2014年03月24日

「最強少女さゆり」第5話(10話)「さゆりとおつかい」(福田やすひろ作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

「最強少女さゆり」第5話(10話)「さゆりとおつかい」(福田やすひろ作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)です。

ネタバレあります、注意!!

登場人物一覧:
さゆり(彩百合):謎の少女。4歳ながらとてつもない怪力を誇る。
権藤:さゆりの祖父。普通の人。
バニー・ラビット:宇宙警察の刑事。
リコス:バニーが追う逃亡犯。
源さん:さゆりの体当たりを受け止めることが出来る地球人。愛の力は偉大だ。
駐在さん:最近赴任してきたばかりの若い警官。集中連載1話でさゆりの三輪車に撥ねられトラウマに。
ヨシさん:隣町の住人。さゆりを侮ったが為に……。
恭也:さゆりが出会った年上の少年。さゆりに自身を「師匠」と呼ばせる命知らず。
メタボ:ヤスの兄貴分。
ヤス:メタボの弟分。出っ歯が特徴。心は折れても出っ歯は折れない。

<あらすじ(途中まで)>

〜〜〜前回までのあらすじ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

宇宙刑事であるバニー・ラビットは凶悪犯リコスを追って地球に飛来。
あと一息というところまで追いつめるが、現地の少女・さゆりにリコスともどものされてしまう。
こうして、さゆりの家に保護(囚われた)されることに。
仲間に救助を依頼するが助けは未だにやって来ない。
さゆりを通じ、何時の間にやら凶悪犯のリコスが善良になりつつあるなど、想定外な要素を抱え過ぎた彼女の明日はどっちだ(嘘)!?

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

さゆりの祖父・権藤が台所で華麗な包丁さばきを見せていた。
ニンジンを空中に放り投げると、追うように飛ぶ権藤。
手にした包丁を左右に振り回せば、ニンジンは綺麗に分断される……筈だったのだが。

着地した権藤は顔を顰めた。
ニンジンは権藤の想像に反しグチャグチャになっていたのである。

こうして、権藤はニンジンの買い出しに出かけることとなった。
さて、行くかと玄関まで進んだところで、何者かに背中を引き止められた。

見れば……相手はさゆりである。
さゆりは何やら云いたそうな表情で権藤を見詰める。

不思議に思いつつ、さゆりに問いかける権藤。
すると、さゆりは言ったのである。
「雑草マンチョコのおまけのシールが欲しいでしゅ。だから、おつかいに行かせて下しゃい」と。
こうして、さゆりのおつかいが始まったのだ。

権藤におつかいの許可を得たさゆりは上機嫌で愛車を飛ばす。
もちろん、さゆりの愛車は三輪車である。
だが、さゆりが乗ればもはやそれは単なる三輪車ではない……凶器である。

さゆりが行くところ、道なき場所に道が開けて行く。
たちまちのうちにさゆりは源さんの店に辿り着いた。
しかし、源さんは不在のようである。

少しガッカリしつつも、さゆりは雑草マンチョコを買う為の買い出しを始めた。
そんなさゆりを見守る影が2つ。

1人は、さゆりの猛スピードを追いかけた為に息が上がり体調を崩したリコス。
もう1人は、そんなリコスを監視しようと追って来て、これまた体調を崩したバニーだ。

荒い息の中、バニーの監視を鬱陶しがったリコスはさゆりを追って来た理由を彼女に教える。
リコスは、権藤に頼まれさゆりのおつかいを見届けに来たのだ。
これを聞いたバニー、さゆりにそんな必要があるのだろうか……と真剣に悩むことに。

と、その間に事態は恐るべき展開を迎えていた。
店内にあった雑草マンチョコは1つのみ。

これにさゆりと同時に手を触れた人物が居たのである。
特徴的な出っ歯の人物、その正体はヤスである。
どうやら、ヤスもまた雑草マンチョコを買い求めようとしているようだ。

こうして、露天以来のさゆりとヤスのバトルが繰り広げられることに。
それはゾウとアリの対決の筈だったが……。

果たして、ヤスの安否は!?
バニーが目を剥く、驚愕のラストが待つ。
この続きは今週の「週刊少年チャンピオン」本誌にて確認せよ!!

<感想>

「週刊少年チャンピオン」にて短期集中連載された福田やすひろ先生の作品「最強少女さゆり」。
そんな本作が正式な連載として帰って来ました!!
ファン大歓喜だぜ、ヒャッホウ(^O^)/!!

ちなみに連載になったことで本作のアプローチも多少変わった様子。
短期集中連載時は「さゆりを中心とし、人並み外れた怪力がありながら周囲の人々に保護される4歳児を描くハートフルコメディ」でしたが「人並み外れた怪力を有する少女と、これを温かく見守る周囲の人々を描いたハートフルコメディ」へと変わった印象あり。

つまり、何処が変わったかと言うと、短期集中連載時は「さゆりが中心だった」のに対し連載では「さゆりとその他の人々」にまで焦点の対象が広がったかな。
これは新キャラである恭也の登場にも顕著。
それに伴い源さんの「さゆりラブ」キャラに拍車がかかってます。
これにより、さゆり抜きでサブキャラたちのみ描かれる回も有り得ますね。
正直、個人的には短期連載時の「さゆり中心」のノリが好きだけど、連載が長期化することを見据えれば物語の幅を広げる意味で正しい判断だと思われます。
ただ、出来るなら主人公・さゆりの正体はもちろんのこと、リコスとバニーの掘り下げをもっとして欲しいかも。

そんな仕切り直しの5話(通算10話)。
今回はまさか、まさかのヤス回。
出っ歯が特徴のヤス、そんなヤスの個性がキラリと光ることに。

ちなみに、あらすじの後に「死のあっち向いてホイ」が行われることとなります。
そう言えば、前回が「だるまさんが転んだ」だったけど、広く知られた「遊戯」をストーリーに組み入れるのはさゆりの凄さを視覚的にも明確にするので良いね。
「あの遊びがさゆりにかかると死のゲームに……」的な驚きがあるし。
この為に前回は「だるまさんが転んだ」だったのか。

それにしても、あのラストには声を出して笑った。
まさか、リコスが吹き飛ばされる中でヤスがあれでああなるとは……。
嗚呼、ヤスの出っ歯に栄光あれ!!
そりゃ、バニーも驚愕するワケだわ。

ちなみに、雑草マンチョコのシールはさゆりから恭也へのプレゼントかな。
だとすると、次回は恭也回になりそう。

本作の魅力は、あのファンシーな絵柄で驚きのアクションを魅せることなんだと思う。
とはいえ、おそらく此処で幾ら言葉を尽くしたところで本作の面白さは伝えられないだろうなぁ。
やっぱり本作は理屈じゃないな。
実際に読んで感じるべし。

彩百合の両親が謎ですね。
山中の病院で1ヶ月に1度のお見舞い……「となりのトトロ」を思い出しました。
さゆりの母は静養中なのでしょうか。
そう言えば、リコスはトトロっぽいと言えなくもないか。
入院中とのことですが、何か理由があるのでしょうか。
このあたりも謎だし、連載になった以上はいずれ明かして欲しい。

ちなみに、上記のあらすじは本作の魅力を伝えられるよう改変を加えてまとめてみましたが、残念ながらその面白さを伝えきれていませんね。
やっぱり、本作を直接読んで欲しい。

もう1度繰り返しましょう。
本作に興味を持たれた方には、是非、「週刊少年チャンピオン」本誌を捜して読んで欲しい。
最近の「週刊少年チャンピオン」は「名探偵マーニー」や「実は私は」など本当に粒揃いでクオリティが高い作品が多い。
注目の雑誌の1つと言えるでしょう。

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