2014年01月25日

「サイレーン」第34話「告白」(山崎紗也夏作、講談社刊「週刊モーニング」連載)ネタバレ批評(レビュー)

「サイレーン」第34話「告白」(山崎紗也夏作、講談社刊「週刊モーニング」連載)ネタバレ批評(レビュー)です。

<ネタバレあらすじ>

登場人物一覧:
里見偲:男性。警視庁機動捜査隊所属。相棒の猪熊と恋人同士。31歳。
猪熊夕貴:女性。警視庁機動捜査隊所属。相棒の里見と恋人同士。
橘カラ:女性マネージャー急性アルコール中毒死(実は他殺)の犯人。猪熊に興味を持つ。
渡:猪熊の寮の向かいに住む。カラを家に置くこととなった。
月本:美容整形外科医。実は高級売春クラブ「フルムーン」のオーナー。カラに正義執行される。
乃花:カラの元同僚。不倫の恋に生きていたがカラに殺害される。
千歳:生活安全課所属。
レナ:里見が潜入捜査を行った先の関係者。
アイ:里見が潜入捜査を行った先の関係者。
盛元:テレビ局有名アナウンサー。
田沢麻弥:月本のもとへ出入りしていた少女。カラの犯行を目撃し襲われるも一命を取り留めた。
倉本:入院した田沢麻弥の担当女医。

・前回までのあらすじはこちら。
「サイレーン」第33話「女難!?A」(山崎紗也夏作、講談社刊「週刊モーニング」連載)ネタバレ批評(レビュー)

その日、渡とカラは車上の人となっていた。
その傍らには海の風景が広がっている。

彼らの目的地は伊豆浜。
其処に渡の所有する別荘があるのだ。

渡はカラと結婚し、この別荘で暮らせればと考えていた。
渡にとってカラは唯一、彼に振り向いてくれた異性であった。
この40年、奥手な渡はどうしても女性と関わりが持てなかった。
おそらく、これからも関わらないんだろうな……ぼんやりと渡はそう思っていた。
カラと出会うまでは。

だからこそ、渡にとってカラは特別であった。
カラを失うワケにはいかないのだ。

別荘に辿り着いた渡とカラ。
渡にとって其処は新居であった。
だが、カラにとっては意味が異なることを渡は理解していなかった。

そのとき、カラは此処に猪熊を誘い込めれば……と考えていたのである。

その夜、夕食を共にする渡とカラ。
話はカラの生い立ちに至った。

カラは6歳の時に母に死なれ、父は再婚後海外へ。
連絡が取れる身内と言えば北海道に兄が居るくらいだと述べる。

苦労しているんだなぁ……身につまされた渡は自分がカラを守らねばと奮起。
勢いのままに婚約指輪を差し出し、プロポーズする。

一方、当のカラは凍り付いたように動かない―――35話に続く。

<感想>

「週刊モーニング」では『レンアイ漫画家』や『シマシマ』、『はるか17』などで知られる山崎紗也夏先生の新連載です。
『レンアイ漫画家』は設定と展開が面白くて読みました。

そんな「サイレーン」、内容は刑事もの……しかも男女バディもので、「警視庁機動捜査隊(キソウ)」を取り上げた作品となりました。
設定に「キソウ」を採用している点が珍しいですね。
ドラマでも「キソウ」がメインになった作品は「警視庁機動捜査隊216」くらいか。

月曜ゴールデン「警視庁機動捜査隊216V 命の値段 知らされなかった誘拐事件が生んだ最悪の偶然!?命か金か?選択を迫られた家族の運命と犯人を繋ぐ社会の暗闇!」(12月24日放送)ネタバレ批評(レビュー)

その第34話。
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サブタイトルは「告白」。
前回までの里見と変わって、渡とカラの物語。
カラを愛し結婚を申し込む渡。
とはいえ、カラにその気はない。
語って聞かせた生い立ちも偽りの物か。

猪熊殺害について具体的な計画段階に移行している以上、もはや渡はカラにとって用済みの邪魔者に過ぎないのではないか。
これは……別荘に渡の死体が転がる可能性大かも!?
渡、逃げて〜〜〜!!

カラによる猪熊殺害実行の日は近い筈。
カラの殺意を知らない猪熊は、その刃から逃れることが出来るのか。
そして、里見は猪熊を助けることが出来るのか。

さて、此処でまとめ。

目標である捜査一課へひた走る猪熊。
そんな猪熊をターゲットとしてロックオンしたカラ。
そんなカラをターゲットとしてロックオンした里見。
追う者と追われる者の構図が明らかになりつつあるようです。

そして、今のカラが整形により手に入れた顔であることが判明。
過去を捨てようとしていたらしいことと併せても、事件の匂い。
やはり、薬局店息子殺人事件に関連ありか。

カラはその名の通り、中身の無い虚ろな「空」。
それゆえに、自身に欠ける物を補おうと求めている。
以前から予測している通り「カラは自身に無い物を持っている対象を特定すると、これに近付き相手を殺害することで、自身に欠けた物を相手から奪う」で正しいようです。

キャバクラの女性マネージャーを殺害し「その垢抜けた佇まい」を奪い、綺麗になった。
タクシー運転手は「自身は選ばれた」と語っていたが「その選ばれた存在であること」を彼を殺害することで奪ったものと思われます。
だとすると、これまでにも同様の犯行を重ねているのが当然。
里見が過去に遭遇した「薬局店息子殺人事件」を皮切りに変貌したものと思われますね。
カラの闇は想像以上に深そうだ。

止められるのは里見と猪熊のカップルのみかも。
果たして、如何なる結末を迎えるのか……35話に期待!!

ちなみに、山崎先生と言えば『七瀬ふたたび』のコミカライズでも知られる方です。

「七瀬ふたたび」(筒井康隆著、新潮社刊)ネタバレ書評(レビュー)

◆関連過去記事
「サイレーン」(山崎紗也夏作、講談社刊「週刊モーニング」連載)第1話から第30話までネタバレ批評(レビュー)まとめ

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「サイレーン」第33話「女難!?A」(山崎紗也夏作、講談社刊「週刊モーニング」連載)ネタバレ批評(レビュー)

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posted by 俺 at 12:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 漫画批評(レビュー) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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