2014年04月08日

『スーサイド・パラベラム』第4話(道満晴明作、講談社刊『メフィスト』連載)ネタバレ批評(レビュー)

『スーサイド・パラベラム』第4話(道満晴明作、講談社刊『メフィスト』連載)ネタバレ批評(レビュー)です!!

<ネタバレあらすじ>

窓の外、風景が勢いよく後方へと流れて行く中。
「遅かったか……」
呟くチハヤの前に血塗れのオウカが横たわっていた……。

時は遡り、此処は「サムサラ・エクスプレス」の車内―――オウカを探すチハヤの姿があった。
そんなチハヤを呼び止める声。

チハヤがそちらに目を遣ればどこかで見たような人物が。
この人物、1話に登場したオカマである。
だが、チハヤにその記憶はないようだ。

首を傾げるチハヤにオカマは訝しげな表情を浮かべつつ、尋ね人を探し当てたか問う。
しかし、チハヤは悲しそうに俯くのみだ。

と、そんな2人の前を山盛りの皿を乗せたカートが通り過ぎる。
どうやら、すべて1人の少女が食べた物のようだ。
到底、信じられる量では無い。

唖然とするオカマの隣で、チハヤは「オウカだ!!」と叫ぶ。
急いで駆け出すチハヤ。

向かった先はトイレである。
中に人が居ることを確認すると、チハヤは扉を切断する。
すると、其処には……尋ね人・オウカが笑っていた。

こうして、オウカを訪ね当てたチハヤ。
2人はテーブルに向かい合う。

喜びを声に、チハヤと一緒に列車で旅をすることも夢だったと語るオウカ。
他にもアイドルになること、ギャングのボスになることもオウカの夢だったらしい。

夢を叶えたのだから、帰ろうと告げるチハヤ。

だが、オウカは首を横に振る。
オウカはチハヤに「せめて、終点に着くまで待って欲しい」と訴えるのだが……。

今度はチハヤが首を横に振る。
「この列車、終点はないんだろう……」と呟くチハヤ。

そう「サムサラ・エクスプレス」は環状線。
終着駅はすなわち始発駅、何処までも永遠に回り続ける路線なのだ。

チハヤに見抜かれたオウカは、何時の間にか手にした銃を自身の蟀谷に添え躊躇なく引き金を引く。
驚くチハヤだが、到底間に合わない。

オウカが血塗れで床に倒れ込んだ。

「遅かったか……」
チハヤが悲痛な呻き声を挙げる。
すると、その懐から小悪魔が飛び出した。
小悪魔は倒れたオウカに飛び付くと、何やら調べ出す。

「まだ、大丈夫。これまでと同じだ」
結論を告げる小悪魔、今度こそと意気込むチハヤ。
こうして、チハヤは今度こそオウカを救うべく新たな階層へと向かう―――第5話へと続く。

<感想>

『メフィスト』の新連載第4回。
3話に引き続き、そろそろ物語の全体像が見えてきたか。

「サムサラ」は「輪廻転生」を表す言葉。
つまり、「サムサラ・エクスプレス」は「輪廻転生列車」。
だからこそ環状線になっており、今生の終着駅は次の人生の始発駅となるのだろう。

そして、どうやらオウカの死は彼女自身予定している物らしい。
むしろ、望んでいる節すらある。

オウカが語った夢のうち、列車旅は4話、アイドルは3話、ギャングのボスは1話で達成済み。
オウカはその度に、次のステージへと移動して行く。
これをチハヤが追い続ける。
この流れも「輪廻転生」と言えそうだ。

そもそも、「スーサイド」が「自殺」や「破滅」を意味する英語、「パラベラム」が「戦いに備える」とのラテン語だそう。
本作タイトルを仮に和訳すれば「破滅(自殺)への戦いに備える」と言った意味合いか。
あるいは意訳すれば「(次なる)戦いに備えた破滅(自殺)」とも解釈出来そう。
此処からは「輪廻転生」と同じく「終末へ向けてのリセット(またはその繰り返し)」と言った意味が引き出せるか。

今回の描写と組み合わせると、チハヤがオウカを追って彷徨うこの世界は「現実から逃避するオウカの深層心理」が作り出した世界なのかもしれない。

そう言えば、枯葉の存在―――こちらにも意味があるのか?
この点も気になるところです。

全体的に抒情的な世界で繰り広げられるチハヤとオウカの追いかけっこ。
次なる舞台は何処になるのか?
次回も楽しみです!!

◆関連過去記事
『スーサイド・パラベラム』第1話(道満晴明作、講談社刊『メフィスト』連載)ネタバレ批評(レビュー)

『スーサイド・パラベラム』第2話(道満晴明作、講談社刊『メフィスト』連載)ネタバレ批評(レビュー)

『スーサイド・パラベラム』第3話(道満晴明作、講談社刊『メフィスト』連載)ネタバレ批評(レビュー)

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posted by 俺 at 12:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 漫画批評(レビュー) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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