2014年04月02日

水曜ミステリー9「駐在刑事 奥多摩渓谷・殺意の夜想曲 偽装の転落死!?岩壁に残る謎の白い粉と青い羽根…罪を被って死んだ女の無念を晴らす元刑事の執念」(4月2日放送)ネタバレ批評(レビュー)

水曜ミステリー9「駐在刑事 奥多摩渓谷・殺意の夜想曲 偽装の転落死!?岩壁に残る謎の白い粉と青い羽根…罪を被って死んだ女の無念を晴らす元刑事の執念」(4月2日放送)ネタバレ批評(レビュー)です。

<あらすじ>

元警視庁捜査一課の刑事・江波敦史(寺島進)は現在は奥多摩・水根の駐在所勤務の警察官。二か月前、闇金融を営んでいた老婆殺人事件の取り調べ中に被疑者の中瀬由紀子(杉本彩)を自殺させた責任で一課を追われたのだ。
実は由紀子は無実で犯人は別にいると考えていた江波は、その時のことを後悔していた。江波を慕う後輩刑事・南村(鳥羽潤)は、一課に戻ってきてほしいと願い水根に訪ねてくるが、「駐在さん」として住民の問題を解決しながらのんびりとした日々を楽しんでいる江波の様子を見てそのまま帰っていく。

ある日、渓谷の崖下で男の死体が発見される。現場に駆けつけた江波は遺体が老婆殺人事件で犯人とにらんでいた男の一人・山崎(山口祥行)であることに驚く。自殺と断定する奥多摩署の石川刑事(つまみ枝豆)に邪魔扱いされながらも、「自殺をするような男ではない」と訴え、南村に連絡をして司法解剖の手配を頼む。

一方、駐在所に戻ると池原美也子(市毛良枝)が駆け込んでくる。ピアノ講師をしている小山初音(星野真里)の父・小山康彦(竜雷太)がリハビリに出かけたまま山中から戻らないと言う。山岳ガイドの河上京子(小野真弓)と池原孝夫(鈴之助)らと一緒に山に入る江波だが、ここでも邪魔扱いされてしまう。
負けるものかと必死で捜索した結果、崖下に小山の姿を見つけ出し背負って下山、この一件で住民たちと江波の距離が少し近づいたようだ。

そんな中、山崎の司法解剖の結果が出る。死因は頭がい骨骨折で、全身の打撲は死後についたものだった。どこかで殺害された山崎が崖上から落とされたのだ。奥多摩署に捜査一課の加倉井管理官(北村有起哉)、南村らが集まり、捜査本部が布かれることになるが…。

山岳の巧妙なトリックの謎を解く駐在所長、江波の活躍を描く。
(あらすじ・写真共に公式HPより)


では、続きから……(一部、重複アリ)。

江波敦史は元警視庁捜査一課の刑事、現在は奥多摩・水根の駐在所に勤務している。

江波は、2ヶ月前まで永田キヨ殺害事件の捜査員であった。
ところが、この被疑者・中瀬由紀子の取調を行った際に自殺を許してしまったことが原因で、その責任を取り駐在所への異動となったのである。

そもそも、江波は由紀子の犯行に懐疑的であった。
むしろ江波は山崎と重村の2人を疑っていたのである。
だが、江波の上司である管理官・加倉井により、江波の意見は黙殺されてしまった。
その直後の由紀子の自殺である。

当初こそ赴任に不承不承であった江波。
だが、心優しい水根の人々と触れ合う中で傷心を癒やされ街に溶け込んで行った。

そんなある日、水根で男の他殺体が発見される。
被害者は江波がキヨ殺害犯の1人と目していた山崎。
死因は撲殺である。

どうやら、重村と山崎は水根村に小山康彦、初音親娘を追い込みに来ていたようである。
小山は娘・初音の白血病の手術費用を捻出する為に彼らに金を借りていた。
重村たちは小山親娘の借金を取り立てていたのだ。

そんな中、小山康彦が遭難する事件が発生。
これを救うべく山岳ガイドの河上京子と池原孝夫が出動。
同行した江波は小山を発見、無事に救助する。

矢先、山崎殺害の捜査本部が水根に設置された。
この管理官として加倉井が到着。
互いに反目し合う江波と加倉井は競うように捜査を続ける。

江波が山崎のジャケットを発見。
其処には犯人のものと思われる血痕が付着していた。
調べたところ、犯人の血液型がA型であると判明する。

加倉井は水根に住むA型の人物を捜査。
中から関係者をピックアップする。

該当するのは、小山、初音、京子の3人だ。
だが、小山は体力的に犯行が難しい。
京子には動機が無い。
こうして、初音が拘束されることに。

初音は借金の取り立てから逃げる為に山根を殺害したと自白する。

ところが、江波が調べたところ意外な事実が判明。
初音は骨髄移植を受けており、今の血液型はO型だったのだ。
こうして、容疑者が消えてしまった……。

直後、小山がまたも姿を消す。
どうやら、初音を自由にする為に重村を殺すつもりらしい。
さらに、重村についても新たな事実が判明する。

重村と争う小山の前に駆け付ける江波。
急転直下の真相とは!?

江波が語る真相は意外な物であった。
まず、重村がキヨ殺害の犯人であるとの証拠が発見され、逮捕されることに。

さらに、山崎殺害の犯人として、小山、初音、京子の3人による共謀だと指摘する。

あの日、取り立てに現れた山崎。
逃げる初音を山崎は執拗に追った。
これを小山が後ろから一撃を加え殺害したのである。

困り果てた初音は京子に相談。
水根に住む仲間意識から京子は初音を助けた。
ロッククライミングの「ライジングシステム(滑車)」を用い、山崎の死体を運搬することで、体力的に小山に犯行不可能な状況を作りだし庇おうとしたのだ。

こうして、江波により小山、初音、京子が逮捕されることとなった。

後日、江波はこの手柄で元の職場へと復帰を促されるのだが……これに応じるのかは定かではない―――エンド。

<感想>

ドラマ版『駐在刑事』シリーズ第1弾。
原作はドラマ化された『越境捜査』の著者で知られる笹本稜平先生が手掛けられた「駐在刑事シリーズ」の第1作『駐在刑事』(講談社刊)。
あらすじは次の通り。

<あらすじ>

組織に縛られた捜査官 人間として覚醒する!!

警視庁捜査1課から青梅警察署水根駐在所所長へ。取り調べ中に容疑者が服毒自殺したことで左遷された警部補、江波淳史。自責の念を背負う元刑事は、奥多摩の捜査において生身の人間としての自分を取り戻せるか。冒険小説の第一人者が挑む警察小説。組織とぶつかりながらも、自ら信じる捜査を貫く様を描く。
(講談社公式HPより)


原作の「駐在刑事シリーズ」はこれまでに2作の既刊が存在している(第1弾が『駐在刑事』、第2弾が『尾根を渡る風 駐在刑事』)。

ちなみに、ドラマ版の主演である寺島さんは同じ笹本先生原作「越境捜査」にも出演されています。

ちなみにちなみに、同じ講談社からは「駐在刑事」繋がりで同様にドラマ化された濱嘉之先生『世田谷駐在刑事』もある。
さらに、奇しくもこちらの「駐在刑事」は2014年4月7日(つまり、5日後)に第2弾が放送予定である。

月曜ゴールデン「世田谷駐在刑事 鬼コバと恐れられた刑事が世田谷の駐在に!高級住宅街に渦巻く嘘と裏切り…消えた息子が目撃した衝撃的真実!その意外な結末とは」(6月18日放送)ネタバレ批評(レビュー)

では、そんなドラマ版の感想を!!

う〜〜〜ん、事前に期待していたよりは面白くなかったかなぁ。
なんだろ、久しぶりに2時間損した感じだ。

よもやのほぼ容疑者全員が犯人だもんなぁ……。
しかも、小山、初音、京子の3人ともとは……。
あれだったら、3人で口裏を合わせてもっと上手いトリックが出来た気がしないでもないが。

う〜〜〜ん、全員犯人でもそれなりに意外性があればアリだとは思うんだけどなぁ。
何故か、本作では「え〜〜〜っ!!」としか思えない。

あと、ライジングシステム(滑車)万能説がすごいなぁ……。
流石に頼り過ぎなような。

それと、淡々と進む落ち着いたドラマではあるんだけど……管理人好みの作品では無かったかも。
もろもろ含めて、個人的には辛めの評価かな。
少なくとも次作に期待とは言えないし、言いたくない。
出来れば、シリーズ化は勘弁願いたいかなぁ……。

◆関連過去記事
土曜ワイド劇場「越境捜査・警視庁vs神奈川県警、エリアの死角に消えた連続殺人犯!監視カメラには映らない暴走車…疑惑の警察ミステリー」(5月22日放送)ネタバレ批評(レビュー)

ドラマスペシャル「越境捜査 警視庁vs神奈川県警、暴走車を炎上させた空飛ぶ刑事!?あのキケンな2人が帰ってきた…本格警察ミステリー!!」(12月22日放送)ネタバレ批評(レビュー)

・『挑発 越境捜査2』(笹本稜平著、双葉社刊)ネタバレ書評(レビュー)
「挑発 越境捜査2」(笹本稜平著、双葉社刊)

<キャスト>

江波敦史:寺島進
加倉井国広:北村有起哉
中瀬由紀子:杉本彩
池原美也子:市毛良枝
小山康彦:竜雷太
小山初音:星野真里
南村陽平:鳥羽潤
河上京子:小野真弓
沢井真紀:小林星蘭
石川博康:つまみ枝豆
池原孝夫:鈴之助
重村和幸:本宮泰風 ほか
(公式HPより、敬称略)


ドラマ原作となったシリーズ第1弾「駐在刑事 (講談社文庫)」です!!
駐在刑事 (講談社文庫)





シリーズ第2弾「尾根を渡る風 駐在刑事」です!!
尾根を渡る風 駐在刑事





こちらはキンドル版「尾根を渡る風 駐在刑事」です!!
尾根を渡る風 駐在刑事





「越境捜査3 破断」です!!
越境捜査3 破断





「越境捜査2 挑発」です!!
越境捜査2 挑発





前作「越境捜査」(ハードカバー版)です!!
越境捜査





同じく「越境捜査 (FUTABA・NOVELS)」です!!
越境捜査 (FUTABA・NOVELS)



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