2013年11月13日

「相棒season12(twelve)」第5話「エントリーシート」(11月13日放送)ネタバレ批評(レビュー)

「相棒season12(twelve)」第5話「エントリーシート」(11月13日放送)ネタバレ批評(レビュー)です!!

日本で100番目に早い(たぶん)、「相棒season12(twelve)」第5話「エントリーシート」(11月13日放送)ネタバレ批評(レビュー)。

<ネタバレあらすじ>

駅前を画一的な集団が歩いていた。
同じような服装に身を包んだ集団は同じリズムで同じ方向へと進んで行く。
だが、彼らは同志ではない。
むしろ、ライバルである。
何故なら、彼らはこれより就職面接に挑む就活戦士たちであったのだから……。

右京(水谷豊)はふと、彼らの1人が落とした財布を拾い上げる。
「あの〜〜〜っ、落としましたよ」
背を向けている集団に呼びかける右京。
集団が一斉に振り向いた。
まるで、訓練されたかのように同じタイミングだ。

戸惑う右京に、集団の中から1人が抜け出ると駆け寄って来る。
「あっ、ありがとうございます!!」
お礼を述べる彼女はそれまでの機械的な印象から一転し、人懐っこく微笑みかける。
だが、彼女は踵を返すと集団の中に戻って行った……。

数十分後、特命係。
「何故、自分自身をアピールすべき場なのに同じ服なのでしょう?」
就職活動とは、企業側に個性をアピールする場の筈なのにリクルートスーツで臨むことに疑問を呈する右京。
甲斐(成宮寛貴)は「悪目立ちしない為ですよ」とあっさり答える。

其処に角田が登場。
「流石に耳が早いねぇ」と褒めそやす。
だが、右京たちには何が何やら分からない。
それもその筈、角田は今朝方発見されたリクルートスーツの女子大学生の殺人事件について触れていたのだ。

殺害されたのは、就職活動中の城南大生・北川奈月(岩田さゆり)。
奈月は公園の遊歩道から転落死していた。
状況から自他殺両面から捜査が始まることに。

奈月は死体発見の前日に一流商社・四菱商事の面接を受けていた。
だが、午前中に下宿先を出てから四菱商事での面接時間までの行動が不明であった。
一体、何をしていたのだろうか?

早速、事件の捜査に出向いた右京たち。
右京は奈月のリクルートスーツに仕付け糸がついたままになっていることに注目する。
さらに、米沢によれば奈月の携帯に非通知の着信が頻繁にあったことが判明。
ストーカー被害に遭っていたのだろうか?

被害者のアパートを訪ねた右京たち。
奈月の部屋には、就活生らしく面接のスケジュールが記されたカレンダーが飾られていた。
さらに、部屋の中央には奈月と共に笑顔で写る女性や、恋人らしい男性の写真も。

そんな中で、右京は有るべき筈のもう1着のスーツが無いことに気を留める。
仕付け糸を付けたまま、同じスーツを半年間着用したとは考えにくい。
さらに、アパートの大家によれば朝に奈月を見送った時には仕付け糸などなかったという。
つまり、遺体発見時のスーツ以外に、もう1着何処かにある筈なのだ。
しかも、奈月は外出先でスーツを着替えたことになる。

写真に写っていた奈月の友人・高林真理に事情を尋ねる伊丹(川原和久)たち。
彼女は最近では奈月と疎遠になっていたらしい。
さらに、奈月が恋人の紀平と1ヶ月前に別れたことも分かる。

其処へ真理にあてて非通知から連絡が入る。
面接の合否や企業からの通知は非通知で入るのだ。
学生からの折り返しを避ける為らしい。
奈月のそれも企業からだったのか?

奈月の元彼・紀平(斉藤祥太)は役者志望の青年。
1ヶ月前に奈月から別れを切り出されたらしい。
以降、会ってはいないそうだ。
紀平によれば、奈月の第一志望は四菱商事。
「何故、四菱商事だったのか」との右京の問いに「少しでも良い会社に入りたかったのでは?」と不満そうに答える。
ちなみに、紀平は就職活動自体を行っていないらしい。

右京たちは四菱商事へ。
四菱商事の人事担当者・真田とその部下・後藤によれば、奈月は面接での好感度も高い学生で、次のステップに進めるつもりだったそうだ。
その際、奈月は既に幾つか内定を決めていると語っていたそうだ。

此処で「何を基準に採用を決めるのか」について問う右京。
真田は「志望動機、大学の専攻、学生時代の行動で何を得たのかですかね」と軽く応じる。
これに納得いかない様子の右京は、重ねて具体的な例を求める。

「留学経験、サークル活動などありますよ。そうそう、此処に居る後藤の場合は井戸掘りしたことだったかな」
笑う真田は、奈月の場合が「国際学生フォーラム」について語っていたことを明かす。

右京は此処でも仕付け糸について問う。
真田も後藤も気付かなかったと答えるが……。

「彼女はいつスーツを着替えたのか?」
どうやら、右京にとって謎はその1点に絞られているらしい。

奈月が他の四菱商事志望者と言い争っていたことが判明。
その相手とは真理であった。

真理を問い詰める伊丹たち。
真理は理由を打ち明ける。
奈月は最初から就職する気も無いのに東山証券を志望し内定を得るとあっさり断ってしまっていた。
ところが、真理にとっては東山証券こそが第一志望。

「断るつもりなら、初めから奈月が受験しなければ合格していたかもしれないのに……」
苛立ちが募り、怒りをぶつける真理。
これに対し奈月は「真理がこれまで何もしなかったからでしょ」と一撃浴びせたらしい。
奈月は東山証券の内定を四菱商事の面接前に断っていたそうだが……。

その夜、右京たちは特命係にて、学生たちが提出したエントリーシートの複写を眺めていた。
「自慢できる経験」の欄には「語学留学、文化祭の実行委員、企業のインターン、アルバイト、学生フォーラム」などが羅列されていた―――。
だが、右京は何やら不満そうだ。

翌朝、東山証券の人事担当者を訪ねた右京たち。
担当者によれば、奈月は他にも幾つか内定を貰ったと明るい調子だったそうだ。
仕付け糸についてはやはり知らないと述べる。

これを聞いた甲斐は「辞退するならば普通は申し訳ない気持ちになるのでは……」と疑問を抱く。

右京の提案で、東山証券付近の紳士服店を訪れることに。
すると、奈月が殺害された当日に来店していたことが判明。
慌てた様子で新しいリクルートスーツを購入すると、それまで着ていた服は紙袋に入れていたそうだ。

これで、不明であった四菱商事面接前の奈月の行動が分かった。
奈月は東山証券に辞退を申し出ると、紳士服店でスーツを購入していたのだ。
右京は、古いスーツを入れた紙袋は四菱商事最寄駅のロッカーに預けたのではないかと推測する。

米沢が呼び出された。
奈月の爪から衣服の繊維片が検出されたことが判明。
おそらく、犯人の物だろう。
さらに、奈月の携帯からロッカーを借りていたことも確認された。

早速、携帯を操作したところ、ロッカーの1つが開く。
中には紙袋とそれに入ったスーツが。
スーツにはカフェオレらしき染みが残っていた。
それもかなり広範囲に渡っており、零したと言うよりは誰かにかけられたとの印象だ。

東山証券の担当者を再度、訪ねた右京たち。
担当者は自分がカフェオレをかけたことを認める。
最初から入社する気が無かったと告げられ逆上し、奈月にカフェオレをぶちまけたらしい。
「東山証券を第一志望だと告げていたのに、嘘だったのだから当然だ」と嘯く担当者。
右京は「それは傷害ですよ」と指摘する。

さらに、古いスーツが見つかったことで新たな手掛かりも発見。
ポケットから「皆川就職面接塾」のお守りが出て来たのだ。

こうして、皆川面接塾を訪ねることに。
其処ではリクルートスーツ姿の学生たちを前に講師の皆川が予備校さながらに授業を行っていた。

「皆さんが就活で必ずやること、インターン、説明会、OB訪問。こんなの役に立ちません!!」
力強く断じる皆川は「あなたたちは3つだけで大丈夫!!テスト、エントリーシート、面接。特に面接が重要なのです!!必ず合格させてみせます、いいですね。ヒッパ!!」
これに応じるように塾生たちが一斉に手を挙げ叫ぶ「「ヒッパ!!」」。

その熱と迫力に威圧される右京たち。

其処へ女子大生がお守りを貰いに来る。
彼女は右京が財布を拾ったあの女子大生だった。
「中学、高校と塾に通い続けた世代としては、就職活動にもノウハウが必要なんです」と明るく言い切る彼女。
右京は眉を顰める。

いよいよ皆川に事情を尋ねることに。
皆川によれば、四菱商事面接の数日前に奈月が訪ねて来たそうだ。
「四菱商事にはボランティアの話が効果的だから」と教えて安心させたのだそうだ。
どうやら、四菱商事社長の妻子がボランティアに熱心で社員にもそれを求めているらしい。
その際、奈月は何故か「よく分からない。本当にこれでいいのか……」と呟いていたそうだが。

実際、奈月が四菱商事の面接で語ったのは学生フォーラムについてであり、ボランティアではない。
有利だと教えられたにも関わらず、何故ボランティアについて話さなかったのだろうか!?

続いて、右京たちは奈月の実家・北川家へ。
奈月の姉によれば、奈月は大学1年時にカンボジアにボランティアに赴いていたそうだ。
さらに、奈月の部屋には文通相手からの手紙が。
どうやら、高校時代のもので相手は外国人らしい。
その一方で、アルバムに外国らしき場所で紀平や他の仲間たちと撮影されたと思しき写真を発見。
右京はその中にある人物を見つける!!

奈月の非通知着信の発信者が、紀平浩一だと判明。
紀平は奈月と別れて以来、非通知でワン切りするストーカー行為を続けていたのだ。

奈月が自分を馬鹿にしたんだと憤る紀平。
奈月は既に内定を複数手にしながら、さらに四菱商事を志望していた。
紀平は気軽に「もう、いいじゃん」と告げたと言う。
すると、奈月から「スタート地点にさえ立っていないのに」と批判されたのだそうだ。
そして、2人はそのまま別れてしまった。

だが、奈月を殺してはいないと申し開きする紀平。
右京たちはそんな紀平に、奈月の実家で見つけた写真を見せ状況を確認する。
紀平によれば、カンボジアへボランティアに赴いた際の物だそうだ。

これを受けて、四菱商事の人事担当者・後藤を再度訪問する右京たち。
それまで満面の笑みを浮かべていた後藤。
しかし、右京たちの姿を目にするや色を失う。

右京たちは後藤が入社時に語ったと言うボランティアについて問い質す。

後藤は海外にボランティアに赴くと数々の困難を乗り越え、井戸を掘ったのだそうだ。
この美談が社長に好まれ、採用も決定。
しかも、ボランティア経験を買われ社長の娘・麗子と交際中。
遂には婚約まで予定されているらしい。

すべては、ボランティアでの井戸掘り経験が起因している。
その経験こそが後藤を成功に導いたと言っても過言ではないだろう。
だが、此処に虚偽が含まれていた。

奈月の実家で発見したカンボジアでのボランティアの写真。
その内容は具体的には井戸掘りであった。
つまり、奈月も井戸掘りに参加していたのだ。
そして、この写真に後藤も写っていた。
だが、ボランティアメンバー全員がバンダナをしている中、後藤のみは様子が異なる。
何故なら、後藤はボランティアでの参加ではなく、たまたまパック旅行で訪れていただけだったのだから。

そう、後藤は他人の体験談を、さも自身の体験談のように騙って就職を成功させていたのだ。
後藤にはボランティア経験が存在しなかったのだ。

ところが、そんな後藤の前に本物のボランティア経験を持つ奈月が現れた。
もしも、奈月が本当のことを話したら……。
社長令嬢との縁談はご破算になってしまうだろう。
そればかりか、現在の地位も危うい。
後藤には奈月を殺害する動機が存在していた。

しかし、犯行を否定する後藤は証拠の提示を求める。
これに、右京は奈月の爪の繊維片を示す。
これが決め手となり、後藤は罪を認めることに。

あの日、後藤は奈月に四菱商事への就職活動を辞退するように強要した。
だが、奈月はこれを拒否。
その際に、ボランティアの話はしないと約束した。

しかし、後藤にとって奈月は信用できない。
第一、奈月が居る限り何時危険になるか分からない。
だから、後藤は奈月を殺してしまったのだ。

「アイツさえ居なければ!!」
床を叩き叫び声を上げる後藤は、伊丹たちに逮捕されることに。

伊丹たちが去り、残された右京に甲斐が問いかける。
「まだ1つ謎が残っていますよね。何故、ボランティアの件を面接で話さなかったのか」

これに右京が解を示す。

奈月の高校時代の文通相手はカンボジアの女の子であった。
その手紙には飲み水にも事欠くことが記されていた。
奈月はこれを見かねて真心からボランティアに赴いたのだ。
奈月にとって、これは純粋な想い出であった。
だが、大学に入学してからの留学や国際学生フォーラムはすべて就職に向けての布石であった。
それらとボランティアを一緒にしたくなかったのかもしれない。

「だとしたら、根本的に間違っていたことになります」
右京は断ずる。
「彼女にとって純粋な行動であったボランティアこそ、彼女自身の人となりを示すこれ以上ない物だったでしょうに!!」

その夜、甲斐はキッチンから悦子に話しかけていた。
「CAになれて良かったね。子供の頃から本当に成りたいものになれたんだから」
「それを言うなら、享ちゃんもでしょ」
「それが……思い描いていた刑事像と違うんだ」
甲斐は正直な気持ちを打ち明ける。
「だよね〜〜〜」
「違う」と言いつつ、満更でもない様子の甲斐に微笑む悦子。

その頃、花の里では右京と峯秋が夕食を共にしていた。
さり気なく、甲斐について問う峯秋。
これに幸子は「お父様と同じ道に進まれるなんて素晴らしいですよね」と告げる。
「おおかた、私への嫌がらせなんだろう」照れるでもなく、淡々と口にする峯秋。
「それは違うと思いますよ」そんな峯秋に対し静かに、だが力強く右京が否定する。

甲斐は刑事になることが夢であった。
だが、父親のコネを疑われるのは嫌だった。
だから、民間企業を受験し内定を得た。
しかし、何か違うと思い始めた。
父親の立場で成りたい職業を諦めるのは馬鹿げてる。
そして、改めて刑事を目指した。
もちろん、自分自身の力で。

右京は甲斐の胸中を明かす。
これを聞かされた峯秋は上機嫌で笑い出す。
それは峯秋が父親として見せた純粋な笑顔であった―――5話了。

<感想>

シーズン12(twelve)5話。
脚本は金井寛さん。

サブタイトルは「エントリーシート」。
今回のテーマは「入社試験の意味」でしたね。

う〜〜〜ん、今回はあまりにも就職活動の負の部分だけを一方的に取り上げられ過ぎてて、何とも言えない感じです。
そんなに一面的な物でもない気がするんだけどなぁ……。

例えば、就職面接を目指して留学や学生フォーラムに活発に参加したことが否定されていたけど、その行動とそれがもたらす結果は動機はともかく伴われるワケで。
何もしていない人とはやっぱり一線を画している気がするし。
仮に海外でのボランティアが就職面接の為だとしても、何もしないよりはした方が人の為になるものだし。
偽善も善のうちで悪ではないワケだし。
少なくとも、実際に行動していた奈月と嘘を吐いた後藤は同列にするべき類の物ではない。
にも拘らず、動機が不純だからとの理由で実際の行動についてまで、批判的になる必要はないと思う。
それだけに、此処まで一方的に言い募られると「どうなのかなぁ……」との気持ちが頭を掠めるワケで。

個人的にはどんな行動にも善と悪の側面がある筈で、誰かにとっては善の影響を及ぼす行動でも、別の誰かにとっては悪の影響を及ぼすこともあるだろうになぁ。
例えば今回の物語だと、奈月のボランティアは奈月自身とボランティア先には善なる影響を与えたけど、真理にとっては将来的な就職面接のライバルに力を与えてしまうことになる。
また、方法を誤るとボランティア先の人間の向上心と活力を奪うことにも繋がりかねない。
こんな感じ。

それを一方的に善悪で選別するのは独善ではなかろうか。
なんだか、すごくモヤモヤした。

たぶん、中庸の立場からもっと上手く表現してくれれば良かったんだと思う。
善悪の判断は視聴者に委ねる形で。
それが右京を通じてあまりにイデオロギーを主張し過ぎた。
すなわち、強引過ぎた。

だから、いろいろ瑕疵がある。

例えば、後藤の写真について。
奈月たちと共に写真に写っていたからと言って、ボランティアに参加していないとは断言出来ない。
偶然、その回だけは旅行だったけど、その後にきちんとボランティアもこなしたのかもしれないじゃん。
海外には一回しか出かけられないワケではないのだから。
そもそも、井戸掘り経験だけで社長令嬢の心を掴むことは出来ないだろうし、後藤には後藤の魅力もあったのではないか。

そして、何よりの疑問がコレ。
何故、奈月は四菱商事に入社も決まってないのに、滑り止めの筈の東山証券を辞退したのだろうか……。
謎である。

さて、いろいろ批難してしまったが、本作には本作なりのメッセージと良さもある。
あまりに、一方的過ぎる点が反発を招きかねないのだ。
其処で、本作が意味する視点に基づき、あくまで問題提起のみ目的としていると限定し感想を述べてみよう。

まず、入社試験と言えば、その後の社会人人生のスタートとなる第一関門。
その点、エントリーシートとは入社時だけではなく「人生へのエントリーシート」とも言える。
エントリーシートは履歴書と同様に退職後も保管されるし。
それだけ重要な物の筈。

劇中では、その重要性ゆえに「過程を経て結果に繋がるのではなく、結果に合せて過程を歪める行為が一部にあるのではないか」と問題提起された。

その最たる者が後藤。
劇中のロジックによれば、偽りだらけの後藤を入社させてしまった時点で入社試験は人を見る試験として形骸化しており、機能していないということなのでしょう。
その人自身を見ず、上辺だけを見てしまう。
結果、大学受験と同じようにテクニックから対策を立てることが可能になってしまっている。
いずれ、「○○社入社試験赤本」なるものが出回るようになるのかもしれません。

さらに、過去に大学受験がゴールとされていたように、入社試験自体がゴールになってしまっている。
其処から先の展望がなく「ただ入社することが目的」となっている。
社会問題ともなった「燃え尽き症候群」もコレですね。
「その就職は本当にあなたの望んだモノですか?」此の点も劇中で問題視されていました。

劇中、右京は何度も「入社試験が本当にその人の人柄を見ているのかどうか」について疑念を抱いていました。
もちろん、素の自分による真っ向勝負で入社を手にした人が多いのは当然。
ただ、それをわざわざ当然と断じなければならないほど何処かに欺瞞が溢れているのだとしたら……うすら寒く感じはしないでしょうか。

最後に後藤へ一言。
自分の選択は自分で選べるけど、他人の選択は自分では選べません。
奈月に辞退を強要するくらいなら、後藤自身が四菱商事を志望しなければ良かったんです。

……と、これこそが今回最大のメッセージだったのかもしれませんね。

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posted by 俺 at 23:00| Comment(4) | TrackBack(0) | 相棒 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント

お久しぶりです。相棒も、今シリーズは、良作が続いていたので、5作連続を期待したのですが…。具体的には、感想のところで。

(感想)
 1、今回のテーマ、最初は、管理人さん同様、「就活」と思っていたのですが、最後まで見て、今回の作品、抽象的な表現になるのですが、「偽りを生きること」或いは「目的と手段のはき違え」がテーマかなと思えてきたのです。

 2、このテーマで考えると、後藤の井戸掘りの件が偽りであるならば、偽りの上に今の後藤が成立していると言うことになりますし、就職すると言う「目的」のために、事実を偽り、社長令嬢との結婚の「目的」のために、奈月を殺めたと考えることも出来るのでは?また、管理人さんが指摘されるように同系列で扱ってはならないのですが、奈月も、偽りはしてはいないものの、四菱入社目的のために東山証券を受験した、四菱入社目的のために多くの経験をしてきたということになります。おそらく、右京さんが、奈月の行動を批判した最大の理由は、「目的と手段のはき違え」、この点にあったのではないのかと考えました。

 3、ただし、この脚本の最大の難点は、演出方法と後藤と奈月を同じレベルの人間として扱ったことでしょうか。演出方法の難点と言えば、出だしのところで、右京さんが「落としましたよ」と言ったシーンで、全員が訓練を受けたかのように振り返ったこと、見ていて気味が悪かったですし、あのような光景に日常で遭遇するのが難しいとも思えました。あれじゃ、軍隊です!また、就職活動の塾のシーンで、受講生が声を張り上げるシーン、あれも気味悪いの一言です。ここ訓練所?とも思えましたし…。その気味悪さが普通ですよの様な演出もちょっと…。

 4、今回の作品で、カイトが、就職活動をしていたことが意外でした。ただ、カイトが、自分の信念を偽らず、目的も手段も履き違えず、警察官になったこと、これが、理想であると言おうとしてるのでは?そうすれば、カイト・後藤・奈月での比較が可能になるので。

 5、最後になりますが、この手の作品は、丁寧さと緻密さが要求される気がしています。それを高い質で完成させたのが、桜井さんの「ボーダーライン」でしょうか。今回の作品、両者が欠けていたような気がします。例えば、真理は、本当に3年間、何もしてこなかったのか?東山商事第一志望の人から見たら、奈月の行動は非難に値するのか?等々、疑問点が残ってします。管理人さん御指摘のとおり、「見方が偏りすぎ」だと感じました。

 今回の作品は、意欲的な作品、攻めの作品とも言ってもよいと思います。その点は評価しています。しかし、結果として、勢いあまって転倒といった感じになってしまった気がしますね。残念ですね。

 とはいえ、相棒も攻めの作品を出そうとするあたり、まだまだ、息は長いぞ!との感慨にもふけることも出来ました。(言いたいことが多くなると、つい文章が長くなる、これも、僕の悪い癖(笑))。次回を期待しましょう!
Posted by J-PETER at 2013年11月14日 17:50
Re:J-PETERさん

こちらこそ、お久しぶりです!!
管理人の“俺”です(^O^)/!!

1.なるほど、就活は断片に過ぎずもっと大きなテーマだったということですね。
分かり易い就活を通していたものの「目的と手段のはき違え」を表現していた……納得です。

2.その観点から、確かに後藤や奈月は目的と手段をはき違えていたとの共通項が存在していますね。
此の点もスッキリです。

3.同意です。
たぶん、不快感を演出することでテーマを強調したかったのだろうとは思うのですが、あまりに一方的過ぎて……。

4.こちらも確かに!!
甲斐、後藤、奈月の3者で比較すれば「目的と手段のはき違え」とのテーマがより明確になります。
だからこそ、甲斐の就活についても触れられていたんですね。

5.管理人もなんとなくですが、本作が「不明であった奈月の死亡直前の行動を追う」点から、同じく不明であった被害者の死亡直前の行動を追った「ボーダーライン」を想起しました。
ただ、あちらはこちらほど一方的な立場からではなかったし、多少の強調こそあれデフォルメまではされていなかったように感じました。
特に「ボーダー」は右京に何かを主張させることがなくても自然とテーマが伝わったのですが、こちらは執拗に強調していた点がどうにもモヤモヤしました。


感想を伺って、ようやく本作のテーマを正確に理解出来た気がします。
理解した上で本作を振り返ると、仰る通り決して悪い作品ではなく、寧ろチャレンジ精神溢れる意欲的な作品のように思えてきました。
ただ、部分部分を強調し過ぎた結果、却ってテーマを損なったような印象です。
それこそ、作中の右京の言葉ではありませんが、飾らず真っ向勝負で良かったのかもしれません。

管理人も、新しい方向性や可能性自体を広げることが出来るのは素晴らしいことだと思います。
増してや、それが大好きなドラマ「相棒」となれば嬉しい限り。

次回にも期待です(^O^)/!!
Posted by 俺 at 2013年11月15日 01:20
右京さんはそもそも就職活動をほとんどしておらず、それで正論を振りかざしても、何かがずれている感があるために違和感がぬぐえない

今回の話の欠点は、亀山か神戸が相棒の時にするべき話だったと思う
亀山は右京に遠く及ばないがむき出しの熱意があり、それが右京の能力を引き出し、また亀山は中庸な人の気持ちに歩み寄っていた
神戸は右京に食らいつきながら、右京の浮世離れした部分に苦言を呈していた
しかし、カイトは未熟で、かと言って右京を把握しきれていないため、相棒というよりも個人的に助手と言う方がしっくりくる
しかも、右京に反論せず大抵恋人の悦子に愚痴をこぼす形になる

あるいは元妻のたまきさんは、右京の欠点をやんわりと、それでも決して上からでも下からでもなく指摘できた

つまり、右京を諌められる人物がいないせいで、純度が98%でも不純な2%でバッサリと切ってしまう右京のマイナス面が前面に押し出されてしまい、それが今回のテーマに共感が出来ないのだ

もしかしたら、カイトが本当に肩を並べ、右京に意見できる関係であったのなら、もっと何か違ったものが出せたのでは、と自分は思う
Posted by アキシン at 2013年11月15日 01:45
Re:アキシンさん

こんばんわ!!
管理人の“俺”です(^O^)/!!

確かに余りに一方的な点が見られましたね。
かといって、その一方的な点が疑問視されるワケでもない。
むしろ、肯定された形でした。

「相棒」それ自体のテーマの中には「右京の絶対的正義」も含まれると思うのです。
それは作中で何度も描かれた通り「正しいかどうかは判断できない」もの。
少なくとも一方的な結論は避けるべきだし、それが無理でも視聴者に判断を委ねる形にすべきだと思います。

まさにご指摘の通り、出来ればシナリオ上は中庸の立場から、右京の正義を強調しつつ、別の第3者からバランスを取ってくれればなぁ……意欲作だっただけに、この点がモヤモヤしますね。
Posted by 俺 at 2013年11月16日 00:11
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