2014年01月02日

「相棒season12(twelve)」元日スペシャル第10話「ボマー 〜狙撃容疑者特命係・甲斐享を射殺せよ!」(1月1日放送)ネタバレ批評(レビュー)

「相棒season12(twelve)」元日スペシャル第10話「ボマー 〜狙撃容疑者特命係・甲斐享を射殺せよ!」(1月1日放送)ネタバレ批評(レビュー)です!!

日本で100番目に早い(たぶん)、「相棒season12(twelve)」元日スペシャル第10話「ボマー」(1月1日放送)ネタバレ批評(レビュー)。

2014年1月6日に追記を行っています。詳しくは感想後半を参照のこと。

<ネタバレあらすじ>

帝国情報リサーチの屋上から1人の男性が飛び降りた。
一方、桂木という女性が病院へ緊急搬送されていた。
さらに数日後、国際線の空港に怪しげな男(宇崎竜童)が降り立っていた。

数日後の夜、花の里には右京(水谷豊)と甲斐(成宮寛貴)の姿があった。
甲斐は一足早く仕事納めし、英国に海外旅行に出掛けるのだそうだ。
話題は英国繋がりでシェイクスピアに。
花見町の劇場で公演される舞台についての話で盛り上がる中、右京はシェイクスピアの肖像画が刻まれたコインを甲斐に贈る。
「天と地の間には君の思いも寄らない出来事がまだまだあるのだ」との言葉と共に。

だが、まさかこの言葉が現実の物となろうとは!!

花の里での翌日夜、健康診断帰りに甲斐の目の前で交番が爆発したのだ。

驚く甲斐は現場で裸足でうろつく不審な少年(大和田健介)を発見し追跡。
甲斐は事情を尋ねるべく少年を保護しようとするが、少年はスマートホンの画面を甲斐に向けると頑なに「来るな!!」と叫び続ける。
スマートホンの画面には例の空港に降り立った男が映っていた。
男は自らを「JB」と名乗ると、甲斐に命令に従うように強制。
もしも、JBの命令に反抗すれば少年を爆死させると告げたのだ。
少年の身体には遠隔操作で起爆する爆弾が括りつけられていたのである……。

こうして、甲斐はJBの指示に従わざるを得ないことに。
甲斐と少年はJBの指示でさかえ丸へ、其処が甲斐たちの隠れ家となるのだ。

一方、爆発事件に右京が乗り出した。
右京は交番付近の郵便ポストに注目。
回収時刻から郵便配達人が犯人を目撃した可能性があると考えたのだ。
この予測は的中。
郵便配達人は裸足の少年を目撃していた。
彼により少年の似顔絵が作成された。

その頃、内村や中園らは捜査本部で爆発事件について対策を練っていた。
其処へ新公安部長・正木(中村橋之助)が訪れる。
正木は福祉衛生省の担当大臣を勤める兄を持つエリート一家の出身であった。

正木は「JB」こと「Jボマー」の犯行と断定。
「JB」は海外でも指名手配されている大物らしい。
正木によれば、産業センタービルでJBに何らかの動きがあるとの情報を入手しているらしい。
正木も捜査に加わる中、その指示により正木子飼いの犬飼らと共に伊丹たちが産業センタービルへ張り込みを行うこととなった。

似顔絵を手に入れた右京は、正木に少年についての情報を伝えるが一笑に付されてしまう。

同じ頃、甲斐は少年を助け出そうと奮闘していた。
「JB」の目を盗み、少年の学生証を回収する甲斐だが……。
さらに、裸足の少年を見かねた甲斐は銭湯からサンダルを盗み出す。

数時間後、JBの指示に従った甲斐と少年が産業センタービルへ現れた。
当然、伊丹や芹沢らの目に触れる。
彼らは気さくに甲斐に声をかけようとするが……甲斐が応じられる筈がない。
甲斐は少年を人質に、その場を逃げ出すことに。

思わぬところで思わぬ事件が発生し、伊丹たちは動揺。
一方、さかえ丸へと戻った甲斐は、少年の名を悠馬と呼ぶ。
それは学生証から知った名前である。

甲斐の行動が問題となった。
正木は甲斐が悠馬を誘拐したと断ずるが……。

右京は悠馬が「JB」に利用されていると判断。
甲斐もこれに巻き込まれたと考える。
さらに、悠馬が当初は裸足だったにも関わらず、サンダルを履いていたことに注目。
これに甲斐からの何らかのメッセージが含まれているとし、近くの稲荷湯を調べる。

稲荷湯ではサンダルが盗難に遭っていた。
右京は其処で脱衣所のロッカーが1つだけ塞がっていることに気付く。
中には北村悠馬の学生証が入っていた。
甲斐が残した物だ。
甲斐は右京にだけ伝わるようにメッセージを送っていたのである。

悦子が帰国した。
悦子によれば、甲斐と旅行する為に先に出国していたのだそうだ。
だが、不安に思う点があり、急いで戻って来たと言う。
なんでも、3週間ほど前、部屋の中の小物の位置が異なっていたそうだ。
これを聞いた右京は室内を調べ、盗聴器を発見する。
甲斐は爆発事件の当日に勝鬨総合病院の健康診断を受けており、現場付近を通る予定が決まっていた。
右京は犯人の狙いが甲斐にもあると結論付ける。

その夜、悠馬はJBと何やら秘密裏に連絡を取り合っており……。

翌朝、右京は北村家を訪れていた。
悠馬は父を早くに亡くしており、母・佳子、妹・真紀との3人暮らしだそうだ。
しかも、悠馬は宅配ピザ屋でバイトしているらしい。

悠馬のバイト先のロッカーを調べた右京。
其処には6月15日に発生した山王財団・山王美喜子殺害事件の切り抜き記事があった。
容疑者は桂木涼、既に逮捕されていたが……。

同じ頃、捜査本部の内村や正木たちは峯秋から夜に集まるよう指示を受けていた。
どうやら、甲斐の捜査に手心を加えないようにとの通達する為のようだ。

そんな中、産業センタービルの件が漏洩し騒動に。
対応した正木は「夜に部下を集め今後について会議を開くので無暗に騒ぎ立てないように」と繰り返す。
これを聞いていた柳沢記者は何処かへ連絡を入れる。

桂木涼について調べ始めた右京。
桂木は海外でも活躍していたジャーナリストだそうだ。
山王喜美子とは弱者救済の活動を通じて知り合った同志だったようである。

そして運命の6月15日。
桂木涼は山王美喜子と共に帰宅した。
山王喜美子が先に屋内へと戻り、遅れて桂木涼が入ったところ喜美子が殺害されていた。
現場には、桂木涼の物ではないペンライトが転がっており、バイクの走り去る音を聞いたとの証言もあった。

桂木涼の弁護士によれば、桂木は自身が調査中のある重要事件について喜美子が巻き込まれたと語っていたそうだ。
当の桂木は拘置所内でアナフィラキシーショックを起こし、搬送されていた。
桂木はピーナッツアレルギーを患っており、差し入れの本を読んでいたところ急に倒れたのだそうだ。
どうやら、差し入れの本の中にピーナッツパウダーが仕込まれていたようである。

山王美喜子殺害現場が悠馬のバイト先の近くと判明。
悠馬は宅配ピザ店でバイトしていたのだ。
バイクは必需品である。
もしかして、桂木が聞いた走り去るバイクは悠馬の物ではないか。
だとすれば、悠馬は犯人を目撃したのでは―――。

右京は仮説に辿り着いた。
しかし、未だに不明な点がある。

桂木は何故、調査中の事件について明かさなかったのか。
そして、巻き込まれたと思しき甲斐。

右京はすべての事件に山王美喜子の死が関わっていると考える。
だが、内村たちは聞こうとしない。
そんな中、正木のみは右京を評価し、捜査に協力する姿勢を見せる。

山王美喜子事件で発見されたペンライトを調べる右京。
どうやら、証拠品として押収された後にすり替えられた形跡があるらしい。
さらに、桂木涼の通話記録からその交友関係が明らかになった。
其処へ、外事三課の犬飼が右京に産業センタービルの防犯カメラ映像を届けにやって来る。

その頃、甲斐はJBから情報を引き出そうと悪戦苦闘していた。
JBがふと洩らした「エンベット」という言葉に注目する甲斐。
ところが、JBからある場所へ向かうように指示を受ける。

向かった先は峯秋が正木や内村たちに甲斐の捜査について手心を加えないよう念を押す会合の現場であった。
驚く甲斐の目の前で、何者かにより内村が狙撃されてしまう。
「なんだ、何が起こった?」
慌てふためくJB。
甲斐は必死にその場を逃げる。

内村は一命を取り留めた。
だが、これにより甲斐が狙撃犯にされてしまった。
峯秋は息子にも関わらず甲斐を信じず、特別指名手配を命じる。
さらに、手加減を加えないように厳命する。
捜査本部については負傷した内村に代わり正木が指揮することとなった。

何とか追跡を振り切った甲斐と悠馬。
怯える悠馬に「俺たちには最強の味方がついている」と述べる甲斐。
もちろん、右京のことだ。

その期待に応えるかのように、右京は産業センタービルの防犯カメラ映像から甲斐と悠馬に指示を出しているらしき人物を発見。
彼こそがJBであると特定していた。

さらに、右京は桂木涼の通話履歴から柳沢記者に辿り着く。
桂木と柳沢は幼馴染だそうだ。
右京は桂木について柳沢に問うが、柳沢は多くを語ろうとしない。
だが、桂木涼が化学工場の有毒廃棄物事件の調査に関わり狙撃されてもなお調査を続けたことを明かす。
桂木涼はそれだけ強い信念の持ち主のようだ。
柳沢は山王美喜子殺害についても桂木の犯行に疑惑を抱いており、ピーナッツパウダーの件も真犯人に狙われたと考えていた。

此処に、右京はJBの真の狙いが山王美喜子事件の真犯人にあると看破。

その頃、甲斐と悠馬はさかえ丸に潜んでいたところを何者かに襲撃され逃走していた。
なんとか逃げ切った甲斐に、悠馬はこれまでの真相について打ち明ける。
6月15日、悠馬は山王美喜子宅付近をピザの配送中にある男に出会った。
悠馬は男に殴り飛ばされ、身許を確認されると自分を見たことを黙っているように脅迫された。
数日後、桂木涼が逮捕されたことを知ったが、怖くて真実を言い出せなかった。
そんなある日、JBに捕まり爆弾を身体に巻き付けられた。
その上で、産業センタービルで6月15日に見た男を探すようJBに命令されていたらしい。

同時刻、右京は犯人が目撃者である悠馬を合法的に殺害する為に、内村狙撃を行ったと推測していた。
内村狙撃を行った物と同じ銃により、甲斐と悠馬を射殺すれば錯乱した甲斐が悠馬を射殺し自殺したとの状況を工作できるからだ。

JBは何故、山王美喜子殺害事件を調べているのか。
そして、桂木涼は何を調べていたのか。

矢先、保管庫からベレッタM92が盗み出されていたことが明らかになった。
どうやら、これこそが内村狙撃に用いられた拳銃のようだ。

右京は山王財団へ、これに正木も同行する。

正木は何故、山王美喜子が殺害されたかについて注目する。
おそらく犯人は桂木の調査資料を盗もうとして忍び込んだのだろう。
だが、データを盗み出すだけならば、山王を殺害する必要は無い。
つまり、山王を殺害する必要が急遽、生じたのだ。
だとすれば、山王と顔見知りだったからではないか……。

右京は正木の推測の正しさを認める。
ペンライトの件から、内部に犯人が居るとする右京。
だとすれば、山王と犯人に接点が生じる機会は少ない。
おそらく、要人のSP経験者として顔見知りだったのではないかと考える。

右京は桂木の通話記録から連絡を取り合っていたとみられる「N」を調べ始める。
「N」の正体は長峰という男性。
彼こそは冒頭に帝国情報リサーチの屋上から投身自殺した人物であった。

長峰の妻によれば、長峰は自殺当日に新聞を読んでおり様子がおかしかったのだそうだ。
当日の新聞を確認する右京。
其処には「母子家庭の母親と幼児衰弱死」などの文字が踊っていた。

一方、甲斐は此処数日を振り返り何やら考え込んでいた。
と、急な機械音が!!
悠馬の身体に巻かれた爆弾が警告音を鳴らしているのだ。
スマホの充電が切れかけており、残り15分で爆発するのだそうだ。
甲斐は居場所がバレることを知りつつ、ビジネスホテルに飛び込み充電することに。

その頃、右京は桂木宅を訪問。
屋内を一通り眺めると、角田課長に連絡を入れていた。

ビジネスホテルには正木の指示で捜査員が急行。
包囲された甲斐はシェイクスピアのコインを残し逃げ出すことに。
それは右京にだけ通ずるサイン。

追い詰められた甲斐は悠馬の身体に巻き付けられた爆弾を誇示し、その場を切り抜けることに成功する。
これにより、甲斐と悠馬がJBから爆弾で脅迫されていることが明らかになった。

甲斐が逃げ去ったホテル。
其処でシェイクスピアのコインに右京が気付いた。
あのとき、花の里でどんな会話が交わされたか?
そう、花見町の劇場だ。
甲斐は其処に現れるに違いない。

右京は中園や角田、伊丹、大石らを動かす。
さらに、正木に対し甲斐に発信機付きの車をわざと盗ませるよう提案を行う。
この計画は了承されることに。

一方、甲斐はJBに潜伏先として花見町へ向かうよう提案。
移動途中に劇場横を通り抜ける。

其処には着物姿の婦警・大石(シーズン11「アリス」に登場した人物)が立っていた。
大石は「川沿いの遊歩道に立ってるサンタとトナカイが……」と繰り返していた。

甲斐は川沿いへ。

今度はサンタとトナカイがビラを配っていた。
甲斐はこれからビラを受け取る。
このビラにこそ、右京からのメッセージが書かれていた。
変装を解くサンタとトナカイ、その正体は伊丹と芹沢だ。
さらに、大木たちが甲斐を尾行する。

さて、目的の車が迫った。
ところが、車に乗ろうとしたところをJBに止められてしまう。
どうやら気付かれたようだ。

甲斐は尾行していた大木に近付き、その銃を奪ってしまう。
しかも、そのまま公園付近の管理棟に立て籠もってしまった

悠馬の母・佳子により、柳沢と悠馬が揉めていたことが分かる。

矢先、本物のJBが逮捕されたとの報が届く。
ではJBを名乗る人物の正体は誰なのか―――困惑する正木。

其処へ甲斐からのメモが届けられる。
メモには、悠馬が明かした真実以外にエンベットとの文字が。

右京はエンベット取材に思い当たる。
ジャーナリストが軍隊などに入隊して行う取材のことだ。
つまり、JBを騙った人物はジャーナリストの可能性が高い。

JBを騙っていた人物がジャーナリストの桂木重吾と判明。
重吾は桂木涼の父であった。
娘の無実を証明するべく、事件を起こしたようだ。

一方、立て籠もった甲斐は食事を要求。
これに犬飼が食事を運ぶ役割を志願する。

右京も正木と共に立て籠もり現場へ向かう。
右京は重吾がJBを名乗り爆弾事件を起こした理由をある人物を捜査に参加させる為だったと指摘。
直後、重吾の居所が判明したとの連絡が。
右京は正木と共に重吾の隠れ家とされる場所へ。

悠馬が甲斐に巻きこんだことを謝罪する。
すべて重吾の指示だったのだそうだ。
初めから甲斐も狙われていたのだ。

其処へ犬飼が食事を届けに現れた。
だが、犬飼は食事を届ける代わりに銃を抜き、甲斐を殺害しようとする。
しかし、何時の間にか現れた伊丹たちにより逮捕されることに。

実はビラには管理棟に立て籠もるようにとの指示が記載されていた。
すべてが計画通り。
右京が犬飼を罠にかけたのだ。

その頃、重吾の隠れ家に辿り着いた右京と正木は別行動を取っていた。
正木は1人ほくそ笑むと、起爆装置のスイッチを入れる。
ところが、爆発した様子はない。
「爆弾は爆発しませんよ」
うろたえる正木へと右京が呼びかける。

正木こそが黒幕だったのである。

右京が正木に不審を抱いたのは内村が狙撃されたことにあった。
あの日、正木は峯秋の会合に参加する筈であった。
ところが、柳沢には部下たちを集めて会合すると語っていた。
明らかな嘘だ。
重吾は柳沢を情報源としており、甲斐を誘き出す為の罠だったのだ。
右京はこれを見抜いた。
さらに狙撃手が確認されたことで犬飼の存在を確信したのもこのときだったと言う。

正木は真相を語り始める。

犬飼は桂木のデータを奪うべく、山王美喜子宅に侵入。
ところが、発見され殺害してしまった。
その後、悠馬を脅迫し口封じした。
これで終わったかに思えたが、今回の事件が発生したのであった。

正木は産業センタービルの時点で、JBを名乗る人物の狙いを見抜いた。
そして、JBが偽物であり重吾であることにも気付いた。
それゆえに、その行動を利用したのだ。

正木は何故、悠馬の爆弾が偽物だと気付いたのか右京に問う。

桂木重吾にとって悠馬は娘の無実を証明する大事な生き証人。
重吾が甲斐を巻き込んだのは悠馬の身の安全を図る為であった。
そんな悠馬を自らの手で危険に曝す筈がない。

しかも、重吾の居場所が判明したとの報告が上がった時点で既に重吾は逮捕されていたのだ。

右京は今回の事件の動機についても推理を述べる。
事の発端は、帝国情報リサーチの長峰、そして「母子家庭の母親と幼児、衰弱死」―――この記事にあった。
補助手当が引き下げられたことが原因で死亡した事件である。

当時、正木の兄は福祉衛生省の担当大臣であった。
つまり、手当て引き下げを行った張本人である。

そして、この引き下げの根拠とされたのが帝国情報リサーチの1人親家庭の要望調査。
其処では、手当よりも自立する為の職業支援が強く求められているとの結論が述べられていた。
これに基づき正木の兄は1人親職業支援センターを設立した。
そして、この調査結果を出したのが長峰だったのだ。

だが、これには裏があった。
長峰が出した調査結果は正木兄の意向を汲むよう改竄された物であった。
正木兄は1人親職業支援センターを設立することで、福祉衛生省の天下り先を確保しようとしたのだ。

長峰は自身の行いを後悔しており、桂木涼の取材に応じ改竄した証拠のデータを渡した。
そしてあの日、新聞で母親と幼児が死亡した記事を見つけショックを受け自殺したのだ。

桂木は長峰の死を無駄にしないと誓うことに。
そして起こったのが、山王殺害事件だ。

容疑者として逮捕された桂木に正木はデータの在処を教えるよう迫った。
しかし、桂木は屈しなかったのである。

正木は「確かに直接手を下したのは犬飼だ。だが、桂木たちジャーナリストを名乗る人物こそが間接的に追い込んだんだ」と主張する。
これに、右京は「真実を伝える為に第一線で戦う彼らを貶める権限はあなた方にはない!!」と反論するのであった。

続いて重吾の取り調べが行われた。
重吾は柳沢から情報を得ていたが、柳沢は共犯ではないと主張する。
其処へ桂木涼が意識を取り戻したとの連絡が。
これを聞いた重吾は歓喜の涙を流す。
さらに、甲斐と悠馬に謝罪するのであった……。

正木の行いが明らかになり、手当の引き上げが検討されることになった。
桂木涼は回復し、美喜子の意志を継ぎ弱者救済の活動を行うことに。
桂木によれば、長峰から渡されたデータは桂木家に飾られていたトロフィーの台座の中にあるのだそうだ。

内村が退院し、現場に復帰した。
快気祝いの席には、角田や伊丹たちの姿が。
内村は上機嫌である。

その隅に、壁の花となっている右京と甲斐が。
右京はシェイクスピアのコインを甲斐に差し出す。
「天と地の間には君の思いも寄らない出来事がまだまだあるのだ」
受け取りつつ、甲斐は呟く。
「そう、まだまだありそうですねぇ」
付け足す右京に「えっ……」と絶句する甲斐―――10話了。

<感想>

シーズン12(twelve)10話。
脚本は太田愛さん。

サブタイトルは「ボマー」。

太田さんの正月回に外れなしか。
展開もテンポも理想的で緩急自在の良回でしたね。
まるで映画のようでもありました。

互いを信頼し合う右京と甲斐。
まさに相棒と言える物語でした。
当初、善=正木、悪=JB(重吾)と思われていた構図が、終盤で善=重吾、悪=正木と引っくり返るのも良かった。

そして、本作のキーワードは「家族愛」。

正木は兄への。
悠馬は子として母への。
重吾は父として娘・涼への。

それぞれの愛を描いたと言えそうですね。
ちなみにもう1つキーワードと言えそうなのが「1人親家庭」。
悠馬一家もそうですし、桂木重吾、涼親娘もまた1人親家庭でした。

それにしても、甲斐のサンダル窃盗は罪に問われないのだろうか……。
これだけは気になる。

1月6日追記

コメントにて、タケルさんと和泉さんからご指摘を頂き、訂正を行いました。
訂正箇所は次の通り。

1.感想部分の「BJ」を「JB」へと訂正。
2.「葛城」を「桂木」、「雄真」を「悠馬」へと訂正。

いずれも誤表記を正しい表記に改めたものです。
教えて下さったタケルさん、和泉さん、ありがとうございます(^O^)/!!

さらに、同じく和泉さんのご指摘により、本作のキーワード「家族愛」を表現するべく甲斐父子が比較対象として配されていたことに気付きました。
桂木父娘や北村一家などが家族愛を貫いたのに対し、峯秋と甲斐父子の場合は父である峯秋が甲斐を突き放すとの対照的な行動に出ていました。
これも「家族愛」をより強調する意味があったのかもしれません。

そして、視聴から3日ほど経過した頃に思ったのですが、長峰は自殺するなら資料提供したぐらいなんだから、もっと率先して桂木涼をサポートすれば良かったんだよなぁ。
そしたら山王喜美子も死なずに済んだのだろうし。
そう考えると、正木兄の被害者との側面を考慮に入れても長峰の責任は意外に重いのかもしれない。

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posted by 俺 at 00:00| Comment(7) | TrackBack(0) | 相棒 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
初めまして。
いつも読みやすく分かりやすい解説を拝読しています。

一点、小さいことですが、一か所だけ「JB」が「BJ」になっておりましたので、ご報告させて頂きます。
(該当箇所:善=正木、悪=BJ(重吾))

今回の相棒は映画を見ているようで、最後までひきつけられました。
個人的には、取調室で真実を話しているときの重吾の優しい顔がとても素敵で、一番印象に残っています。

これからも楽しみにしておりますので、ご無理のない範囲で更新してください。
Posted by タケル at 2014年01月03日 23:49
Re:タケルさん

こちらこそ初めまして!!
管理人の“俺”です(^O^)/!!

BJの件、ご指摘頂きありがとうございます。
早速、訂正致しました。

今回、確かに映画のような展開で惹き付けられました。
重吾、やり遂げた父親の顔をしていましたね。

それと特に大丈夫かとは思ったのですが、非表示について触れられていましたので2つ目のコメントは非表示にしました。
差し支えあれば仰って頂ければと思います。

では、2つ目のコメントの内容について。
確かに、右京が甲斐に代わり支払いを行ったことでサンダルについては問題がクリアされていますね、納得です!!

マイペースでの更新となりますが、今後とも宜しくお願い致します(^O^)/!!
Posted by 俺 at 2014年01月04日 01:06
はじめまして。
少し気になったことがあったので...。

重吾・涼親子の苗字が『葛城』ではなく、『桂』ではなかったでしょうか。
もう一つ、『雄真』ではなく、『悠真』だったような...。

ちゃんとは確認していないので、間違っていたらすみません。

今回は家族愛がキーワードのようだったので、甲斐親子(一家?)のことも何か触れないかな、と思っていたのですが流石にあの親子で家族愛はちょっと・・・^^;
甲斐君のお母さんとお兄さんも一度登場してきてもらいたいものです。

これからも更新、宜しくお願いします。
Posted by 和泉 at 2014年01月04日 16:18
管理人様

お正月は「相棒」「眠りの森」「鍵のかかった部屋」を観ましたが、どれもレビューがありうれしいです。(全部読みました)

中でもやっぱり「相棒」のお正月スペシャルはいつも素晴らしいです。

子を想う親の気持ちが強いなら、少年に爆弾をつける(偽物でも…)以外の方法を考えてほしかったですけど、相手の大きさからして、仕方なかったのかもしれませんね。

今年も読書や視聴のあと楽しみにここに来ますのでよろしくお願いします。
Posted by あおによし at 2014年01月05日 18:05
こんばんわ!!
管理人の“俺”です(^O^)/!!

Re:和泉さん

こちらこそ初めまして!!
あの……間違っていたらゴメンナサイなのですが、以前からコメント頂いている和泉さんとは同名の別の方なのでしょうか。

そして、ご指摘ありがとうございます!!
確認してみたところ、「葛城」ではなく「桂木」、「雄真」も「悠馬」が正しいようです。
うわわわわわ、勘違いしていました……早速、訂正せねば!!

そう言えば、甲斐父子についての描写もありましたね。
こちらは仰る通り、家族愛と言うよりは峯秋が息子を突き離していたような印象でした。
確かに他の甲斐家の面々もいつか登場して欲しい!!

マイペースな更新になりますが、今後とも宜しくお願い致します(^O^)/!!

Re:あおによしさん

記事に目を通して頂けたとのこと、ありがとうございます!!
励みになります(^O^)/!!

「相棒スペシャル」良かったですよね。
映画風の展開でハラハラドキドキし最後まで惹き付けられました。
次回も、「白昼夢」がテーマとのことで期待大です。

こちらこそ、マイペースの更新となりますが宜しくお願い致します(^O^)/!!
Posted by 俺 at 2014年01月06日 01:18
凄く解りやすくTVで解らなかった事がこちらで解り良かったです。
質問ですが、甲斐亨はJBに何故選ばれたのですか?何故盗聴器なども仕掛けられたのか…
Posted by たか at 2014年01月09日 12:00
Re:たかさん

こんばんわ!!
管理人の“俺”です(^O^)/!!

お役に立てたなら幸いです!!
ご質問について分かる範囲でお答えすると。

JBは悠馬を巻き込んだものの、娘の為の証人としてその身の安全は保障したかった。
其処で、問答無用で射殺されないように峯秋の息子である甲斐を巻き込むことに……甲斐と共に居れば、荒事に繋がる可能性も低くなると見込んでいた為です。

また、盗聴器については、甲斐を巻き込む為にそのスケジュールを把握する必要があったので調べる為でした。
おそらく、その人柄が信用出来るかどうかを調べる意味もあったのではないでしょうか。

結果として、右京さんの活躍もあったとはいえ、JBの人選は正しかったことになりますね。
相棒スペシャル、映画風の展開で良かった(^O^)/!!
Posted by 俺 at 2014年01月11日 00:04
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