2013年12月08日

土曜ワイド劇場「タクシードライバーの推理日誌 飛騨高山〜殺人スクープの女!!1年で倍返し!?疑惑の投資詐欺で連続殺人!!死者が頼んだ出前トリックの謎!?」(12月7日放送)ネタバレ批評(レビュー)

土曜ワイド劇場「タクシードライバーの推理日誌 飛騨高山〜殺人スクープの女!!1年で倍返し!?疑惑の投資詐欺で連続殺人!!死者が頼んだ出前トリックの謎!?」(12月7日放送)ネタバレ批評(レビュー)です!!

<あらすじ>

タクシードライバーの夜明日出夫(渡瀬恒彦)は、元警視庁の敏腕刑事。ある日、夜明のタクシーに神谷警部(平田満)から指名が入る。神谷は、家族同然に親しくしている新聞記者・板倉早苗(酒井美紀)の“見合いの立会人”を務めることになり、夜明にも付き添ってほしいという。夜明の目で、相手の男がしっかりしているか、見極めてもらいたいというのだ。
夜明のアパートで早苗と落ち合い、揃って見合い会場に向かう途中、早苗は母・美喜子(梶芽衣子)に頼まれたという書類を届けるため、夜明たちを車に待たせて、ひとりで弁護士事務所に立ち寄った。ところが、そこで早苗は弁護士・能美健司(新井康弘)の刺殺死体を発見する…! 
早苗によると、能美は美喜子の“成年後見人”を務める契約を交わしていたという。美喜子は現在、飛騨高山に暮らしており、能美もまた故郷である飛騨高山でボランティアの法律相談を引き受けていて知り合ったらしい。早苗という娘がいるにも関わらず、なぜ美喜子は能美を成年後見人に指定したのか…!? 東山刑事(風見しんご)らは、財産をめぐって母親と衝突した早苗が能美の存在を邪魔に思い、殺害に及んだのではないかと推理する。だが、早苗には、能美の死亡推定時刻、神谷や夜明と一緒にタクシーに乗っていたという確かなアリバイがあった。

そんな中、大手不動産会社の専務・飯田敦(春田純一)が、裁判で敗訴したことを機に、顧問弁護士だった能美に恨みを抱いていることがわかった。だが、飯田は東山たちの訪問を無視して飛騨高山へ。能美の出身地も早苗の実家も、飛騨高山だ…。いったい飛騨高山に何があるのか…!? 神谷や東山は飯田を追い、夜明のタクシーに乗り込んで飛騨高山に向かった。
すると、なんと能美と飯田が共謀して、飛騨高山での牧場開発計画の詐欺を画策し、高山の老人介護施設の入居者を中心としたシニア層から多額の出資金を集めていたことが判明! 美喜子も出資金をだまし取られていたとわかり、東山はますます早苗への疑惑を強くするが、さらに飯田が刺殺体で発見される事件が発生して…!? そんなとき、神谷と夜明は、早苗が婚約していた社会部記者・藤本圭太が3カ月前、飛騨高山で滑落死していた事実を知って…!?
(土曜ワイド劇場公式HPより)


では、続きから……(一部、重複あり)

今日も今日とて事件に巻き込まれたタクシードライバー・夜明。
今回は神谷の紹介で、彼が親しくしている新聞記者・板倉早苗のお見合いに協力したのだが……。

なんと、早苗が途中立ち寄った弁護士事務所で能美弁護士の死体を発見してしまったのだ。
能美弁護士は何者かに刺殺されていた。

能美弁護士は謎の人物Iと度々接触しており、殺害当日も予定を入れているようであった。
では、Iが犯人なのか?

こうして、板倉早苗に容疑がかかる中、彼女の疑惑を晴らすべく神谷が立ち上がった。
夜明自身も神谷に釣られるように、早苗の疑いを晴らそうと動き出す。

まず、大手不動産会社「クラシア」の専務・飯田敦に能美殺害の動機があることを突き止めた。
飯田は能美により5億円もの損害を被っていたのだ。

しかも、蕎麦屋の出前持ちにより能美殺害時刻が12時から13時の間と断定された。
出前持ちによれば、12時に能美の事務所に出前を届けたところ「おう、置いといてくれ」と衝立の陰から声をかけられたらしい。

こうして、早苗の容疑は払拭されることに。
早苗には12時過ぎに夜明たちと一緒だったとの完璧なアリバイがあったのだ。

矢先、飯田と能美が共謀し、飛騨高山にて牧場開発を名目とした出資金詐欺を行っていたことが判明。
どうやら、老人介護施設・飛騨苑の居住者を中心に大規模に詐欺を働いていたらしい。
早苗の母・美喜子もこの被害に遭っていたことが判明する。

ところが、今度は飯田が殺害されてしまう。

さらに、3ヶ月前に早苗の婚約者である社会部記者・藤本圭太が、飛騨高山で滑落死していたことも明らかに。
藤本もまた出資金詐欺を調べていたようである。
美喜子の件もあり、容疑は再び早苗へ向かう。

だが、早苗には飯田の殺害時刻にサービスエリアで仮眠していたとのアリバイがあった。
サービスエリアの防犯カメラに早苗の乗った車が写っていたのだ。
早苗の車は殺害時刻と思われる間、ピクリとも動いていなかった。
こうして、またも早苗の容疑は晴れたかに思われたが……。

早苗の無実を喜ぶ神谷と対照的に、夜明は早苗に疑惑を抱く。
調べたところ、出資金詐欺にもう1人関係者が居たことが判明。
飛騨苑の経営に参画する吉村が手引きしていたのだ。
夜明は次は吉村が狙われると考え、早苗を追って飛騨へ。

その頃、早苗は吉村を殺害しようとし、返り討ちに遭いかけていた。
危機一髪、其処へ夜明と神谷たちが駆け付け、吉村は取り押さえられた。

その場で、夜明は能美と飯田殺害が早苗の犯行であると暴く。
早苗のアリバイトリックが共に破れたのだ。

まず能美殺害のアリバイ。
それは蕎麦屋の出前持ちの証言に拠っていた。
だが、出前持ちは肝心の能美の姿を見ていないのだ。

トリックはこうだ。

まず、早苗は携帯を2台用意した。
能美を殺害後、通話状態のまま1台を現場に残し夜明のもとに向かいアリバイを作った。
その上で、隙を突いてもう1台の携帯から音声で現場の状況をチェック。
能美の生活習慣通りに出前が届いたことを確認すると、事前に吹き込んでおいた能美の声で返事をした。
出前持ちはそのまま出前を置いて帰る。
後は夜明のタクシーで現場へ乗り入れ、第一発見者として携帯を回収するのみであった。

次に飯田殺害時のアリバイトリック。

まず、こちらも早苗は車を2台用意した。
事前にサービスエリアにもう1台のレンタカーを置いておき、その隣に乗りつけられるよう工作。
当日、用意していた車の隣に駐車すると防犯カメラには仮眠を取る様子を見せつつ、カメラの死角からもう1台に乗り替わりサービスエリアを脱出。
飯田を殺害しサービスエリアに戻ったのだ。

こうして、早苗のアリバイは崩れた。
早苗は動機について語り出す。

美喜子が被害に遭ったことで出資金詐欺の存在を知った早苗。
能美、飯田たちの存在を突き止め、それを婚約者であった藤本に相談した。
藤本はこれを調査してたのだが……謎の死を遂げてしまう。
そう……藤本は飯田たちに殺害されてしまったのだ。

自分が相談した所為だと責任を感じた早苗。
遂には復讐に至ったのである。

こうして、早苗は逮捕された。

神谷は自身が気付いてやれなかったことを後悔することに。
夜明はそんな神谷を励ますのであった―――エンド。

<感想>

前回の2013年10月13日放送分(第33弾)に次ぐ第34弾です。
第33弾からは2ヶ月ぶりの新作放送となりました。

・第33弾はこちら。
土曜ワイド劇場「タクシードライバーの推理日誌 神戸〜九州大分、逃げた花嫁!!引き出しの中の脅迫者が父娘を狙う!!疑惑の乗客に死者からのアリバイ電話!?」(10月12日放送)ネタバレ批評(レビュー)

では、ドラマの感想を。
今回のトリック、その肝は「事前に2台用意しておくこと」でしたね。
携帯も2台、車も2台。
前回に比べると計画性の高い犯行と言えそうです。
ただ、どちらも実効性には相当難がありそう。

まず、能美殺害時のトリックですが、蕎麦屋の出前に聞こえるほどのボリュームなら、出力側の音量を調整しても夜明と神谷に聞こえそうなものなんじゃないかなぁ……。

次に、飯田殺害時のトリックですが、事前に用意した車の隣に停車出来るとは限らないような気がするなぁ。
しかも、カメラの位置関係から右側限定だし。
誰かが先に停車していたら、動くまで待つつもりだったのだろうか……。

まぁ、とはいえ、本作の味はトリックには非ず。
如何にお約束を守るかにある。

此処で気になるのは今回も前回同様“夜明の法則”は発動したのかどうか?
この法則をいかにストーリーに放り込んで来るか(または捻ってくるか)が本シリーズの見所。

解説!!夜明の法則とは―――

土曜ワイド劇場「タクシードライバーの推理日誌」にて適用される法則。

犯人(女性)は夜明のタクシーに乗りアリバイを作る。
そして、最初に疑われる。
が、夜明が「あの人は犯人じゃない、だってアリバイあるし」と頑固に庇う。
別の容疑者浮上。
だが、急に夜明の気が変わる(偶然、何かに気付く)。
夜明アリバイ崩しに挑戦。
やっぱり、あの人が犯人でした。
―――完―――

のこと。
はい、普通に発動してました。
今回は神谷を絡めての些か変化球でしたが王道ですね。
やっぱり、これがないと「タクシードライバー」じゃないよ。
と言うワケで、この点は満足です。

そして、冒頭の「飴ちゃん」の流れや、能美事務所のイソ弁さんを思い出すシーンが何故か「丸のプラカードを掲示したシーン」だったりと遊び心も満載。
吉村役の寺島さんの悪役ぶりもインパクトがあったし、面白かった!!
次回にも期待です!!

ちなみに「タクシードライバー」シリーズの原作は「木枯らし紋次郎」の著者で知られる笹沢左保先生の「タクシードライバーの推理日誌」シリーズ。
とはいえ、本作においてはモチーフというべきでしょう。
完全に別物なので、そこは注意。

◆関連過去記事
【シリーズはこちら】
土曜ワイド劇場「タクシードライバーの推理日誌26 東京〜京都・琵琶湖、土地鑑のある乗客」(1月23日放送)ネタバレ批評(レビュー)

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土曜ワイド劇場「タクシードライバーの推理日誌 神戸〜九州大分、逃げた花嫁!!引き出しの中の脅迫者が父娘を狙う!!疑惑の乗客に死者からのアリバイ電話!?」(10月12日放送)ネタバレ批評(レビュー)

2011年3月19日(土)……今夜の土曜ワイド劇場は傑作選「タクシードライバーの推理日誌26 東京〜京都・琵琶湖、土地鑑のある乗客」です!!

<キャスト>

夜明日出夫:渡瀬恒彦
神谷警部:平田 満
板倉早苗:酒井美紀
板倉美喜子:梶 芽衣子
吉村 悟:寺島 進
東山刑事:風見しんご
国代刑事:小林 健
飯田 敦:春田純一
小林係長:徳井 優
あゆみ:林 美穂 ほか
(順不同、敬称略、公式HPより)


笹沢先生の作品はこちら。
「生存する幽霊―タクシードライバーの推理日誌 (徳間文庫)」です!!
生存する幽霊―タクシードライバーの推理日誌 (徳間文庫)





同じく「招かれざる客―笹沢左保コレクション (光文社文庫)」です!!
招かれざる客―笹沢左保コレクション (光文社文庫)





同じく「霧に溶ける―笹沢左保コレクション (光文社文庫)」です!!
霧に溶ける―笹沢左保コレクション (光文社文庫)



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