2014年03月22日

「サイレーン」第40話「殺してやろうか」(山崎紗也夏作、講談社刊「週刊モーニング」連載)ネタバレ批評(レビュー)

「サイレーン」第40話「殺してやろうか」(山崎紗也夏作、講談社刊「週刊モーニング」連載)ネタバレ批評(レビュー)です。

ネタバレあります、注意!!

登場人物一覧:
里見偲:男性。警視庁機動捜査隊所属。相棒の猪熊と恋人同士。31歳。
猪熊夕貴:女性。警視庁機動捜査隊所属。相棒の里見と恋人同士。
橘カラ:女性マネージャー急性アルコール中毒死(実は他殺)の犯人。猪熊に興味を持つ。
渡:猪熊の寮の向かいに住む。カラを家に置くこととなった。
月本:美容整形外科医。実は高級売春クラブ「フルムーン」のオーナー。カラに正義執行される。
乃花:カラの元同僚。不倫の恋に生きていたがカラに殺害される。
千歳:生活安全課所属。
レナ:里見が潜入捜査を行った先の関係者。
アイ:里見が潜入捜査を行った先の関係者。
盛元:テレビ局有名アナウンサー。
田沢麻弥:月本のもとへ出入りしていた少女。カラの犯行を目撃し襲われるも一命を取り留めた。
倉本:入院した田沢麻弥の担当女医。

<あらすじ>

・前回までのあらすじはこちら。
「サイレーン」第39話「疑念」(山崎紗也夏作、講談社刊「週刊モーニング」連載)ネタバレ批評(レビュー)

カラへの尾行を続ける里見。
ところが、その日の尾行は想像以上に上手く行っていた。
普段ならば、途中でカラが気付いた素振りを見せるのである。
しかし、その日に限っては全くそのような素振りが見られない。

調子づいた里見はホテルにまでカラを追う。
カラはエレベーターへと消えて行く。
液晶表示で停止階を確認した里見は同じエレベーターに乗り込むのだが……其処には下りた筈のカラが!!

罠だったのだ。
固唾を飲む里見にカラが迫る。

(殺してやろうか……)
里見の顔を睨みつつ殺意をぶつけるカラ。
だが、カラには別の目的があった。

その頃、猪熊は―――。

カラの目的とは一体何か!?
その片鱗が窺えるのは本編での猪熊の行動。
続きは今週号の「週刊モーニング」にて!!

<感想>

「週刊モーニング」では『レンアイ漫画家』や『シマシマ』、『はるか17』などで知られる山崎紗也夏先生の新連載です。
『レンアイ漫画家』は設定と展開が面白くて読みました。

そんな「サイレーン」、内容は刑事もの……しかも男女バディもので、「警視庁機動捜査隊(キソウ)」を取り上げた作品となりました。
設定に「キソウ」を採用している点が珍しいですね。
ドラマでも「キソウ」がメインになった作品は「警視庁機動捜査隊216」くらいか。

月曜ゴールデン「警視庁機動捜査隊216V 命の値段 知らされなかった誘拐事件が生んだ最悪の偶然!?命か金か?選択を迫られた家族の運命と犯人を繋ぐ社会の暗闇!」(12月24日放送)ネタバレ批評(レビュー)

その第40話。
サブタイトルは「殺してやろうか」。

なんともおっかないサブタイトル。
とはいえ、これこそがカラの本質。
久しぶりにカラの狂気が窺い知れる回となりました。

そんなカラの罠に嵌められ、誘き出された里見。
一方、猪熊もまたカラに呼び出しを受けています。

これに前回からの離間策の流れを加えると、カラの策は容易に想像がつく筈。
すなわち、ホテルから並んで出て来る自身と里見を猪熊に目撃させることで、関係を誤解させる気なのでしょう。
あるいは、なお、里見に付きまとわれているとの演出を仕掛けるのか。
いずれにしろ、猪熊にとっては衝撃の光景が展開される予定になりそう。
前回のカラの言葉に疑念を抱く猪熊にとって、その光景は止めとなりかねないなぁ。

やはり、序盤から中盤までカラ圧勝。
じわじわ効いて来るであろうボディーブローから左フックも入って大ピンチ!!
このままKOも有り得る破壊力。
とはいえ、これで終わる筈もない。
果たして此処から里見と猪熊の逆転なるか!?

カラによる猪熊殺害実行の日は近い筈。
カラの殺意を知らない猪熊は、その刃から逃れることが出来るのか。
そして、里見は猪熊を助けることが出来るのか。

さて、此処でまとめ。

目標である捜査一課へひた走る猪熊。
そんな猪熊をターゲットとしてロックオンしたカラ。
そんなカラをターゲットとしてロックオンした里見。
追う者と追われる者の構図が明らかになりつつあるようです。

そして、今のカラが整形により手に入れた顔であることが判明。
過去を捨てようとしていたらしいことと併せても、事件の匂い。
やはり、薬局店息子殺人事件に関連ありか。

カラはその名の通り、中身の無い虚ろな「空」。
それゆえに、自身に欠ける物を補おうと求めている。
以前から予測している通り「カラは自身に無い物を持っている対象を特定すると、これに近付き相手を殺害することで、自身に欠けた物を相手から奪う」で正しいようです。

キャバクラの女性マネージャーを殺害し「その垢抜けた佇まい」を奪い、綺麗になった。
タクシー運転手は「自身は選ばれた」と語っていたが「その選ばれた存在であること」を彼を殺害することで奪ったものと思われます。
だとすると、これまでにも同様の犯行を重ねているのが当然。
里見が過去に遭遇した「薬局店息子殺人事件」を皮切りに変貌したものと思われますね。
カラの闇は想像以上に深そうだ。

止められるのは里見と猪熊のカップルのみかも。
果たして、如何なる結末を迎えるのか……40話に期待!!

コミックス1巻が2013年9月20日、2巻も2013年12月20日に発売。
さらに3巻も発売予定とのこと、こちらも注目!!
興味のある方はアマゾンさんのリンクよりどうぞ!!

ちなみに、山崎先生と言えば『七瀬ふたたび』のコミカライズでも知られる方です。

「七瀬ふたたび」(筒井康隆著、新潮社刊)ネタバレ書評(レビュー)

◆関連過去記事
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