2014年03月17日

『ミタライ ―探偵御手洗潔の事件記録― 疾走する死者』最終話・第2話(島田荘司原作、原点火画、講談社刊『週刊モーニング』2号連続掲載)ネタバレ批評(レビュー)

『ミタライ ―探偵御手洗潔の事件記録― 疾走する死者』最終話・第2話(島田荘司原作、原点火画、講談社刊『週刊モーニング』2号連続掲載)ネタバレ批評(レビュー)です。

ネタバレあります、注意!!

<ネタバレあらすじ>

登場人物一覧:
御手洗潔:言わずと知れた名探偵。
石岡:御手洗の助手にしてベストパートナー。

麗子:「バー麗人」のマダム。
アサミ:「バー麗人」の従業員。
菜村:「バー麗人」の常連客。
久保:「バー麗人」の常連客。
ジェフ:世界的なミュージシャン。

・前回の批評はこちら。
『ミタライ ―探偵御手洗潔の事件記録― 疾走する死者』第1話(島田荘司原作、原点火画、講談社刊『週刊モーニング』2号連続掲載)ネタバレ批評(レビュー)

「バー麗人」の客である久保が謎の死を遂げた。
「バー麗人」で久保が最後に目撃されてから、例え全力疾走したとしても到底辿り着けない駅の線路上で遺体が発見されたのだ。
しかも、久保は何者かに殺害された痕跡があった。

こうして、捜査が開始され中村警部が「バー麗人」に現れた。
容疑者として拘束される「バー麗人」の客たち。
だが、全力疾走しても現場に辿り着けない……この謎が立ち塞がり続ける。
この謎は永遠に解けないかに思われたのだが……。

「バー麗人」には御手洗が居たのである。
お目当てのジャズシンガーの番組を視聴する為に、一刻も早く帰宅したい御手洗はあっさりとこの謎を解いてしまう。

犯人は菜村だと指摘する御手洗。
だが、菜村はほぼ御手洗たちと同行していた筈であった。

果たして、菜村はどのようにしてこの不可解な状況を作り得たのか!?
御手洗の推理が始まる!!

続きは今週の「週刊モーニング」本誌にて確認せよ!!

<感想>

『ミタライ ―探偵御手洗潔の事件記録―』の第6弾。
シリーズ最新3巻も発売予定とのことで、注目の作品。

今回、コミカライズ化されたのは短編集『御手洗潔の挨拶』に収録された『疾走する死者』。
その全2話中の第2話、つまり最終話です。
菜村が望んでこの不可能状況を作り上げたのではなく、意図せず出来上がってしまったのが本作のキモ。
そんな原作短編『疾走する死者』に興味のある方は、こちらをどうぞ!!

『疾走する死者』(島田荘司著、講談社刊『御手洗潔の挨拶』収録)ネタバレ書評(レビュー)

全2話と言うことでトリックは忠実でしたが、その他の点でかなりアレンジが加えられていますね。
何よりのアレンジは登場人物が整理されたこと。

特に『ミタライ ―探偵御手洗潔の事件記録―』第1エピソード『糸ノコとジグザグ』に登場した糸村が省略されたのには驚きました。
此処で糸村を登場させた方がシリーズを知るファンには喜ばれたと思うんだけどなぁ……。

ただ、そうすると麗子の立ち位置が微妙になるか。
動機の関係上、ネックレスを提供する婦人のポジションが必要。
とはいえ、登場人物が多過ぎても読者が混乱しかねない。
だから、糸村と麗子の役割をまとめたのかな。
原作通りだと、2話にしては登場人物が多過ぎたのでこれは良い改変だと思いますね。
それと、「菜村夏樹」で「七つ」も省略されました。

原作『疾走する死者』の持つ「不可能犯罪性」が薄くはなったけど、コミック版はその分物語のテンポに力が注がれている印象。
あの久保が空を飛ぶシーンも大胆に描かれていたし、アリでした。

◆関連過去記事
・『疾走する死者』前回の批評はこちら。
『ミタライ ―探偵御手洗潔の事件記録― 疾走する死者』第1話(島田荘司原作、原点火画、講談社刊『週刊モーニング』2号連続掲載)ネタバレ批評(レビュー)

【島田荘司先生作品】
『UFO大通り』(島田荘司著、講談社刊 収録作『UFO大通り』『傘を折る女』)ネタバレ書評(レビュー)

『山高帽のイカロス』(島田荘司著、講談社刊『御手洗潔のダンス』収録)ネタバレ書評(レビュー)

『数字錠』(島田荘司著、講談社刊『御手洗潔の挨拶』収録)ネタバレ書評(レビュー)

『IgE』(島田荘司著、講談社刊『御手洗潔のメロディ』収録)ネタバレ書評(レビュー)

『疾走する死者』(島田荘司著、講談社刊『御手洗潔の挨拶』収録)ネタバレ書評(レビュー)

【ミタライ ―探偵御手洗潔の事件記録―】
『糸ノコとジグザグ』(島田荘司原作、原点火画、講談社刊『週刊モーニング』3号連続掲載)ネタバレ批評(レビュー)

『ミタライ ―探偵御手洗潔の事件記録― 傘を折る女』(島田荘司原作、原点火画、講談社刊『週刊モーニング』4号連続掲載)まとめ

『ミタライ ―探偵御手洗潔の事件記録― 山高帽のイカロス』(島田荘司原作、原点火画、講談社刊『週刊モーニング』4号連続掲載)ネタバレ批評(レビュー)まとめ

『ミタライ ―探偵御手洗潔の事件記録― 数字錠』(島田荘司原作、原点火画、講談社刊『週刊モーニング』3号連続掲載)ネタバレ批評(レビュー)まとめ

『ミタライ ―探偵御手洗潔の事件記録― IgE』(島田荘司原作、原点火画、講談社刊『週刊モーニング』4号連続掲載)ネタバレ批評(レビュー)まとめ

【ドラマ】
「探偵Xからの挑戦状!夏休み・島田荘司スペシャル『ゴーグル男の怪』(島田荘司著)真夏のミステリーSP夜霧の街に現れた恐怖の殺人鬼・犯人は誰か謎を解くのはあなた!!」本放送(8月5日放送)ネタバレ批評(レビュー)

【その他】
【新刊情報】『ミタライ ―探偵御手洗潔の事件記録―』コミック1巻が2013年1月23日に発売予定!!

『ミタライ ―探偵御手洗潔の事件記録―』第3弾の内容判明!!コミカライズ作品は『山高帽のイカロス』(講談社刊『御手洗潔のダンス』収録)に!!

『疾走する死者』を収録した「御手洗潔の挨拶 (講談社文庫)」です!!
御手洗潔の挨拶 (講談社文庫)





「ミタライ 探偵御手洗潔の事件記録(3) (モーニングKC)」です!!
ミタライ 探偵御手洗潔の事件記録(3) (モーニングKC)





「ミタライ 探偵御手洗潔の事件記録(2) (モーニングKC)」です!!
ミタライ 探偵御手洗潔の事件記録(2) (モーニングKC)





2013年1月23日発売「ミタライ 探偵御手洗潔の事件記録(1) (モーニングKC)」です!!
ミタライ 探偵御手洗潔の事件記録(1) (モーニングKC)





『IgE』収録「御手洗潔のメロディ (講談社文庫)」です!!
御手洗潔のメロディ (講談社文庫)





「島田荘司 very best 10 Reader's Selection/Author's Selection (講談社BOX)」です!!
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『山高帽のイカロス』収録「御手洗潔のダンス (講談社文庫)」です!!
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『傘を折る女』収録「UFO大通り (講談社文庫)」です!!
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毒を売る女 (光文社文庫)





「マイ・ベスト・ミステリー〈3〉 (文春文庫)」です!!
マイ・ベスト・ミステリー〈3〉 (文春文庫)





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