<あらすじ>
葵あかね(賀来千香子)は、検察庁を辞めて弁護士に転身した“ヤメ検”。弱い者の味方として誠実かつ熱心な弁護姿勢と、事務所員・桜井花子(須藤温子)の地道な営業努力が実を結んで、今では多くの依頼を受けるまでになっている。
そんなあかねに、思いがけない事件の一報が飛び込んでくる。4年前、あかねがまだ検事だった頃に担当した強姦殺人事件の被告が殺害され、なんと容疑者として逮捕されたのは、強姦事件の被害者遺族の羽白治夫(永島敏行)だというのだ。
殺されたクラブ経営者の黒谷寛之(RIKIYA)は4年前、羽白治夫の一人娘・夏美(折井あゆみ)を殺害した容疑で逮捕された。担当検事となったあかねのみならず、捜査に当たった赤広刑事(ダンカン)の黒谷に対する心証は真っ黒。しかし、決定的な証拠が見つからず、黒谷は無罪放免となっていた。
無慈悲な裁判結果に羽白が発した「オレが殺してやる!」との悲痛な叫びを忘れられずにいたあかねは、4年前の敗北が今回の事件を招いたと責任を感じ、羽白の弁護を引き受けることにする。しかし、意外なことに羽白はあかねの申し出を拒否。4年前の事件以来、懇意にしていたという赤広の取り調べに対しても、羽白は黙秘を貫くのだった。
赤広によれば、4年前の事件当初、黒谷への復讐や自殺などの未遂を繰り返していた羽白も、最近になってようやく事件からの立ち直りをみせていたという。それがなぜ、今になって犯行に及んだのか、赤広は理解できずにいた。
そんな赤広には15歳になる娘・瑞樹(大西菜友)がいた。妻はなく、たった一人の家族だが、今は重篤な肝硬変で入院中。4日後には赤広が休職してドナーとなり、生体肝移植の手術を行う予定だという。
その後、羽白はあかねを代理人として認める。しかし、事件に関しては口を閉ざしたまま。赤広の取り調べに対しても同様で、刻々と時間だけが過ぎていく。
そんな中、羽白の犯行説に疑問を抱いた赤広の部下・野瀬刑事(市川知宏)があかねを訪ねてやってくる。野瀬は、凶器の指紋が拭き取られていたことをあかねに報告。現場から逃げもせず、犯行を自供している羽白が、なぜ凶器の指紋を拭き取る必要があったのか。野瀬は、真犯人は別にいて、赤広もそう考えている節があるが、上層部には新証拠を探す気がないとの現状を告げ、捜査資料をあかねに渡すのだった。
正式に羽白の代理人となったあかねは、ようやく黒谷の殺害現場となったクラブへと足を運ぶ。そこであかねは、争った形跡がないこと、また、4年前に釈放された当時、ワインバーの雇われ店長で貯金もなかった黒谷にしては、店が豪華過ぎることに違和感を抱く。さらに、黒谷の自宅を調べたあかねは、ペテン師の呼び声高いまゆつば弁護士の堺虎之助(泉谷しげる)が、被害金を賠償させると息巻いていた政治家絡みの投資詐欺の資料を発見。事件の関連を調べるため、虎之助の助言を得て、被害者からの聞き込みを始める。ところが、その直後にあかねは暴漢に襲われ…!!
(土曜ワイド劇場公式HPより)
では、続きから……(一部、重複アリ)
葵あかねは、検察庁を辞め弁護士に転身した“ヤメ検”。
当初は苦難続きであった弁護士業も、事務所員である桜井花子の手助けを得て、今では大分軌道に乗り始めていた。
そんなあかねが次に担当した事件は、彼女自身に縁の深いものであった。
4年前、あかねがまだ検事だった頃に力不足だった為に罪に問えなかった強姦殺人事件の被告・黒谷寛之が彼が経営するクラブで殺害されたのだ。
当時のあかねや捜査を担当した刑事・赤広にとってこれは痛恨事であった。
しかも、黒谷殺害の容疑者とされたのは強姦事件の被害者である夏美の実父・羽白治夫であった。
もしも、羽白が実際に犯行に及んだとすれば、責任の一端は自身にも存在する―――そう考えたあかねは羽白の弁護を引き受けることに。
だが、羽白は黙秘を貫くなどあかねに非協力的な態度を取る。
さらに、あかねを驚かせる出来事が。
なんと、今回の捜査担当も赤広だったのだ。
赤広は4年前から羽白を支え続けており、個人的に親しいらしい。
それだけに、今回の羽白の犯行に衝撃を受けているようだ。
さらに、赤広には肝硬変で苦しむ娘・瑞樹が居た。
瑞樹は近く手術を行うとのことであったが……。
そんな中、赤広の部下・野瀬刑事が羽白の犯行説に疑問を抱き、あかねに協力を申し出る。
野瀬によれば、羽白は黒谷殺害の凶器の指紋を拭き取りながらも、現場から逃げようとしなかったらしい。
どうも、野瀬は赤広の煮え切らない態度にも疑問を抱いているようだ。
黒谷殺害の現場となったクラブに赴いたあかねは、黒谷が夏美の命日に「レクイエムイベント」と称した企画を実行しようとしていたことを知り、あまりの死者を弄ぶような態度に義憤に駆られる。
このイベントについては羽白も知っていたようだ。
だとすれば、羽白には動機が存在することになるが……。
羽白の無実を信じるあかねは、黒谷が誰とも争った様子が無いこと、クラブの資金の出所が不明であることから黒谷周辺を調べ始める。
すると、黒谷が投資詐欺グループのメンバーだったことが明らかになった。
直後、あかねが何者かに襲われる。
襲撃犯の正体は比留間辰吉。
黒谷と同じく投資詐欺グループのメンバーであった。
もしや、比留間が黒谷を殺害したのか。
ところがそんな矢先に、当の比留間もが殺害されてしまう。
だが、これは残る投資詐欺メンバーの1人・杉浦の犯行と判明。
杉浦自身は黒谷殺害を行っておらず、事件は振り出しに戻ってしまう。
そんな中、黒谷殺害現場に切れたミサンガが落ちていたことが判明。
あかねは、これを身に着けていた夏美の元恋人・佐々木に注目する。
だが、佐々木は黒谷と揉めていたことは認めるが犯行は否定。
さらに、佐々木には既に妻子が居たことから動機の面も弱いと判断された。
羽白が誰かを庇っていると考えたあかね。
その直後、赤広も同様のミサンガを所持していたことが判明。
ミサンガはもともと夏美が個人的に作っていた物で、赤広は羽白からミサンガを貰ったらしい。
まさか……あかねは羽白が誰を庇っていたかに思い当たる。
そんな中、瑞樹の手術が行われ無事成功する。
あかねは赤広のもとを訪ねる。
赤広はすべてをあかねに打ち明けることに。
あの日、羽白はレクイエムイベントの件で黒谷を問い詰めていた。
羽白を心配した赤広もこれに立ち会ったのだが……。
黒谷は謝罪するどころか「お前が迎えに来ていれば夏美は死なずに済んだ」と羽白を批判する始末。
挙句には「お父さん助けてぇぇぇぇぇ」などと夏美の声真似までして、羽白を挑発し始めた。
羽白は逆上し、アイスピックを持ち出す。
これを必死に押し留める赤広。
赤広が居る限り、羽白はどうしようもない。
黒谷は図に乗り「命乞いの為に、俺の女になってもいいとまで言ったんだ」と、さらに夏美への侮辱をエスカレートさせて行く。
遂に羽白は男泣きに泣き出した。
そんな羽白の姿でさえも、黒谷にとっては愉悦の材料にしかならない。
さらに揶揄し始める。
それは羽白と同じように娘を持つ赤広にとっても聞くに堪えない物であった。
黒谷は羽白さんの心までも殺そうとしている―――赤広はそう思った。
そして、遂にキレた。
気付けば、赤広は羽白からアイスピックを奪うと黒谷を刺していた。
赤広にとって無心の行動であった。
呆然とする赤広。
これに羽白は責任を感じ「瑞樹ちゃんの為にも逃げてくれ」と逃がしたのである。
そして、羽白は赤広を庇ったのだ。
「4年前、黒谷の罪を問えていれば……詐欺被害も無かったかもしれないんですよ!!」
自身の正義を主張する赤広。
だが、あかねは「それでも罪は罪だ」と赤広の罪を問う。
こうして、赤広は逮捕されることに。
同時に、あかねは罪を問うだけではなく赤広の弁護を引き受けるつもりであった―――エンド。
<感想>
「ヤメ検の女」シリーズ第4弾。原作なしオリジナル作品です。
前作第3弾は2012年7月21日に放送されており、1年3ヶ月ぶりの放送となった本作。
シリーズ第1弾、第2弾、第3弾共にネタバレ批評(レビュー)ありますね。
興味のある方は過去記事をどうぞ!!
早速、感想を。
何よりもインパクトがあったのは、事務所員の花ちゃん。
まさに八面六臂の大活躍でしたね。
あかねに物を教える(ミサンガとか)ほどの物知りだし、変装して調査も行う(比留間宅を見つけ出す)し、そもそも調査能力自体が高い(佐々木の写真を入手)しで、もしかするとあかねよりも有能なのでは……と思うほど。
あかねの躍進は、あかね自身の努力はもちろん、花ちゃんあっての物なんだろうなぁ……。
そして、羽白、黒谷、赤広と色にまつわる3人がメインのストーリーでした。
それぞれが色のイメージを背負ったキャラでしたね。
羽白は淡泊な人柄。
黒谷は真っ黒な人物。
赤広は情熱の赤。
特に黒谷殺害の経緯が明かされるラストシーンでの3人の遣り取りはそれぞれの特徴が表に出ていて凄かったですね。
中でも黒谷の残虐さは印象に残るものでした。
視聴していて「許せん」と義憤に駆られた方も多かったのでは。
ちなみに、実はあかねも「葵あかね」なので色に関わってたりします。
こちらは「正義感の赤と清廉な青がイメージされている」と言ったところでしょうか。
だからこそ、中立を保てるのかもしれません。
なかなかにいろいろ考えさせられて、2時間集中して視聴出来ました。
次回にも期待出来そうです!!
◆関連過去記事
・土曜ワイド劇場「ヤメ検の女」(11月14日放送分)ネタバレ批評(レビュー)
・土曜ワイド劇場「『ヤメ検の女2』殺人を隠蔽する検察!?夫は自殺じゃない!権力に塗り替えられた真実・・・謎のペンダントに隠された哀しい過去 」(2月19日放送)ネタバレ批評(レビュー)
・土曜ワイド劇場「『ヤメ検の女(3)』検察を辞めた情熱弁護士!父を殺された難病少女を救え!死者が残したメッセージ“うして”の謎!?連続殺人の闇・・・」(7月21日放送)ネタバレ批評(レビュー)
<キャスト>
葵あかね:賀来千香子
葵 健介:温水洋一
桜井花子:須藤温子
赤広洋介:ダンカン
佐々木康祐:長谷川朝晴
黒谷寛之:RIKIYA
羽白未緒:筒井真理子
羽白治夫:永島敏行
堺虎之助:泉谷しげる ほか
(敬称略、順不同、公式HPより)
【関連する記事】
- 月曜名作劇場「駅弁刑事・神保徳之助10 〜近江八幡人情編〜 人気シリーズ第10弾..
- 土曜ワイド劇場「再捜査刑事・片岡悠介9 死を呼ぶプロポーズ〜結婚詐欺連続殺人!美..
- 月曜名作劇場「横山秀夫サスペンス 刑事の勲章 横山秀夫最高傑作「64(ロクヨン)..
- 土曜ワイド劇場「森村誠一の棟居刑事 偽完全犯罪 美女作家のニセ者は二度死ぬ?血痕..
- 水曜ミステリー9「マザー・強行犯係の女〜傍聞き〜 伝えたい話を別人の会話から漏れ..
- 月曜名作劇場「横山秀夫サスペンス 陰の季節 横山秀夫最高傑作「64(ロクヨン)」..
- 「科捜研の女 春スペシャル 謎の美人四姉妹の周りで次々と殺人が!犯人は…魔女!?..
- 土曜ワイド劇場「温泉(秘)大作戦(17) 香川うどん県こんぴら温泉 瀬戸内海の孤..
- 金曜プレミアム「松本清張スペシャル 一年半待て 密室夫殺人事件!正当防衛を訴える..
- 水曜ミステリー9「ソタイ2 組織犯罪対策課〜この男、危険なり! ドラッグ密売組織..
- 月曜名作劇場「税務調査官 窓際太郎の事件簿30 月曜名作劇場第一弾は窓際シリーズ..
- 土曜ワイド劇場「検事・朝日奈耀子(17)医師&検事〜2つの顔を持つ女! イケメン..
- 金曜プレミアム「松本清張スペシャル かげろう絵図 大奥に暗躍する巨悪に立ち向かう..
- 土曜ワイド劇場「京都南署鑑識ファイル10 狙われた社長令嬢・誘拐犯が殺された!2..
- 「松本清張特別企画 喪失の儀礼 松本清張の長編推理小説!中伊豆の旅館と深大寺の公..
- 月曜ゴールデン「内田康夫サスペンス 浅見光彦シリーズ35 風のなかの櫻香 尼寺で..
- ドラマスペシャル「ストレンジャー バケモノが事件を暴く 永遠の時を生き続ける不老..
- 土曜ワイド劇場「タクシードライバーの推理日誌39 スキャンダルな乗客 舞台上の連..
- 金曜プレミアム「山村美紗サスペンス 赤い霊柩車36 惻隠の誤算 放送開始24年目..
- 水曜ミステリー9「犯罪科学分析室 電子の標的2 猛毒ウィルスを密かに開発していた..
更新再開有難うございます。楽しみにしていましたので。お仕事が忙しいでしょうけど、マイペースで長く続けてくださいね。
「ヤメ検の女」シリーズですけど、今回私も色を上手く使っているなあと思いました。原作がないドラマだからできることかな。
いちばん面白かったのは、メイド喫茶らしいところでの花ちゃんの変装かな。かわいかった。
それとこのブログの親切なところは、このシリーズの1作目から全部読み返せるところ。なつかしく前作も復習させていただきました。検事を辞めた理由もわかったし。
季節柄、ご自愛くださいね。
こんばんわ!!
管理人の“俺”です(^O^)/!!
お言葉ありがとうございます、励みになります(^O^)/!!
「ヤメ検の女」も2009年11月14日に始まりシリーズ4作目。
まさに当ブログと同じ年月を歩んで来たシリーズとなっています。
それだけに思い入れと親しみのあるシリーズです。
そんな今回、個人的にはシリーズ1番の出来だったと思います。
テンポ良く物語が進んでいたし、ミスリードこそ多用されていましたが、割と過不足なく視聴者に情報が供給されていましたし。
そして、花ちゃんの潜入捜査ぶりも良かったですね。
メイド喫茶のシーンでは、一瞬別の番組を視ているのかと目を疑ったほどでした。
それぞれのキャラの成長ぶりも良かった。
やはり、シリーズものの良い所は思い入れを持つことが出来ることでしょうか。
さて、マイペースながら当ブログも更新再開となりました。
本シリーズ同様に年を重ねつつ、これからもこのシリーズを批評(レビュー)していけたらと思います。
宜しくお願い致します(^O^)/!!
同じ「土曜ワイド劇場」の「ホゴカン」でも殺される役でしたし、「さすらい署長」では寺田農さんに首を絞め殺されてましたし・・・。
RIKIYAさんにしてみれば、演技を見た人から「腹立つ男だ」とか「敵だ」と思ってみてもらえれば、それが「拍手喝采」だと思います。こういう役は、いかに「憎たらしさ」を出せるかが重要になるわけですから。
ところで私事ですが、こういう役のために、心無い中傷が起きるのは大きな問題です。憎たらしいのは、脚本家やスタッフが生み出した「想像の中の人物」なのに、演じた本人が誹謗中傷の的になるのは心苦しいものです。
昔だと片平なぎささんがそのいい例です。かつて「主人公にひどい嫌がらせをする役」を「スチュワーデス物語」で演じたのですが、役柄が「あまりにも非情」なため、演じた片平さん自身が街を歩いていて石を投げつけられたといいます。
ドラマで演じている人物が「憎らしい存在」ではあっても、それは「架空の人物を演じるための芝居」なのですから、「役者自身への誹謗中傷」というのはあってほしくないものです。
こんばんわ!!
管理人の“俺”です(^O^)/!!
役によるイメージと言うのは影響が大きいのですね。
視聴者として、それを理解した上でドラマを楽しもうと思います。