2013年11月06日

「リピートアフターミー」最終話(第9話)「リピートアフターミー」(ヤマモトマナブ作、マッグガーデン刊「月刊コミックブレイド 12月号」掲載)ネタバレ批評(レビュー)

「リピートアフターミー」最終話(第9話)「リピートアフターミー」(ヤマモトマナブ作、マッグガーデン刊「月刊コミックブレイド 12月号」掲載)ネタバレ批評(レビュー)です。

ネタバレあります、注意!!

最終話登場人物一覧:
三好善美:主人公、善行ポイントを集めている。ループの中心。
九條:上司(大浦)に解雇通告を受けた男。善美と共に事件解決に挑む。ループを理解している。
大浦:九條を解雇した。何故か何度も「通行止め」の手で殺害されてしまう。
石名坂:九條の同僚。何かある?
佐藤:野球部のエース。1周目以降、善美からコンビニ強盗対策に使われている。
小田桐:善美がバイトするコンビニの先輩。3周目で「通行止め」に殺害される。
アイカ:善美の親友。
時雨零子:元・アイカの担任教師。晴華の死がきっかけで現在は引き籠りになっている。
時雨晴華:零子の娘。事故で死亡した。
寄谷得人(ダニエル):委員長。名前の真ん中(谷得)を取って「ダニエル」と呼ばれている。
寄谷父:「ナカハシ」に勤務するサラリーマン。5周目で死亡してしまう。
伊藤博士:バスに迷っていたところを善美が助けた老人。但し、間違ったバスを教えられている。
矢田刑事:3話で九條を逮捕した刑事。
成田刑事:矢田の後輩だが……。
通行止め:街で噂の連続殺人鬼。
謎の少女:善美が助けた謎の少女、実は……。

<ネタバレあらすじ>

「通行止め」の正体は、1個人ではなく娘・晴華を失ったことに絶望した時雨零子が率いる世界規模の犯罪グループであった。
世界を呪う零子は、上水道に毒物を混入する計画を実行に移そうとしていた。

一方、善美の善行に世界が応えようとしていた。

まずは、九條。
本来ならば大浦に退職させられた上、大浦殺害の罪まで着せられコンビニ強盗となる彼(1話参照)。
だが、善美と関わったことで自ら汚名返上の機会を得て、また大浦の事情を知り(7話参照)遂に彼を救うことに成功した。
善美に救われたと誰よりも強く感じる九條は、今度は善美を助けたいと決意。
アイカについて悩んでいることを知るや、その苦境を救うべく善美とアイカの転落予定のビルへと向かう。

そいて、大浦。
時間は遡るがその日の朝、嫌気がさし「通行止め」の計画指令書が納められたキーホルダーを自宅ゴミ箱に捨てた彼。
大浦の妻がそれと知らずにゴミ出しへと出かけた。
此処に善美が行き当たり、重そうなゴミを代わりに捨てることに。
この際、中身からキーホルダーが零れ落ちた。
見覚えのあった妻はこれを拾うと大浦へと手渡す。
これが巡り巡って九條の手に渡り、善美とダニエルが解析することとなった(6、7話参照)。
この際、解析に協力したダニエルの祖母はループ中に善美がバスで座席を譲っている老女であった(6、7話参照)。

さらに、3週目で死亡する筈だったコンビニの小田桐もそれと知らずに善美に命を救われた1人(1話から3話での出来事)。
今日も懲りずに本来であれば彼の致命傷となっていた合コンに参加していた。
合コンは大成功らしく上機嫌の小田桐は2次会への道中で、ヤケ酒を呷り酔っ払った会社員に出会う。
部下の発注ミスにより抱えたヌイグルミの処分に困ったと繰り返す彼。
彼の正体はダニエルの父の上司だ。
上司は抱えた在庫を売り切ることが出来ず、すべて損失に繋がると信じ込んでいた。
上機嫌の小田桐と不機嫌の極みの上司。
両極端の2人だが、何故かその場で意気投合し行動を共にすることに。
2人の様子に釣られた酔っ払いたちがこれに同行し、街中を彷徨い歩く。

その頃、当のダニエルたちは、善美によりヌイグルミを売り切ることに成功していた(5話での出来事)。
なんとか助かったと胸を撫で下ろすダニエルとその父。
其処へ九條が飛び込んで来た。
善美が転落するビルへ向かう為に車を借りようとしたのだ。
ループを知るダニエルは恩人の危機もあり、父に頼み車を貸すことに。
こうして、九條とダニエルは合流しビルへと移動する。

その少し前、善美に間違ったバスへ乗るよう指示された老人が居た(6話参照)。
彼は誤りに気付かず終点までバスに揺られた。
実は息子一家と団欒予定であった彼は、息子に少し遅くなると連絡を入れる。
バスから降りた彼は自身が経営する会社へと駆け込む。
その名は「ナカハシ」。
老人の名は伊藤博士、ダニエルの父が勤務する「ナカハシ」の創業者だったのだ。
ダニエルの父の車に同乗した伊藤老人は九條たちと合流し、ビルへと向かう。
息子一家が待っている先も其処だったのだ。

そして、伊藤の息子一家。
伊藤老人が目に入れても痛くない孫こそは、善美が迷子から救った少年であった。
一家は伊藤老人と落ち合うべくビルへと移動。
ビル直前にて、屋台の風船屋を目にした伊藤の孫は大喜びで道路を横断してしまう。
其処へ猛スピードの車が突っ込む、車は先を急ぐ九條たちだ。

危ない―――そのとき!!

時間は遡り、善美は学校でCDを友人に貸していた(1話参照)。
友人は自宅でこれを聞き、1人でも多くの人に同じ曲を聞いて貰うべくラジオ番組にリクエストする。
ところが、ラジオ局ではCDを誤り、爆破の効果音を流してしまう。

バァン!!

ラジオを流していた九條たちの車は其処から溢れ出した爆破音に動転。
ハンドルを慌てて切ってしまう。
だが、これにより伊藤の孫を撥ねることは避けられた。

こうして、伊藤と伊藤の息子一家は合流することに。
この騒ぎを聞きつけて、小田桐たちもビル前へ集まって来る。

現場に辿り着いた九條たちだが、ビルの屋上では既に事が起こっていた(8話参照)。
善美はアイカを救うべく説得を開始。

ループにより、善美が転落する可能性が高いことを知る九條は落下地点に「ナカハシくん人形」の段ボールを積み始める。
これにダニエルや、興味を持った小田桐たちも参加。
短時間で段ボールは積み上がった。

しかし……九條が改めて見上げれば、善美たちの位置はさらにずれている。
しかも、風が吹き始め……。
九條は善美の落下地点を修正するべく、ビル内へと突入する。

同じ頃、伊藤は孫の要望で風船をあるだけ全部購入しようとしていた。
かなりの数になるらしい。

そして、零子が善美とアイカを突き落とした(8話参照)。
間に合わない―――咄嗟の判断で九條はビルのオフィスからテーブルで窓を叩き割ると、落下する善美たちへ向けて飛び付く。
テーブルは真下へ落下し、風船屋の屋台を叩き潰してしまう。
潰れた風船屋からは、多くの風船が宙に舞った。

これを風船好きの神様がつられるように追いかける。
風船はビルの屋上へとふわりふわり舞い上がる。

一方、段ボールへと落下し一命を取り留めた善美だが、肝心のアイカの姿が無い。
またも、助けられなかった善美は「駄目だ……私では救えない」と涙する。
「善行ポイントなんて、何の意味もないじゃない!!」
親友1人救えなかった無力感を怒りと共にぶつける善美。

其処に九條が声をかける、その隣にはアイカが居た。
善美の行動は無駄では無かったのだ。
九條とアイカは「善美に救われた」と訴え「他にも多くの人が救われている筈だ」と伝える。
善美を励ますべくアイカは「すまいるノート」に9万9998個目の善行として「私を救ってくれたこと」と書き込む。

残るは2善。
「だが、世界を救えなかった……」と呟く九條の言葉を、善美は「何を言ってるの」と否定する。
善美の瞳は風船を追いかける神様の姿を捉えていたのだ……。
そして、屋上には彼女が居る!!

その頃、嬉々として風船を追っていた神様だったが、ある人物に見つかり「しまった……」と冷や汗を流す事態に。
屋上には零子が居たのだ。

「あの娘が居ないこんな世界なんて……」
計画へのGOサインを出そうとしていた零子。
ところが、目の前を当のあの娘が飛んでいるではないか!!

「晴華、晴華なの!?」
激しく動揺する零子。
だが、動揺具合では神様も負けてはいない。
こんなとき、どうすれば……焦る神様の脳裏に迷子と間違われた際に発するべき言葉として教わった善美の台詞が甦る(3話参照)。

ビルの下では、屋上での展開を予測しニヤニヤ笑いを浮かべる善美が居た。
もはや、先程までの意気消沈ぶりは何処へやら。
すっかり、いつもの彼女のペースである。
善美は叫ぶ「ほら、教えたでしょ。リピートアフターミー」と。

そして、屋上では神様が善美に教えられた通りの言葉を口にしていた。
「ママを探して!!」
咄嗟にそう口にする神様。
これを聞いた零子は「晴華が私を探しに来た」と勘違いする。

零子は「自分は此処に居る。この通り、晴華を奪った世界に復讐するんだ」と正当性を伝えようとするが……。
晴華ではない神様はこの場を何とか切り抜けたいとの想いばかり、善美たちに教わった通りの台詞を口にし続ける。

神様の台詞を「私が知るママはもう居ない」と受け取った零子。
それは奇しくも、娘・晴華の存在が全てであった零子への否定の言葉である。
「私が間違っていると言うの……」
自身の存在を亡き娘と思われる相手から否定された零子は放心。
その隙を突き、その場を逃げ去る神様。

1人残された零子は計画中止をメンバーに通達する。
こうして、世界は救われた。

何やらよく分からないが、熱狂のままにお祭り騒ぎとなっているビルの下。
其処へ零子が下りて来た。
零子は善美に敗北を認め、出頭することを約束する。
去り際、置き土産と称して9万9999個目の善行ポイントをノートに残す。
其処には「テロを未然に防いだ」と記されていた。

此処で0時00分に。
ループを無事乗り越えた九條たちは達成感に包まれる。
もっとも、1人善美は「あと、1個だったのに……」と不満げだ。
本日中の10万善が達成されなかったからである。

しかし……。

善美が「すまいるノート」に再び目を落としたとき、奇跡が起きた。
神様の名で10万善目のポイントが記されていたのだ。
今度こそ、本当に歓喜に包まれる善美。
善美のバイタリティに呆れるやら感心するやらの九條とアイカ。
とはいえ、そんな善美にだからこそ救われたのだ。

そして……空をふわふわと飛ぶ神様。
今回の失敗が叱責されないかどうかを不安がっていた。
だが、善美の台詞を用い上手く誤魔化したのだからそう大事にはなるまい……たぶん。

そう言えば―――晴華に良く似た神様は思う。
善美は凄い奴だ。
自身が意図せず彼女のペースに巻き込まれ、何時の間にか彼女の役に立たされていた。
もしかしたら、そもそもの出会いすらも彼女に引き寄せられたのかもしれない。
それにしても、本当に凄い奴だ。
彼女は誰に与えられるでもなく、自ら奇跡を起こしたのだから―――「リピートアフターミー」完。

<感想>

「月刊コミックブレイド」にて連載が開始されたヤマモトマナブ先生の作品です。
「善行をポイント化することが生きがいの女子高生が、ひょんなことから同じ1日を10回繰り返す」ことになる作品。
その中で「如何にして皆をハッピーにするか」がポイントの模様。
2013年7月に1巻が発売、最終巻となる2巻も2014年1月に発売予定!!

そんな本作も遂に最終回を迎えました。
その最終回、良い意味で裏切られましたね。
これまでを読んでいればその伏線が回収されて行く様に「おおっ」と驚き、同時に善美の行動が1つの大きな結末へと至る姿にグッと来ました!!

奇跡は与えられる物ではない。
自ら努力し、起こす物か。

個人的には「10万善」と「神様」の存在から「危機に陥ってから、10万善と引換に奇跡が起こり皆が救われる」展開だと思っていましたが「善美の行動それ自体が奇跡を起こす」とは!!

「朗報は与えられるのを待つのではなく、自ら行動し掴みとるべき」―――そんなメッセージが聞こえたような気がします。
本作は人知れず努力する人々への応援歌なのでしょう。
此処が物凄く胸を打った。

この記事を読んで少しでも興味を持たれたり、琴線に触れる箇所があった方は是非、直接本作をご覧頂きたい。
それだけの価値はある作品です。

ヤマモトマナブ先生、お疲れ様でした。
本当に面白かったです。
次回作にも期待してます!!

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