ネタバレあります、注意!!
登場人物一覧:
さゆり(彩百合):謎の少女。4歳ながらとてつもない怪力を誇る。
豪田:さゆりの祖父。普通の人。
バニー・ラビット:宇宙警察の刑事。
リコス:バニーが追う逃亡犯。
源さん:さゆりの体当たりを受け止めることが出来る地球人。愛の力は偉大だ。
駐在さん:最近赴任してきたばかりの若い警官。集中連載1話でさゆりの三輪車に撥ねられトラウマに。
ヨシさん:隣町の住人。さゆりを侮ったが為に……。
恭也:さゆりが出会った年上の少年。さゆりに自身を「師匠」と呼ばせる命知らず。
メタボ:ヤスの兄貴分。
ヤス:メタボの弟分。出っ歯が特徴。心は折れても出っ歯は折れない。
オヤッサン:バッティングセンターの経営者。
<あらすじ(途中まで)>
〜〜〜前回までのあらすじ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
宇宙刑事であるバニー・ラビットは凶悪犯リコスを追って地球に飛来。
あと一息というところまで追いつめるが、現地の少女・さゆりにリコスともどものされてしまう。
こうして、さゆりの家に保護(囚われた)されることに。
仲間に救助を依頼するが助けは未だにやって来ない。
さゆりを通じ、何時の間にやら凶悪犯のリコスが善良になりつつあるなど、想定外な要素を抱え過ぎた彼女の明日はどっちだ(嘘)!?
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
その日、バッティングセンターに源さんの姿があった。
順調に快音を響かせる源さん。
ふと同行していたさゆりが気にかかり、そちらに目を遣ると……。
何とさゆりが隣のレーンに入り、バットを正眼に構えていた。
明らかにヒッティングの構えでは無いが、それはそれ、さゆりであるから大丈夫。
ちなみに、さゆりは4歳である。
繰り返すが4歳である。
だが、さゆりは普通ではない。
さゆりにとってバッティングは児戯にも等しいものなのだ。
だからたとえバットの握り方が通常とは異なっていたとしても、さゆりにとっては何ら痛痒を感じる事態ではないのである。
しかし、源さんにとっては別である。
さゆりラブな源さんは驚きのあまりコースの中央に立ち尽くし、何十発とボールを身体に浴びることとなるのであった。
そんな源さんとさゆりを、これまた同行していたリコスが眺めていた。
さらに、リコス居るところバニーあり。
当然、先程までバニーも傍観していたのだが……今は源さんがボールを浴び続ける様子を目にして「そうか、あれが頑丈な身体の秘訣だったのか!!やっと分かった。分かったぞ!!」とあらぬ喜びに身を震わせていた。
こうして、勘違いしてしまったバニー。
早速、あの源さん並のボディを手に入れるべくバッティングレーンへ。
コースの中央に立ち、今か今かとボールを待ち構える。
しかし、これに気付いた源さんの顔が変わる。
「ヤバい!!あ、あれは……」
絶句する源さんの目に映るのは、バニーが立つレーンの天井にぶら下がった「300キロ」の文字。
当然、飛んで来るボールのスピードは時速300キロである。
通常のバッティングセンターでは到底有り得ない数字だ。
そのボールは新幹線なみの衝撃と言い換えても良い。
案の定、一投目を受けたバニーの身体が後方へと吹き飛んで行く。
それに追い縋るように300キロのボールがバニーの身体に吸い込まれて行く。
バニーは悲鳴を挙げる暇もなく、ボールの波の中に消えた。
この様子に言葉を失うリコス。
其処へ……。
「ワッハッハッハッ」
心底愉快そうな笑い声が!!
現れたのはバッティングセンターの経営者・オヤッサンである。
実はオヤッサン、ボールへの抑え切れぬ愛からバッティングセンターを経営している異色の人物であった。
それだけに、バッティングセンターにも関わらずボールを打たれることを潔しとしない。
むしろ、如何に打たれないかを工夫する人物であった。
何故、バッティングセンターを開業したのか……心底、謎である。
「打てるモノなら打ってみろ!!」
利用者を利用者とも思わぬオヤッサンの声に、さゆりが奮起した。
こうして、オヤッサン自慢の最強兵器(波動砲風ピッチングマシン)とさゆりが対決することに!!
果たして、対決を制するのはさゆりかオヤッサンか!?
源さんとリコスが意外な形で関わるラストとは!?
この続きは今週の「週刊少年チャンピオン」本誌にて確認せよ!!
<感想>
「週刊少年チャンピオン」にて短期集中連載された福田やすひろ先生の作品「最強少女さゆり」。
そんな本作が正式な連載として帰って来ました!!
ファン大歓喜だぜ、ヒャッホウ(^O^)/!!
ちなみに連載になったことで本作のアプローチも多少変わった様子。
短期集中連載時は「さゆりを中心とし、人並み外れた怪力がありながら周囲の人々に保護される4歳児を描くハートフルコメディ」でしたが「人並み外れた怪力を有する少女と、これを温かく見守る周囲の人々を描いたハートフルコメディ」へと変わった印象あり。
つまり、何処が変わったかと言うと、短期集中連載時は「さゆりが中心だった」のに対し連載では「さゆりとその他の人々」にまで焦点の対象が広がったかな。
これは新キャラである恭也の登場にも顕著。
それに伴い源さんの「さゆりラブ」キャラに拍車がかかってます。
これにより、さゆり抜きでサブキャラたちのみ描かれる回も有り得ますね。
正直、個人的には短期連載時の「さゆり中心」のノリが好きだけど、連載が長期化することを見据えれば物語の幅を広げる意味で正しい判断だと思われます。
ただ、出来るなら主人公・さゆりの正体はもちろんのこと、リコスとバニーの掘り下げをもっとして欲しいかも。
そんな仕切り直しの6話(通算11話)。
前回の流れから、雑草マン関連で恭也が出て来るかと予想していましたが、今回は新キャラ「バッティングセンターのオヤッサン」が登場しました。
となると、雑草マンは純粋にさゆりが好きなお菓子なのか。
そして、バッティングセンターのオヤッサンは良キャラ。
マッドサイエンティスト枠で是非、今後も自慢のピッチングマシンと共に登場して欲しい逸材だ。
それにしても、バッティングセンターを舞台にした漫画で波動砲を目にすることになるとは思いも寄りませんでした。
流石「最強少女」を冠するだけのことはある。
さらに、あの波動砲。
集中連載1話でリコスが持ち出したレーザー砲よりも、同じく集中連載5話でさゆりが蹴ったボールに近い破壊力。
あれを作り出すとは……オヤッサンのバッティングセンターはバケモノか!!(by赤い彗星)
しか〜〜〜し、そんなオヤッサン自慢の最終兵器も我らがさゆりちゃんの前では蟷螂の斧。
あっさりと正眼で叩っ斬られることに。
でもって、あの2人が尊い犠牲に……まさか、さゆりの構えが伏線となっていたとは!!
やはり、源さん、リコス、バニーが登場すれば無傷なことは有り得ないのか。
でもって、このオチまでの流れが秀逸かつ美麗。
今回もその魅力を十分に発揮していました。
次回も期待!!
本作の魅力は、あのファンシーな絵柄で驚きのアクションを魅せることなんだと思う。
とはいえ、おそらく此処で幾ら言葉を尽くしたところで本作の面白さは伝えられないだろうなぁ。
やっぱり本作は理屈じゃないな。
実際に読んで感じるべし。
彩百合の両親が謎ですね。
山中の病院で1ヶ月に1度のお見舞い……「となりのトトロ」を思い出しました。
さゆりの母は静養中なのでしょうか。
そう言えば、リコスはトトロっぽいと言えなくもないか。
入院中とのことですが、何か理由があるのでしょうか。
このあたりも謎だし、連載になった以上はいずれ明かして欲しい。
ちなみに、上記のあらすじは本作の魅力を伝えられるよう改変を加えてまとめてみましたが、残念ながらその面白さを伝えきれていませんね。
やっぱり、本作を直接読んで欲しい。
もう1度繰り返しましょう。
本作に興味を持たれた方には、是非、「週刊少年チャンピオン」本誌を捜して読んで欲しい。
最近の「週刊少年チャンピオン」は「名探偵マーニー」や「実は私は」など本当に粒揃いでクオリティが高い作品が多い。
注目の雑誌の1つと言えるでしょう。
◆関連過去記事
【短期集中連載版】
・「最強少女さゆり」第1話「さゆりと宇宙人」(福田やすひろ作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・「最強少女さゆり」第2話「さゆりとチャンバラ」(福田やすひろ作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・「最強少女さゆり」第3話「さゆりとアルバムと私」(福田やすひろ作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・「最強少女さゆり」第4話「さゆりと峠とお見舞い」(福田やすひろ作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・「最強少女さゆり」最終話(第5話)「さゆりとサヨナラの日」(福田やすひろ作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
【連載版】
・「最強少女さゆり」第1話(6話)「さゆりと絵日記」(福田やすひろ作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・「最強少女さゆり」第2話(7話)「さゆりと師匠と落とし穴」(福田やすひろ作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・「最強少女さゆり」第3話(8話)「さゆりとオオカミ」(福田やすひろ作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・「最強少女さゆり」第4話(9話)「さゆりとお留守番」(福田やすひろ作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・「最強少女さゆり」第5話(10話)「さゆりとおつかい」(福田やすひろ作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
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