ネタバレあります、注意!!
<あらすじ>
漫画家のみどり(富田靖子)は、パーティーの帰り道、少女漫画雑誌の編集部員・馬場(石井智也)とタクシーに同乗する。そこで、みどりは馬場から、営業部長・真理子(渡辺真起子)が雑誌のリニューアルに文句をつけ、連載作品のラインアップを変えようとしていることを聞く。リニューアル後の新連載が予定されているみどりは、馬場と別れた後に真理子のマンションへ行く。横柄な態度を取る真理子にみどりは、自分の新連載を切るつもりなのかと聞く。すると真理子は、みどりの作品をけなし、考えの甘さを指摘する。さらに「漫画家を辞めたら」とまで言われたみどりは、真理子の頭を文鎮で殴りつけてしまう。みどりは、倒れた真理子を浴室へ運んで浴槽へ落とし、真理子を事故死のように見せ掛ける。翌日、真理子の不審死が発覚し、現場検証のため福家(檀れい)がやって来る。鑑識係の二岡(柄本時生)から現状報告を受け、浴室を検証した福家は、遺体の第一発見者の話を聞く。その話の中で、福家は浴室の扉が開いていたことに着目する。
(@nfty tv番組表より)
では、続きから……(一部、重複アリ)
1558年、エリザベス1世は厳格に生きていた。
一方、メアリー・スチュアートは奔放にその人生を楽しんでいた。
だが、メアリーは貴族の反乱によりその地位を追われ、やがてエリザベス1世により処刑されることとなる。
対照的な人生を送った2人の女性―――そして、此処にも同様に2人の女性が居た。
その夜、漫画雑誌「ルル」に連載中の漫画家・みどりは編集者の馬場と共にタクシーに乗っていた。
みどりが尊敬する大漫画家・細田の主催するパーティーの帰路なのである。
みどりはパーティーでの興奮が冷めやらない様子で、胸元のブローチを馬場に自慢する。
それは細田から贈られたお揃いのブローチである。
みどりには漫画家としての矜持があった。
このブローチはそれを具現化したものであった。
そして、手袋を常に外さないのもそうだ。
プロとして商売道具である手を保護しないなど言語道断である。
と、其処へ馬場に宛てて電話が入る。
何やら顔色の変わる馬場。
みどりが不安な表情を浮かべる。
馬場はそんなみどりを落ち着かせるように「営業部長が連載陣の入替を図っているんですよ」と伝える。
営業部長はみどりの旧知である真理子。
みどりと真理子の間にはある蟠りが存在していた。
馬場の言葉に、余計に不安に駆られたみどりはその足で真理子の自宅へと向かう。
真理子は留守であった。
みどりはその帰宅を待つことに。
待つこと暫し、真理子が現れた。
真理子は杖を突いていた。
先日、酔っ払った際に足を痛めた為だ。
だが、未だに懲りていない様子で、今日も強かに酔っているようだ。
押しかけるように自宅へと上がるみどり。
そんなみどりに真理子は履いていたブーツを脱がすよう命じる。
みどりは不満を押し殺し、唯々諾々と真理子に従う。
過去、みどりと真理子は共に漫画家を目指し同人活動を行っていた。
だが、デビュー出来たのはみどりのみ。
取り残された真理子は出版社へ就職した。
当初、優越感を抱いていたみどりだが思わぬ事態に発展する。
なんと、真理子が営業部長にまで上り詰めたのだ。
連載は真理子の胸先三寸で決められる。
今では、真理子がみどりの生殺与奪の権を握っているのだ。
2人の立場は完全に逆転していた。
旧知のみどりにも容赦のない言葉を浴びせかける真理子。
さらに、湯船に湯を張り入浴剤と投入するよう言いつけられた。
みどりの不満はどんどんと高まる。
そんなみどりの前で真理子はみどりの新刊を取り上げた。
「こんなのは駄目よ、ダメダメ」
言うなり、乱暴に机の上にコミックスを投げ捨てる真理子。
それは読者プレゼントとして用意されたサイン入りの5冊のコミックス。
それは真理子にとって子供のような存在。
真理子はぐしゃぐしゃになっていたそれを拾い上げた。
もう我慢出来ない―――耐え兼ねたみどりは発作的に真理子を殺害してしまう。
真理子が浴槽の様子を見に訪れ、その場で転倒し溺れ死んだように偽装するみどり。
真理子の身体は重い。
支える為に浴室の扉を用い、何とか浴槽へと真理子の身体を投げ込んだ。
湯が、みどりの身体や周囲へと撥ねる。
さて、次はコミックスだ。
先程の騒動で1冊が駄目になってしまった。
保護用の手袋を外し、改めてサインを施すみどり。
だが、この際に右手の指を切ってしまう……。
しかし、みどりは両利きであった。
左でサインを施し終えた。
その1冊は他の4冊とも遜色ない出来だ。
後から描かれた物とは分かるまい。
こうして、偽装は終了。
みどりはその場を逃走することに。
翌日になり事件が発覚し、福家が現場を訪れた。
第一発見者は真理子の部下。
真理子は酔っ払った日の朝は部下にモーニングコールをさせていたらしい。
部下によれば、モーニングコールに訪れたところ、浴室の扉が開いていた。
覗いてみると真理子が溺死していたらしい。
福家は真理子が湯船で溺れた際に撥ねた湯が風呂場の扉に付着していたことに違和感を覚えた。
扉が開いていた状態では、湯はかからないだろう。
つまり、真理子が湯船に転落したときには扉は閉まっていたのだ。
しかし、第一発見者は扉が開いていたと証言している。
つまり、誰かが扉を開けたことになる……。
真理子の評判を調べる福家。
編集長の渡辺によれば真理子はかなり暴君だったようだ。
だが、結果を残していた為に文句も言えないらしい。
さらに、真理子とみどりが共に漫画家を目指していたことを聞き出す福家。
みどりの写真を目にした福家は彼女が手袋をしていることに目を付ける。
福家は二岡に少女漫画に詳しい人物を紹介して貰えるよう手配する。
一方で、みどりへと接触を図る福家。
福家はズバリみどりに切り込む。
浴室の扉の件を持ち出し、第3者の関与を仄めかす福家。
その頃、石松は入浴剤が真理子の手に渡ったのが当日であることを突き止めていた。
つまり、浴室の扉に湯が撥ねたのは真理子の死亡当日以外にあり得ない。
やはり、現場に誰かが居たと考えるべきだろう。
こうして、石松は殺人事件と断定し本格的に捜査を開始した。
先んじて、みどりを疑っていた福家。
福家は何故、真理子の犯行を疑ったのか?
福家は二岡に説明する。
福家は真理子のブーツから真理子の指紋が検出されなかったことに注目。
つまり、指紋の着かない方法で誰かが脱がせたことになる。
そして、普段から手袋を着用していた人物の犯行だと絞り込んだのだ。
つまり、みどりである。
みどりへと猛烈なアタックを開始する福家。
みどりの仕事場へ上り込んだ福家は、それとなく周囲を観察しみどりが両利きであることを知る。
さらに、みどりが4年前に真理子により連載を打ち切られたことにまで踏み込む。
みどりと真理子は互いに含むところがあった。
みどりには真理子を殺害する動機が存在するのだ。
数時間後、細田宅に福家の姿があった。
福家は何やら細田と話し込む……。
その夜、石松から報告書の内容について叱責を受けた福家。
石松は「福家の報告書と他の物では厚みが違う」と繰り返す。
これを見ていた福家はある事実に気付く。
翌朝、証拠品を処分し終えたみどりの前に福家が現れる。
前夜、福家は石松が掲げて見せた報告書のホッチキス留め部分を見て気付いた。
5冊のプレゼント本のうち、1冊だけ表紙が浮いていなかったことに。
これは何を意味するか。
5冊のコミックスのうち、1冊だけは表紙を強く折ることなくサインしていたのだ。
左手ならば表紙が邪魔にならずサインすることが出来る。
つまり、1冊だけ左手で描かれた物があったのだ。
あの日、みどりは右手を怪我した。
当然、左手でしかサインは出来ない。
あのサインは真理子殺害当日のものの可能性が高いのだ。
これにサイン本は1冊だけ戯れに左手で描いたと応じるみどり。
みどりが当日来ていたドレスを証拠として提出するよう求める福家。
だが、みどりは捨ててしまったと主張する。
諦めたのか福家は逃げるようにみどり宅を去る。
その日の午後、みどりと細田の対談が行われた。
細田もブローチを持参して来ていることを確認したみどり。
みどりはブローチをこっそりとすり替えた……。
対談が終わり、談笑する細田とみどりの前にまたも福家が現れた。
福家はみどりにブローチを提出するよう求める。
既に細田の物と交換は終えている。
みどりは安心して提出しようとするが……。
福家が回収したのは細田のブローチであった。
細田と打ち合わせし、目印を付けていたのである。
対談となれば細田の手前、みどりはブローチを持参せざるを得ない。
そして、持参すれば摩り替える可能性は大いにある。
例え、みどりのブローチを手に入れても入浴剤が検出されるかどうかは分からない。
其処で福家は事前に罠を仕掛けた。
つまり、ブローチを交換したこと……それ自体がみどりの犯行の証拠となるのだ。
「もはや言い逃れできない」と罪を認めるみどり。
これに細田はある事実を伝える。
真理子が打ち切りにしたのは細田の連載であった。
真理子は「ルル」と少女漫画界の将来を想って行動していたのだ。
決して、私怨からの行動では無かったのである。
「嘘よ!!」
これを認められないみどり。
「憎しみに囚われていたのはあなたです」
そんなみどりを福家の冷徹な言葉が鞭打つ―――エンド。
<感想>
管理人が、近年の倒叙物ではイチオシの傑作だと思う『福家警部補シリーズ』。
シリーズには第1弾『福家警部補の挨拶』、第2弾『福家警部補の再訪』、第3弾『福家警部補の報告』がある。
過去にネタバレ書評(レビュー)してますね。
・『福家警部補の挨拶』(大倉崇裕著、東京創元社刊)ネタバレ書評(レビュー)
・『福家警部補の再訪』(大倉崇裕著、東京創元社刊)ネタバレ書評(レビュー)
そんな同シリーズが連続ドラマ化されました。
ちなみに、2009年には本シリーズの1作『オッカムの剃刀』が永作博美さん主演でNHKさんにてドラマ化されています。
先に『福家警部補シリーズ』の魅力について語っておくと―――。
その魅力は「倒叙物のお手本」とでも言うべき完成度の高さ。
そして、倒叙物のお約束を過不足なく盛り込んでいる点も素晴らしい。
倒叙物といえば、犯人と探偵役の一騎打ちが魅力。
互いにプライドを賭けて、知力の限りを尽くした攻防が見所なのだ。
犯人たちはいずれもその職業のプロ、そしてプロゆえに自身の仕事に誇りを抱き、これを守ろうと犯罪を犯す。
そして、福家もまた捜査のプロとしてこれに抗する。
まさにプロとプロの対決。
それだけに、犯人たちはある一点を突かれることで潔く負けを認めるのである。
だから、福家は犯人の動機を攻める。
そう、福家は自身の実力を知り、相手(容疑者)の心境を知り、その犯行を立証し下す。
まさに「彼を知り己を知れば百戦危うからず」だ。
そんな福家の活躍が読めるのは本シリーズだけ、読むべし!!
さて、此処でドラマに戻って。
本作はその第2話。
原作は『禁断の筋書(プロット)』(『福家警部補の報告』収録)。
原作ではラストのブローチに福家が罠を仕掛ける点が見所でした。
では、ドラマの感想を。
断言します、今回は間違いなく原作の改悪です。
原作の良いところを悉く省略していたと言えるでしょう。
原作ファンは怒っても良い。
もともと原作の良い点は、福家と犯人の丁々発止の一騎打ちはもちろんのこと。
福家が淡々と様々な人々に聞き込みを行い事件の全貌を詰めて行く点にあった。
それと同時に福家の痛快なキャラクターが判明するのだ。
それがドラマ版では存在していない。
例えば原作の『禁断の筋書』では、福家はみどりの熱心なファン。
みどりが同人時代から知っているほどで、だからこそ真理子が殺害されたことを知りみどりの犯行を真っ先に疑います。
さらに、みどり同人時代の稀覯本も全巻セットで揃えているほどのマニアでもありました。
これをカットするなどあり得ない。
もう、この時点で福家警部補である必然性が失われてると言っても良い。
それと、原作だと存在していた二岡の推理も端折られてた。
原作だと、二岡が「みどりのサインが真理子殺害当日の物ならば、他のサインと比べて筆跡に差が出る筈だと考え、筆跡鑑定を行う」シーンがあるのです。
とはいえ、みどりもプロ。
筆跡に差異はなく、二岡はがっかりするも、福家はこれを見越しており二岡に労りの言葉をかけるとのもの。
あれがあるから、福家と二岡の関係性も強調されたのに。
それと、原作にあったサインペンの血痕も省かれてた。
あれでみどりと福家が遣り取りするシーンは、まさに一騎打ちに相応しいものなのに。
ちなみに、原作だと入浴剤の正体が実は塗り薬だと分かるくだりもあったのに。
いろいろと原作の魅力的なシーンを省略し過ぎだろう。
それとドラマ版は説明不足かなぁ……。
原作だと最初の時点で、もっとみどりと真理子の背景を説明していたんだけど。
真理子が完全に恨みから行動していることも、早期に明示されていたし。
設定が分かりづらいのでネタバレあらすじではこの点を改変しました。
確かに後ほど説明はあったのですが、あれが冒頭にあるのと無いのとでは殺人に至る点が何が何やらになってしまう。
ホワイダニットなど其処に主眼がある作品でもない限り、倒叙物なら動機や加害者と被害者の関係性は冒頭で語っておかないと。
正直、この点については許せないレベル。
とりあえず、原作の公式HP上にて本作『禁断の筋書』については試し読みが出来るので、該当箇所に目を通して頂ければ少なくともドラマ版での初期設定の説明不足については管理人の憤懣の理由もお分かりになる筈。
尺が足りないのなら、冒頭の史実に即した例のシーンを省くべきだと思う。
あれはあまり効果を示していない。
それと、ラストの改変も許せない。
真理子の行動が「業界の将来を想って」としてしまうのは……どうにも深さを削ぐ。
やっぱり、原作の方が良い。
正直、今回はドラマに不満を抱かれた方は是非、原作を読んで欲しいと声を大にして主張したい。
この調子だと、原作で福家の宿敵となりそうな後藤夫妻がどう描かれるのかが不安だ……。
それと、石松の様子からすると『オッカムの剃刀』が最終話になるのだろうか……。
そんな次回のドラマ化は『プロジェクトブルー』(『福家警部補の再訪』収録)。
あらすじはこちら。
<あらすじ>
人気フィギュア造形作家・新井(北村有起哉)は、同業者の西村(片桐仁)に呼び出され、15年前に自分が作った合金製ロボット「ミリバール」の贋作(がんさく)をネタに脅迫される。新井は、貴重なミリバールの本物との交換を持ち掛けるが西村は応じない。贋作の製作者であることを世間に知られ、仕事を失うことを恐れた新井は、思わず手にした本物のミリバールで西村に殴り掛かり、殺してしまう。
(@nifty tv番組表より)
『福家警部補の再訪』の中でも屈指の作品だけに、次回こそと期待したい!!
そして、次々回となる第4話についても既に詳細が判明。
ドラマ化されるのは『福家警部補の挨拶』に収録された『月の雫』。
これまた『福家警部補の挨拶』の中では『最後の一冊』と『オッカムの剃刀』に並ぶ傑作。
原作だと男性だった谷元を片平なぎささんが演じる様子。
設定を確認したところ、どうやらアレンジをかなり加えている模様。
これがどうなるか……注目です!!
◆関連過去記事
・『福家警部補の挨拶』(大倉崇裕著、東京創元社刊)ネタバレ書評(レビュー)
・『福家警部補の再訪』(大倉崇裕著、東京創元社刊)ネタバレ書評(レビュー)
・「福家警部補シリーズ」が再度ドラマ化!!しかも、今度は連続ドラマ!?「福家警部補の挨拶」に注目せよ!!
・「福家警部補の挨拶」第1話「失われた灯 奇妙な女刑事×人気脚本家!完璧な犯罪は存在しないのです」(1月14日放送)ネタバレ批評(レビュー)
◆『白戸修シリーズ』はこちら。
・『白戸修の事件簿』(大倉崇裕著、双葉社刊)ネタバレ書評(レビュー)
・『白戸修の狼狽』(大倉崇裕著、双葉社刊)ネタバレ書評(レビュー)
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管理人さんが怒るのって珍しいですね。
確かに今回は、それこそプロットだけの拝借でしたね。
ただ、ドラマスタッフとミステリーファンでは求めるものが、かなり違うような気がします。
ドラマでやりたいのはリアル推理ショウのようなものではないでしょうか。そのため通常のドラマよりドキュメンタリーやバラエティに近い撮り方をしている気がします。
例えば今回の殺人シーン。みどりが真理子をまるで本当に殴っているかのように、ワンシーンワンカットで撮っています。リアルな今目の前で起こっているかのような殺人へのこだわりが感じられます。
捜査、対決シーンも肝心のインタヴューが一部ポラロイドと台詞に変わって興ざめな部分がありますが、
冒頭の殺人とみどりの証拠隠滅シーン以外は客観的情報を排し、
福家が関係したシーン以外は全て省略してみせることで、テンポが良くなり緊張感が持続して、突然始まったと思ったら一気に見せられ、アッと言う間に終わってしまうという効果を生んでいます。
福家はドラマを展開させるための狂言回しに過ぎないのだから、漫画について熱く語る原作の福家は微笑ましく魅力的なんですが、熱く語れば語るほど、ドラマのテンポが停滞するし、架空の漫画について語ることにスタッフが遠慮したのかもしれません。
二岡の推理については、みどりの超人性を証明してしまうエピなのでリアリティがないせいじゃないですか。
ただ、ガリレオや鍵部屋は3人だからいろいろなバリエーションが見られて面白かった面もあったし、ドラマを緩くしてしまった面もあるので、省略して作品のテンポを締める方を取るか微妙ですね。
こんばんわ!!
管理人の“俺”です(^O^)/!!
なるほど、小説には小説の方法論が存在するように、ドラマにはドラマの方法論が存在するということですね。
確かに、活字と映像では求められる物も、盛り込める情報量も異なって来るから見せ方自体が異なるのも当然。
テンポやリアリティ(臨場感)を求めれば、省略も止む無しか……。
特に本作はその作品の性質上、伏線を回収する必要があるから映像化するには情報量を整理しなければならないワケですし……納得です。
とはいえ、原作至上主義者の管理人としては複雑。
なにしろ、原作あってのドラマ化だと思うのでドラマのテンポ(と臨場感)を取るか、原作の魅力を取るかの選択であれば、原作を凌駕するアレンジでない限りは原作重視で居て欲しい。
ただ、今後如何ではアレンジすることにより原作を凌駕する回も出て来るかもしれないですね、期待することにします(^O^)/!!
記事の感想についてですが、どうも、視聴直後の感想だったので些か熱くなり過ぎてしまったようです。
お恥ずかしい……。
ついつい熱くなってしまいましたが、これも原作を愛すればこそ、とご容赦頂ければ幸いです(^O^)/!!