<あらすじ>
医者の夫・田向健三(船越英一郎)との家庭を持ち、子どもが授からないという悩みはあるが、イラストレーターとしての仕事もして、なに不自由なく暮らしている主婦・田向ゆき(一路真輝)。隣に立原さち(高島礼子)が引っ越して来たことから物語は始まる。
一人暮らしらしいさちに「誰かの愛人かも知れない」と興味を示す健三の言葉に一抹の不安を感じながらも、ちょっとしたきっかけでご近所付き合いが始まり、次第にその距離を縮めていくことになるゆきとさち。
2人はどこにでもいる普通の主婦たちのように、多くの時間を共有し、次第に何でも話せる存在になっていく。
その中で、突然ゆきが、さちから聞かされた“夫(健三)の浮気”話。夫を信じたいと願うゆきの心をもてあそぶように、ひとつひとつ明らかになっていく健三の“嘘”と“現実”が、 “夫婦の大切な思い出”さえ消し去ってしまう。“不安”に襲われるゆきが頼るべき心の支えは、もはやさちしかいない。
しかし、刑事・後藤田祐太郎(小林稔侍)の出現と共に、物語は大きく展開する──。
(公式HPより)
では、続きから(一部、重複アリ)……。
田向ゆきは、医者で夫の田向健三と共に高級住宅街で仲睦まじく生活していた。
健三は総合病院の内科部長。
念願の開業まであと一歩まで迫っていた。
一方、ゆきはイラストレーターの仕事もしており、こちらも順風満帆。
2人の間に子宝が恵まれないことを除けば、何の不満も無かった。
もっとも、それはゆきに限ってのこと。
夫である健三は浮気をしていたのだが、ゆきはそれを知らない。
そんなある日、隣家に立原さちが引っ越して来た。
何処か陰のあるさちに健三は興味を抱く。
ゆきはと言えば、さちが習得していた「アレクサンダー・テクニーク」をきっかけにどんどん親しくなって行く。
遂には、さちを「さち姉さん」と呼び慕うようになり、健三との思い出のオルゴールを見せるほどの仲となった。
そんな中、ゆきはさちから健三の浮気について聞かされる。
もはや、健三よりもさちの言葉を信じるようになっていたゆきはこれを疑わない。
しかも、実際に健三は浮気をしているのだから堪らない。
忽ち、ゆきと健三の間には不穏な空気が流れるように。
これにより、ゆきはますますさちへと傾倒して行く。
ところが、さちには裏の顔があった。
なんと、さちは大規模な窃盗団グループの一員だったのだ。
隙を突かれたゆきは、家財一切を盗まれてしまう……。
その中には、例のオルゴールも含まれていた。
しかも、当のさちは姿を消してしまった。
この責任について、健三に責められるゆき。
その頃、盗難被害について刑事・後藤田祐太郎が捜査に乗り出した。
後藤田は健三とゆき夫婦を惜しみ、何とか2人の仲を修復しようと動き出す。
その過程で、健三が薬剤師・遠藤菜穂と浮気していたことを突き止めることに。
だが、後藤田はこれをゆきには秘密にすることとした。
その上で、健三にゆきを大切にするよう言い含める。
一週間後、後藤田が健三とゆきを訪ねて来た。
なんと、さちが出頭して来たらしい。
どうやら、ゆきと交流したことで人を信頼することに目覚めた為に、これ以上の裏切りは出来ないと考えたようだ。
さちは仲間に黙ってオルゴールだけは隠していた。
こうして、さちから健三とゆきのもとにオルゴールが戻って来た。
2人はやり直そうと誓う―――エンド。
<感想>
ドラマ原作は佐野洋先生『隣の女』(新潮社刊)。
佐野洋先生と言えば、2時間サスペンスでは「密会の宿」シリーズの原作者で知られる巨匠。
氏のライフワークとも言える『推理日記』を39年の長きに渡り連載し続けたことでも知られ、去る2013年4月に亡くなられています。
・『推理日記』で知られる佐野洋先生、死去……。
さて、そんなドラマ版の感想を!!
サブタイが虚偽広告だなぁ……。
これはサスペンスでは無く、ホームドラマな気がする。
たぶん、描写の仕方がソレなんだと思うんだけど、これがサスペンスならば他の起承転結あるどのドラマもサスペンスに属しそうだ。
ただ、ホームドラマとしては面白かったのでアリかな。
中盤までに比較すると終盤が結論ありきで些か駆け足的な印象もありますが、全体的にはなかなかでした。
ちなみに劇中で印象的だった「アレクサンダー・テクニーク」。
「心身の反応に注意し、自然な形になるよう修正して行く方法」とのこと。
具体的には「背中や腰の痛みの原因を改善、事故後のリハビリテーション、呼吸法の改善、楽器演奏法、発声法や演技を妨げる癖の改善など」がこれにあたり、世界大会も行われているようです。
◆佐野洋先生関連過去記事
・水曜ミステリー9「密会の宿 北鎌倉心中!死ねなかった女…私の弱さがあなたを殺した純愛と不倫に揺れる心に復讐の炎!帯留めと和服が暴く殺人計画(最愛の人の命日に新たな悲劇が!罠にはまった殺人者)」(12月14日放送)ネタバレ批評(レビュー)
・水曜ミステリー9「密会の宿9 最後の恋 鎌倉人魚伝説殺人事件 宝石の甘い罠に堕ちた3人の女!愛と嫉妬の炎に身を焦した果てに見た悲しみの真実!(宝石の甘い罠〜この恋だけは失いたくない誕生石に隠された罠!涙の北鎌倉人魚伝説)」(6月27日放送)ネタバレ批評(レビュー)
・水曜ミステリー9「密会の宿10 禁じられた愛 北鎌倉悲恋殺人 女流作家北鎌倉殺人事件〜愛を叫んで死んだ謎!24年引き裂かれた男と女…女将が暴く容疑者の嘘と微笑み写真の真実(禁じられた愛〜人生はやり直せないのか!?北鎌倉の悲恋が呼んだ時間差殺人トリック)」(8月7日放送)ネタバレ批評(レビュー)
・佐野洋先生第57回菊池寛賞受賞!!
・【衝撃】佐野洋先生『推理日記』が39年目にして終了を迎える。
・『推理日記』で知られる佐野洋先生、死去……。
<キャスト>
田向ゆき:一路真輝
立原さち:高島礼子
後藤田祐太郎:小林稔侍
田向健三:船越英一郎 ほか
(順不同、敬称略、公式HPより転載)
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