2014年03月02日

「サイレーン」第37話「宣戦布告」(山崎紗也夏作、講談社刊「週刊モーニング」連載)ネタバレ批評(レビュー)

「サイレーン」第37話「宣戦布告」(山崎紗也夏作、講談社刊「週刊モーニング」連載)ネタバレ批評(レビュー)です。

<ネタバレあらすじ>

登場人物一覧:
里見偲:男性。警視庁機動捜査隊所属。相棒の猪熊と恋人同士。31歳。
猪熊夕貴:女性。警視庁機動捜査隊所属。相棒の里見と恋人同士。
橘カラ:女性マネージャー急性アルコール中毒死(実は他殺)の犯人。猪熊に興味を持つ。
渡:猪熊の寮の向かいに住む。カラを家に置くこととなった。
月本:美容整形外科医。実は高級売春クラブ「フルムーン」のオーナー。カラに正義執行される。
乃花:カラの元同僚。不倫の恋に生きていたがカラに殺害される。
千歳:生活安全課所属。
レナ:里見が潜入捜査を行った先の関係者。
アイ:里見が潜入捜査を行った先の関係者。
盛元:テレビ局有名アナウンサー。
田沢麻弥:月本のもとへ出入りしていた少女。カラの犯行を目撃し襲われるも一命を取り留めた。
倉本:入院した田沢麻弥の担当女医。

・前回までのあらすじはこちら。
「サイレーン」第36話「遭遇」(山崎紗也夏作、講談社刊「週刊モーニング」連載)ネタバレ批評(レビュー)

麻弥の入院する病院でカラと出会った里見。
カラを怪しんだ里見はこれを本格的に尾行するが、尾行を見破られてしまう―――38話に続く。

<感想>

「週刊モーニング」では『レンアイ漫画家』や『シマシマ』、『はるか17』などで知られる山崎紗也夏先生の新連載です。
『レンアイ漫画家』は設定と展開が面白くて読みました。

そんな「サイレーン」、内容は刑事もの……しかも男女バディもので、「警視庁機動捜査隊(キソウ)」を取り上げた作品となりました。
設定に「キソウ」を採用している点が珍しいですね。
ドラマでも「キソウ」がメインになった作品は「警視庁機動捜査隊216」くらいか。

月曜ゴールデン「警視庁機動捜査隊216V 命の値段 知らされなかった誘拐事件が生んだ最悪の偶然!?命か金か?選択を迫られた家族の運命と犯人を繋ぐ社会の暗闇!」(12月24日放送)ネタバレ批評(レビュー)

その第37話。
ちなみにコミックス1巻が2013年9月20日、2巻も2013年12月20日に発売。
さらに3巻も発売予定とのこと、こちらも注目!!
興味のある方はアマゾンさんのリンクよりどうぞ!!

サブタイトルは「宣戦布告」。
里見とカラ、互いに宣戦布告することに。
これにより遂に激しい戦いの幕が開きました。

尾行を開始したことで宣戦布告した里見。
そんな里見に尾行を見抜いた上で挑発したカラ。
そして、第1ラウンドはカラの勝利に。

果たして雪辱戦となる第2ラウンドはどちらに凱歌が上がるのか。
とはいえ、里見が勝つこと=カラの決定的な証拠、あるいは逮捕となる筈だしなぁ。
まぁ、カラが勝つこと=里見の死でもあるワケだが……。

里見と言えば、以前もカラを尾行し月本まで辿り着くことが出来ましたがあの時点ではカラに警戒されていなかったからか。
カラ恐るべし。

しかし、カラは気付いているのだろうか。
カラの中では、猪熊になること=猪熊を殺し正義を奪うことだが、それだけでは猪熊にはなれないことに。
猪熊を取り巻く家族や恋人含めて猪熊である。
だとすれば、猪熊になることには里見を愛することも含まれるのではないか。

互いに互いを注視し合う里見とカラ。
強い憎しみは転ずれば愛になると言うが、2人の対決はどのような結果になるのか。

カラによる猪熊殺害実行の日は近い筈。
カラの殺意を知らない猪熊は、その刃から逃れることが出来るのか。
そして、里見は猪熊を助けることが出来るのか。

さて、此処でまとめ。

目標である捜査一課へひた走る猪熊。
そんな猪熊をターゲットとしてロックオンしたカラ。
そんなカラをターゲットとしてロックオンした里見。
追う者と追われる者の構図が明らかになりつつあるようです。

そして、今のカラが整形により手に入れた顔であることが判明。
過去を捨てようとしていたらしいことと併せても、事件の匂い。
やはり、薬局店息子殺人事件に関連ありか。

カラはその名の通り、中身の無い虚ろな「空」。
それゆえに、自身に欠ける物を補おうと求めている。
以前から予測している通り「カラは自身に無い物を持っている対象を特定すると、これに近付き相手を殺害することで、自身に欠けた物を相手から奪う」で正しいようです。

キャバクラの女性マネージャーを殺害し「その垢抜けた佇まい」を奪い、綺麗になった。
タクシー運転手は「自身は選ばれた」と語っていたが「その選ばれた存在であること」を彼を殺害することで奪ったものと思われます。
だとすると、これまでにも同様の犯行を重ねているのが当然。
里見が過去に遭遇した「薬局店息子殺人事件」を皮切りに変貌したものと思われますね。
カラの闇は想像以上に深そうだ。

止められるのは里見と猪熊のカップルのみかも。
果たして、如何なる結末を迎えるのか……38話に期待!!

ちなみに、山崎先生と言えば『七瀬ふたたび』のコミカライズでも知られる方です。

「七瀬ふたたび」(筒井康隆著、新潮社刊)ネタバレ書評(レビュー)

◆関連過去記事
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posted by 俺 at 12:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 漫画批評(レビュー) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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