2014年02月22日

「サイレーン」第36話「遭遇」(山崎紗也夏作、講談社刊「週刊モーニング」連載)ネタバレ批評(レビュー)

「サイレーン」第36話「遭遇」(山崎紗也夏作、講談社刊「週刊モーニング」連載)ネタバレ批評(レビュー)です。

<ネタバレあらすじ>

登場人物一覧:
里見偲:男性。警視庁機動捜査隊所属。相棒の猪熊と恋人同士。31歳。
猪熊夕貴:女性。警視庁機動捜査隊所属。相棒の里見と恋人同士。
橘カラ:女性マネージャー急性アルコール中毒死(実は他殺)の犯人。猪熊に興味を持つ。
渡:猪熊の寮の向かいに住む。カラを家に置くこととなった。
月本:美容整形外科医。実は高級売春クラブ「フルムーン」のオーナー。カラに正義執行される。
乃花:カラの元同僚。不倫の恋に生きていたがカラに殺害される。
千歳:生活安全課所属。
レナ:里見が潜入捜査を行った先の関係者。
アイ:里見が潜入捜査を行った先の関係者。
盛元:テレビ局有名アナウンサー。
田沢麻弥:月本のもとへ出入りしていた少女。カラの犯行を目撃し襲われるも一命を取り留めた。
倉本:入院した田沢麻弥の担当女医。

・前回までのあらすじはこちら。
「サイレーン」第35話「転機」(山崎紗也夏作、講談社刊「週刊モーニング」連載)ネタバレ批評(レビュー)

猪熊に捜査一課異動の話が持ち上がった。
猪熊はこれに乗り気。
すべてカラさんのおかげと感謝を述べつつ、仕事に慣れる為に結婚についても見直したいと希望を口にする。

これは里見にとって大きな衝撃であった。
先を越された悔しさ、自身が疑うカラを全肯定していることへの不満、結婚を見直されることへの不安。
すべてがない交ぜとなり爆発しかける里見だが、ギリギリで自制する事に成功する。
必死に笑顔を作り猪熊の異動を祝うのだが……。

その翌日も里見の心は晴れなかった。
何よりつらいのは猪熊との結婚が遠退いてしまったことであった。

そんな里見の足が自然に向かうのは麻弥のもとである。
新聞紙上にて、麻弥の生存が大きく報道されていることに不安を覚える里見。
もし、カラに知られたら麻弥が危ないのではないか……。

さらに不安が増えてしまったことで、里見の精神はかなり重荷を感じていた。
未だ目を覚まさない麻弥に、里見はついつい愚痴を零してしまう。

そして、これを倉本に盗み聞きされてしまうことに。
倉本は里見を励ましながら、結婚を見直すことだけは止めた方が良いと助言する。
新しい職場の雰囲気に猪熊が飲まれて、まだ見ぬ第三者に奪われかねないと告げたのだ。
これに里見は危機感を覚える。

複雑な想いが胸に去来する里見。
これからどうしようか……考えつつ、外へと向かったのだが、出入り口付近で見知った顔を見つける。
そう、カラだ!!

動揺した里見はその場でカラに声をかけてしまう―――37話に続く。

<感想>

「週刊モーニング」では『レンアイ漫画家』や『シマシマ』、『はるか17』などで知られる山崎紗也夏先生の新連載です。
『レンアイ漫画家』は設定と展開が面白くて読みました。

そんな「サイレーン」、内容は刑事もの……しかも男女バディもので、「警視庁機動捜査隊(キソウ)」を取り上げた作品となりました。
設定に「キソウ」を採用している点が珍しいですね。
ドラマでも「キソウ」がメインになった作品は「警視庁機動捜査隊216」くらいか。

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その第36話。
ちなみにコミックス1巻が2013年9月20日、2巻も2013年12月20日に発売。
さらに3巻も発売予定とのこと、こちらも注目!!
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サブタイトルは「遭遇」。
よもやの里見とカラの遭遇。
精神的にも追い詰められ、肉体的にもカラが立ち塞がるのか。
もしかして、里見君心体共にピンチだったりする!?

それにしても、里見君。
よくぞ、あの状況で自制した。
偉いとしか言いようがない。
まぁ、表に出すべきではないのが当然と言えば当然なんだろうけど、いろいろ忸怩たる思いを抱えているだろうし難しかった筈だよ。
里見君は忍耐の人だなぁ……。

そして、カラは生き証人の口封じに動いたことが判明。
驚くべき行動力と決断力。

さて、里見にとってカラが壁ならば、カラにとっても里見は壁。
此処でカラはどう動くのか。
里見君ごと排除を狙うのか、それとも、誤魔化して機会を改めるのか。

カラによる猪熊殺害実行の日は近い筈。
カラの殺意を知らない猪熊は、その刃から逃れることが出来るのか。
そして、里見は猪熊を助けることが出来るのか。

さて、此処でまとめ。

目標である捜査一課へひた走る猪熊。
そんな猪熊をターゲットとしてロックオンしたカラ。
そんなカラをターゲットとしてロックオンした里見。
追う者と追われる者の構図が明らかになりつつあるようです。

そして、今のカラが整形により手に入れた顔であることが判明。
過去を捨てようとしていたらしいことと併せても、事件の匂い。
やはり、薬局店息子殺人事件に関連ありか。

カラはその名の通り、中身の無い虚ろな「空」。
それゆえに、自身に欠ける物を補おうと求めている。
以前から予測している通り「カラは自身に無い物を持っている対象を特定すると、これに近付き相手を殺害することで、自身に欠けた物を相手から奪う」で正しいようです。

キャバクラの女性マネージャーを殺害し「その垢抜けた佇まい」を奪い、綺麗になった。
タクシー運転手は「自身は選ばれた」と語っていたが「その選ばれた存在であること」を彼を殺害することで奪ったものと思われます。
だとすると、これまでにも同様の犯行を重ねているのが当然。
里見が過去に遭遇した「薬局店息子殺人事件」を皮切りに変貌したものと思われますね。
カラの闇は想像以上に深そうだ。

止められるのは里見と猪熊のカップルのみかも。
果たして、如何なる結末を迎えるのか……37話に期待!!

ちなみに、山崎先生と言えば『七瀬ふたたび』のコミカライズでも知られる方です。

「七瀬ふたたび」(筒井康隆著、新潮社刊)ネタバレ書評(レビュー)

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「サイレーン」(山崎紗也夏作、講談社刊「週刊モーニング」連載)第1話から第30話までネタバレ批評(レビュー)まとめ

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posted by 俺 at 12:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 漫画批評(レビュー) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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