2014年02月11日

「棺探偵D&W」5話(光永康則作、少年画報社刊「月刊ヤングキング アワーズ ジーエイチ」連載)ネタバレ批評(レビュー)

「棺探偵D&W」5話(光永康則作、少年画報社刊「月刊ヤングキング アワーズ ジーエイチ」連載)ネタバレ批評(レビュー)です。

ネタバレあります、注意!!

講談社刊『月刊シリウス』にて連載していた『怪物王女』も見事な完結を迎えた光永康則先生。
そんな光永先生が『月刊ヤングキング アワーズ ジーエイチ』誌上にて不定期連載されている本作。
2014年3月号に5話が掲載されていたので、こちらをネタバレ批評(レビュー)です。

<ネタバレあらすじ>

樫尾柊子、初生親娘とハイキングに出かけた十郎は其処で血の匂いを嗅ぎ付ける。
不穏な気配を感じ取った十郎は匂いのもとを探る。
すると、山中で1人の老人が倒れていた。
老人は大量の喀血をしており、顔色も悪い。

柊子たちを先に帰らせた十郎はタクシーで老人を病院へと連れて行くことに。
老人は十郎の行動に感謝し、彼に1万円札を数枚手渡す。
断るのも角が立つと考えた十郎はこれを受け取った。

タクシー代も老人が支払うことに。
こちらはタクシーの運転手と何やら両替について揉めていた様子。
とはいえ、一応の納得をみた様子で老人はタクシーを降りると病院で診察を受けた。

結果、喀血の原因は老人の持病が悪化した為であることが判明。
老人は入院することとなった。
ただ、特に事件性もないものだったにも関わらず、何故か地元に所属する老齢の刑事が聴取に訪れた事が十郎の印象に残った。

此処までならば、ありふれたワケではないが取り立てて騒ぎ出すほどの話でもない。
ところが、その数日後、十郎は意外なニュースを目にすることとなった。
老人が入院先から転落死を遂げたのだ。

そして、十郎は老人の身許を知った。
老人の名は矢間部恒明、定年間近の銀行員だったらしい。

これを十郎から伝え聞いたヒサトは早速、事件と判断する。
矢間部の経歴を調べたところ、意外な事実が判明。
なんと、矢間部の勤務する銀行で数十年前に旧紙幣で2億円の強奪事件が発生していたのだ。
2億円は何処かに隠されたと言われていたが……。

これを知ったヒサトは矢間部が奪われた2億円を探し続け、あの日遂に2億円の隠し場所を見つけたに違いないと結論付ける。
そもそも、警察が聴取に訪れたからには誰かの通報があった筈である。
十郎も違う、矢間部も違う……残るはタクシー運転手しか居ない。

矢間部とタクシー運転手は何やら両替の事で揉めていた。
これはおそらく、十郎に渡した紙幣で現行紙幣を使い切った矢間部が山中で発見した旧紙幣を使おうとした為に起こった騒動ではないか。
その場は一旦、旧紙幣を受け取ったタクシー運転手だが、気にかかって通報したのだろう。
矢間部は死んでしまった以上、2億円の在処は誰にも分からなくなってしまったのだろうか……。

その夜、山中を歩く1人の男の姿があった。
男はあの老齢の刑事だ。

と、刑事の前にヒサトが立ち塞がった。
「残念ながら時間切れですよ……浦崎重之さん」
刑事の名を呼ぶヒサト。

人気のない山中に突如現れたヒサトに警戒心を露にする浦崎。
だが、敵愾心まで隠そうとしないのは何の為か!?

何故なら、浦崎は他人に知られると不都合な行為に及ぼうとしていたからだ。
浦崎は2億円の在処へと向かっていたのである。
そう、矢間部は2億円を横取りしようとした浦崎に殺害されたのだ。

矢間部はこの数十年もの間、山中を歩き回った。
行員として2億円を発見し、銀行に返却しようと捜索し続けていたからである。
そしてあの日、遂に矢間部はそれを発見したのだ。
ところが、証拠として数枚持ち出し山を下りようとしたところで持病が悪化し喀血。
危機一髪のところを十郎に助けられたのである。

だが、此処からが矢間部にとって悲運であった。

タクシー運転手の通報により、浦崎がやって来た。
矢間部は渡りに船と浦崎に隠し場所を教えた。
浦崎は当時の捜査担当者だったからである。
これで2億円は銀行に戻る筈だった。

だが、浦崎には2億円を1人占めしたいとの野心があった。
矢間部から隠し場所を聞いた以上、他の人間に伝えられては困るのだ。
結果、矢間部は浦崎に殺害されてしまった。

犯行を暴露された浦崎だが、ニヤリと笑うとヒサトの隙を突き銃を発砲した。
狙いは違わず数発がヒサトの心臓に命中した。

「2億円の在処を知られては困るんだよ……」
そのままヒサトに背を向ける浦崎だが……。

「残念ながら時間切れだと言ったでしょ」
致命傷の筈のヒサトの言葉を背中越しに聞いた浦崎。
だが、彼が振り返ることは出来なかった。
哀れ、浦崎は人知れずそのままヒサトに蹂躙されるのであった……。

翌日、ニュースを眺めるヒサトと十郎。
ニュースでは例の山の登山口付近に大量の旧紙幣が舞ったとの報道が為されていた。
これにより、山中に2億円が隠されている可能性が浮上。
本格的な捜査が行われるらしい。

「あの爺さんが仕掛けてたのか……」
呟く十郎だが、もちろん矢間部ではなくヒサトの仕業であることは言うまでもない。

当のヒサトは矢間部の執念について感想を洩らしていた。
「銀行員は1円が足りなくても残業する必要があるそうだ。増してや、2億円ともなればその無念さは如何ばかりだったか……」と―――エンド。

<感想>

1巻も発売された「棺探偵D&W」その5話です。

今回、描かれたのは1円すら大切に扱う銀行員のプロ意識……その執念についてでした。
1人で広大な山中を探し続けた矢間部。
まさに、行員の鑑と言えるでしょう。

一方、それに反する存在として描かれていたのが、職業倫理をかなぐり捨てて欲に溺れた浦崎。
仕事を利用し2億円を横取りしようとは……許すまじき人物でした。

矢間部と浦崎、対照的な2人の人物を通じて描かれたプロ意識、あるいはプロの業。
1つの事件の中で十二分に描かれており、良かったです!!

ちなみに、作中では触れられていませんが、ラストの登山口付近に仕掛けられた旧紙幣もヒサトの仕業でしょう。
おそらく、矢間部が山から運び出した旧紙幣の残りを浦崎が奪っており、それを抱えて山中の隠し場所に向かっていたところをヒサトに襲われた感じか。
浦崎を罰した後、ヒサトはその所持していた旧紙幣を人目に付くよう仕掛けたのでしょう。
ヒサト、グッジョブです!!
ある意味、ヒサトは平成の「ハングマン」、「必殺仕事人」なんだなぁ……。

もちろん、6話にも注目です!!
ちなみに、その6話ですが3月号によると2号連続掲載とあるので2014年4月号に掲載予定か。
要チェック!!

◆関連過去記事
「棺探偵D&W」(光永康則著、少年画報社刊)第1話(月刊ヤングキング2012年1月号掲載)ネタバレ批評(レビュー)

「棺探偵D&W」3話(光永康則作、少年画報社刊「月刊ヤングキング」連載)ネタバレ批評(レビュー)

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