<あらすじ>
城ノ内コンサルティングの今回のクライアントは、宮城県仙台市にある秋保(あきう)温泉郷のホテル『瑞鳳』。“櫻離宮”と名付けられた高級感あふれる離れでのおもてなしを、さらに心温まるものにするため、星野さつき(森口瑤子)と森田梢(高樹マリア)が和式礼法を取り入れた美しい配膳の仕方を指導している。
そんなさつきたちに、支配人から驚きの情報がもたらされる。数日後に開催予定の『宮城県地域医療の会』の学会を中止にしないと、死者が出るとの脅迫状がホテルに届いていたのだ。同じ内容の脅迫状は、学会幹事の板野(金児憲史)、梶川(池田努)両医師にも送られていた。さつきは板野らに警察への通報と学会の中止を促す。しかし、板野は不安がる梶川を説得し、予定通りの開催を断固主張。さつきたちはお客様の要望に応えるべく、万全の対策を講じることにする。
手始めに、岩田幸平(村田雄浩)が学会周辺の情報を収集すると、脅迫状が送られてきた数日前に、学会幹事の一人、坂上医師(松川荘八)が勤務先の病院屋上から謎の転落死を遂げていたことが分かる。事故か事件か、また今回の脅迫状と関連はあるのか、一抹の不安を抱えながら、さつきたちは学会の前夜祭を迎える。
板野と梶川は、離宮にチェックイン。ほかにも、学会出席者とは別に、離宮用に特別な野菜を納めている農家の茶沢健三(松澤一之)と久恵(秋山りこ)の親子、姉妹でスナック経営している松尾典子(大竹一重)と小春(遊井亮子)、そして一人客の滝沢京香(藤田弓子)が宿泊していた。
そのころ、前夜祭会場には再度、学会中止を求める脅迫状が届いていた。万が一を案ずる梶川は板野に中止を持ちかけるが、板野は頑として強硬開催を譲らない。結局、「全責任、俺が取る!」という板野に押し切られ、岩田を中心に厳戒態勢を敷く中、前夜祭がスタートする。
同じころ、離れの宿泊客にも島慎之介(東幹久)が心を尽くした料理が振る舞われていた。母の命日に遺影を持参している松尾姉妹の部屋には、亡き母が好きだったというワインが一緒に供される。また、茶沢の部屋には島が自ら出向き、貴重な地元野菜を提供してくれることへの感謝をのべる。そして、さつきは新任ながら仲居歴15年の石森可奈子(大路恵美)とともに、京香の部屋を担当。おもてなしの心で京香に接するが、京香からは可奈子を担当から外してほしいとのクレームが寄せられてしまう。さつきの目には、可奈子の接客に落ち度はないように映るのだが…。
幸いにも、前夜祭は無事に終了する。しかし、離宮で予期せぬ騒動が起こる。酒に酔った茶沢が、板野と梶川を「人殺し同然だ!」と激しくののしり、つかみかかったのだ。久恵に咎められた茶沢は、おとなしく自室に退散。大事には至らなかったが、その一部始終を見ていた松尾姉妹は、夜遅くに梶川の部屋を訪ね…。
翌朝、念願の学会当日を迎えたその日、板野は車の中で絶命しているところを発見される!さらに、梶川宛に新たな脅迫状が届き…!?
(土曜ワイド劇場公式HPより)
では、続きから(一部、あらすじと重複あり)……
経理担当・星野さつき、調査担当・岩田幸平、料理担当・島慎之介、接客マナー担当・森田梢は城ノ内愛子が経営する「城ノ内コンサルティング」の社員である。
彼らは経営が傾いたホテルの立て直しを主な仕事としている。
これまでに彼らにより救われたホテルの数は3ケタを下らないだろう。
それほどの凄腕である。
そんな「城ノ内コンサルティング」の今回のクライアントは、宮城県仙台市にある秋保温泉郷のホテル「瑞鳳」。
「櫻離宮」と名付けられた高級感あふれる離れでのおもてなしが話題のホテルだ。
とはいえ、盛者必衰は世の常である。
営業努力を怠れば、たちまち傾くこととなる。
其処で「瑞鳳」では、更なる飛躍を目指し彼らを招聘したのだ。
この試みは成功し、一定の成果を上げ始めたある日。
一通の脅迫状がホテルに届く。
その内容は「数日後に開催予定の『宮城県地域医療の会』の学会を中止にしろ」とのもの。
もしも、中止しなければ死者が出るとされていたが……。
この脅迫状、同じ物が学会幹事の板野と梶川両医師にも届いていた。
さつきは学会の中止を提案するが、板野はこれに反発し開催を強行してしまう。
さつきは岩田に脅迫状の背景を調べるよう依頼。
すると、意外な事実が判明する。
なんと、脅迫状が届く数日前に同じく学会幹事の一人・坂上医師が勤務先の病院屋上から謎の転落死を遂げていたのだ。
何とも不穏な空気の中、板野と梶川が宿泊客として到着。
他の客は、ホテルに野菜を納めている農家・茶沢健三と久恵父娘、姉妹でスナック経営している松尾典子と小春、一人客の滝沢京香などである。
そして、いよいよ明日に学会開催を控えた前夜祭。
板野と梶川は学会成功を胸に秘め、準備に余念がない。
その一方で、茶沢父娘は島特製の料理に舌鼓を打つ。
しかし、2人とも何処か寂しそうだ。
どうやら、茶沢の妻で久恵の母の死が関連しているらしい。
同じ頃、母の命日に遺影を持参していた松尾姉妹の部屋には、亡き母が好きだったというワインが一緒に供されていた。
さらに、京香の部屋では仲居歴15年のベテラン石森可奈子が接客を担当する。
ところが、京香は可奈子が気に喰わない様子。
「担当から外せ」とのクレームがさつきに寄せられてしまう。
可奈子がミスをしたようには思えないさつきだが……。
翌朝、板野が死体で発見される。
どうやら、何者かに殺害されたようだ。
その前日、板野が茶沢と揉めていたことが判明し彼に容疑が向かうことに。
ところが、岩田の調査により更なる事実が判明。
状況は更に複雑化することに。
なんと、茶沢の妻、松尾姉妹の母、京香の息子が同日に死亡していたのだ。
そんな中、梶川が狙われることに。
其処に駆け付けたさつきたちが目にした真相とは……。
梶川を取り囲み、その罪を責める茶沢父娘、松尾姉妹、京香の姿であった。
そして、坂上と板野を殺害した犯人は京香だったのである。
実は、板野、坂上、梶川は過去に救急車を悪戯で呼び出していたことがあったのだ。
それにより、本来救急車を必要とした茶沢の妻、松尾姉妹の母、京香の息子が助からなかったのである。
だが、京香たちはこの事実を知らずに過ごしていた。
そんなある日、京香たちはある記事を目にする。
其処には梶川たちが過去の悪戯を得々として語っていた。
しかも、最後は「若気の至りです(笑)」で締めである。
これが京香たちの感情を逆撫でした。
「かっこわらい、かっこわらいなんて……」
自身で発した言葉に、わなわなと怒りに震える京香。
「それにしても、かっこわらいですよ!!」
口にしている内に余計に激情に駆られた京香は叫ぶ。
怒りに駆られた京香は坂上を問い詰めた。
しかし、坂上は過去の事として謝ろうともしない。
これに京香は逆上し、坂上を殺害してしまったのだ。
1人を手にかけたことで止まらなくなった京香は板野と梶川を狙うことに。
この事実に気付いた者が居た。
可奈子だ。
実は可奈子は京香の息子の元恋人であった。
当然、可奈子もまた京香と想いは同じで坂上を狙っていた。
そして、京香の犯行に気付いたのだ。
脅迫状を送ったのも可奈子であった。
狙いは脅迫状により警備を厳しくすることで、京香にこれ以上の犯行を重ねさせない為である。
京香もまた、そんな可奈子の行動に気付き巻き込まないようにと担当を外させたのであった。
今また梶川を殺害しようとする京香。
梶川は必死に京香たちに謝罪し許しを請う。
そんな梶川の姿に怒りの遣り場を失った京香は殺害を諦め、逮捕されるのであった―――エンド。
<感想>
「温泉(秘)大作戦」シリーズ13作目。
前作が2013年1月12日の放送だったので、ほぼ1年2ヶ月ぶりの新作となりました。
これまでのネタバレ批評(レビュー)は過去記事がありますね。
興味のある方はどうぞ!!
……と言いつつ、放送から5ヶ月後の批評(レビュー)となっています。
何故か!?
簡単です。
当日に殆ど見られなかった上に、記事に出来なかったから。
そんな中、ラスト15分くらいは辛うじて視聴出来ていたので視聴部分を控えたメモと予定していた記事の骨組みをもとにこうして本記事が構成されています。
それともう1つ理由が。
実は「温泉(秘)大作戦シリーズ」の第14弾の放送が2014年8月16日に控えているから。
第14弾の後となると記事にしづらいので今のうちというワケです。
では、そんな今回の感想は。
「かっこわらい」が全部持って行ったな〜〜〜との感想。
ともかく「それが全て」だそうです。
何しろ、メモにそう記されています。
しかも、太字で書かれた上に、ご丁寧に丸まで付けてあります。
余程、インパクトがあったのでしょう。
というワケで、きっと「かっこわらい」の回だったのだと思います(笑)……で締めるのは洒落にならないのだろうか(笑)……と思わせておいて(笑わない)。
◆関連過去記事
・土曜ワイド劇場「35周年特別企画 温泉(秘)大作戦(12) 北海道洞爺湖に渦巻く美人三姉妹の陰謀!?花嫁殺人に秘められた愛と憎しみの25年!」(1月12日放送)ネタバレ批評(レビュー)
・土曜ワイド劇場「温泉(秘)大作戦(11)〜世界遺産の露天風呂に謎の美女?熊野古道と那智の滝、パワースポットに渦巻く女の情念!連続殺人!死体は二度殺された!?」(3月10日放送)ネタバレ批評(レビュー)
・土曜ワイド劇場「温泉(秘)大作戦(10)〜豪雪青森・浅虫温泉!美人料理長が振舞う極上海の幸!!老舗旅館に生まれた兄弟の壮絶人生と連続殺人の悲劇〜」(8月20日放送)ネタバレ批評(レビュー)
・土曜ワイド劇場「温泉(秘)大作戦(8)〜鳴門のうず潮に引き裂かれた夫婦愛!隠蔽された刑事失踪事件の真実に挑む美人妻と仕掛人たち!!」(12月5日放送分)ネタバレ批評(レビュー)
<キャスト>
星野さつき:森口瑤子
島 慎之介:東 幹久
森田 梢:高樹マリア
石森可奈子:大路恵美
松尾小春:遊井亮子
松尾典子:大竹一重
板野譲治:金児憲史
梶川康男:池田 努
茶沢久恵:秋山りこ
茶沢健三:松澤一之
滝沢京香:藤田弓子
岩田幸平:村田雄浩
城ノ内愛子:野際陽子 ほか
(敬称略、順不同、公式HPより)
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それがこの13作のテーマといえます。
復讐相手は「過去にいたずら電話をした」、「しかしそれは厳重注意を受けたことにより、一応の『制裁』は受けている」わけです。
そして、大人になり、ある程度の地位を確立したとき、このことを「若気の至り」として告白した・・・。
犯人は「彼らはもういたずら電話の件で裁かれることはない、ならば自分で裁く」という激情に最初から駆られていたわけではなかったと思います。
もう少し、被害者たちに謝罪する意思があったならば、悲劇は防げていたのではないでしょうか。
一人生き残った梶川、彼の今後の人生の歩み方が、松尾姉妹と茶沢親子が抱いている彼に対する負の感情を変えることになれば、それは唯一の救いと言えそうです。
こんばんわ!!
管理人の“俺”です(^O^)/!!
なるほど、梶川が罪をきちんと反省した上でどう行動するかが彼自身だけではなく被害者たちにも関わって来るのですね。
本作は京香による「かっこ笑い」が印象的でしたが、実は深いテーマの物語だったと言えそうです。