2014年01月14日

月曜ゴールデン「西村京太郎サスペンス 十津川警部シリーズ51 京都〜小浜殺人迷路〜八百比丘尼伝説の怪〜十津川の妻が殺人!?25年前の未解決事件が引き起こす連続不審死、死を招く呪いの赤椿」(1月13日放送)ネタバレ批評(レビュー)

月曜ゴールデン「西村京太郎サスペンス 十津川警部シリーズ51 京都〜小浜殺人迷路〜八百比丘尼伝説の怪〜十津川の妻が殺人!?25年前の未解決事件が引き起こす連続不審死、死を招く呪いの赤椿」(1月13日放送)ネタバレ批評(レビュー)です!!

<あらすじ>

十津川警部(渡瀬恒彦)の妻・直子(かたせ梨乃)は大学時代の同窓生、花村亜紀(芦川よしみ)、後藤久代(中島はるみ)、山口敏子(服部真湖)と京都で再会。直子たちの同窓生で画家の金井富美(烏丸せつこ)が文化賞を受賞したパーティーに出席し、喜びを分かち合った。
直子は、敏子と後日東京で再会することを約束して別れ、約束の日にホテルの部屋を訪ねる。ところが敏子はその部屋でワインに毒物を盛られ息絶えていた。
十津川率いる捜査一課が捜査を開始。ワイングラスから直子の指紋が検出されたため、直子も取調べを受ける。部屋には椿の花束が残っていた。
椿について調べるため京都に向かう十津川に直子も同行する。椿の研究者・芦田信一郎(並樹史朗)は殺害現場にあった椿は限られた場所にだけ咲く品種だと指摘。25年前に、2人の女優志望の学生、三条恵美(桐生シーナ)と相原樹里(五十嵐めぐみ)にその場所を教えたと語る。
2人の行方をたどると、25年前、恵美と樹里は映画の出演を巡って激しく争った挙句、恵美が自殺していたことが分かる。恵美の遺書は残っていたが、遺体は見つかっていない。
樹里も行方が分からず、樹里の父親で京都の大資産家・相原剛(石田太郎)から捜索願が出ている。最近、恵美の自殺現場近くから古い人骨が発見されており、十津川は鑑定を急がせる。当時事件を捜査した京都府警は、なぜか及び腰で、今回の事件との関連を疑う十津川の言動には否定的だ。
福井・小浜に住む富美を訪ねた十津川夫婦は、小浜には椿の花を持って全国で善行を尽くした八百比丘尼の伝説が残っていることを知る。また、京都では最近白装束を着た正体不明の人物がたびたび目撃され、見た人は不幸になると恐れられていた。
そんななか、亜紀も京都で毒殺される。遺体のそばには椿が添えられていた。さらに直子も何者かに襲われ意識不明のまま病院に搬送された。
次々に襲われる同窓生たち。それぞれの現場では事件の前後に白装束の人物が目撃されていた。被害者のそばに置かれた椿と八百比丘尼伝説との関連とは? 十津川は直子の容態を案じながらも事件の真相を推理する。すると次第に巨悪の存在が浮かび上がる・・・。
(月曜ゴールデン公式HPより)


では、続きから……(一部、重複あり)。

早朝の保津峡に、太公望がのんびりと釣り糸を垂れていた。
霧は深く、数メートル先も確認出来ない。
そんな中、それが現れた。
地面に埋まるソレ。
発見者は恐怖に腰を抜かすと助けを呼ぶ。
彼の目の前にあるのは白骨死体であった……。

数日後、画家である金井富美の文化賞受賞パーティーが開催された。
富美と京都女子大学時代の同窓生であった十津川警部の妻・直子はパーティーに参加。
大学時代、直子と富美を含め「5人組」と称された仲良しグループの花村亜紀、後藤久代、山口敏子と京都で再会する。
富美から彼女を支援する大資産家・相原剛を紹介される直子。

そんな中、保津峡に現れる謎の女について敏子が話題に上げる。
途端、顔色を変える富美。
この様子を見た直子は話を変える。

楽しい時間は早く過ぎる物。
別れを惜しむ直子は後日東京で再会するよう敏子と約束する。
ところが、約束の日にホテルの部屋を訪ねたところ、敏子はワインに盛られた毒物で死亡していた。
部屋には赤い椿が1本と白い椿が4本の花束が残されていたが……。

この捜査に、十津川が乗り出した。
容疑者として直子も取調べを受ける中、椿の謂れが判明。
直子たちの間では「白い椿」は「潔白」を「赤い椿」は「罪」を示す物らしい。
直子は「呪いの赤椿」と呼ぶが……。

赤い椿の出処を調べるべく京都へ向かうこととなった十津川。
これに直子も同行する。

椿の研究者・芦田信一郎によれば、殺害現場にあった椿は限られた場所にだけ咲く品種だそうだ。
なんでも、トランスポロンがアントシアニンを分解することで色が変わるのだそうである。
25年前、直子の先輩で演劇部に所属していた2人の女優志望の学生のみ、その場所を知っているそうだ。

2人の学生の名を教わる十津川。
その名は、三条恵美と相原樹里であった。

25年前、恵美と樹里は映画の出演を巡り激しく対立。
結果、恵美が保津峡にて身を投げていたことが明らかに。
だが、「ごめんなさい、ご期待に沿えなくて」と書かれた遺書こそ見つかったが恵美の死体は発見されていなかった……。

恵美の死を調べた十津川は湯沢という元警部と出会う。
湯沢は「その遺書は逆なんだ」と謎の言葉を残す。

数日後、今度は亜紀が何者かに殺害されてしまう。
現場にはまたも赤い椿が……。

しかも、直子までも襲撃に遭う。
一命を取り留めた直子は入院することに。

「5人組」に何かあるのか……直子を護りたい十津川は改めて恵美の死に注目。
彼女と争っていた相原樹里に注目する。

樹里は大資産家で知られる相原の娘であった。
しかし、今は行方不明になっていた。

25年前の事件の真相を尋ねるべく、相原を訪問した十津川。
だが、明らかに荒事担当のような秘書・新田を従えた相原は十津川を相手にしない。
恵美の死に相原が関わっていることを確信した十津川は宣戦布告することに。

矢先、湯沢が何者かに殺害されてしまう。
どうやら、毒を盛られたようだ。
苦しんだのか庭にまで這いずり出した末の死であった。

「その遺書は逆なんだ」
相原の口にした言葉を思い出す十津川。
そう、三条恵美の遺した「ごめんなさい、ご期待に沿えなくて」との言葉は、死を前にしてではなく生きて行く為の言葉であった。
相原から役を辞退するよう迫られた恵美。
だが、断る為に「ご期待に沿えなくて」と手紙を贈ったのだ。
これを遺書に利用されてしまった。

湯沢が倒れていた土から犯人のものと思われる31センチの足跡が検出される。
どうやら、毒を盛られた湯沢は犯人を指摘する為に自身の身体で足跡を隠したようだ。
湯沢の刑事魂に仇を討つことを誓う十津川。

一方、保津峡の白骨死体が恵美と判明。
白骨死体からは恵美以外の数本の髪の毛が見つかっており、犯人のものと思われた。

樹里の行方は未だに不明。
そんな中、勤務先が判明した。
どうやら、「京都アート」なる画廊を経営していたらしい。
其処には富美の絵が飾られていた。
しかも、富美の父も相原家の支援を受けていたらしいことも明らかに。

保津峡に謎の女が出現したとの情報が入る。
これを遂に捕まえた十津川、謎の女の正体こそ消えた樹里であった。

樹里は罪を償いたいと主張する。
樹里の語る罪とは25年前に映画の出演を巡り、恵美を殺害してしまったことであった。
しかし、これを打ち明ける樹里の様子はどう見ても尋常ではない。

調べたところ、25年前の樹里にアリバイがあることが判明する。
つまり、樹里の犯行では無かったのだ。
何かが樹里の精神を追い詰めたのだろう。

これを聞いた十津川は事件についてまとめ始める。
相原は樹里の為に恵美を殺害した。
25年後、白骨死体が発見され、これに亜紀が気付いた。
亜紀は相原を脅迫し、口封じに殺害された。
おそらく、荒事担当の新田の仕業だろう。
湯沢を殺したのも新田だ。
足跡がそれを示している。
さらに、直子襲撃現場の防犯カメラ映像から新田が発見。
これまた新田の犯行と判明した。

だが、敏子殺害犯は別だ。
おそらく、新田はこれに便乗し赤椿を用いることで連続殺人に偽装しようとしたに違いない。

其処へ相原が別荘へ向かったとの情報が入る。
同時に直子が病院から姿を消した。
十津川は必死に直子を捜し、これを保護する。
直子は1人で真相を追おうとしていたらしい。
十津川は「お前に何かあったら……俺はどうしたらいいんだ!!」と激怒する。
これに直子は素直に謝罪することに。

直子はパーティーの席で富美と敏子が何やら密談していたことを思い出した。
しかも、近くを通り過ぎた際に、富美から鬼のような形相で睨まれたことも。
もしかして、富美は敏子と都合の悪い話を交わしており、これを直子に聞かれたと思ったからこそ罪を着せようとしたのではないか。
つまり、敏子殺害は富美の犯行なのだ。

富美の自宅を訪問した十津川と直子は「私は最期の想いを遂げに参ります」と書かれた富美の手紙を発見する。
其処には事件のすべてが書かれていた。

富美は親の代から相原の世話になっており、相原の愛人であった。
そして、恵美を殺害したのは相原であり、これを埋めたのが富美の父であったのだ。
この事実を敏子が掴み、富美を脅迫した。
富美は相原に命じられ、敏子を殺害することに。
富美は無垢な白椿に憧れており、罪に手を染めることで赤椿になるとのメッセージを花に込めていたらしい。
どうやら、富美は相原を道連れに死ぬつもりのようだ。

新田が逮捕され、亜記と湯沢殺害、直子襲撃を認めた。

十津川は相原を逮捕するべく別荘へ向かう。
其処では富美が相原を殺害するべく、別荘に飾られていた刀を振り回していた。
富美は「あなたの所為で、大事な友人を手にかけてしまった」と叫ぶ。
これに相原が所蔵の刀で対抗、富美を追い詰める。

富美に止めを刺そうとする相原。
其処へ十津川が駆け付ける。
十津川も刀を拾い、相原へ。

刀を交える十津川と相原。
勝負は一瞬で着いた。

有段者の十津川の前に相原はあっさりと敗北する。
十津川は相原が樹里を追い詰めたと主張し、相原は連行されるのであった。

騒動の隙を突き、富美が姿を消した。
富美は別荘裏の海に身を投げようとしていた。
これに十津川は「赤い椿のままで死んでは駄目だ」と諭す。
富美は罪を償うべく生きることになった―――エンド。

<感想>

月曜ゴールデン版「十津川警部シリーズ」の第51弾。
前作は2013年10月25日に放送されており、実に3ヶ月ぶりのシリーズ新作となりました。
過去作に興味のある方は過去記事リンクをどうぞ!!

原作は西村京太郎先生『十津川警部 小浜線に椿咲く頃、貴女は死んだ』(集英社刊)。
あらすじはこちら。

<あらすじ>

同窓生連続殺人を招く椿の謎。旅情ミステリ。
十津川警部の妻・直子の女子大時代の友人が殺害される。十津川警部は、大学のある京都へ。直子の大学で“椿”に纏(まつわ)る事件があったことを突きとめ……。京都と小浜を結ぶ難事件を追う名推理。
(集英社公式HPより)


では、ドラマの感想をば。

個人的に「椿の話」と「八尾比丘尼の話」は別々で良かったと思う。
それはネタバレあらすじをご覧頂ければ分かる筈。
「謎の女」を「八尾比丘尼」のエピソードと絡めて居たのだけど、ラストを見ても基本「赤い椿」で十分だし。

そして、椿の花束(赤1、白4)がすなわち、直子たち「5人組」を示していたんだねぇ。
つまり、5人の中に犯人が居たことを示してたワケか。
ここは良かったですね。

一方、全体的になかなか面白かったのですが、ツッコミどころも多い話だったかな。
とはいえ、このツッコミどころを探すのも本シリーズの醍醐味。
特に相原と富美の行動がツッコミどころが多かったので幾つか挙げておきましょう。

まず、相原。

樹里の為に自ら恵美を殺すほど溺愛しておきながら、樹里が失踪しても特に率先して動かないのは解せないなぁ……。
当時は溺愛していたが、恵美の死で樹里が精神の均衡を崩したから見放したとも考えられるが。
ただ、そんなタイプだったら、そもそも自ら手を下すのがおかしい気が……。

それと、連続殺人に偽装する為に赤椿を用いたのも不思議だ。
おそらく、富美の犯行を示唆するつもりだったんだろうけど、実行犯こそ違えど動機は1つだったので連続殺人を主張したらすぐに主犯がバレるだろうに。
特に湯沢の死体にまでご丁寧に赤椿を使うのは意味不明。
あれをしたら「恵美の死が関連していますよ」と教えるようなもの。
ひいては相原の犯行がまる分かり。
そんなに自己主張がしたかったのだろうか?
あるいは、新田は相原を告発しようとしていたのか?
ひょっとすると、劇中でこそ明かされなかったが壮大な背景が眠っているのかもしれないなぁ。

そして、富美。

都合の悪い話を聞かれたからと言って、直子を口封じするでもなく罪を着せたら、取調を受けた直子からすべてを暴露されるだけではなかろうか……。

そして、敏子のことを「大事な友人」と述べていたが「大事な友人は脅迫しない」と思います。

他にも、妙にディティールに凝った第一発見者たちも面白かった。
恵美の白骨死体を発見した釣り人や、亜紀の死体を発見したカップル。
なかなかに小技が効いていました。

シリーズ次回にも期待出来そうです!!

ちなみに西村京太郎先生と言えば「十津川シリーズ」最終作について語られています。
興味のある方はリンクよりどうぞ!!

十津川シリーズ最終作、舞台はあの村!?作者である西村京太郎先生が激白!!

「JR時刻表」と西村京太郎先生がコラボ!!2013年7月号、8月号にファン必見のクイズとエッセイが掲載!!

TBS版十津川警部について、シリーズの制作秘話を森下和清プロデューサーが語られています。

月曜ゴールデン版「十津川警部シリーズ」、その制作秘話を森下和清プロデューサーが読売新聞さんに明かしました!!

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<キャスト>

十津川省三:渡瀬恒彦

十津川直子:かたせ梨乃

金井富美:烏丸せつこ

安原博子:山村紅葉
小西淳平:中西良太

村川留美:古川りか
山下智志:山田アキラ
小林雅人:内山翔人
清水 滋:あかつ

花村亜紀:芦川よしみ
後藤久代:中島はるみ
山口敏子:服部真湖
三条恵美:桐生シーナ
相原樹里:五十嵐めぐみ

相原 剛:石田太郎

亀井定雄:伊東四朗 ほか
(順不同、敬称略、公式HPより)


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この記事へのコメント
ツッコミ処はいろいろあるのですが、とにかく相原がむやみやたらに悪くて恐ろしいキャラクターだったということだけはわかりました。
昨年急死された石田太郎さんは『TRICK』の神主さんといい、寸前までバリバリお仕事されてたんですねえ。
コロンボの吹き替え直しにも意欲的でしたのに、残念です。

Posted by ペロリ at 2014年01月17日 21:42
Re:ペロリさん

こんばんわ!!
管理人の“俺”です(^O^)/!!

確かに相原の存在感は凄かったですね。
沈黙してても威圧感が漂うと言うか……。

石田さん、優れた役者さんでした。
惜しまれる死ですね……ご冥福をお祈り致します。
Posted by 俺 at 2014年01月17日 23:49
石田さんの悪役ぶりは確かにすごかったです。

誰が見ても「こいつは悪者」と思わせる迫力がありました。

ぺロリさんがおっしゃるように、生前の石田さんは「できれば、小池朝雄さんが吹き替えを担当した『刑事コロンボ』の旧作45本を全部僕の声で録り直したいんです」と語っていたので、こういう形で急死され、ご本人が一番残念に思ったのではないでしょうか。


旧作の中でも、「悪の温室」と「自縛の紐」、「策謀の結末」は石田さんの吹き替え版がありますが、小池さんの吹き替えと比べても、まったく遜色のないものでした。

「殺人処方箋」から「攻撃命令」までの吹き替えをまだ手がけていない42作品も、ぜひ聞いてみたかったですね。
Posted by Me at 2014年01月18日 13:33
Re:Meさん

こんばんわ!!
管理人の“俺”です(^O^)/!!

石田さん、凄かったですね。
是非、コロンボのすべての作品でご活躍して頂きたかった……。
Posted by 俺 at 2014年01月19日 21:42
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