2014年04月23日

「C.M.B. 森羅博物館の事件目録」第85話「アステカのナイフ」(加藤元浩作、講談社刊「月刊少年マガジン 2014年5月号」連載)ネタバレ批評(レビュー)

「C.M.B. 森羅博物館の事件目録」第85話「アステカのナイフ」(加藤元浩作、講談社刊「月刊少年マガジン 2014年5月号」連載)ネタバレ批評(レビュー)です!!

ネタバレあります、注意!!

登場人物一覧:
森羅:主人公。C.M.B.の指輪の主。多大な影響力を持つ。
七瀬立樹:森羅のパートナー。身体を動かすことが得意。

金剛虎目:資産家。何者かに殺害された。
金剛真珠:虎目の後妻。
紅玉瑠璃:虎目の先妻。
紅玉鉄男:虎目と瑠璃の息子、今回の依頼者。

<85話あらすじ>

森羅を尋ねて、紅玉鉄男が訪れた。
鉄男は泣きながら「母を助けてくれ」と訴える。
鉄男の母・紅玉瑠璃には、その元夫・金剛虎目殺害の容疑がかけられていたのである。

事件の概要は次の通りである。

金剛虎目は瑠璃と離婚後、真珠と再婚した。
ところが最近になって、その財産を寄付すると言い出したらしい。

これに瑠璃と真珠が猛反発。
瑠璃にとっては鉄男の相続財産が減りかねない。
真珠にとっても同様である。

こうして、瑠璃と真珠は虎目に翻意するよう促した。
これに虎目は互いの言い分を聞こうと申し出た。

まず、真珠が虎目と談判。
暫くして、虎目の部屋を出た真珠は待たせていた友人と外出する。
この際、虎目らしき人物が扉越しに真珠と会話したことが確認されている。
どうやら、この時点までは虎目は存命していたらしい。

続いて、時間を置いて瑠璃が談判すべく部屋に入った。
すると、虎目が咽喉を一突きにされて死亡していたのである。
凶器は、珍しいアステカのナイフであった。

森羅は「虎目殺害の犯人を捕まえる」として鉄男の依頼を引き受ける。

一方、当の瑠璃は鉄男の行動に批判的。
「きちんと捜査してくれれば、すぐに事実が分かるのに」と繰り返すが……。

犯行現場を訪れた森羅。
森羅は瑠璃の身長から考えて、通常の方法では虎目の咽喉を一突きするのは困難だと考えていた。
さらに、壺の中にある物を発見する。

翌日、森羅により関係者が集められた。
森羅は壺の中から発見したある物を持ち出す。
それはボイスレコーダーであった。
中には虎目の声が録音されている。

まさか……周囲がざわつき真珠の顔色が変わった。
もしかして、真珠が談判した時点で虎目を殺害し、ボイスレコーダーを用いて虎目の存命を偽装したのか!?

ところが、此処で森羅がソレを否定する。
真珠が犯人ならば、ボイスレコーダーを処理しなかったのが不自然なのだ。
そもそも、壺の中など分かり易い場所に隠す筈がない。

森羅は真珠の犯行に偽装しようとした真犯人の策略であると指摘する。
真珠に罪を着せて利益を得る人物は……瑠璃しか居ない。
しかし、瑠璃の身長では虎目の咽喉を一突きすることは難しい筈なのだが……。

犯人がナイフの刃先を近付けたのでは無く、被害者自らがナイフの刃先に近付いたと指摘する森羅。
虎目は珍しいアステカのナイフを眺めようと自ら近付き、犯人に殺害されたのだ。
これならば瑠璃でも犯行可能である。

「だから言ったじゃない。きちんと調べてくれるだけで良かったのに、あんたが余計なことをするから」
瑠璃は逮捕された。

「そんな……」
鉄男は絶句するなり、仰向けに倒れ込んだ―――エンド。

<感想>

「月刊少年マガジン」2014年5月号掲載「85話 アステカのナイフ」です。

なかなかの良回でしたね。
瑠璃、真珠、また瑠璃と二転、三転する容疑者にダミーのトリック。
犯人ではなく、被害者自らが凶器に近付いたとの真相。
全体的にバランスも取れており、瑠璃の真意を知らない鉄男が森羅に依頼したが故に犯行が露見するラストの皮肉も効いていました。

まさに情実ともに充実した回。
ここらは言葉でどれだけ語ったところで伝わらないでしょう。
是非とも『月刊少年マガジン』本誌にてご覧頂きたい。
もちろん、次回にも期待です!!

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