2014年03月28日

「思春鬼のふたり」第7話「善悪のふたり」(反転邪郎作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

「思春鬼のふたり」第7話「善悪のふたり」(反転邪郎作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)です。

ネタバレあります、注意!!

登場人物一覧:
辻:WCO(世界お掃除機構)に所属する掃除人(連続殺人鬼)。
白雪:辻に恋焦れる少女。
担当さん:辻を担当するWCOの職員。
深海末姫:辻と白雪の前に現れた少女。「もう1人の掃除人」を名乗る。
諏訪:深海のクラスメート。実はWCOの掃除人。6話で小鹿に処刑される。
小鹿陸:眼帯を着けた謎の少女。実はWCOのお仕置き人であった。
黒金:辻たちが通う学校の生物教師。女性。
若丸:黒金が招いた病院の医師。男性。

<あらすじ(途中まで)>

辻のもとへ、WCOから次なるお掃除依頼が舞い込んだ。
そのターゲットは……辻の学校に勤務する教師であった。
ターゲットは生きたままの人を解剖するが殺さないことで罪を逃れる犯罪者らしい。
既に何人もの被害者が出ていたが……。

生物の授業が始まった。
両手に絆創膏を貼った女性教師・黒金が「カエルの解剖」をするよう宣言。
黒金は、助っ人として若丸なる男性医師を呼ぶ。
若丸の容姿を見て「きも〜〜〜い」と洩らす女子生徒たち。
一方、辻は「アレがターゲットか……」と集中する。

解剖の授業が開始。
辻が見事な解剖を見せる中、白雪がカエルを逃すなどのハプニングが。

授業終了後、若丸を尾行する辻。
若丸は校舎裏に向かう。
辻はそんな若丸の背後に回り込んで……。

若丸はどうなる!?
続きは「週刊少年チャンピオン」本誌で確認せよ!!

<感想>

「コミックフラッパー」にて「モコと歪んだ殺人鬼ども」を連載中の反転邪郎先生の新作が「週刊少年チャンピオン」で連載開始です。

その新作「思春鬼のふたり」はなかなかにぶっ飛んだ設定が印象的な作品。
思春期真っ盛りの主人公・辻は悪を滅する掃除人こと連続殺人鬼。
そんな辻の正体を知りつつ、彼を愛する少女・白雪。
果たして、2人はどうなるのか……的なストーリー。

さて、その7話ですが……。

今回、描かれた内容を羅列すると。

・冒頭、新ターゲットの凶悪な犯行が描かれる。
・辻に新ターゲットのお掃除依頼届く。
・学校にて黒金と若丸登場、カエルの解剖が行われる。辻が新ターゲットを確認。
・辻が若丸を尾行(此処まで上記あらすじ)。
・怪しく見えた若丸だが、犠牲となったカエルを校舎裏に葬っていた。実は善人。
・辻も若丸が善人であることを確認しただけ、世の中が若丸のような人で溢れていれば……と想いを馳せる。
・真のターゲットは黒金であった。
・辻が黒金の独白を聞き、お掃除の決意を固める。
・ところが、黒金は若丸の婚約者であった(7話了)。

やはり、展開が駆け足過ぎる気がしますね。
明らかに週刊ではなく月刊ペースです。
週刊ならば、上記のあらすじ部分までで次回に続く、以降の後半部分でもう1話に分けた方が良かったと思う。
折角、辻のターゲットを黒金ではなく若丸であるかのようなミスリードを施しながら同じ7話中にて明かすのは……1話完結型の物語では無い以上、次回まで引っ張っても良かったのに。
うむむ……。

この状況下で8話の展開を予測すると……。

若丸の大切な人である黒金を殺害することに葛藤する辻(2、3ページくらい)。
しかし、当の黒金が若丸(あるいは白雪)を解剖対象に。
これを守る為に涙を呑んで、あっさりと黒金を殺害(8話了)。

ぐらいになりそうな予感。
ともかく、次回も駆け足で余韻が感じられない展開になるのではないか。
かなり悲観的な観測だが、少なくともそう危惧させるだけの物が本作にはある。

もしも、此の展開になるぐらいなら、実は善人と思われたかに見えた若丸と黒金による2人1組の犯行だった……とかの方がアリかなぁ。
あるいは、躊躇する辻を小鹿が処刑しようと狙うぐらいの方が面白そう。
次回の展開がこれら予想の範疇に収まるか、それともそれを上回るか注目したいところ。

他にも、ところどころ凄く面白そうなところがあるのに、いざ完成すると何でこう……何処か惜しい感じになるのだろうか。
正直、この駆け足振りならば1話ごとに1ターゲットの1話完結型にした方が面白いと思う。

例えば、ある回は飽きっぽいのにも関わらず偏執的なストーカーがターゲットだったり。
ある回は綺麗好き過ぎて街を汚す人間が許せずに抹殺してしまう犯人がターゲットだったり。
1話に1人、個性的なターゲットを辻が淡々とお掃除して行く物語で良い気もする。

ちょっと今回も管理人の嗜好には合わなかったかな。
次回に期待。

本作に興味を持たれた方には、是非、「週刊少年チャンピオン」本誌を捜して読んで欲しい。
最近の「週刊少年チャンピオン」は「名探偵マーニー」、「実は私は」や本作など本当に粒揃いでクオリティが高い作品が多い。
注目の雑誌の1つと言えるでしょう。

◆関連過去記事
「思春鬼のふたり」第1話「出逢ったふたり」(反転邪郎作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

「思春鬼のふたり」第2話「殺し屋がふたり」(反転邪郎作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

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「思春鬼のふたり」第6話「雨の中のふたり」(反転邪郎作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

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posted by 俺 at 12:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 漫画批評(レビュー) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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