ネタバレあります、注意!!
登場人物一覧:
里見偲:男性。警視庁機動捜査隊所属。相棒の猪熊と恋人同士。31歳。
猪熊夕貴:女性。警視庁機動捜査隊所属。相棒の里見と恋人同士。
橘カラ:女性マネージャー急性アルコール中毒死(実は他殺)の犯人。猪熊に興味を持つ。
渡:猪熊の寮の向かいに住む。カラを家に置くこととなった。
月本:美容整形外科医。実は高級売春クラブ「フルムーン」のオーナー。カラに正義執行される。
乃花:カラの元同僚。不倫の恋に生きていたがカラに殺害される。
千歳:生活安全課所属。
レナ:里見が潜入捜査を行った先の関係者。
アイ:里見が潜入捜査を行った先の関係者。
盛元:テレビ局有名アナウンサー。
田沢麻弥:月本のもとへ出入りしていた少女。カラの犯行を目撃し襲われるも一命を取り留めた。
倉本:入院した田沢麻弥の担当女医。
三河くん:月本の部下。
<あらすじ>
・前回までのあらすじはこちら。
「サイレーン」第42話「チーム里見」(山崎紗也夏作、講談社刊「週刊モーニング」連載)ネタバレ批評(レビュー)
三河のアプローチを躱しつつ、カラの住所を手に入れたアイ。
一方、レナは順当にカラへと近付いて行く。
そんな中、渡がカラとの関係を進めるべく重大決心を!!
その夜、仕事を終え、疲れた身体を渡宅へと運び込んだカラ。
すると、目の前に緊張した様子の渡が立っていた。
渡はカラに自分と関係を持つよう求める。
(何言ってんだ、コイツ……)
突然のことに、きょとんとするカラ。
そのままシャワーを浴びて寝ようとするのだが……。
普段ならば、この時点で引く筈である。
だが、この夜の渡は粘り強かった。
カラの腕を掴み、繰り返し要望を口にし続けたのだ。
何やら考え込んだカラは渡の唇に自身の唇を……。
その翌日、カラの現住所を手に入れた里見は現地へ向かう。
すなわち、渡の家である。
早川書房刊『ミステリマガジン』でも取り上げられた本作。
渡とカラがどうなったのか……その手掛かりは今週号の「週刊モーニング」で確認せよ!!
<感想>
「週刊モーニング」では『レンアイ漫画家』や『シマシマ』、『はるか17』などで知られる山崎紗也夏先生の新連載です。
『レンアイ漫画家』は設定と展開が面白くて読みました。
そんな「サイレーン」、内容は刑事もの……しかも男女バディもので、「警視庁機動捜査隊(キソウ)」を取り上げた作品となりました。
設定に「キソウ」を採用している点が珍しいですね。
ドラマでも「キソウ」がメインになった作品は「警視庁機動捜査隊216」くらいか。
・月曜ゴールデン「警視庁機動捜査隊216V 命の値段 知らされなかった誘拐事件が生んだ最悪の偶然!?命か金か?選択を迫られた家族の運命と犯人を繋ぐ社会の暗闇!」(12月24日放送)ネタバレ批評(レビュー)
その第43話。
サブタイトルは「俺の寝室」。
すなわち「渡の寝室」ですね。
遂に渡がカラと一線を越えるのか―――。
う〜〜〜ん、カラからすれば目的は既に達したし渡は不要とも取れるが。
だとすれば……今頃、渡さんは死体に!?
とはいえ、カラほどになれば酔客を扱うのにも長けている筈。
当然、渡をあしらうことも簡単。
キスで誤魔化した可能性が高いか。
次に渡さんが出て来たら、夢見心地の表情という可能性もあるか。
でもって、里見はカラの現住所(渡宅)へ。
「チーム里見」が成果を上げた形に、レナとアイ、侮れないな。
そして、里見は其処が猪熊宅の前であることにすぐ気付く筈で……これは揉めるなぁ。
一方、柱にて『ミステリマガジン』で取り上げられていたことについて触れられましたね。
ミステリ者も注目の作品です。
カラによる猪熊殺害実行の日は近い筈。
カラの殺意を知らない猪熊は、その刃から逃れることが出来るのか。
そして、里見は猪熊を助けることが出来るのか。
さて、此処でまとめ。
目標である捜査一課へひた走る猪熊。
そんな猪熊をターゲットとしてロックオンしたカラ。
そんなカラをターゲットとしてロックオンした里見。
追う者と追われる者の構図が明らかになりつつあるようです。
そして、今のカラが整形により手に入れた顔であることが判明。
過去を捨てようとしていたらしいことと併せても、事件の匂い。
やはり、薬局店息子殺人事件に関連ありか。
カラはその名の通り、中身の無い虚ろな「空」。
それゆえに、自身に欠ける物を補おうと求めている。
以前から予測している通り「カラは自身に無い物を持っている対象を特定すると、これに近付き相手を殺害することで、自身に欠けた物を相手から奪う」で正しいようです。
キャバクラの女性マネージャーを殺害し「その垢抜けた佇まい」を奪い、綺麗になった。
タクシー運転手は「自身は選ばれた」と語っていたが「その選ばれた存在であること」を彼を殺害することで奪ったものと思われます。
だとすると、これまでにも同様の犯行を重ねているのが当然。
里見が過去に遭遇した「薬局店息子殺人事件」を皮切りに変貌したものと思われますね。
カラの闇は想像以上に深そうだ。
止められるのは里見と猪熊のカップルのみかも。
果たして、如何なる結末を迎えるのか……44話に期待!!
コミックス1巻が2013年9月20日、2巻も2013年12月20日に発売。
さらに3巻も発売とのこと、こちらも注目!!
興味のある方はアマゾンさんのリンクよりどうぞ!!
ちなみに、山崎先生と言えば『七瀬ふたたび』のコミカライズでも知られる方です。
・「七瀬ふたたび」(筒井康隆著、新潮社刊)ネタバレ書評(レビュー)
◆関連過去記事
・「サイレーン」(山崎紗也夏作、講談社刊「週刊モーニング」連載)第1話から第40話までネタバレ批評(レビュー)まとめ
・「サイレーン」第41話「亀裂」(山崎紗也夏作、講談社刊「週刊モーニング」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・「サイレーン」第42話「チーム里見」(山崎紗也夏作、講談社刊「週刊モーニング」連載)ネタバレ批評(レビュー)
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