日本で100番目に早い(たぶん)、「相棒season12(twelve)」第11話「デイドリーム」(1月8日放送)ネタバレ批評(レビュー)。
<ネタバレあらすじ>
その日、朝から甲斐(成宮寛貴)はご機嫌斜めであった。
どうやら、嫌な夢を見たらしい。
「ほぅ」と何やら感心する右京(水谷豊)。
一方、何時の間にか現れた角田課長も不機嫌な様子。
こちらは、追っていた裏カジノのオーナーに海外逃亡を許した為である。
其処へ切羽詰まった様子の陣川(原田龍二)が駆け込んで来る。
彼もまた夢に関連しての問題を抱えていた。
「事件を未然に防ぐために力を貸して欲しい」と訴える陣川。
事の起こりは陣川自身の悪夢にあった。
数日前、陣川は動物園から逃げ出した虎を捕獲しようとして殉職する夢を見たのだそうだ。
その内容をネットの「夢診断」で相談したところ、逆に新京大学の心理学部准教授・西牟田叶絵(雛形あきこ)から「自分が死ぬ不吉な夢をみて不安になった」と相談を持ちかけられたという。
叶絵には「予知夢」を見る力があるのだそうで、なんでも講演会の会場が黒い塊に覆われる夢を見たのだそうである。
今回も夢が実現するかもしれないと怯えているらしい。
そこで、陣川が例の如く叶絵を護ろうと乗り出したのだ。
「予知夢」という言葉に興味を抱いた右京も甲斐と共に陣川に協力することに。
講演会会場で叶絵と落ち合った3人。
そのまま通用口へと移動する。
すると、通用口前に不自然な水たまりが……。
此処最近は雨も降っていなかった筈なのだが。
気付かない様子の陣川は叶絵を伴い水たまりを渡ろうとする。
一方、右京と甲斐はプールの消毒剤のような匂いを嗅ぎ取った。
その時、2人の目に水たまり横の変電設備が目に入った。
「危ない!!」
甲斐は咄嗟に叶絵を突き飛ばすが、この行動に激怒した陣川に突き飛ばされてしまう。
叶絵は無事だったが、甲斐は足を負傷し戦線離脱を余儀なくされてしまった……。
後に分かることだが、水たまりには高圧放電が施されていた。
足を踏み入れれば、触れた瞬間に感電し黒焦げである。
甲斐はこれを察知し叶絵を助けたのだが、陣川に誤解され負傷したのであった。
陣川は甲斐に謝る気があるのか無いのか微妙な謝罪を繰り返す……。
そんな折、叶絵の大学の同僚で教授選を争っていた心理学部准教授・柄本麻耶(森谷ふみ)が、1月6日に何者かに殺害されていたことが分かる。
伊丹たちもこの捜査に乗り出していた。
当然、右京も叶絵の警護と並行して捜査を開始する。
叶絵と麻耶の上司で心理学センターの所長である南雲教授によれば、麻耶はクライエント(臨床心理学上の依頼人のこと)からクレームが集中していたそうだ。
麻耶はクライエントに無断で相談内容を本にしてしまっていたのだ。
許されざるべき秘密の暴露である。
その頃、叶絵はクライエントの1人・井波との面談を終え、人心地ついていた。
右京はそんな叶絵に近況を尋ねる。
叶絵は夢遊病の研究をしており、井波の症例は非常に重要なものになるのだそうだ。
右京は、麻耶の遺品から見つかった写真を叶絵に示す。
それは叶絵と男性が並んで写った写真。
叶絵によれば、男は元受刑者の柳章吾でカウンセリングの一環だと言う。
翌日、警護の為に再び叶絵を訪ねた右京と陣川。
すると、叶絵とのその母が言い争う現場に遭遇する。
どうやら、叶絵から遺言紛いの手紙を受け取った母親が心配のあまり様子を見に現れたらしい。
状況が呑み込めない中、叶絵を警護する右京たち。
と、ガスの匂いを嗅ぎ取った右京は叶絵に逃げるように告げる。
其処へ空から火の点いた煙草が降って来た。
途端、大きな爆発。
どうやら、あたりにガスが溢れており引火したようだ。
直後、この様子を建物の影から眺めていた男性が逃走。
右京は男性を追うが逃げられてしまう。
だが、右京はこれにより2度の事故が故意によるものであると断定する。
叶絵の母を訪問した右京。
叶絵は自分の身に何かあれば、保険金を麻耶の被害者の訴訟に充てて欲しい記した手紙を彼女に届けていたのだ。
確かに遺書のような文言である。
差し出し日は1月3日とされていたが……。
右京は麻耶の研究室へ。
其処で麻耶がまとめたと思われる資料を目にする。
どうやら、叶絵についてのレポートのようだ。
其処には、叶絵がレポートを盗作したとされる内容や何らかの調査依頼を行った形跡が……。
麻耶が依頼を行った探偵会社の調査員を突き止めた右京。
調査員によれば、麻耶は叶絵に教授選を辞退させるべく弱味を探っていたのだそうだ。
その結果、叶絵と南雲教授との不倫や柳との密会を突き止めたらしい。
調査員から聞き出した内容を確認するべく叶絵を呼び止める右京。
叶絵は井波のカウンセリングを終えたばかりであった。
そんな右京の前に陣川が立ちはだかるが、右京は意に介さない。
右京は叶絵に3つの質問を行う。
1つ、麻耶の遺した資料によれば、叶絵がシンポジウムで発表した論文が大学院生のレポートを盗作したものだとされているが本当か?
叶絵はこれを否定する。
2つ、柳との交流、南雲との不倫は事実か?
叶絵はこれも否定する。
3つ、何故、麻耶のクライアントの為に保険金を使おうと決めたのか?
これに叶絵は答えない。
構わず右京は続ける。
何故、叶絵が2度の事故を予知できたのか。
それは事故自体が叶絵の意志だったからではないか。
叶絵は自殺することで麻耶へ復讐しようとしたのではないか。
麻耶に脅迫されたことで教授選を諦めざるを得なかった叶絵。
叶絵は絶望し自殺を選んだ。
その一方で、死亡後に保険金で麻耶に一矢報いようとしたのではないか。
麻耶に抗議したクライエントを調べた右京。
メンバーは6名、右京はその中の的場太一に注目する。
彼こそはガス爆発事故の際に現場から逃げ去った男性であった。
さらに、麻耶の遺体の第一発見者が叶絵と判明する。
しかも、柳こそが角田が追っていた裏カジノのオーナーと判明。
柳は1月6日の早朝に国外逃亡したのだそうだ。
それは麻耶が殺害された当日であった。
右京は再度、叶絵に接触する。
すべての計画が分かったと語る右京。
叶絵は柳に自身を殺害するよう依頼した。
先に右京が語った通り事故に偽装し死亡することで保険金を詐取し、その保険金で麻耶を訴える為だ。
ところが、麻耶が死んでしまった。
もはや、計画を実行する必要は無い。
しかし、柳に計画中止を伝えようとしたが連絡が取れない。
当然だ、叶絵は知らないが柳は国外逃亡したのだから。
とはいえ、叶絵にとってはそれどころではない。
柳は既に誰かに殺害実行を依頼したに違いない。
このままでは、自分の命が危ない。
其処で偶然知り合った陣川を利用しボディーガードにさせようとしたのだ。
これを聞いた陣川はこれまでの態度を一変し、右京が正しいと主張し始める。
叶絵は思い通りに動かなくなった陣川を不要と断ずることに。
矢先、叶絵がバイクの男性に襲撃されてしまう。
だが、危機一髪、右京たちが叶絵を助けた。
バイクは「品川へ2826」。
早速、照会が行われることとなった。
一方、陣川は叶絵に真相を告白するよう迫る。
これに叶絵は右京の推理が正しいことを認める。
叶絵は南雲と不倫していた。
だが、いつまでたっても南雲は妻と離婚し結婚してくれない。
不満を募らせていたところ、麻耶から「南雲が自分に乗り換えた」と告げられた。
しかも、教授の地位も南雲から約束されたと打ち明けられた。
叶絵は麻耶の言葉を信じ、すべてが奪われたと絶望した。
其処で、柳に保険金詐取を目的とした殺人を依頼した。
ところが、その翌日になって状況は一変した。
なんと、南雲から「妻と離婚したので、再婚して欲しい」と申し込まれたのだ。
しかも、教授の座も用意するとの約束まで添えられていた。
すべては麻耶の嘘だったのだ。
騙されたと知った叶絵は抗議すべく彼女の自宅を訪問した。
すると、麻耶が死亡していたのである。
もはや、柳への依頼は意味を為さない。
依頼取消の連絡を行うが、柳は既に国外であった。
数時間後、バイクの運転手が逮捕された。
犯人は麻耶のクライエントの1人・的場太一であった。
叶絵は実行犯が逮捕されたことで身の安全が保障されたとしてシンポジウムへの参加を強く望むが、右京に止められる。
まだ、事件は終わっていないらしい。
次いで、井波が逮捕されることに。
彼こそが柳が用意した実行犯だったのだ。
一方、的場太一が麻耶殺害を認める。
的場は相談内容を暴露された為に会社をクビにされてしまった。
その復讐だったのだそうだ。
ところが、現場を立ち去る直前に叶絵がやって来た。
自分の姿を見られたと思った的場はこれを狙ったのである。
右京は叶絵が柳に依頼した日を考えて、最近になって叶絵に近付いた人物こそが怪しいと考えた。
其処で叶絵周辺を調べたところ、井波が浮上したのである。
しかも、叶絵が貴重な症例として重視していた井波の症例はそもそもターゲットに近付く為の彼の嘘だった。
つまり、シンポジウムで研究成果を発表していたとしても叶絵自身が傷付くだけだったのだ。
いずれにしろ、麻耶への復讐を実行に移そうとした時点で叶絵は破滅していたのである。
事件の責任を取り連行される叶絵。
何故、陣川を選らんのだか?
虎に襲われた夢―――それは正義感に満ち溢れていることを意味する。
そんな陣川だからこそ、頼ろうとしたのだそうだ。
「クライアントや陣川君を利用しようとしたあなた、そして、母親の気持ちを考えずに死のうとしたあなた。果たして、臨床心理士としての資格がありますかねぇ……」
右京は適性を問いかける。
同日夜、事件の解決を祝うべく花の里に右京、甲斐、陣川の姿があった。
甲斐が「あの夢は怪我をすることの預言だったのかも」と語るその隣では、今回も陣川が酔い潰れてくだをまいていた。
「預言なんてもうこりごりだぁ!!」
陣川の叫びを聞きつつ、熱燗を口元に運ぶ右京―――11話了。
<感想>
シーズン12(twelve)11話。
脚本は高橋悠也さん。
サブタイトルは「デイドリーム」。
叶絵、麻耶、南雲、陣川、さまざまな人が夢を見ました―――儚い夢を。
まさに事件は叶絵にとっての白昼夢でしたね―――生憎、悪夢でしたが。
麻耶への復讐の夢に酔った叶絵。
ですが、それは無意味な物でした。
そして、麻耶。
叶絵に対し一時的な勝利を得たものの、自身の行いで命を落とすことに。
南雲にとっては妻と離婚し叶絵との生活を夢想したにも関わらず、失う結果に。
そして、陣川君にとっては叶絵との甘い夢も儚く破れました。
事の発端は南雲を信じきれなかった叶絵。
何処かでずっと疑っていたんでしょうね。
其処を麻耶に突かれ、自滅することに。
とはいえ、当の麻耶も勝者になれず仕舞いでした。
つまり、相討ちに。
気になるのは麻耶の行動。
叶絵に嘘を吐いたまでは良いが、所詮、その場限りの嫌がらせレベルに過ぎなかった筈。
嘘が露見すれば南雲と叶絵を敵に回すことになるだろうに。
教授選についても叶絵は一時的な辞退に留まることになるだろうし、あまり効果は無かったような気がする。
もっと直接的に調査員から得た資料で脅迫をかけた方が効果的だったと思うけどなぁ……。
もしかすると、それこそ追い込まれた際の叶絵と同じ気持ちだったのかもしれません。
だからこそ一矢報いようと嘘を吐いた。
そう考えると、叶絵と麻耶は精神的な双子だったのかもしれないなぁ……。
此の点で、テーマは「人を呪わば穴2つ」だったのかもしれませんね。
勝負は正々堂々、真っ向勝負が一番です!!
そして、見るからには実現可能な楽しく甘い夢を!!
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