒ぐなと言って……」
さゆりに一撃され伸びてしまう。
どうやら、リコスも同じことをしようとしてさゆりに伸されたようだ。
一体、この少女は何者なのか!?
百戦錬磨の筈の彼らを全く寄せ付けない別次元の強さのさゆりに戦慄する2人。
もしかして、地球人は皆こうなのか……?
疑問を解消すべく、その場に居た老人に標的を切り替える2人。
とりあえず襲い掛かるが……あっさりと叩き伏せてしまう。
あれ……?
呆然とするバニーたちの背後には怒りに震えるさゆりが……。
悲鳴を上げる間もなく、2人はボコボコにされてしまうのであった。
数時間後、ようやくさゆりの説教から解放された2人。
さゆりはと言えば、疲れたのか寝入ってしまっている。
こんな姿は普通の4歳児同様だ。
父性本能を刺激されたリコスはさゆりに自身の服を覆いかける。
彼らしからぬ行動をバニーに揶揄されたリコスは激怒。
2人はさゆりが寝ている間に決着をつけるべく再び裏山へ。
数十分後、「けだもの臭い……」身も蓋もない感想を洩らしつつ目覚めたさゆり。
2人の姿がないことに気付く。
同時に遠くの山から爆発音と煙が……。
其処へ近所の住人らがさゆりに助けを求めて来る。
事態を察したさゆりは再度収拾するべくメットとバットを手に三輪車を漕ぎ始める。
その勢いは尋常ではない。
バイクよりも速く、自動車よりも速く、何者よりも速い。
砂煙を上げ爆走するさゆり。
事態を重視し周辺の出入りを禁止した警官たち。
その目に、迫るさゆりが見える。
「あっ、さゆりちゃん。此処は危ないから……」
言い終わる前に、さゆりの三輪車に撥ねられる彼ら。
「ん、目にゴミが……」
さゆりは撥ね飛ばしたことにも気付かず、目のゴミに注意が向いている。
一方、バニーとリコスの戦闘は佳境を迎えつつあった。
リコスが本性を露にしたのだ。
切り札であるレーザー砲を持ち出すリコス。
惑星1つ破壊するほどの威力だそうだ。
これを向けられたバニーは死を覚悟するが……。
引鉄が引かれ、高出力の粒子の帯がバニーに迫る。
その前に、駆け付けたさゆりが立ち塞がることに。
「あっ、危ない!!」
叫ぶバニーだが、間に合う筈もない。
ところが……。
「眩しいでちゅ」
光の帯に目が眩んださゆりはバットを跳ね上げる。
すると、収束していた光の帯自体がそれに伴いあらぬ方向へ打ち上げられた。
そう、バットでレーザーを打ち上げたのだ。
レーザー光は宇宙を進み、幾つかの星を薙ぎ払った。
「ば、ばけもの」
この様子を目にしたリコスは呟くや否や、さゆりの粛清の対象に。
次いで、バニーも騒動の責任として叩き伏せられることに。
夕方、さゆり宅の庭には反省するべく正座させられたバニーとリコスの姿が。
このままではコブが増えるばかりだ。
「おい、救援はまだか?」問うリコス。
「当分、先だ」心底、残念そうに応じるバニー。
今このとき、互いに仇敵である筈の2人の気持ちは合致していたのである―――2話に続く。
<感想>
「週刊少年チャンピオン」にて短期集中連載が開始された福田やすひろ先生の作品。
雑誌を読んでいて、目を惹かれたので読んでみました。
すると、本作かなり面白い!!
「宇宙人IN地球」となると次の2種類がパターン。
1.宇宙人の科学力に地球人ビックリ。
2.特殊能力持ちの地球人の異能に宇宙人ビックリ。
本作は2に当たりますね。
ただ、これに独特な空気感が備わって居る点が良い。
大人も目じゃない怪力を誇るさゆりなのにも関わらず、通常の4歳児同様に「危ないから」と配慮されるなど周囲の大人から可愛がられ大切にされている点がツボでした。
いやぁ、ほっこり胸が温まります。
次回はさゆりの怪力の謎に迫るということで注目ですね。
恐らく、今週と同じくバニーとリコスの反省会でオチになりそうな気がします。
ちなみに、上記のあらすじは本作の魅力を伝えられるよう改変を加えてまとめてみましたが、残念ながらその面白さを伝えきれていませんね。
やっぱり、本作を直接読んで欲しい。
もう1度繰り返しましょう。
本作に興味を持たれた方には、是非、「週刊少年チャンピオン」本誌を捜して読んで欲しい。
最近の「週刊少年チャンピオン」は「名探偵マーニー」や「実は私は」など本当に粒揃いでクオリティが高い作品が多い。
注目の雑誌の1つと言えるでしょう。
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