2014年04月07日

「最強少女さゆり」第7話(12話)「さゆりとアスレチック」(福田やすひろ作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

「最強少女さゆり」第7話(12話)「さゆりとアスレチック」(福田やすひろ作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)です。

ネタバレあります、注意!!

登場人物一覧:
さゆり(彩百合):謎の少女。4歳ながらとてつもない怪力を誇る。
豪田:さゆりの祖父。普通の人。
バニー・ラビット:宇宙警察の刑事。
リコス:バニーが追う逃亡犯。
源さん:さゆりの体当たりを受け止めることが出来る地球人。愛の力は偉大だ。
駐在さん:最近赴任してきたばかりの若い警官。集中連載1話でさゆりの三輪車に撥ねられトラウマに。
ヨシさん:隣町の住人。さゆりを侮ったが為に……。
恭也:さゆりが出会った年上の少年。さゆりに自身を「師匠」と呼ばせる命知らず。
メタボ:ヤスの兄貴分。
ヤス:メタボの弟分。出っ歯が特徴。心は折れても出っ歯は折れない。
オヤッサン:バッティングセンターの経営者。

<あらすじ>

〜〜〜前回までのあらすじ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

宇宙刑事であるバニー・ラビットは凶悪犯リコスを追って地球に飛来。
あと一息というところまで追いつめるが、現地の少女・さゆりにリコスともどものされてしまう。
こうして、さゆりの家に保護(囚われた)されることに。
仲間に救助を依頼するが助けは未だにやって来ない。
さゆりを通じ、何時の間にやら凶悪犯のリコスが善良になりつつあるなど、想定外な要素を抱え過ぎた彼女の明日はどっちだ(嘘)!?

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

「おい、その開け方で大丈夫なのか!?」
バニーがさゆりに問いかけた。

此処は源さんの車の中である。
さゆり、リコス、バニーの3人は源さんに連れられアスレチック施設へと遊びに出かけていた。
その途上―――さゆりが雑草マンスナックの袋の開閉に悪戦苦闘しているのである。

嫌な予感……バニーの脳裏に1話「さゆりと絵日記」での悪夢が甦る。
往々にして、こういったときの予感は当たるモノ。
案の定、さゆりは盛大に雑草マンスナックをぶちまけてしまった。

しかも、其処はソレ、さゆりのことである。
ぶちまけ方も尋常ではない。

一方向に思わぬ圧力をかけられたスナックはペースト状に可変すると、裂けた袋の口から目の前に居たバニーの口内へと注ぎ込まれたのである。
バニーはペースト状のスナックに窒息寸前にまで追い詰められることに。

ぜはぁ……ぜはぁ……。
なんとか口中のスナックを胃へと送り込んだバニー。
肩を上下させつつ息を荒げてやり過ごすのだが……これを見ていたリコスが悪戯を思いつく。

「おい、嬢ちゃん。バニーは腹が減って死にそうらしいぜ」

リコスの悪意に凍り付くバニー。
純朴なさゆりは疑いもせず、バニーの口に用意した食料を詰め込……もとい、叩き込んで行く。
それは抗いようのない奔流の如し。
バニーはリスのように頬を膨らませつつ、昇天した……。

なんやかんやで目的地のアスレチック施設に到着。
その頃にはバニーは注ぎ込まれた食料により妊婦へと転じていた。
胃の内容物に吐き気を催したバニーは此処で敢え無くリタイアとなった。

この姿に爆笑するリコス。
しか〜〜〜し、人を呪わば穴2つ。
リコスのもとにも怪しい小さな影が。

さて、此処で問題です。
アスレチック施設と言えば利用者はどの層になるでしょうか。
答えは―――子供たち。
子供たちはもふもふなリコスに殺到。
嫌がるリコスだが、お構いなしの子供たちに揉みくちゃにされ、これまたリタイアとなった。

到着早々、2人きりとなったさゆりと源さん。
とはいえ、さゆりは同行者の脱落を気にかける様子もなく、源さんと共にアスレチックを満喫。

もちろん、さゆりである。
アスレチックの満喫法に些か行き過ぎた点があるのだが……此処は「週刊少年チャンピオン」本誌にてお楽しみ頂きたい。

遊び続けるさゆりと源さん。
そんな中、ふと「ソリ大会」のチラシが彼らの目に留まる。
さゆりはこれに参加することに。

「最強少女さゆり」初の次回へ続く。
次回への手掛かりは「週刊少年チャンピオン」本誌にて確認せよ!!

<感想>

「週刊少年チャンピオン」にて短期集中連載された福田やすひろ先生の作品「最強少女さゆり」。
そんな本作が正式な連載として帰って来ました!!
ファン大歓喜だぜ、ヒャッホウ(^O^)/!!

ちなみに連載になったことで本作のアプローチも多少変わった様子。
短期集中連載時は「さゆりを中心とし、人並み外れた怪力がありながら周囲の人々に保護される4歳児を描くハートフルコメディ」でしたが「人並み外れた怪力を有する少女と、これを温かく見守る周囲の人々を描いたハートフルコメディ」へと変わった印象あり。

つまり、何処が変わったかと言うと、短期集中連載時は「さゆりが中心だった」のに対し連載では「さゆりとその他の人々」にまで焦点の対象が広がったかな。
これは新キャラである恭也の登場にも顕著。
それに伴い源さんの「さゆりラブ」キャラに拍車がかかってます。
これにより、さゆり抜きでサブキャラたちのみ描かれる回も有り得ますね。
正直、個人的には短期連載時の「さゆり中心」のノリが好きだけど、連載が長期化することを見据えれば物語の幅を広げる意味で正しい判断だと思われます。
ただ、出来るなら主人公・さゆりの正体はもちろんのこと、リコスとバニーの掘り下げをもっとして欲しいかも。

そんな仕切り直しの7話(通算12話)。
出ました雑草マン。
とはいえ、以前の予想と異なり恭也ではなくさゆり自身が食べることに。
さゆりが純粋に雑草マンのファンなんだなぁ。

こうなると「雑草マンのキャラクターグッズ争奪戦に参加するさゆり」とか「雑草マンのヒーローショーに参加するさゆり」とか描いて欲しいなぁ……。
特にヒーローショーだと、壇上のヒーローのピンチにさゆりが颯爽と参上。
怪人相手にパンチで一発とか、インパクトがあって面白そうだ。

そして、「最強少女さゆり」初の次回へ続く。
さゆりが参加する「ソリ大会」……想像するだに何事かが起こる予感。
果たして、源さん1人でさゆりを支えられるのか?
もしかして、新キャラ登場か!?
あるいは、リタイアしたリコスとバニーが不死鳥の如く甦るのか!?
次回も期待!!

本作の魅力は、あのファンシーな絵柄で驚きのアクションを魅せることなんだと思う。
とはいえ、おそらく此処で幾ら言葉を尽くしたところで本作の面白さは伝えられないだろうなぁ。
やっぱり本作は理屈じゃないな。
実際に読んで感じるべし。

彩百合の両親が謎ですね。
山中の病院で1ヶ月に1度のお見舞い……「となりのトトロ」を思い出しました。
さゆりの母は静養中なのでしょうか。
そう言えば、リコスはトトロっぽいと言えなくもないか。
入院中とのことですが、何か理由があるのでしょうか。
このあたりも謎だし、連載になった以上はいずれ明かして欲しい。

ちなみに、上記のあらすじは本作の魅力を伝えられるよう改変を加えてまとめてみましたが、残念ながらその面白さを伝えきれていませんね。
やっぱり、本作を直接読んで欲しい。

もう1度繰り返しましょう。
本作に興味を持たれた方には、是非、「週刊少年チャンピオン」本誌を捜して読んで欲しい。
最近の「週刊少年チャンピオン」は「名探偵マーニー」や「実は私は」など本当に粒揃いでクオリティが高い作品が多い。
注目の雑誌の1つと言えるでしょう。

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