2014年03月03日

「最強少女さゆり」第2話(7話)「さゆりと師匠と落とし穴」(福田やすひろ作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

「最強少女さゆり」第2話(7話)「さゆりと師匠と落とし穴」(福田やすひろ作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)です。

ネタバレあります、注意!!

登場人物一覧:
さゆり(彩百合):謎の少女。4歳ながらとてつもない怪力を誇る。
権藤:さゆりの祖父。普通の人。
バニー・ラビット:宇宙警察の刑事。
リコス:バニーが追う逃亡犯。
源さん:さゆりの体当たりを受け止めることが出来る地球人。愛の力は偉大だ。
駐在さん:最近赴任してきたばかりの若い警官。集中連載1話でさゆりの三輪車に撥ねられトラウマに。
ヨシさん:隣町の住人。さゆりを侮ったが為に……。
恭也:さゆりが出会った年上の少年。さゆりに自身を「師匠」と呼ばせる命知らず。
メタボ:ヤスの兄貴分。
ヤス:メタボの弟分。

<あらすじ>

〜〜〜前回までのあらすじ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

宇宙刑事であるバニー・ラビットは凶悪犯リコスを追って地球に飛来。
あと一息というところまで追いつめるが、現地の少女・さゆりにリコスともどものされてしまう。
こうして、さゆりの家に保護(囚われた)されることに。
仲間に救助を依頼するが助けは未だにやって来ない。
さゆりを通じ、何時の間にやら凶悪犯のリコスが善良になりつつあるなど、想定外な要素を抱え過ぎた彼女の明日はどっちだ(嘘)!?

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

前話「さゆりと絵日記」にてさゆりと友達になった露店商の息子・恭也。
歳も近い2人はすっかり仲良しに。

特に同年代の友達が居なかったさゆりは大喜び。
恭也のことを「恭ちゃん」と慕うことに。
これに恭也は「師匠と呼べ!!」と宣言する。
さゆりは素直に恭也を師匠と呼ぶ。

これを縁側から眺めていた2人組―――バニーとリコスは「知らぬこととは言え、あいつスゲェな」と恭也に対し妙な感心をしていた。

その一方で、嫉妬心を燃やす存在が。
こちらは垣根の裏からさゆりを眺める「さゆりラブ」な源さんだ。
さゆりが自分以外と仲良くしていることが許せないらしい。

そんな源さんの周囲にはメタボとヤスが。
前回、源さんの身体を張ったブロックにより命拾いした彼らは源さんにすっかり心酔していた。

多数の視線を集めていることに気付かない恭也。
「師匠」と呼ばれたことに気を良くし「必殺技を見せてやる」とさゆりに告げる。

何やら技名を叫びながら地面に拳を叩き付ける恭也。
だが当然、地面はビクともしない。

「やっべ、この技は1日1回だった。さっき、強敵相手に使っちまったからか……」
慌ててさゆりに言い訳する恭也。

しかし、当のさゆりは「自分もやる〜〜〜」とばかりに地面へと向け拳を構えた。
正直、洒落にならない予感が読者を過る。

「えいっ」との可愛い掛け声と共に拳が地面に突き刺さった。
すると、想像よりは小さい物のポッカリと穴が開いていた。
ちょうど、幅としては落とし穴くらいの穴だ。

これに内心、驚く恭也。
だが、すぐに思い直す。
そうか、やっぱり俺には秘められた力があったんだ。
それが時間差で発揮されたんだな、と。

さゆりが開けた穴を自分の力で開けたものと上機嫌の恭也は、そのまま落とし穴を作ろうと提案する。
こうして、さゆりは落とし穴を隠す為の枝を探して来ることに。

一方、この様子を眺める源さんの嫉妬は頂点に。
さゆりちゃんの視線を独占したい……と、今にも飛び出して行かんばかりだ。
これを察したメタボとヤスはある提案を……。

そして、怒涛のラストへと……。

<感想>

「週刊少年チャンピオン」にて短期集中連載されていた福田やすひろ先生の作品「最強少女さゆり」。
そんな本作が正式な連載として帰って来ました!!
ファン大歓喜だぜ、ヒャッホウ(^O^)/!!

ちなみに連載になったことで本作のアプローチも多少変わった様子。
短期集中連載時は「さゆりを中心とし、人並み外れた怪力がありながら周囲の人々に保護される4歳児を描くハートフルコメディ」でしたが「人並み外れた怪力を有する少女と、これを温かく見守る周囲の人々を描いたハートフルコメディ」へと変わった印象あり。

つまり、何処が変わったかと言うと、短期集中連載時は「さゆりが中心だった」のに対し連載では「さゆりとその他の人々」にまで焦点の対象が広がったかな。
これは新キャラである恭也の登場にも顕著。
それに伴い源さんの「さゆりラブ」キャラに拍車がかかってます。
これにより、さゆり抜きでサブキャラたちのみ描かれる回も有り得ますね。
正直、個人的には短期連載時の「さゆり中心」のノリが好きだけど、連載が長期化することを見据えれば物語の幅を広げる意味で正しい判断だと思われます。
ただ、出来るなら主人公・さゆりの正体はもちろんのこと、リコスとバニーの掘り下げをもっとして欲しいかも。

そして正式連載は一挙2話掲載との快挙に。
初回からアクセル全開で、ファンとしては嬉しいけど少し心配でもあります。

そんな仕切り直しの2話(通算7話)。
源さんのキャラ爆発なオチでしたね〜〜〜。

恭也のキャラ付が確定。
どうやら、さゆりの力を自分の力だと思い込むキャラのよう。
これは……なかなか面白そうな予感。

とはいえ、個人的には2話に比べると、1話「さゆりと絵日記」が好きかなぁ。
どうやら、管理人はさゆりの脅威を知らないキャラがさゆりを侮ったが為に痛い目に遭う展開が割と好きなようである。
あの展開、水戸黄門の印籠や浅見光彦のお兄様ネタのような感じで、本作のお約束として定着して欲しいなぁ……。
とはいえ、1話ほどではないけど2話もアリと言えばアリです。
その理由がいつも語っている次のコレです。

本作の魅力は、あのファンシーな絵柄で驚きのアクションを魅せることなんだと思う。
とはいえ、おそらく此処で幾ら言葉を尽くしたところで本作の面白さは伝えられないだろうなぁ。
やっぱり本作は理屈じゃないな。
実際に読んで感じるべし。

彩百合の両親が謎ですね。
山中の病院で1ヶ月に1度のお見舞い……「となりのトトロ」を思い出しました。
さゆりの母は静養中なのでしょうか。
そう言えば、リコスはトトロっぽいと言えなくもないか。
入院中とのことですが、何か理由があるのでしょうか。
このあたりも謎だし、連載になった以上はいずれ明かして欲しい。

ちなみに、上記のあらすじは本作の魅力を伝えられるよう改変を加えてまとめてみましたが、残念ながらその面白さを伝えきれていませんね。
やっぱり、本作を直接読んで欲しい。

もう1度繰り返しましょう。
本作に興味を持たれた方には、是非、「週刊少年チャンピオン」本誌を捜して読んで欲しい。
最近の「週刊少年チャンピオン」は「名探偵マーニー」や「実は私は」など本当に粒揃いでクオリティが高い作品が多い。
注目の雑誌の1つと言えるでしょう。

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