2013年11月02日

金曜プレステージ「壮絶!女のミステリー第1弾 森村誠一サスペンス 孤独の密葬〜翻訳家の殺人推理〜死んだ女は部屋の前の住人だった 死者に届く手紙の罠…執拗な老女…誘う男…次に殺されるのは私」(11月1日放送)ネタバレ批評(レビュー)

金曜プレステージ「壮絶!女のミステリー第1弾 森村誠一サスペンス 孤独の密葬〜翻訳家の殺人推理〜死んだ女は部屋の前の住人だった 死者に届く手紙の罠…執拗な老女…誘う男…次に殺されるのは私」(11月1日放送)ネタバレ批評(レビュー)です!!

<あらすじ>

中川素子(木村佳乃)は、翻訳を請け負うフリーライター。翻訳と言っても、別の人が監修を行う下訳が主な仕事で言わばゴーストライターだ。もちろん、下訳の仕事だけでは生活がままならず、素子はネットカフェでアルバイトもしており、孤独な日々を過ごしている。バイト先のテレビで、独り暮らしの30代後半の女性が死後10日経過した状態で発見されたニュースが伝えられると、20代のバイト仲間から「先輩も孤独死とかやめてくださいね」などと言われる始末。
ある日、素子が引っ越したばかりのアパートに戻ると、「西沢満智子様」宛ての見知らぬ封筒が届いていた。その時は、あまり気にも留めなかったが、後日、以前ニュースで見た女性の孤独死について調べていると、亡くなったのが西沢満智子だったことが判明する。慌てて、間違えて届いていた封筒を開けると、中身はラブレターだった。
すると、素子の部屋のドアノブが回される。ドアを開けると、「部屋の中を見せてほしい」と見知らぬ女性が半ば強引に入ってくる。女性は西沢満智子の母親・由美子(江波杏子)だった。素子は、由美子の「娘が最後に暮らした部屋を見せてほしい」という願いを受け入れる。由美子はキッチンを見ると、持っていた写真を取り出し、素子に見せる。そこには、同じキッチンを背景に、エプロンをした満智子が写っていた。由美子によると、満智子は家賃が払えなくなり部屋を追い出され、最後はネットカフェで寝泊まりしていたという。
同じ部屋に住んでいた満智子のことを、ひとごととは思えなくなった素子は、満智子の事件について独自に調査を始める。満智子の足跡をたどっていく中、ウォーキングサークルの代表・桜田靖雄(萩原聖人)、サークルのメンバーの田畑エリカ(倉科カナ)らと知り合う素子。複雑な人間関係が、満智子の孤独死の真相に結びついていく。果たして、孤独死にまつわる悲しすぎる事件の全貌とは?
(公式HPより)


では、続きから(一部、重複アリ)……。

中川素子は翻訳を請け負うフリーライター。
とは言え、下訳が主な仕事で言うなればゴーストライターだ。
しかし、これだけでは生活は維持できず、ネットカフェのアルバイトも行っている。

共に笑う仲間も居ない。
共に涙する家族も居ない。
共にドキドキする恋人も居ない。
充実できる仕事もない。
将来への展望も、夢もない。
その日を生き抜くのが精一杯で、ときめくような出会いも無く、潤いも無い。
ただ無い事ばかりがある……そんな、孤独に生きる日々を過ごしていた。

そんな中、素子は気分転換もかねて引越しすることにした。
すると、引っ越し先のアパートに「西沢満智子様」宛の手紙が届く。
どうやら、素子の前の居住者のようだ。
中を見ると、満智子に宛てた熱烈なラブレターであった。
こんなにも愛してくれる人が居るなんて……自身を顧みて意気消沈する素子。

数日後、独り暮らしの30代後半女性の殺人事件がニュースになった。
被害者は死後10日経過した状態で発見されたらしい。
その被害者こそ、西沢満智子であった。
ラブレターが気にかかり始めた素子。

ある夜、素子の部屋のドアノブが回された。
おそるおそる素子がドアを開けると、其処には年嵩の女性が立っていた。
女性は素子の了承も得ず「部屋の中を見せてほしい」と強引に部屋へと押し入る。

女性は自身を西沢満智子の母親・由美子と名乗る。
由美子は「娘が最後に暮らした部屋を見せてほしい」と懇願。
素子はこれを受け入れる。

素子に好感を抱いた様子の由美子。
持っていた写真を取り出し素子に見せてくれた。
写真には、同じキッチンを背景にエプロンを身に着けた満智子が写っていた。
満智子は家賃が払えなくなり部屋を追い出され、最後はネットカフェで寝泊まりしていたらしいが……。

満智子のことがどうにも気になって仕方がない素子は事件について調査を始める。
満智子の足跡をたどっていく中で、ウォーキングサークルの代表・桜田靖雄、サークルのメンバーの田畑エリカらと知り合いになった。

エリカには恋人が居るらしい。
エリカが語る恋人とのアツアツぶりに、孤独を感じる素子。

比例するように、孤独を癒してくれる桜田に惹かれて行く。
遂には交際することに。
ところが、桜田はサークルの為として素子から借金を重ね始める。
だが、素子はこれこそ求められているということだと自身を納得させる。

ところが、交際を開始した途端、奇妙な脅迫状が素子のもとに届き始める。

矢先、満智子に母親が居ないことが判明。
では、由美子とは誰だったのか?
不安に思う素子の前に、再び由美子が現れる。
「あなたは誰なの?」と詰め寄る素子に「桜田には気を付けなさい」とのみ口にする由美子。

由美子の言葉が気にかかり始めた素子。
その夜、素子のもとへやって来た桜田はキッチンをバックに素子の写真を撮影する。
その構図は例の満智子の写真そっくりであった。
さらに、素子に借金を重ねようとする桜田。

素子は桜田こそが満智子の恋人で、同じように金を絞れるだけ絞り取ると彼女を殺したのではないかと考える。
これを桜田に告げた途端、桜田は豹変。
素子を殺そうとする。

其処へバタバタを警察が駆け付ける。
桜田は殺人未遂の現行犯で逮捕されることに。

警察を呼んだのは由美子であった。
由美子は本当に満智子の母であった。
だが、生んだ直後に手放していた。
素子が満智子のように思えたので、じっと見守っていたらしい。

満智子が更新していたと言うブログを由美子と共に見る素子。
ところが、ブログ記事の写真に写り込んでいた手からブログの主が満智子ではないと由美子が指摘する。
素子にはその手に覚えがあった。

一方、素子の殺人未遂で逮捕された桜田。
桜田は満智子を騙し貢がせていた。
だが、その殺害は否定する。
そんな桜田の前にある女性が登場。
結婚を迫るのだが……桜田は「ワケが分からない」と拒否する。
どうやら、本当に理由が分からないようだ。

その翌日、教会にウエディングドレスを着込んだ女性が1人で立っていた。
新郎は現れない。
彼女1人のウェディングだ。
それだけ、彼女の心は夫であり恋人を求めていた。

其処へ素子が現れる。
振り向いた新婦の正体は―――エリカであった。

素子はエリカが満智子を殺害したと告発する。
これを当然のようにあっさりと認めるエリカ。

エリカは桜田を愛していた。
桜田と共に居る満智子を許せなかったらしい。
其処で満智子を殺害した。
素子に脅迫状を送り付けたのもエリカである。

そして―――桜田に結婚を迫り、拒否されたのもエリカであった。
エリカは孤独のあまり、桜田のストーカーと化していたのだ。
エリカには恋人などそもそも居なかったのだ。

「私は本当に此処に居るの?」
自身の存在の曖昧さに耐えられず、叫び出すエリカ。

「私も同じだよ。でも、あなたは人の命を奪った……」
素子の言葉にエリカはそれまでとは一変して、静かに頷く。
罪を認めたエリカは逮捕された。

こうして、被害者も加害者も関係者も誰1人救われない孤独な事件は幕を閉じた。

素子は満智子宛に届いた例のラブレターを由美子に渡す。
ところが、一目見るなり由美子は涙を浮かべる。
満智子宛のラブレター、その差出人は満智子自身だったのだ……。
素子は言葉を失う。

素子は部屋を引き払うことにした。
この部屋には辛い想い出が多過ぎた。
素子たちは恋に落ちたつもりで、孤独の罠に堕ちたのだ。
この部屋はその様子をじっと眺めていたに違いない。
そう思うと、なんだか居た堪れなくなったのである。

去り行く素子、その背後には部屋の壁がある。
部屋の壁紙……其処に浮かび上がる2つのシミ。
それは凝視する人の両目のようであった―――エンド。

<感想>

3週連続で放送される「壮絶!女のミステリー」第1弾。

「金曜プレステージ」にて「壮絶!女のミステリー」が3週連続で放送!!

ドラマ原作は森村誠一先生『孤独の密葬』。

では、ドラマ版の感想を!!

素子、満智子、エリカ、由美子、桜田と登場人物全員が孤独な人物でしたね。
皆、同じ孤独な人物なのに素子と由美子を除き互いに互いを傷付け合った。

素子は先行きに不安を抱え、孤独に怯えている。
それゆえに桜田に溺れかけた。
だが、満智子という先達と由美子が居た為に救われた。
彼女は自身が孤独に取り込まれていたことに気付きました。
どう行動するかは彼女次第でしょう。

満智子は母も無く(本当は由美子が居たのだが)先行きに不安を抱え、孤独に怯えていた。
それゆえに桜田に溺れた。
だが、桜田の本性に気付き、なおさら孤独を深めた。
結果、自身が愛を求めるばかりに自分宛ての手紙を書くことに。
そして、桜田のストーカーに殺害されてしまう。
どこまでも孤独でした。

エリカもまた孤独感から、自身の存在の曖昧さに耐えられなくなった。
其処で桜田に頼った。
だが、桜田はそもそもエリカを見ていなかった。
桜田と満智子の姿に一方的に傷付き続け、自然、エリカは一方的に桜田への想いをこじらせストーカーと化した。
最後には暴走し、満智子を手にかけることに。
それでも、満足感は得られなかった筈です。
どこまでも孤独でした。

由美子は娘・満智子と別れて生活し、孤独であった。
遂にはその娘を永遠に失ってしまう。
それゆえに、同じ境遇の素子を救おうと奔走した。
此の点は本作唯一の救いでしたね。

桜田は孤独な生い立ち故に、愛を知らず金のみに頼った。
だからこそ、満智子も彼を信じきることが出来なかった。
素子と出会ってもなお、最後まで金が優先でした。
彼もまた欲望を充たした物の、どこまでも孤独でした。

本作では、素子と由美子の関係のみが救いでしたね。
それにしても、エリカのインパクトが凄いな。

エリカは桜田の一方的なストーカーだったんだろうな。
映像を見る限りは全く相手にされていなかったようだし。
結婚詐欺師の桜田にさえ敬遠されるエリカ……恐るべし。

ただ、ラストがホラー落ちだったのは残念かな。
「もっとも怖いのは人の心」でまとまっていたのに……。
此の点が個人的には悔やまれますね。

とは言え、全体的に展開から目が離せない正統派のサスペンスに仕上がっており面白かったと思います。

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【その他ドラマ】
金曜プレステージ「3週連続・罪と女とミステリー第1夜! 森村誠一サスペンス・破婚の条件〜夫殺しを夢みた秘密の殺人日記 その夜、傲慢夫は既に殺されていた!追い詰められ墜ちてゆく女は極限の果てに!悲しい女の業を描いた本格サスペンス」(8月26日放送)ネタバレ批評(レビュー)

月曜ゴールデン「森村誠一サスペンス 正義の証明 私刑人が起こす連続狙撃事件、法か?個人か?2つの正義に心がゆれる刑事たち、人として本当の正義とは何なのか?」(9月26日放送)ネタバレ批評(レビュー)

金曜プレステージ「二週連続特別企画 森村誠一 女のサスペンス『捜査線上のアリア』麗しきアリアと共に蘇る名作ミステリー!美しき青年死体。疑われた女流作家は文豪のアリバイを崩せるか」(6月22日放送)ネタバレ批評(レビュー)

金曜プレステージ「二週連続特別企画 森村誠一 女のサスペンス『マリッジ』 その花嫁は地獄からやってきた…純白の誓いは真紅の嘘、隣で眠る妻は殺人犯?暴かれゆく恐怖の素顔、練炭…食中毒…血染めの結婚生活はじまる」(6月29日放送)ネタバレ批評(レビュー)

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【アタミステリー紀行関連】
『ただ一人の異性』(森村誠一著、アタミステリー紀行2011より)ネタバレ書評(レビュー)

「アタミステリー紀行2010」結果が発表される

「熱海の靴屋」(森村誠一著、アタミステリー紀行2010より)3つのミスにチャレンジ!!

近付く「アタミステリー紀行2010」の足音……

アタミステリーへの誘い……
(アタミステリー紀行2009について触れた過去記事です)

【その他】
知ってましたか?森村誠一先生『人間の証明』が韓流ドラマに!!その名も『ロイヤルファミリー』!!

森村誠一先生「義仲・巴ネットワークフォーラム・イン・富山」にて講演

クリスマス(12月24日)の森村誠一さん!!
(「森村誠一 謎の奥の細道をたどる」についての過去記事です)

<キャスト>

木村佳乃
萩原聖人
倉科カナ
吉田羊
尾上紫
中野裕太
加藤虎ノ介
村杉蝉之介
上間美緒
江波杏子 ほか
(順不同、敬称略、公式HPより転載)


「殺意を飼う女 (中公文庫)」です!!
殺意を飼う女 (中公文庫)



【関連する記事】
この記事へのコメント
おはよう。

何か、かなり内容がぶっ飛んでましたねぇ。

でも、金プレはこの路線でいいと思います。
個人的には、なかなか面白かったので。

最後のホラー落ちは、自分も止めてほしいですね!(シラケるので)


Posted by ピエロ at 2013年11月02日 08:37
Re:ピエロさん

こんばんわ!!
管理人の“俺”です(^O^)/!!

やっぱり、ラストが少し残念ですよね。
「もっとも怖いのは人の心」で締めで良かった気がします。

とはいえ、全体的には集中して視聴出来ました。
次週の「財前一二三」も期待!!
Posted by 俺 at 2013年11月03日 00:17
管理人さん、はじめまして。
ブルーレイに録画して見たのですが、容量不足だったらしく途中で切れてまして、最後どうなったのか検索していたらこちらにたどりつきました。
結末が分かってホッとしました。
ありがとうございました。
Posted by ゆのじのママ at 2013年11月05日 23:44
Re:ゆのじのママさん

こんばんわ!!
管理人の“俺”です(^O^)/!!

コメントありがとうございます!!
本ブログは管理人自身の備忘録兼ドラマ視聴日記になってます。お役に立てたなら本当に嬉しいです!!
記事更新の励みにします(^O^)/!!
Posted by 俺 at 2013年11月06日 20:44
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