「金田一少年の事件簿」が「金田一少年の事件簿R」として帰って来た!!
記念すべき第1弾は雪の山荘での殺人事件!?
そして、解決篇に突入する……
【「雪鬼伝説殺人事件」登場人物一覧】
金田一:主人公。最終エピソードまで犯人にも被害者にもならないでしょう。
美雪:言わずと知れた金田一少年のベストパートナー。最終エピソードまで犯人にも被害者にも(以下略)。
相馬真紀:金田一と美雪を誘った張本人だが、現地には居ない……筈。
影平文芽:イメージガール候補の1人。
月見里光:有名ネット掲示板「うぇぶすれっど」CEO。イケメン。
黒木守:月見里の秘書。地元出身らしい。雪鬼にも詳しい。
松島田学:月見里が用意したシェフ。
鯖木海人:ゲストモニターの1人。
雲沢夏樹:ゲストモニターの1人。2号コテージに滞在。
椿原紅湖:ゲストモニターの1人。スキー部所属。
鷹山翼:ゲストモニターの1人。プロスキーヤー。
斧寺空美:ゲストモニターの1人。
柊森一郎:ゲストモニターの1人。スキー部所属。
雪原さやか:自殺したとされるアイドル。
<8話あらすじ>
・前回のあらすじはこちら。
「雪鬼伝説殺人事件」第7話(「金田一少年の事件簿R」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
その夜、“雪鬼”は最後のターゲットを狙うべく、椿原紅湖のコテージを訪れた。
そう、雪鬼最後のターゲットは椿原だったのだ。
密やかに侵入し、面を被った雪鬼。
鉈を手に、椿原へと近付こうとするが……。
不意に頭に浮かぶ違和感。
気付けば背後に人の気配が。
雪鬼は抵抗することも出来ず、何者かに取り押さえられてしまう。
そんな雪鬼の目の前に現れたのは金田一。
雪鬼は此処で初めて金田一の罠に落ちたことを知った。
雪鬼を取り押さえたのは、雪鬼を除く宿泊メンバー全員だったのである。
金田一は雪鬼を捕まえたことを確認すると、今回の事件について謎解きを開始した。
金田一によれば、既に雲沢と鯖木の2人が殺害されているらしい。
しかも、其処にはトリックがあると言う。
まずは、鉈が投げ込まれたトリック。
これは梃子を用いた物であった(5話参照)。
そして、鯖木が消えたトリック。
これは鯖木の納められた棺桶が二重底となっており、上から見たときは普通。
90度横に倒した際には底が抜け、別の底が下りることによりあたかも消えたかのように見せかけたのである。
つまり、鯖木の死体は棺桶のすぐ隣に横たわっていたのだ。
なんと、大胆な犯行なのだろうか!!
金田一の推理は続く―――9話へ続く。
<感想&推理>
「金田一少年の事件簿」が「金田一少年の事件簿R」として帰って来ました。
記念すべき第1弾は雪の山荘での殺人事件です!!
鯖木の遺体消失トリックが明らかに
遅くなりましたが、第8話ネタバレ批評(レビュー)です。
いよいよ解決篇がスタート。
まずは雪鬼捕縛。
こちらは過去記事をご覧頂ければお分かりの通り月見里で確定でしょう。
さらに、鯖木遺体消失トリックの謎が明らかに。
「2重底」か「底に穴が開く抜け穴」を考えていましたが、両者の折衷案が近い印象かな。
ただ、月見里と共に棺桶を引っ繰り返した黒木なら鯖木の遺体に気付いても不思議では無い。
むしろ、何故、気付かなかったのかが気にかかるほど。
あの近距離なら棺桶を見ていた黒木の視界にバッチリ写り込むと思うのだが……少なくとも、視界の隅に鯖は入るだろうし。
どうやら、黒木は視力にも不安があったようだ。
なるほど、だからこその眼鏡キャラか。
……まぁ、いずれにしても大胆過ぎることは事実なんだけど。
こうなるともっとも気にかかるのは雲沢消失の謎。
ただ、この様子だとやっぱり「ピンポイント雪崩」が正解な気がする。
そんな雲沢消失トリックの候補は次の2つ。
詳しくは7話批評(レビュー)を参照頂くとして、それぞれについて軽く説明すると。
1つ、偽看板誤誘導トリック。
2つ、雪崩で埋めちゃうよトリック。
まず、1つ目「偽看板誤誘導トリック」。
もう少しこれについて詳しく説明すると……。
事件前夜、雲沢は偽看板などにより2号コテージとされる別の場所に誘導された。
だが、雲沢にその真偽が判別出来る筈もない。
黒木からインターホンで確認の連絡を受けると満足して寝入ってしまう。
このインターホンは押したボタンと実際の接続先の設定を工作されており、2番を押すと別の場所に繋がるもの。
その後、月見里は黒木たちを引き止めアリバイを作る。
爆睡するとして部屋に引き上げた隙に偽看板を廃棄すると共に雲沢を殺害?
後に、金田一を本物の2号コテージにやり雲沢が消えたことを確認させた。
以上のようなトリック。
ただ、この工作に何処まで意味があるのか等も含めて、個人的には、雲沢殺害はもっと後の出来事である方がロジックがより美しくなるかと思います。
例えば、前夜中に雲沢に睡眠薬を服用させ人事不省にさせ、金田一が2号コテージを確認した際も存命。
その後、騒ぎに乗じて探しに行くふりをしつつ殺害などと言った感じ。
ただ、睡眠薬を服用させた描写がなかったこと、各人のアリバイが綿密ではないことから、このトリックではないだろうと判断しました。
なので、金田一が確認した時点で雲沢は殺害されていた可能性が高い。
個人の好みは後者なんですが……こればかりは仕方がない。
そして、もう1つ「雪崩で埋めちゃうよ」トリック。
何故、雲沢の遺体は未だに登場しないのか!?
此処に物凄くネックを感じる。
他にも幾つか疑問が残る。
例えば、金田一が偽看板の消失をあの位置から確認出来るものなのか?
もしかして、雲沢の遺体を登場させられない物理的な理由が存在しているのではないか?
などなど……。
其処で思い出したのが雲沢消失時のシーン。
何かが起こったようで驚くものの、驚いた物の正体が明かされていない。
これはどんな意味を持つのか!?
其処でもう1つ考えたトリックがコレ。
金田一が指摘した「スノーゴブリンリゾート」上から「無くなったあるべき物」。
それは「コテージ自体」ではないか。
あるコテージが消えたのだ。
そして、そのコテージにこそ雲沢が宿泊していたのではないか。
雲沢はコテージごと雪の下に埋まっているのではないか。
つまり、犯人である月見里は雲沢を偽の2号コテージに誘導し雪崩でコテージごと埋めてしまったのではないか。
雲沢が驚いたのは自身のコテージが雪に沈む光景ではないか。
そう、コテージごと消されたが為に雲沢の遺体が発見されないのではないか。
これならば作劇上も映えるし。
月見里はオーナーである。
当然「スノーゴブリンリゾート」全体の配置も彼が発案した筈。
「雪鬼」の噂を事前にばら撒いたほど計画的な犯行だとしたら、「スノーゴブリンリゾート」計画自体が雲沢と鯖木らを抹殺する為の罠である可能性も高いのではないか。
すなわち、月見里には初めからリゾート計画を実行する気は無かった。
彼の狙いは復讐にしか無かったとしたら……。
「スノーゴブリンリゾート」の立地を利用し雪崩を起こし雲沢を抹殺した。
あまりに大胆なこのトリック。
個人的にはかなり抵抗があるが、確かに奇想でもあるし舞台を活かした物でもある。
充分に検討あるいは一考の余地があると思われる。
個人的にはこのトリックの方が可能性が高いとすら思っている。
そちらの方が先の物に比べて面白いし。
いや、はっきり言おう。
管理人は「雲沢殺害は雪崩トリック」だと考えている。
ただ、あまりに大胆過ぎて抵抗があるのだ……。
次にこのトリックを検討するにあたり肯定的な点、否定的な点をそれぞれ上げてみた。
皆さんも是非、検討してみて欲しい。
◆「雪崩トリック」肯定的な点
・「スノーゴブリンリゾート(雪山)」が舞台となっており、舞台を活かしたトリックである。
・真相当てクイズが無い(それだけ突拍子もないトリックの可能性)。
・雲沢が驚くシーンで雪鬼が描写されていない(それ以外の物に驚いた可能性=雪崩)。
・雲沢の遺体が未だに登場しない(雪の下である為に登場させることが出来ない)。
・オーナーである月見里が今回の復讐計画を行う=立地も自由に設定可能。
◆「雪崩トリック」否定的な点
・雪崩ならば月見里が現場に存在する必要は一切ない。だとすれば、彼のアリバイ工作はもっと綿密なもの……例えば金田一たちと合流するまでぴったりと黒木と共に居たと言ったものになるのではないか。
・そもそもピンポイントでそんなことが可能なのか(とはいえ、漫画だから可能性はゼロとは言えない?)。
・誰も気づかないことがあり得るのか(これまた、漫画だから可能性はゼロとは言えない?)。
さて、8話は此処まで。
果たして、管理人の推理は的中するのか!?
9話に注目せよ!!
◆「雪鬼伝説殺人事件」関連過去記事
・「雪鬼伝説殺人事件」第1話(「金田一少年の事件簿R」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・「雪鬼伝説殺人事件」第2話(「金田一少年の事件簿R」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・「雪鬼伝説殺人事件」第3話(「金田一少年の事件簿R」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・「雪鬼伝説殺人事件」第4話(「金田一少年の事件簿R」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・【容疑者は2人に】「雪鬼伝説殺人事件」第5話(「金田一少年の事件簿R」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・【雪鬼はこの人!?】「雪鬼伝説殺人事件」第6話(「金田一少年の事件簿R」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・「雪鬼伝説殺人事件」第7話(「金田一少年の事件簿R」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
◆シリーズ関連過去記事
・「金田一少年の事件簿」より「薔薇十字館殺人事件」のまとめはこちら。
「薔薇十字館殺人事件」(「金田一少年の事件簿」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)まとめ
・「金田一少年の事件簿」より「香港九龍財宝殺人事件」のまとめはこちら。
「香港九龍財宝殺人事件」(「金田一少年の事件簿」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)まとめ
・「金田一少年の事件簿」より「暗黒城殺人事件」のまとめはこちら。
「暗黒城殺人事件」(「金田一少年の事件簿」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)まとめ
・「金田一少年の事件簿」より「人喰い研究所殺人事件」のまとめはこちら。
「人喰い研究所殺人事件」(「金田一少年の事件簿」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)まとめ
・「金田一少年の事件簿」より「ゲームの館殺人事件」のまとめはこちら。
「ゲームの館殺人事件」まとめ(「金田一少年の事件簿」より)
・「金田一少年の事件簿」より「錬金術殺人事件」のまとめはこちら。
「錬金術殺人事件」まとめ(「金田一少年の事件簿」より)
・同じく「高度1万メートルの殺人」のまとめはこちら。
「高度1万メートルの殺人」まとめ(「金田一少年の事件簿」より)
・さとう先生による読み切り「トキメキトキナ消失宣言」のネタバレ批評(レビュー)はこちら。
「別冊少年マガジン」(講談社)より「トキメキトキナ消失宣言」ネタバレ批評(レビュー)
【ドラマ版】
・ドラマ版「金田一少年の事件簿 香港九龍財宝殺人事件・アジア北米同日放送〜美雪誘拐!破滅の街の悲劇…死体出現密室トリックの謎はすべて解けた!」(1月12日放送)ネタバレ批評(レビュー)
・「金田一少年の事件簿 獄門塾殺人事件 マレーシアのジャングルで合宿中の生徒達が次々と消えた…太陽と月が交わる時暴かれる驚愕のトリック!謎はすべて解けた!」(1月4日放送)ネタバレ批評(レビュー)
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◆金田一少年の事件簿シリーズコミックはこちら。
◆金田一少年の事件簿シリーズ映像作品はこちら。
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