2013年11月10日

「最強少女さゆり」第4話「さゆりと峠とお見舞い」(福田やすひろ作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

「最強少女さゆり」第4話「さゆりと峠とお見舞い」(福田やすひろ作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)です。

ネタバレあります、注意!!

登場人物一覧:
さゆり(彩百合):謎の少女。4歳ながらとてつもない怪力を誇る。
権藤:さゆりの祖父。普通の人。
バニー・ラビット:宇宙警察の刑事。
リコス:バニーが追う逃亡犯。
源さん:さゆりの体当たりを受け止めることが出来る地球人。愛の力は偉大だ。
駐在さん:最近赴任してきたばかりの若い警官。1話でさゆりの三輪車に撥ねられトラウマに。

<ネタバレあらすじ>

〜〜〜前回までのあらすじ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

宇宙刑事であるバニー・ラビットは凶悪犯リコスを追って地球に飛来。
あと一息というところまで追いつめるが、現地の少女・さゆりにリコスともどものされてしまう。
こうして、さゆりの家に保護(囚われた)されることに。
仲間に救助を依頼するが助けは未だにやって来ない。
さゆりを通じ、何時の間にやら凶悪犯のリコスが善良になりつつあるなど、想定外な要素を抱え過ぎた彼女の明日はどっちだ(嘘)!?

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

「「ひぃいいいいいいいいいいいいいいいいいい」」
冒頭から何故か悲鳴を上げ続けるバニーとリコス。
それもその筈、彼ら2人はさゆりの三輪車が引くリアカーに乗っていた。
今も猛スピードで移動中である。

ご存知の通り、さゆりの駆る三輪車は通常のソレとは規格外。
既に凶器の域に達している。

赤信号でブレーキを踏めば、慣性の法則でリヤカーが浮く。
当然、前へと投げ出されるバニーとリコスはアスファルトの地面にキスすることに。

「「うううううううううううううううううう」」
2人は揃って呻き声を上げ続ける。

こうなったのには理由があった。
さゆりが1ヶ月に1度の母のお見舞いに赴くことになったのだ。
とはいえ、4歳の幼児だ。
1人では行かせられない。
この付き添いにリコスが立候補した。
リコスを野放しには出来ない。
其処でバニーも不本意ながら参加することとなったのだが……。

今では2人とも後悔していた。
そもそも、さゆりに付き添いが本当に必要だったのだろうか!?

逃げ出したいバニーとリコスだが、1度同行すると口にしてしまった以上、さゆりが逃がしてくれない。
渋々、リヤカーに乗ったバニーとリコス。
そして、また限界への挑戦が始まった。
もっとも、既にバニーとリコスは限界を超えていたが。

と、さゆりの三輪車が急停止した。
(なんだ?)
訝しがるバニーとリコスの目に空回りする前輪が見える。
つまり、さゆりの足の回転速度がグングン上がっているのだ。

「本気で行きまちゅよ〜〜〜」
1ヶ月に1度のお見舞いに陽気なさゆりはさらに回転速度を上げることを宣告する。
それは、バニーとリコスにとっては死刑宣告に等しい。

哀れ、悲鳴もそこそこにバニーとリコスは運ばれて行く。
おそらくバックミュージックはドナドナだろう。
いや、もっと爽快感のある音楽の方が相応しいか。

そんなこんなで煙を上げて爆走するさゆりの三輪車。
その先には源さんが客と立ち話をしている。
さゆりを見かけた源さんは気軽に手を振る。

そして、さゆりが通過。
「そうか……今日はお見舞いの日か」
事情を知る故か感慨に耽る源さん。
だが、彼の衣服は衝撃波によりボロボロになっており、客も吹き飛んでいた。

さゆりは止まらない。
老人2人の前を通り過ぎる。

「今、何か通り過ぎなかった?」
「あっ、もしかして……」

さゆりに気付いたときにはもう遅い。
ソニックブームにより、盛大に吹き飛ばされて行く2人と周囲の木々。
「そうか、それで人が少なかったのか……」
何かに納得を示しつつ、2人は彼方へと消えて行く。

さゆりの爆走はまだまだ止まらない。
ヘアピンカーブに差し掛かるや、片輪を浮かしつつ斜めに突入。
車体は綺麗に最短距離を抜けて行く……車体だけは。

牽引されていたリヤカーはガードレールにぶつかり軋みを上げている。
摩擦は火花を散らし、バニーとリコスを苛んだ。
もはや、彼らからは悲鳴も上がらない。

そして、ヘアピンカーブを抜けた直後、さゆりは呟いた。
「飛びましゅよ〜〜〜」と。

「「へっ、飛ぶ!?」」
思いも寄らぬ言葉を耳にしたバニーとリコスが狼狽する中、さゆりはカーブから飛んだ。
宙を走る三輪車は弧を描き森の中に着地。
そのまま走り抜ける。

さゆりの前に、もはや障害は存在しない。
それから少ししてさゆりは病院へと辿り着いた。
其処で背後を振り向き、気が付いた……リヤカーが無い。

さゆりが飛んだカーブの近く。
其処にはリヤカーと共に放心した様子のバニーとリコスが居た。
彼女たちは解放された安心感からか何処か安らいで見えた。
だが……。

「これ、どうやって帰ろうか」
「そうね」
2人は共通の悩みを抱え、空を仰いだ―――5話に続く。

<感想>

「週刊少年チャンピオン」にて短期集中連載が開始された福田やすひろ先生の作品。
狙いとしては「さゆりを中心とし、人並み外れた怪力がありながら周囲の人々に保護される4歳児を描くハートフルコメディ」かな。
雑誌を読んでいて、目を惹かれたので読んでみました。

今回はその4話目。
1話目同様の面白さでしたね。
本作は理屈じゃないな。
実際に読んで感じるべし。

やっぱり彩百合の両親が謎ですね。
山中の病院で1ヶ月に1度のお見舞い……「となりのトトロ」を思い出しました。
さゆりの母は静養中なのでしょうか。
そう言えば、リコスはトトロっぽいと言えなくもないか。
入院中とのことですが、何か理由があるのでしょうか。
このあたりは謎のままになりそうかなぁ。
次回にも注目!!

ちなみに、上記のあらすじは本作の魅力を伝えられるよう改変を加えてまとめてみましたが、残念ながらその面白さを伝えきれていませんね。
やっぱり、本作を直接読んで欲しい。

もう1度繰り返しましょう。
本作に興味を持たれた方には、是非、「週刊少年チャンピオン」本誌を捜して読んで欲しい。
最近の「週刊少年チャンピオン」は「名探偵マーニー」や「実は私は」など本当に粒揃いでクオリティが高い作品が多い。
注目の雑誌の1つと言えるでしょう。

◆関連過去記事
「最強少女さゆり」第1話「さゆりと宇宙人」(福田やすひろ作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

「最強少女さゆり」第2話「さゆりとチャンバラ」(福田やすひろ作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

「最強少女さゆり」第3話「さゆりとアルバムと私」(福田やすひろ作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

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posted by 俺 at 12:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 漫画批評(レビュー) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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