2013年12月14日

金曜プレステージ「夏樹静子サスペンス 検事 霞夕子5 幻の罪 夫の死をイメージすることは罪なのか?夫が本当に死んだ時、死がもたらす利害と愛憎が浮かび上がる…!」(12月13日放送)ネタバレ批評(レビュー)

金曜プレステージ「夏樹静子サスペンス 検事 霞夕子5 幻の罪 夫の死をイメージすることは罪なのか?夫が本当に死んだ時、死がもたらす利害と愛憎が浮かび上がる…!」(12月13日放送)ネタバレ批評(レビュー)です!!

<あらすじ>

権藤美也子(有森也実)は権藤洋平(斉木しげる)の社長夫人として何不自由なく過ごしているかのように見えた。が、夫の洋平は常に仕事のことで頭がいっぱい、夫婦関係は冷めきっており美也子の心はいつも満たされることはなかった。ある日、同窓会に出席していた美也子の所に、洋平の秘書、大野(高知東生)から社長がお帰りになったため早くお帰りいただきたい、とのメールが送られてくる。
同窓会を抜けて家に帰った美也子を待っていたのは思いもよらない事態だった。洋平が家の階段の下で血だらけになって死んでいる姿を発見する。
早速捜査が入り、検事・霞夕子(沢口靖子)も現場にやってくる。警察は単なる転落事故と判断していたが、夕子だけは違った。夕子は死体の傍らに落ちていたフランス刺しゅうを収めた額縁を発見。誰もこだわらない中、夕子だけはこのフランス刺しゅうを微細に調べ始める。さらに死亡時刻に近い時間帯にサングラスをかけた女性の目撃情報が入る。女性関係を洗い出すなど洋平の身辺に関して徹底捜査が始まる。秘書であり、洋平の甥でもある大野は女性関係について強く否定する。捜査を進めるうちに、洋平は妻に隠れて別の女性、高沢奈々美(遠野なぎこ)との間に子をもうけていたことが明らかとなる。美也子、大野をはじめとした権藤家の中に潜む意外な事実が次々と明らかになっていく。生前に洋平が残していた遺言書の存在も明らかとなる。果たして洋平は誰に殺害されたのか。
(金曜プレステージ公式HPより)


では、続きから……(一部、重複あり)。

権藤美也子は大会社の社長である権藤洋平の妻である。
だが、美也子は結婚15年を経て自身を振り向こうとしない洋平に対し不満を抱いていた。
それは遂には殺意へと結び付いた。

美也子は危険な階段と滑り易い床に注目した。
そして、その壁に自作のレース刺繍を収めた額を飾った。
もしも、床で滑ったときに身体を支えようと壁に手を着けば……この額が動いてそのまま階段を転落するに違いない。
それは、未必の故意(プロバビリティの犯罪)であった。

ある夜、美也子は同窓会に出席した。
幸せそうな元同級生たち。
そんな彼らから「幸せそうね」と評される美也子。
それは美也子にとって大きな苦痛であった。

そんな美也子のもとに、洋平の秘書で甥である大野貞敏から「早く帰ってください」とのメールが届く。
どうやら、洋平が予定よりも早く帰宅したらしい。

鬱屈としたまま帰宅した美也子。
ところが、其処には美也子が望んだ光景があった。
洋平が階段から転落し死亡していたのである。

通報を受けて、捜査が開始された。
担当検事は、もちろん我らが霞夕子である。
霞は額縁の位置に作為を感じ取り、転落事故ではなく他殺を主張する。

動機があるとすれば、遺産を相続する妻・美也子。
そして、洋平の死亡により社長の座に就く甥の大野である。
当初はこの2人に容疑が向かうが……。

美也子には同窓会に出ていたとのアリバイがある。
一方、大野には急がずとも社長の座が転がり込んでいたことが分かり動機が消えた。
此処で再度、事故説有利の状況となった。
しかし、霞は納得しなかった。

やがて、死亡時刻近くに現場付近でサングラスをかけた女性の目撃情報が得られた。
さらに、現場付近から口紅が発見される。
それは、美也子の物ではない。
やはり、何者かによる他殺なのか!?

そんな中、洋平の運転手を務めていた中田修二により、洋平に愛人が居たことが明かされる。
その名は高沢奈々美。
奈々美は子供を妊娠しており、洋平の子供と思われた。
洋平は奈々美の子供が自分の子供であると確認出来れば遺産を譲ると遺言状を残していた。
だとすれば、奈々美にも動機はある。
サングラスの女性の正体は奈々美なのか!?

さらに、奈々美には洋平以外に関田泰彦なる男性が居たことも判明。
口紅も紛失したとされた奈々美の物であった。
なおさら疑われることとなった奈々美。
ついには、身柄を拘束され取り調べが開始される。

奈々美の犯行で見解がまとまる中、やはり霞は浮かない顔であった。
どうしても、額縁が気にかかるのだ。
霞は美也子から洋平への殺意を嗅ぎ取っていた。

矢先、料亭の仲居を名乗る女性から匿名のリークが舞い込む。
なんと、洋平の死に先立つ数週間前に美也子と奈々美が秘密裏に密会していたとの物であった。

確認したところ、これが事実と判明。
内容は洋平と巡っての口論だったそうで、美也子は奈々美に呼び出されたと主張、奈々美は美也子に呼び出されたと主張する。
いずれの言葉が事実なのか?

結局、美也子と奈々美が互いに互いが呼び出したと主張していることから、密会が露見するとマズイ事情がある筈との見解が出された。
2人が洋平を殺害する為の謀議を行ったのではないかと疑われたのだ。

こうして、本部では奈々美単独犯行説から美也子&奈々美による共謀説へとシフトする。
だが、霞はこれに懐疑的であった。

もしも、2人の主張が事実だとすれば!?
また、リークした仲居の正体も不明である。
霞は其処に何者かの意図を感じ取った。
第3者が関与しているのではないか―――。

リークした人物の正体を突き止めるよう指示を出す霞。
数日後、その正体が判明。
その人物はクラブのホステス・和田直子であった。
ところが、直子はほんの2、3日前に自殺していたのである。

和田直子の交友関係を調べさせた霞。
すると意外な人物の名前が浮かび上がる。
さらには、直子の自殺現場にその人物の指紋が残されており自体が他殺だと判明することに。
霞はその人物のもとへ。

その頃、美也子は中田に詰め寄られていた。
中田もまた美也子と奈々美の共謀説を信じていたのだ。
だが、身に覚えのない美也子は混乱する。

其処へ大野が駆け付け、中田を引き剥がす。
大野は中田を帰らせると、美也子を慰めるのであった。
さらに、同じようなことがないように身の潔白を証明するべく、美也子が洋平に対して抱いていたであろう殺意を正直に周囲に打ち明けるべきだと持ちかける。
これに大きく心が揺らぐ美也子。

美也子が大野の提案に首を縦に振りかけたそのとき、霞たちが現れた。
霞はレースの刺繍が収められた額縁について大野を問い詰める。

額縁は到底、美也子1人で設置できるサイズでは無かった。
だとすれば、協力者が居た筈である。
その協力者が大野であった。
しかも、額縁に飾ろうと言い出したのも彼だったのだ。
そう、大野は美也子の洋平への殺意に早くから気付いており、助長すらしていたのである。

霞からの指摘を否定する大野。
だが、額縁から大野の指紋が検出されなかったことを告げられると認めざるを得なくなる。

大野は額縁の設置に協力していたのだから、指紋が検出されなければ不自然だ。
ところが、指紋が出なかった。
つまり、大野は早晩額縁が洋平の死に関わることを知っており、疑われないよう指紋が付着しないよう細心緒の注意を払っていたことに他ならない。
それは大野が洋平殺害犯であることを示していた。

驚愕する美也子の前で、次々と事実が明かされて行く。
大野は美也子の殺意を知り、これを利用することを思い至った。

洋平は美也子と奈々美の子供に遺産を残すことになっていた。
だが、美也子と奈々美が共に洋平殺害の容疑で逮捕されれば、遺産はすべて甥である大野の物になる。

其処で、親しい和田直子を利用した。
直子に美也子には奈々美、奈々美には美也子とそれぞれ偽らせ呼び出しの電話を入れさせ密会の場を用意した。
さらに、後にはこれを正体不明の仲居として通報させた。

一方で、大野は奈々美の口紅を盗み出す。

そして、洋平の殺害当日。
大野が洋平を殺害し、サングラスをかけた直子が人目に付くように逃げる芝居をうつ。

その後、直子を口封じすべく大野が自殺に偽装し殺害したのだ。

こうして大野が真犯人として逮捕された。

洋平を失い、実は大野に心を動かしていた美也子はその真意を知り呆然。

そんな美也子に霞は洋平の真意を伝える。
美也子が額縁に飾ったレースの刺繍、それで表現した大草原。
其処は洋平と美也子の想い出の地であった。
美也子にとっては洋平を愛していた証の土地らしい。

実は、その土地は洋平により買収され美也子の名義とされていた。
2人の想い出の地を美也子に託したのだ。
洋平は決して美也子を軽んじていたワケでは無かったのである。
この事実を知った美也子はそんな洋平を殺害しようとしていた自身を恥じるのであった。

こうして、真に事件は解決を迎えたのである―――エンド。

<感想>

沢口さん主演「検事・霞夕子シリーズ」第5弾。
前作は2013年6月8日に放送されているので、およそ半年ぶりのシリーズ新作となります。
これまでのシリーズ作品については過去記事ありますね。
興味のある方はどうぞ!!

ドラマ原作は夏樹静子先生『夢』(新潮社刊『湖・毒・夢』)。

では、ドラマ版感想。

ある意味、変則的な倒叙物でしたね。
美也子の殺意は明確で視聴者にとっては彼女が犯人かと思わせつつも、美也子自身意図せぬ証拠などが浮上することで視聴者も美也子同様に混乱することに。
これが結末の見えないストーリーとなり、なかなか面白かった。
中盤から第三者の存在がクローズアップされ視聴者の興味を惹きつつ、怒涛の終盤に入るのも良かったですね。

そんな本作のサブタイトルは「幻の罪」。
それは、果たされなかったものの美也子による洋平殺害計画のこと。
これにより、美也子は洋平亡き後の大野との将来を夢見てしまうワケなのですが、それは未遂の殺害計画も含めて「悪い夢」だったのでしょうね……。
その悪夢を最終的に覚ますことに一役買ったのが、過去に洋平との間で「夢」を語っていた土地であったことは何とも言えません。
まさに夢尽くしと言えそうです。

ただ、軽んじてはいなかったとされていたものの、洋平が愛人である奈々美との間に子供まで作りそれを認知しようとしていたことは美也子にとって十分に洋平への憎悪を引き出すに足るもので、これを洋平が理解していなかった点は納得できかねるところではあります。

そう言えば、美也子が2人の想い出の地を描いた刺繍をあの位置に飾ったのは未必の故意以外にも、洋平の目に就く場所に置くことで昔のような愛し合う関係に戻りたいとの美也子のメッセージだったのでしょう。
そう考えると、その想い出の地を描いた物で洋平の命を奪おうとした計画はなかなかに業が深いと言えそうですね。

ただ、私見だけど美也子自身が何処まであの方法に本気で期待していたかは甚だ疑問。
おそらく、洋平への憎しみを紛らわせる為のお守りかおまじないぐらいだったのではないかと思うけど……どうなんだろう。

一方、キャストは今回も良かった。
沢口靖子さん、西村和彦さん、神保悟志さん、石丸謙二郎さん、良いですね。
味があります。

総評を述べると「いろいろ考える余地があり、懐の深い作品」でした。
次回にも期待出来そうです!!

◆関連過去記事
【検事・霞夕子シリーズ】
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【書籍】
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「天使が消えていく」(夏樹静子著、光文社刊)ネタバレ書評(レビュー)

「第三の女」(夏樹静子著、光文社刊)ネタバレ書評(レビュー)

『死なれては困る』(夏樹静子著、徳間書店刊)ネタバレ書評(レビュー)

【ドラマ】
【検事・霞夕子シリーズ】
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【その他情報】
夏樹静子先生インタビュー記事が「asahi.com」に掲載!!

夏樹静子先生、読売オンラインにて囲碁について語られる!!

<キャスト>

霞夕子:沢口靖子
桜木洋一:西村和彦
占部明日香:神保悟志
岩瀬厚一郎:石丸謙二郎
権藤美也子:有森也実
高沢奈々美:遠野なぎこ
権藤洋平:斉木しげる
大野貞敏:高知東生
霞友行:ダンカン
霞彩子:松原智恵子
霞夏子:鍋本凪々美 ほか
(順不同、敬称略、公式HPより)


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