ネタバレあります、注意!!
<あらすじ>
名探偵・木更津悠也がバラバラ死体の謎に挑む!
待望の新連載スタート!!
(光文社公式HPより)
<感想>
木更津モノの最新作『弦楽器、打楽器とチェレスタのための殺人』連載5回目です。
掲載誌は光文社刊『小説宝石』さん。
第4回で葛子の死についてのポイントが判明。
木更津たちが注目しているのは「銅鑼」「鏡」「砕かれたダイヤ」……そして「ライト」。
5話時点では、人体切断の意味よりもこちらが重要視されているのかな?
そんな中、「鏡」と「ダイヤ」の意味が判明。
それにより、葛子殺害の状況がまた1つ明らかに。
ただ、それがどう犯人に繋がるのかが分からなくなった……。
さらに、銅鑼ことゴングの出所にも意味があるようだし。
タイトル『弦楽器、打楽器とチェレスタのための殺人』にも意味がある筈だが……。
これは第6話も目が離せそうにない。
如何なる結末が待つのか、期待大!!
<ネタバレあらすじ>
・登場人物一覧
木更津:名探偵。香月との関係は……。
香月:今回も香月らしい活躍を……。
村雲:今回の依頼人。
朝霞:村雲の娘、福住とは恋人同士。福住殺害の有力容疑者とされている。
葛子:村雲の後妻で朝霞の継母。第2の被害者に……。
梅昭:村雲の弟。
磐人:村雲の長男。朝霞の兄。
珠代:村雲家の家政婦。
福住:第1の被害者、朝霞の恋人。普愛寮の寮生。
日置:福住の友人。普愛寮の寮生。
岡野:福住の手首を発見したコンビニ店員。
西町恵:岡野の憧れの同僚、コンビニ店員。
〜〜〜前回までのあらすじ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
先輩・西町恵とコンビニのバイトをしていた岡野は切断された手首を発見する。
バラバラ殺人であった。
被害者は大学生・福住。
容疑者はその恋人・朝霞。
この事件に挑むのは木更津と香月。
だが、事件は木更津の頭脳を以てしても膠着状態に陥ってしまう。
果たして、依頼人・村雲の娘である朝霞の無実を証明することが出来るか?
矢先、朝霞の継母である葛子までもが謎の死を遂げてしまう……。
・前回のあらすじはこちら。
『弦楽器、打楽器とチェレスタのための殺人』第4話(麻耶雄嵩著、光文社刊『小説宝石』2013年9月号掲載)ネタバレ書評(レビュー)
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
香月は行き詰っていた。
起死回生を賭けた小説が、編集者から集中砲火を浴びたのだ。
しかも、メイントリック自体が成立しえないことも分かった……いや、分かってしまった。
サブトリックはズボンの裾を片側だけ伸ばすことで……的なもので到底、読者の支持は得られないだろう。
困った香月は「こんなときは木更津」とばかりに彼のもとを訪問する。
ところが、当の木更津も煮詰まっていた。
事件が未だ解決しないからである。
ある程度のところまでは絞り込んでいると語る木更津。
だが、もう一歩のところで詰め切れないらしい。
例えば、福住と葛子の殺害犯は同一犯によるものか、別の犯人によるものか。
あるいは別としても共犯の可能性はないか……などなどだ。
あらゆる可能性を考慮した上で1つ1つ潰して行く木更津の手法を思い浮かべ、その労力に敬意を表したくなる香月。
とりあえず現在までに判明している内容を聞き出すことに。
葛子の頭部を飾っていたダイヤと玄関付近の鏡が割られていたことに意味を見出す木更津。
持ち去るでもなく、隠すでも無かったことから、互いについた傷を隠そうとしていたと推理を述べる。
つまり、犯人は外から葛子の遺体を屋内に運び込んだのだ。
このとき、葛子の頭部にあったダイヤが鏡にぶつかり、傷を残した。
遺体を運び込んだことを知られたくない犯人が、ダイヤと鏡を割ったらしい。
此処から求められる事実は3つ。
1.葛子は外(少なくとも死体発見現場以外の場所)で殺害された。
2.犯人はわざわざ葛子の遺体を現場に運び込み、頭部を切断する必要があった。
3.上記1と2の事実の隠蔽の為にダイヤと鏡を割っていることから、これらは犯人を特定する手がかりとして有効である。
木更津はこれらからある人物に目星をつけているらしいのだが……先にも述べたように決め手に欠けているそうなのだ。
更なる手掛かりを求めた木更津は、普愛寮へと足を運ぶ。
葛子の首が載っていた「銅鑼」こと「ゴング」の出所を珠代に尋ねる木更津。
これにも深い意味があるようだ。
其処へ日置がやって来る―――6話に続く。
【前回までのあらすじはこちら】
・『弦楽器、打楽器とチェレスタのための殺人』第1話(麻耶雄嵩著、光文社刊『小説宝石』2012年10月号掲載)ネタバレ書評(レビュー)
・『弦楽器、打楽器とチェレスタのための殺人』第2話(麻耶雄嵩著、光文社刊『小説宝石』2013年1月号掲載)ネタバレ書評(レビュー)
・『弦楽器、打楽器とチェレスタのための殺人』第3話(麻耶雄嵩著、光文社刊『小説宝石』2013年4月号掲載)ネタバレ書評(レビュー)
・『弦楽器、打楽器とチェレスタのための殺人』第4話(麻耶雄嵩著、光文社刊『小説宝石』2013年9月号掲載)ネタバレ書評(レビュー)
◆関連過去記事
【メルカトル鮎シリーズ】
・「メルカトルかく語りき」(麻耶雄嵩著、講談社刊)ネタバレ書評(レビュー)
・「メフィスト 2010 VOL.1」より「メルカトルかく語りき 第二篇 九州旅行」(講談社刊)ネタバレ書評(レビュー)
・「メフィスト 2010 VOL.3」より「メルカトルかく語りき 最終篇 収束」(麻耶雄嵩著、講談社刊)ネタバレ書評(レビュー)
・『メルカトル鮎 悪人狩り「第1話 囁くもの(メフィスト2011 vol.3掲載)」』(麻耶雄嵩著、講談社刊)ネタバレ書評(レビュー)
・『氷山の一角』(麻耶雄嵩著、角川書店刊『赤に捧げる殺意』収録)ネタバレ書評(レビュー)
【木更津シリーズ】
・『弦楽器、打楽器とチェレスタのための殺人』第1話(麻耶雄嵩著、光文社刊『小説宝石』2012年10月号掲載)ネタバレ書評(レビュー)
・『弦楽器、打楽器とチェレスタのための殺人』第2話(麻耶雄嵩著、光文社刊『小説宝石』2013年1月号掲載)ネタバレ書評(レビュー)
・『弦楽器、打楽器とチェレスタのための殺人』第3話(麻耶雄嵩著、光文社刊『小説宝石』2013年4月号掲載)ネタバレ書評(レビュー)
・『弦楽器、打楽器とチェレスタのための殺人』第4話(麻耶雄嵩著、光文社刊『小説宝石』2013年9月号掲載)ネタバレ書評(レビュー)
【おじさんシリーズ】
・『失くした御守』(麻耶雄嵩著、新潮社『Mystery Seller(ミステリーセラー)』掲載)ネタバレ書評(レビュー)
・『転校性と放火魔』(麻耶雄嵩著、新潮社『小説新潮 2012年02月号』掲載)ネタバレ書評(レビュー)
・『最後の海』(麻耶雄嵩著、新潮社刊『小説新潮』2013年02月号掲載)ネタバレ書評(レビュー)
・『旧友』(麻耶雄嵩著、新潮社刊『小説新潮』2013年09月号掲載)ネタバレ書評(レビュー)
【神様シリーズ】
・オール讀物増刊「オールスイリ」(文藝春秋社刊)を読んで(米澤穂信「軽い雨」&麻耶雄嵩「少年探偵団と神様」ネタバレ書評)
・『バレンタイン昔語り』ネタバレ書評(レビュー)はこちら。
『オール・スイリ2012』(文藝春秋社刊)ネタバレ書評(レビュー)
・『さよなら、神様』(麻耶雄嵩著、文藝春秋社刊『オール読物』2013年10月号掲載)ネタバレ書評(レビュー)
【貴族探偵シリーズ】
・『貴族探偵』(集英社刊)ネタバレ書評(レビュー)
・『貴族探偵対女探偵』(麻耶雄嵩著、集英社刊)ネタバレ書評(レビュー)
【その他】
・「隻眼の少女」(麻耶雄嵩著、文藝春秋社刊)ネタバレ書評(レビュー)
・話題の新作「TRICK×LOGIC(トリックロジック)」収録シナリオが明らかに!!
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