ネタバレあります、注意!!
第40話登場人物一覧:
黒峰朝陽:主人公、通称「アナザル」。
白神葉子:朝陽の意中の人物。ある秘密が……。
紫々戸獅狼:葉子の幼馴染。彼もまたある秘密を……。
紫々戸獅穂:葉子の幼馴染。彼女もまたある秘密を……。
藍澤渚:クラス委員長。彼女にも秘密が……。
藍澤涼:渚の兄、意外な形で登場することに……。
紅本茜:紅本の親族らしい。彼女にも秘密が……。
紅本明里:教師。彼女にも秘密が……。
黄龍院凛:33話より登場した謎の少女。彼女にも秘密が!?
朱美みかん:朝陽の幼馴染。新聞部所属。通称「オレンジ」。
岡田:朝陽の友人の1人。通称・岡。眼鏡が特徴。割と友人想いの様子。
嶋田:朝陽の友人の1人。通称・嶋。軽い。
桜田:朝陽の友人の1人。通称・サクラ。渋い。
フクちゃん:「福の神見習い」を名乗る眼鏡。
朝陽の父:朝陽の家族。22話に初登場。
朝陽の母:朝陽の家族。22話に初登場。
朝陽の妹:朝陽の家族。22話、28話に登場。
白神源二郎:吸血鬼。額に十字傷を抱く巨人。39話にて名前が判明。
白神桐子:葉子の母で人間。和服の美女。38話にて名前が判明。
<ネタバレあらすじ>
〜〜〜これまでのあらすじ〜〜〜〜
「アナザル」こと「絶対に秘密を守れない男」黒峰朝陽は憧れのヒロイン・白神葉子の秘密を知ってしまった。
その秘密とは「白神葉子がハーフの吸血鬼である」こと。
朝陽は葉子の為に、この秘密を守らねばならない―――。
取り巻く人々を相手に、朝陽は秘密を守り抜くことが出来るのか?
矢先、実は宇宙人であった委員長・渚、狼男で肉食系女子な獅穂、悪魔っ娘の茜、未来人の凛も加わって……。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
その日、朝陽は岡に向かって口の中の物を噴き出した。
これには理由があった。
此処は学校の食堂。
食事中の朝陽の左右には岡と凛、前にはみかんが座っている。
と、唐突にみかんが口にしたのだ―――「白神さんって八重歯長いよね。まるで牙みたい」と。
葉子の歯は八重歯ではない。
その通り牙である。
そして、それを認めることは葉子が吸血鬼であることを認めることでもあった。
そんな朝陽の思考を追うようにみかんが呟く。
「そう―――まるで、吸血鬼みたい……」
この瞬間、朝陽は岡に向けて口に含んだ食べ物を噴き出した……。
数分後、岡に謝る朝陽の姿があった。
その肩の上には「特等席……」とばかりに、朝陽を慕うおじいちゃん子の凛が肩車している。
そして、その横には1人ドギマギするみかんが居た。
みかんは内心で激しく動揺していた。
葉子が吸血鬼ではないかと口にした際の朝陽の反応が明らかにおかしい。
まさか……本当に吸血鬼なのでは。
そんな気持ちになったのである。
だが、一方で必死に否定もしていた。
実はみかんは喋る眼鏡(フクちゃんのことだ)もまだ存在を認めていなかったのである。
幻覚の一種だと思い込もうとしていた。
これに加えて吸血鬼!!
あってはならないし、またあるべきでもない。
だが、今のみかんの前ではもう1つあってはならない光景が繰り広げられていた。
朝陽の肩に乗った凛が何やら龍のようなものと話し込んでいるのだ。
「うん、わかってる……」
龍に対し言葉少なに頷く凛。
紛うことなく、あってはならないしあるべきでもない光景であった。
如何に外道クイーンとは言え、これを他者に話したところで自分の見識が疑われるだけであることは理解していた。
みかんは胸中の混乱を悟られないよう、学園の七不思議へと話を逸らす。
それは今のみかんが追っている七つの謎。
1つ、体育祭にて登場した謎の校長の正体。
2つ、放課後に現れる吸血鬼。
お分かりであろう。
1つ目は茜、2つ目は葉子のことだ。
今度はこれを聞かされた朝陽の動悸が増して行く。
そして、3つ目が保健室に出没する痴女。
もちろん、これにも朝陽は心当たりがあった。
獅穂のことだ。
4つ目、光る男。
光と共に女装した男が現れるらしい。
もちろん、獅狼のことである。
5つ目、廊下を走る小人。
もちろん、渚のことだ。
……と、此処まで言い終えたみかんの視界の隅に渚本体が映る。
「えっ?」
慌てて2度見するみかん。
しかし、そのときには渚本体は消えていた。
「あれ?あれ?小さい藍澤さんが……」
認めたくない、でも見てしまった。
みかんは朝陽に同意を求めようとして……其処に露骨に視線を逸らす朝陽の姿を見出してしまう。
(事実なのね……)
長い付き合いである。
そしてアナザルの面目躍如。
朝陽の態度はみかんが目にしたモノが事実であることを示していた。
(だ、だとしたら……吸血鬼も?まさか……)
思い悩むみかんの前に、渚ボディを抱えた明里が。
(あれ藍澤さん、居るじゃない。じゃあ、さっきのは気の所為か……)
何故かほっと胸を撫で下ろすみかん。
その前で朝陽と明里は何やら話し込んでいる。
どうやら、茜がどうとか言っているようだが……。
茜を知らないみかんは蚊帳の外だ。
一方、朝陽は激しく動揺していた。
渚が本体のみで行動していた理由が判明したのだ。
前回の体育祭で優勝できなかった茜。
お菓子1年分を確保出来ず、ご機嫌斜めらしい。
其処で渚にお菓子をねだったところ、「あれ、無いな?」と渚が答えた途端に彼女の活動エネルギーである電力を奪ったらしい。
だからこそ、渚は本体での行動を余儀なくされたのだ。
明里によれば、今の茜は手負いの獣。
明里にも制御しきれない状態だそうだ。
なんとか、調理室の備蓄お菓子で時間を稼ぐ間に新しいお菓子を補給する必要があるらしい。
お菓子調達まで気を付けるよう言い含められた朝陽。
明里はそのまま渚を保健室へ連れて行く。
どうやら、茜の状態は相当危険なようだ。
気を付けなければ……改めて気を引き締め直す朝陽の目に驚きの光景が。
調理室から渚の兄・涼が例の幽霊姿で出て来たのだ。
その腕には大量のお菓子が抱えられていた。
明里が語っていた備蓄お菓子に違いない。
「ああ〜〜〜っ、6つ目の不思議。調理室の食材を盗む幽霊!!」
みかんが涼を目にして叫ぶ。
そうだったのだ、七不思議6つ目の怪の正体も朝陽の知人だったのだ。
盗み出す現場を発見されながら堂々としている涼。
七不思議に数えられるからには常習なのだろう、流石に呆れ果てる朝陽だが……。
ふと、不穏な気配を感じ取る。
其処には周囲を闇に染める茜の姿があった。
茜は普段よりも邪悪なオーラを発散しているようだ。
「私のお菓子に何をしている?」
茜は涼を見咎め、問い詰める。
「えっえっ?七不思議7つ目、角付き女子……やっぱりあんたが!!」
茜を目にし驚くみかんの手を引き、必死に逃げ出す朝陽の後方で悲鳴が上がっていたのだが……この際、自業自得だろう。
しかし、他人事ではない。
「トリック・オア・トリート(意訳:死かお菓子か)」
不機嫌この上ない表情の茜が魔力を掌に込めつつ、追って来ているのだ。
廊下の奥では爆発音が響く。
どうやら、今の茜はお菓子が無い限り問答無用のようだ。
「あれが茜って……えっえっ?」
事態について行けないものの、朝陽が茜とも知り合いであることを察したみかんは困惑。
そんな中、逃げ場所を探す朝陽は未だ頭の上に抱えていた凛に「すぐ近くに逃げられる場所をお願い」と頼み込む。
これに凛は龍を呼び出し、その口の中へと案内する。
必然的にみかんも龍の口へ避難することに。
暫くして―――。
「もう大丈夫」
凛の声を聞き、龍の口から抜け出た朝陽とみかん。
だが、今日何度目かも分からない衝撃の光景を目にすることに。
其処に広がっていたのは―――。
場所はどうやら学園前。
周辺には2063年と記載のあるカリスマ痴女2世のポスター。
空には渚たちが使用していたアッザム型UFOが複数浮かぶ。
中には学園生徒が乗っているようで「おはよ〜〜〜」と呑気に挨拶を交わしている。
「ようこそ、未来の世界へ」
「「未来〜〜〜!?」」
凛の言葉に、朝陽とみかんの声がハモった―――41話に続く。
<感想>
「週刊少年チャンピオン」にて「さくらDISCORD」を連載されていた増田英二先生の新作。
「さくらDISCORD」は未読の管理人ですが、1話を読んで注目している作品です。
コミックス1巻に続き2巻、3巻も重版出来とのことで、目出度い。
さらに、4巻も発売。ちなみに表紙は茜ですよ!!
そして、本作かなり面白い!!
その40話。
遂にみかんに秘密が露見。
さらに舞台は未来へと……次回は未来の朝陽たちが登場するのかしないのか。
全く予測出来ない展開に、これは次回が楽しみとしか言いようがない。
1つだけ言えそうなのは、朝陽とみかんを未来へと連れて来た凛にはお仕置きが待っているのだろうということだけか。
たぶん、過去の人間を未来に連れて来てはいけないルールがある筈だろうから。
前と同じく「忘れてた……」でがっくりと膝を折る凛の姿が今から浮かぶ……。
それと、みかんもこれからは朝陽同様に秘密を共有する立場になりそうか。
外道クイーンも過去の物、もともと実は「優しかったみかん」が今の状態で改めて暴露するとは思えないしなぁ……。
しかし、みかんも秘密を共有するとなると尚更展開が予測出来ない……。
次回で明かされるであろう詳しい未来描写と併せて、今後のみかんが如何なる行動を示すか注目だ!!
でもって、作中で明かされた七不思議とその正体をまとめておこう。
1.謎の校長=茜
2.放課後の吸血鬼=葉子
3.保健室の痴女=獅穂
4.光る女装男=獅狼
5.廊下を走る小人=渚
6.調理室の食材を盗む幽霊=涼
7.角突き少女=茜
見事に全部、朝陽周辺で賄われているなぁ……恐るべし!!
でも、それだけに面白い。
次回も注目せよ!!
そう言えば、上でもお伝えした通りコミックス4巻が発売。
表紙は1巻の葉子、2巻の渚、3巻の獅穂に続き、茜のようです。
予想通り。
こうなると、5巻は凛、6巻は明里かな?
みかんは後半の切り札か。
ちなみに、上記のあらすじは本作の魅力を伝えられるよう改変を加えてまとめていますが、その面白さを伝えきれていません。
やっぱり、あの絵とコマ割りなどのテンポあっての本作。
是非、「週刊少年チャンピオン」本誌を読んで欲しい。
もう1度繰り返しましょう。
本作に興味を持たれた方には、是非、「週刊少年チャンピオン」本誌を捜して読んで欲しい。
最近の「週刊少年チャンピオン」は「名探偵マーニー」や本作など本当に粒揃いでクオリティが高い作品が多い。
注目の雑誌の1つと言えるでしょう。
◆関連過去記事
・「実は私は」第1話から第30話まで(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)まとめ
・「実は私は」第31話「白神家に泊ろう!」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
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