2013年11月23日

「サイレーン」第28話「捜査本部」(山崎紗也夏作、講談社刊「週刊モーニング」連載)ネタバレ批評(レビュー)

「サイレーン」第28話「捜査本部」(山崎紗也夏作、講談社刊「週刊モーニング」連載)ネタバレ批評(レビュー)です。

<ネタバレあらすじ>

登場人物一覧:
里見偲:男性。警視庁機動捜査隊所属。相棒の猪熊と恋人同士。
猪熊夕貴:女性。警視庁機動捜査隊所属。相棒の里見と恋人同士。
橘カラ:女性マネージャー急性アルコール中毒死(実は他殺?)の犯人?猪熊に興味を持つ。
渡:猪熊の寮の向かいに住む。カラを家に置くこととなった。
月本:美容整形外科医。カラと乃花を担当した。
乃花:カラの元同僚。不倫の恋に生きていたがカラに殺害される。
千歳:生活安全課所属。
レナ:里見が潜入捜査を行った先の関係者。
アイ:里見が潜入捜査を行った先の関係者。
盛元:テレビ局有名アナウンサー。

・前回までのあらすじはこちら。
「サイレーン」第27話「僕は選ばれた男」(山崎紗也夏作、講談社刊「週刊モーニング」連載)ネタバレ批評(レビュー)

遂に月本が運営する高級売春クラブ「フルムーン」に向けて捜査が開始。
捜査本部が設置され客の動向を調べた結果、家庭的で知られる有名アナウンサー・盛元までもが客であることが分かる。

盛元には妻子がおり、社会的地位も高い。
取引を持ちかけることで、証言させることも出来るだろう。

こうして、里見とカラは盛元に接触する。
盛元はテレビで見せる姿とは異なり、親しみの欠片も見せない打算的な人物であった。
自身の利益になると判断するや、あっさりと協力を約束する。
これに、正義感の強い猪熊は反発するがどうしようもない。

一方、捜査の手が迫ることを知らない月本。
そんな月本をそっと監視するカラ。
カラの胸にはある決断が……。

同じ頃、捜査本部では捜査打ち切りとの意見が上がっていた。
なんと、客の中に本来あってはならない人物が居たからである―――28話に続く。

<感想>

「週刊モーニング」では『レンアイ漫画家』や『シマシマ』、『はるか17』などで知られる山崎紗也夏先生の新連載です。
『レンアイ漫画家』は設定と展開が面白くて読みました。

そんな「サイレーン」、内容は刑事もの……しかも男女バディもので、「警視庁機動捜査隊(キソウ)」を取り上げた作品となりました。
設定に「キソウ」を採用している点が珍しいですね。
ドラマでも「キソウ」がメインになった作品は「警視庁機動捜査隊216」くらいか。

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その第27話。
ちなみにコミックス1巻が2013年9月20日に発売されています、こちらも注目!!
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サブタイトルは「捜査本部」。
折角設置された捜査本部ですが、組織として行動が可能になった為にその組織の論理が立ち塞がりそうです。
おそらく、上層部の誰かが「フルムーン」の客の中に居たと言うことか。
この壁……組織人である里見と猪熊では乗り越えられないでしょう。

だが、この壁をあっさりと乗り越えられる人物が居る。
それがカラ。
カラは猪熊の正義感を体得すべく悪人狩りを決断済み。
おそらく、月本はカラの手にかかりそうだ。

こうなると、正義を貫こうとする猪熊に悩みが生じそうだなぁ。
「正義を標榜しつつも行動出来ない組織」と「悪でありながら正義を目指そうとし始めた個人」。
いずれが勝つのか、また新たな対立軸が加わったと言えそうです。

さて、此処でまとめ。

目標である捜査一課へひた走る猪熊。
そんな猪熊をターゲットとしてロックオンしたカラ。
そんなカラをターゲットとしてロックオンした里見。
追う者と追われる者の構図が明らかになりつつあるようです。

そして、今のカラが整形により手に入れた顔であることが判明。
過去を捨てようとしていたらしいことと併せても、事件の匂い。
やはり、薬局店息子殺人事件に関連ありか。

カラはその名の通り、中身の無い虚ろな「空」。
それゆえに、自身に欠ける物を補おうと求めている。
以前から予測している通り「カラは自身に無い物を持っている対象を特定すると、これに近付き相手を殺害することで、自身に欠けた物を相手から奪う」で正しいようです。

キャバクラの女性マネージャーを殺害し「その垢抜けた佇まい」を奪い、綺麗になった。
タクシー運転手は「自身は選ばれた」と語っていたが「その選ばれた存在であること」を彼を殺害することで奪ったものと思われます。
だとすると、これまでにも同様の犯行を重ねているのが当然。
里見が過去に遭遇した「薬局店息子殺人事件」を皮切りに変貌したものと思われますね。
カラの闇は想像以上に深そうだ。

止められるのは里見と猪熊のカップルのみかも。
これに渡が意外な活躍を示しそうな予感。
果たして、如何なる結末を迎えるのか……28話に期待!!

ちなみに、山崎先生と言えば『七瀬ふたたび』のコミカライズでも知られる方です。

「七瀬ふたたび」(筒井康隆著、新潮社刊)ネタバレ書評(レビュー)

◆関連過去記事
「サイレーン」(山崎紗也夏作、講談社刊「週刊モーニング」連載)第1話から20話までネタバレ批評(レビュー)まとめ

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posted by 俺 at 12:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 漫画批評(レビュー) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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