2014年03月29日

「実は私は」第57話「鼻血を出させよう!」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

「実は私は」第57話「鼻血を出させよう!」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)です。

ネタバレあります、注意!!

第57話登場人物一覧:
黒峰朝陽:主人公、通称「アナザル」。
白神葉子:朝陽の意中の人物。ある秘密が……。
紫々戸獅狼:葉子の幼馴染。彼もまたある秘密を……。
紫々戸獅穂:葉子の幼馴染。彼女もまたある秘密を……。

藍澤渚:クラス委員長。彼女にも秘密が……。
藍澤涼:渚の兄、意外な形で登場することに……。
紅本茜:紅本の親族らしい。彼女にも秘密が……。
紅本明里:教師。彼女にも秘密が……。
黄龍院凛:33話より登場した謎の少女。彼女にも秘密が!?
黄龍丸:凛が駆るドラゴン。52話にて意外な正体が明らかに。

朱美みかん:朝陽の幼馴染。新聞部所属。通称「オレンジ」。
岡田:朝陽の友人の1人。通称・岡。眼鏡が特徴。割と友人想いの様子。
嶋田:朝陽の友人の1人。通称・嶋。軽い。
桜田:朝陽の友人の1人。通称・サクラ。渋い。
フクちゃん:「福の神見習い」を名乗る眼鏡。
朝陽の父:朝陽の家族。22話に初登場。
朝陽の母:朝陽の家族。22話に初登場。
黒峰鳴:朝陽の妹。22話、28話、48話に登場。48話にて名前と顔が判明。
白神源二郎:吸血鬼。額に十字傷を抱く巨人。39話にて名前が判明。
白神桐子:葉子の母で人間。和服の美女。38話にて名前が判明。

<あらすじ(途中まで)>

〜〜〜これまでのあらすじ〜〜〜〜

「アナザル」こと「絶対に秘密を守れない男」黒峰朝陽は憧れのヒロイン・白神葉子の秘密を知ってしまった。
その秘密とは「白神葉子がハーフの吸血鬼である」こと。
朝陽は葉子の為に、この秘密を守らねばならない―――。
取り巻く人々を相手に、朝陽は秘密を守り抜くことが出来るのか?

矢先、実は宇宙人であった委員長・渚、狼男で肉食系女子な獅穂、悪魔っ娘の茜、未来人の凛、さらに幼馴染のみかんも加わって……。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

宿命のライバルとは常に互いに切磋琢磨し続ける物である。
此処にも、そんな関係の2人が居た。
「カリスマ痴女」の娘である獅穂と「閃光のボタン締め」と呼ばれる凛である。

今日も今日とて、朝陽に血を流させない(主に鼻血)為に獅穂と対峙する凛。
しかし、獅穂は強力な相手であった。

「そんなに胸元を露出して!!」
叫ぶ凛に余裕の微笑みを浮かべる獅穂。

そんな2人の遣り取りを、傍で眺めながら「はて?」と首を傾げる者が居た。
「クールビューティー」を標榜する葉子である。

葉子はふと自身の胸元に目を遣る。
うん、獅穂と同程度の露出である。
だが、凛に注意されたことはない。
アレ!?

何だかとても気にかかった葉子は、その場で凛を呼ぶ。
振り返った凛に、思いつく限りのセクシーポーズを披露する葉子だが……。

まずは、はだけた胸を強調するポーズ。
凛は無反応だ。

続いて、大きく伸びをするポーズ。
これまた凛は無反応だ。

続いて、続いて……しかし、いずれも凛は無反応である。
それどころか、何か体調でも悪いのではないかと本気で心配される始末。

意気消沈する葉子。
これを見ていた獅穂が「ほら、胸元」と凛に教えた。
ようやく「ああ!!」と言った表情を浮かべる凛。
だが、凛は葉子を注意するでもなく笑顔で告げる。
「こんなにも痴女力を感じない人、初めて見た」と。

どうやら、凛にとって葉子は全くセクシーさを感じない安全な相手らしい。

今度こそ完全に止めを刺された葉子は、この理不尽な憤りをぶつけるべく仲間を求めて校長室へ。
当然、其処に居るのは茜と明里だ。

葉子に同情を寄せる明里と大爆笑する茜。
ところが、この2人にも凛はニコニコと微笑みかける。
つまり、凛にとっては茜も明里も「セクシーさに欠ける」人物なのだ。

これに痛く傷付いた葉子、茜、明里。
彼女たちは互いに他の2人よりは自分の方が魅力的だと根拠のない自信を備えていた。
其処で同列にされるのは心外とばかりに、まさかの対決を行うことに。

場所を体育館へと移すと、拘束された朝陽をターゲットに互いのセクシーさを競うこととなった。
判定基準は朝陽の鼻血の飛距離。
これが長ければ長いほど、よりセクシーと判断されるのだ!!

さて、トップバッターは茜。
おもむろに朝陽の前で決めポーズをとるが……朝陽に反応はない。
凛も安心した表情で頷いている。
茜〜〜〜アウト〜〜〜!!

しかし、茜は納得いかない表情だ。
朝陽に問題があるのでは……と異議を主張し始めた。
早速、獅穂によりチェックが行われるのだが。

獅穂は朝陽の上に座り込むや隙間なく密着。
すると、瞬時に朝陽から滝のような鼻血が飛び出し、思わぬ記録を生み出した。
こうして、茜の異議は却下されることに。
茜〜〜〜今度こそ、本当にアウト〜〜〜!!

続いて、2番手は明里である。
明里は獅穂の遣り方に真髄を見たと叫ぶ。
そんな明里が採った方法は、彼女なりに朝陽に身体を寄せ可愛らしくおねだりすることであった。
しかし、その光景は傍目から見ると凄んだ明里が朝陽を脅迫しているようにしか思えない。
朝陽は血が上せるどころか、みるみる血の気を引かせることに。
明里〜〜〜アウト〜〜〜!!

こうして、残すは葉子となったのだが……。

果たして、葉子のチャレンジ結果や如何に!?
続きは「週刊少年チャンピオン」本誌で確認せよ!!

<感想>

「週刊少年チャンピオン」にて「さくらDISCORD」を連載されていた増田英二先生の新作。
「さくらDISCORD」は未読の管理人ですが、1話を読んで注目している作品です。
コミックス1巻に続き2巻、3巻、4巻も重版出来とのことで、目出度い。
さらに、5巻も発売。ちなみに表紙はフクちゃんとみかんですよ!!
そして、本作かなり面白い!!

その57話。
葉子、茜、明里……つまり、反セクシー3人組によるメイン回。
とはいえ、反セクシーが彼女たちの意志では無いことが辛い。

それにしても、今回は何時にも増して展開の流れが優れていた。
まさに「実は私は」の真骨頂の回とも言えるだろう。

他にも、直接的な表現ではなく婉曲的な表現を多用することで物の本質を伝える手法が良かったですね。
例えば、葉子がセクシーさに欠けるとの表現に、凛の笑顔を持って来る点。
さらに、葉子と茜、明里が共に同程度にセクシーさに欠けるとの表現に、凛の笑顔を持って来る点。
でもって、葉子が明里を茜同様に「ちゃん」付けで呼び始めるラスト。
あれにより、今回の騒動を通じて葉子が彼女の中で明里を茜ポジションに位置付けたことが明らかに。
つまりは、明里は葉子に舐められている―――と。
何気にムゴイや!!
でも、此処が秀逸でしたね。

そう言えば、明里が朝陽に鼻血を出させようとして逆に血の気を引かせるシーンもツボでした。
まさかのツッコミだったなぁ。

さらにさらに、カリスマ痴女も電話のみで登場。
その驚くべき力の一端を見せつけるなど活躍しました。
恐るべし!!

総評として、今回も楽しめた!!
多くは語るまい、とりあえず読め!!

そう言えば、上でもお伝えした通りコミックス5巻が発売。
表紙は1巻の葉子、2巻の渚、3巻の獅穂に続き、フクちゃんとみかん。
なるほど、フクちゃんが加わったからこそみかんの秘密(朝陽が好き)が暴かれたからか。
だから、フクちゃん登場までは表紙に出来なかったワケなのかな。
こうなると、6巻が凛、7巻が明里かな。

ちなみに、上記のあらすじは本作の魅力を伝えられるよう改変を加えてまとめていますが、その面白さを伝えきれていません。
やっぱり、あの絵とコマ割りなどのテンポあっての本作。
是非、「週刊少年チャンピオン」本誌を読んで欲しい。

もう1度繰り返しましょう。
本作に興味を持たれた方には、是非、「週刊少年チャンピオン」本誌を捜して読んで欲しい。
最近の「週刊少年チャンピオン」は「名探偵マーニー」や本作など本当に粒揃いでクオリティが高い作品が多い。
注目の雑誌の1つと言えるでしょう。

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