2013年11月09日

「サイレーン」第26話「悶々」(山崎紗也夏作、講談社刊「週刊モーニング」連載)ネタバレ批評(レビュー)

「サイレーン」第26話「悶々」(山崎紗也夏作、講談社刊「週刊モーニング」連載)ネタバレ批評(レビュー)です。

<ネタバレあらすじ>

登場人物一覧:
里見偲:男性。警視庁機動捜査隊所属。相棒の猪熊と恋人同士。
猪熊夕貴:女性。警視庁機動捜査隊所属。相棒の里見と恋人同士。
橘カラ:女性マネージャー急性アルコール中毒死(実は他殺?)の犯人?猪熊に興味を持つ。
渡:猪熊の寮の向かいに住む。カラを家に置くこととなった。
月本:美容整形外科医。カラと乃花を担当した。
乃花:カラの元同僚。不倫の恋に生きていたがカラに殺害される。
千歳:生活安全課所属。
レナ:里見が潜入捜査を行った先の関係者。
アイ:里見が潜入捜査を行った先の関係者。

・前回までのあらすじはこちら。
「サイレーン」第25話「潜入」(山崎紗也夏作、講談社刊「週刊モーニング」連載)ネタバレ批評(レビュー)

売春クラブに潜入捜査を行った里見。
彼は此処では高見と名乗っていた。

しかし……里見は現状に大きく戸惑っていた。
1対1でクラブについて聞き出せればと思っていた里見。
だが、ベットのサイズと間違えてダブルと注文したことで双子のコールガールが派遣されて来たのだ。

2人はレナとアイと名乗った。
物静かなレナに、お喋りなアイ。

2人は早速ことに及ぼうとするが、里見は「とりあえず君たちのことを知ってからにしたい」と主張しこれを拒否する。
だが、2人は里見に身体を寄せて来る。
左右から魅力的な香りを漂わせて近付く2人に理性の箍が緩みかける里見。

これはマズイと感じた里見は、一旦、トイレに逃げ込み態勢を立て直す。
とりあえず、話を聞くにしても2人同時では口が堅くなる。
1人に絞り込むべきだろう。

油断させる意味もあり、たい焼きが食べたいとごね出す里見。
代金は自分持ちでレナに買い出しに行かせることに。
店舗も指定した以上、それなりに時間は稼げるだろう。

レナが出かけたことを確認した里見はアイへと向き直る。
此処で里見はあることに気付いた。

レナとアイの声が双子にも関わらず似てないのだ。
此の違和感を重要視した里見はアイに質問としてぶつけてみる。

すると、意外な答えが。
なんと、レナとアイは双子ではなく他人だったのだ。
2人はもともと親友同士、整形していく内にソックリになってしまったのだと言う。
コールガールをしているのは整形代金を捻出する為もあるらしい。

セレブという触れ込みながらセレブらしからぬ里見の人柄にほだされたのか、饒舌になるアイ。
他にもいろいろな要望に応えられる人材が用意されているらしい。
中には年端のいかない子供も居ると言う。

ふと思いついた里見は「整形したのは月本先生かな?」と問う。
当初は警戒するアイだが「実は此処に来たのも月本先生の紹介なんだ」と里見が嘘を吐くと、安心したのか意外な事実を打ち明ける。
なんと、この売春クラブのオーナーこそ月本だったのだ―――27話に続く。

<感想>

「週刊モーニング」では『レンアイ漫画家』や『シマシマ』、『はるか17』などで知られる山崎紗也夏先生の新連載です。
『レンアイ漫画家』は設定と展開が面白くて読みました。

そんな「サイレーン」、内容は刑事もの……しかも男女バディもので、「警視庁機動捜査隊(キソウ)」を取り上げた作品となりました。
設定に「キソウ」を採用している点が珍しいですね。
ドラマでも「キソウ」がメインになった作品は「警視庁機動捜査隊216」くらいか。

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その第26話。
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サブタイトルは「悶々」。
そのものずばり、アイとレナと接した里見の気持ちを示していますね。
そしてもう1つ、月本の裏の顔を知ったことによる驚きもそれには含まれているのでしょう。
明快ならざる悶々とした気持ちの里見。
そして、意外な正体が明らかになった月本。

月本は自身が担当した患者をコールガールにしているのか。
だとすれば、月本の暗部を知るカラもメンバーの1人か。

それにしても、里見にこの秘密を洩らしたアイ。
危険なのではないでしょうか……果たしてどうなる!?

そして、正義感を得るべく「悪人に裁き」を与えることを決めたカラ。
つまり、月本もカラの裁きの対象なんでは……こちらも気になる。

さて、此処でまとめ。

目標である捜査一課へひた走る猪熊。
そんな猪熊をターゲットとしてロックオンしたカラ。
そんなカラをターゲットとしてロックオンした里見。
追う者と追われる者の構図が明らかになりつつあるようです。

そして、今のカラが整形により手に入れた顔であることが判明。
過去を捨てようとしていたらしいことと併せても、事件の匂い。
やはり、薬局店息子殺人事件に関連ありか。

カラはその名の通り、中身の無い虚ろな「空」。
それゆえに、自身に欠ける物を補おうと求めている。
以前から予測している通り「カラは自身に無い物を持っている対象を特定すると、これに近付き相手を殺害することで、自身に欠けた物を相手から奪う」で正しいようです。

キャバクラの女性マネージャーを殺害し「その垢抜けた佇まい」を奪い、綺麗になった。
タクシー運転手は「自身は選ばれた」と語っていたが「その選ばれた存在であること」を彼を殺害することで奪ったものと思われます。
だとすると、これまでにも同様の犯行を重ねているのが当然。
里見が過去に遭遇した「薬局店息子殺人事件」を皮切りに変貌したものと思われますね。
カラの闇は想像以上に深そうだ。

止められるのは里見と猪熊のカップルのみかも。
これに渡が意外な活躍を示しそうな予感。
果たして、如何なる結末を迎えるのか……27話に期待!!

ちなみに、山崎先生と言えば『七瀬ふたたび』のコミカライズでも知られる方です。

「七瀬ふたたび」(筒井康隆著、新潮社刊)ネタバレ書評(レビュー)

◆関連過去記事
「サイレーン」(山崎紗也夏作、講談社刊「週刊モーニング」連載)第1話から20話までネタバレ批評(レビュー)まとめ

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「サイレーン」第25話「潜入」(山崎紗也夏作、講談社刊「週刊モーニング」連載)ネタバレ批評(レビュー)

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posted by 俺 at 12:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 漫画批評(レビュー) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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