2014年03月17日

「C.M.B. 森羅博物館の事件目録」第84話「兆し sign」(加藤元浩作、講談社刊「月刊少年マガジン 2014年4月号」連載)ネタバレ批評(レビュー)

「C.M.B. 森羅博物館の事件目録」第84話「兆し sign」(加藤元浩作、講談社刊「月刊少年マガジン 2014年4月号」連載)ネタバレ批評(レビュー)です!!

ネタバレあります、注意!!

登場人物一覧:
森羅:主人公。C.M.B.の指輪の主。多大な影響力を持つ。
七瀬立樹:森羅のパートナー。身体を動かすことが得意。

趙建文:財界の大物。

<あらすじ(途中まで)>

財界の大物・趙建文が森羅を尋ねてやって来た。
趙は森羅に露店の老婆から購入したお守りを寄越せと高圧的に迫る。

お守りとは「唐辛子のお守り」のこと。
森羅が海外へ足を運んだ際に、その形状に惹かれ購入したものであった。
その老婆は「これを狙う者がやって来る」と森羅に予言していた。
どうやら、その狙う者こそが趙のようだ。

趙は「唐辛子のお守り」がある限り、自分は解放されないと主張。
それを壊さなければならないと語る。
あくまで譲らない森羅に、業を煮やした趙は力尽くでも奪うと宣言しボディーガードをけしかける。

森羅ピンチ!!……と思いきや、森羅の後ろには立樹が居た。
あわれ、勇躍挑みかかった筈の趙のボディガードはあっさりとのされてしまう。

それから数日後、森羅のもとを再び趙が訪ねて来た。
しかし、前回と異なりその態度はしおらしい。
彼にとって「唐辛子のお守り」には特別な意味があり、どうしても壊す必要があると言う。

これに何かを感じた森羅は趙に事情を問う。
趙が語った内容は意外なものであった―――。

続きは「月刊少年マガジン」にて確認せよ!!

<感想>

「月刊少年マガジン」2014年4月号掲載「84話 兆し sign」です。

「吉兆」と「凶兆」との言葉があります。
互いに「吉兆」が「吉事の兆し」、「凶兆」が「凶事の兆し」を指します。

趙の母が森羅と出会ったことこそ、趙にとって「吉兆」だったのでしょう。
趙の母は森羅の人となりから、息子の為にあのお守りを託すに足る人物と判断した。
そして、その行動が趙自身に救いを与えた。

趙の母は「人間万事塞翁が馬」と言いました。
それは「禍福はあざなえる縄のごとし」と同じく、人の運命を示したもの。

趙は熱狂に巻き込まれましたが、「唐辛子のお守り」により最期の一線を踏み越えずに留まることが出来ました。
熱狂に巻き込まれた故に排斥されることも無く、一線を踏み越えなかった故に反省の余地が生まれた。

趙が「唐辛子のお守り」に向けた憎悪はすなわち、自身の罪深さへの後悔に他なりません。
そんな彼だからこそ、誰よりも母に許されたかったのではないでしょうか。
そして、森羅を通じてその許しを得ることが出来た……良回でしたね。
次回にも期待です!!

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