2014年01月31日

「実は私は」第49話「ちゃんと悩もう!」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

「実は私は」第49話「ちゃんと悩もう!」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)です。

ネタバレあります、注意!!

第49話登場人物一覧:
黒峰朝陽:主人公、通称「アナザル」。
白神葉子:朝陽の意中の人物。ある秘密が……。
紫々戸獅狼:葉子の幼馴染。彼もまたある秘密を……。
紫々戸獅穂:葉子の幼馴染。彼女もまたある秘密を……。

藍澤渚:クラス委員長。彼女にも秘密が……。
藍澤涼:渚の兄、意外な形で登場することに……。
紅本茜:紅本の親族らしい。彼女にも秘密が……。
紅本明里:教師。彼女にも秘密が……。
黄龍院凛:33話より登場した謎の少女。彼女にも秘密が!?

朱美みかん:朝陽の幼馴染。新聞部所属。通称「オレンジ」。
岡田:朝陽の友人の1人。通称・岡。眼鏡が特徴。割と友人想いの様子。
嶋田:朝陽の友人の1人。通称・嶋。軽い。
桜田:朝陽の友人の1人。通称・サクラ。渋い。
フクちゃん:「福の神見習い」を名乗る眼鏡。
朝陽の父:朝陽の家族。22話に初登場。
朝陽の母:朝陽の家族。22話に初登場。
黒峰鳴:朝陽の妹。22話、28話、48話に登場。48話にて名前と顔が判明。
白神源二郎:吸血鬼。額に十字傷を抱く巨人。39話にて名前が判明。
白神桐子:葉子の母で人間。和服の美女。38話にて名前が判明。

<ネタバレあらすじ>

〜〜〜これまでのあらすじ〜〜〜〜

「アナザル」こと「絶対に秘密を守れない男」黒峰朝陽は憧れのヒロイン・白神葉子の秘密を知ってしまった。
その秘密とは「白神葉子がハーフの吸血鬼である」こと。
朝陽は葉子の為に、この秘密を守らねばならない―――。
取り巻く人々を相手に、朝陽は秘密を守り抜くことが出来るのか?

矢先、実は宇宙人であった委員長・渚、狼男で肉食系女子な獅穂、悪魔っ娘の茜、未来人の凛、さらに幼馴染のみかんも加わって……。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

校長室―――其処に読者驚きの光景があった。
今や絶滅危惧種と思われたクールビューティーな葉子が椅子に腰かけていたのだ。

だが、良く見れば些か不自然だ。
表情は微動だにせず、目も虚ろである。

向かい側に座っていた茜は問いかける―――何か隠しているんだろ、と。

「ち、ち、ち、ちゃうよ!!」
これに図星を突かれた葉子は全力で否定する。
そう、葉子は自身の心中を隠す為に、過去にそうしていたようにクールビューティーを装っていたのだ。

今、葉子の心中を占めるモノは朝陽から告白されたこと。
そして、それを渚の手前もあって振ってしまったことであった。

居たたまれず真っ赤になって校長室を飛び出す葉子。
駆けて行く先にはあの日の廊下が。

そして、其処には朝陽が渚と共に立っていた。
朝陽は葉子へと告白を行う。
まるで、あの日の再現だ。

葉子の心臓が撥ねた。
視線は朝陽から逃げるように天井へ……。
葉子の視界に、朝陽の身体から頭部、そこからニョッキリと生えた角を経て天井が映る。

……ん、今何かおかしな物が見えたような。
ゆっくりと朝陽へと戻る葉子の目。
注目ポイントはその頭頂部の角だ。

間違いない、この朝陽は茜の分身だ。
良く見ればその奥の渚にも角が生えている。
どうやら、こちらも茜の分身のようだ。

「これはどういうことなの、茜ちゃん……」
葉子が怒りを込めて問いかける。
「いやいや、告白ゴッコだよ」
何処か剽軽に応じる茜。
もちろん、葉子の気持ちを逆撫でしていることは理解の上だろう。

茜によればみかんはコレに陥落したらしい。
自分に素直になった外道クイーンはおそろしいポテンシャルを秘めているようだ。

とはいえ、コレに屈する葉子ではない。
そんな葉子の前で茜は次なる行動に出る。

今度は偽葉子が参戦したのだ。
攻守逆転し、今度は偽葉子が偽朝陽に告白を行う。
葉子の顔がみるみる真っ赤に。
明里に助けを求めるが、どうやら茜に酒で懐柔され骨抜き状態のようだ。
葉子は慌てて偽葉子を止める。

「これはお気に召さないか……では」
茜の言葉に応じて、次の幕が開く。

偽渚が偽朝陽に告白……を飛び越えてキスを迫っていた。

「えっ、なんで、なんで!?」
急展開に戸惑う葉子。
だが、その心中では嫉妬心が渦巻いていた。
たまらず、止めてしまう。

そんな葉子に茜はどちらを選ぶのか問う。
すなわち偽朝陽に偽葉子と偽渚のいずれを選択させるのか、だ。

渚に盗られるのは嫌。
かと言って、渚から奪うのも嫌。
渚と朝陽を想い葉子は揺れる。

やがて、気持ちが自然に言葉となった。
今はまだ分からない……と。

朝陽も好きだし、渚も好き。
そんな葉子の言葉を聞いた茜はニヤリと笑う。

「それでいい、ちゃんと悩め!!」
普段の姿に似合わず、生きて来た年数を感じさせる風格を示した茜。
どうやら、後夜祭のことを知り尽くした上で、年長者として葉子に悩むよう諭したかったらしい。

ほっと一息つく葉子。
その前で分身が消えて行く……1人朝陽だけを残して。
茜は分身にスタスタと歩み寄ると角を外す。

其処から現れたのは―――本物の朝陽であった。
どうやら、角を着けられていただけらしい。

えええええええええええ〜〜〜っ。

大混乱する葉子。
ショックで羽根を羽ばたかせつつ、朝陽に駆け寄る。
そんな葉子に「角を着けている間の記憶はないから安心せい」と伝える茜。

葉子は朝陽の肩を揺さぶりつつ、記憶を確認する。
しかし、茜の言葉通り角着用中は記憶が無いようだ。

「それよりも白神、ハネ、ハネっ!!」
目覚めるなり、目の前に現れた葉子に驚きを隠せない朝陽。
だが、そんな状態でも秘密を守ろうとするのは立派である。
しかし……。

「そんなこと、どうでもええよ!!」
今の葉子は朝陽に先程の一部始終を聞かれていなかったかの方が重要なのであった―――50話に続く。

<感想>

「週刊少年チャンピオン」にて「さくらDISCORD」を連載されていた増田英二先生の新作。
「さくらDISCORD」は未読の管理人ですが、1話を読んで注目している作品です。
コミックス1巻に続き2巻、3巻、4巻も重版出来とのことで、目出度い。
さらに、5巻も発売予定。ちなみに表紙はフクちゃんとみかんですよ!!
そして、本作かなり面白い!!

その49話。
前回「みかんの逆襲」に続き、まさに「メインヒロインの復讐」とでもいうべき展開。
最終的に保留になったのもまた葉子らしい。
前回のみかんに続き、今回もハートがキュンキュンした読者も多かったのでは!?

そんな中、さり気なく乙女モード全開のみかんが戦果を挙げているところが流石。
みかん……おそろしい娘っ!!
今回も安定の面白さでした。

そう言えば、上でもお伝えした通りコミックス5巻が発売予定。
表紙は1巻の葉子、2巻の渚、3巻の獅穂に続き、フクちゃんとみかんのようです。
なるほど、フクちゃんが加わったからこそみかんの秘密(朝陽が好き)が暴かれたからか。
だから、フクちゃん登場までは表紙に出来なかったワケなのかな。
こうなると、6巻が凛、7巻が明里かな。

ちなみに、上記のあらすじは本作の魅力を伝えられるよう改変を加えてまとめていますが、その面白さを伝えきれていません。
やっぱり、あの絵とコマ割りなどのテンポあっての本作。
是非、「週刊少年チャンピオン」本誌を読んで欲しい。

もう1度繰り返しましょう。
本作に興味を持たれた方には、是非、「週刊少年チャンピオン」本誌を捜して読んで欲しい。
最近の「週刊少年チャンピオン」は「名探偵マーニー」や本作など本当に粒揃いでクオリティが高い作品が多い。
注目の雑誌の1つと言えるでしょう。

◆関連過去記事
「実は私は」第1話から第40話まで(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)まとめ

「実は私は」第41話「未来かどうか考えてみよう!」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

「実は私は」第42話「ちゃんと向き合おう!!」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

「実は私は」第43話「決意しよう!」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

「実は私は」第44話「料理教室へ行こう!」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

「実は私は」第45話「応援しよう!」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

「実は私は」第46話「告白を阻止しよう!」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

「実は私は」第47話「告白しよう!」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

「実は私は」第48話「口説こう!」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

「実は私は(1) (少年チャンピオン・コミックス)」です!!
実は私は(1) (少年チャンピオン・コミックス)





こちらはキンドル版「実は私は(1)」です!!
実は私は(1)





「実は私は(2) (少年チャンピオン・コミックス)」です!!
実は私は(2) (少年チャンピオン・コミックス)





「実は私は(3)」です!!
実は私は(3)





「実は私は(4) (少年チャンピオン・コミックス)」です!!
実は私は(4) (少年チャンピオン・コミックス)





「実は私は(5) (少年チャンピオン・コミックス)」です!!
実は私は(5) (少年チャンピオン・コミックス)





「さくらDISCORD 1 (少年チャンピオン・コミックス)」です!!
さくらDISCORD 1 (少年チャンピオン・コミックス)





「さくらDISCORD 2 (少年チャンピオン・コミックス)」です!!
さくらDISCORD 2 (少年チャンピオン・コミックス)





「さくらDISCORD 3 (少年チャンピオン・コミックス)」です!!
さくらDISCORD 3 (少年チャンピオン・コミックス)





「さくらDISCORD 4 (少年チャンピオン・コミックス)」です!!
さくらDISCORD 4 (少年チャンピオン・コミックス)





「さくらDISCORD 5 (少年チャンピオン・コミックス)」です!!
さくらDISCORD 5 (少年チャンピオン・コミックス)



【関連する記事】
posted by 俺 at 12:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 漫画批評(レビュー) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック