2014年04月20日

土曜ワイド劇場「逆転報道の女3 ワケあり主婦キャスターが挑む火ダルマ連続殺人 封印された目撃証言!被害者を結ぶ5年前の冤罪事件?復讐の炎があぶり出す謎の記憶」(4月19日放送)ネタバレ批評(レビュー)

土曜ワイド劇場「逆転報道の女3 ワケあり主婦キャスターが挑む火ダルマ連続殺人 封印された目撃証言!被害者を結ぶ5年前の冤罪事件?復讐の炎があぶり出す謎の記憶」(4月19日放送)ネタバレ批評(レビュー)です!!

<あらすじ>

東京スカイツリー近くで、通行人が火だるまになって死亡するというショッキングな事件が発生する。被害者は細貝志保(諷加)。一緒にカフェを経営する夫の大輔(牧田哲也)は、さしたる動揺も見せずに翌日には営業を再開。取材にあたっていたABX『ハートニュース』の西野沙織(高島礼子)をはじめ、ディレクターの石田翼(原田龍二)、カメラマンの梅崎忠司(朝倉伸二)は、そんな大輔の態度に違和感を抱く。調べると、この2週間ほど志保は家に戻らず、浮気相手のところへ行っていたという。志保の不倫は今回が二度目。妻に対する憎しみの念が、大輔の中には明らかにあった。だが、事件当時、店にいたという大輔のアリバイは確かなもの。誰か、共犯者がいるのだろうか…。
志保の事件から2日後、今度は多摩川の河川敷で身元不明のホームレスが焼き殺される。沙織たちは、ホームレスの遺留品から身元の割り出しに成功する。被害に遭ったのは真木洋介(柚原旬)。一人目の被害者、細貝志保との接点はないが、真木も浮気が原因で妻と5年前に別れていたことが分かる。
そんな中、第3の犯行が起こる。被害者は、進学塾の講師で今井田健二(箕輪達昭)。今井田が塾講師になったのは5年前。それ以前は、中学の教師を務めていたという。
沙織は、二人の転機が共に5年前であることから、ある仮説を立て、再び細貝のカフェを訪れる。カフェの壁には志保のハイキング写真が飾られていた。場所はあきる野市の五日市。大輔によれば、志保が5年ほど前、頻繁に通っていた場所だという。沙織は、志保の一度目の浮気がその5年前だと確信し、大輔に真木洋介の写真を見せる。すると、大輔の顔色が見る間に変わり…。
一人目の被害者、細貝志保は5年前、五日市で二人目の被害者、真木洋介と浮気。三人目の今井田健二が5年前まで勤めていた中学も、五日市にあった。沙織は、5年前、五日市で何があったのかを調べ始める。
今井田は辞職の直前、3人が死亡した自動車修理工場での放火殺人事件を目撃していた。しかし、今井田は証言を拒否。それどころか、付近の住民が撮った映像に姿がはっきり映っていたにもかかわらず、火災を目撃したことすら否定していた。実は当時、今井田は不法滞在中の外国人女性と同棲をしており、身勝手にもその発覚を恐れ警察への通報もしなかったのだ。また、当時の捜査資料には、驚いたことに放火事件の目撃者として細貝志保と真木洋介の名前もあった。二人とも今井田同様、目撃証言を拒否。おそらく、不倫関係がばれることを恐れたのだろう。同じ事件を目撃し、その証言を拒んだ人間が連続して殺される。3人の目撃者は、放火事件に関して何か重要な事実を知っており、口封じのために殺されたとの仮説が成り立つが、現場となった自動車修理工場を経営していた浅野和也(春海四方)が犯行を自供し無期懲役刑が確定。しかも、最近、刑務所内で病死しているという。
沙織たちは、放火事件の生存者である浅野の娘・美咲(伊倉愛美)と、当時まだ少年だった北川翔太(若葉竜也)とのコンタクトを図る。さらに、当時、事件を担当した鰐渕警部補(中原丈雄)に取材を試みると、驚いたことに鰐渕は、浅野は無実だと今も当時も信じているという。
鰐渕によれば、目撃者はもう一人いるという。所在の分からないもう一人の目撃者に番組で呼びかけてほしいと、鰐渕は沙織に懇願。そんな中、過去の事件を探るなという圧力が、政治家から番組にかけられる!
(土曜ワイド劇場公式HPより)


では、続きから(一部、あらすじと重複あり)……

西野沙織はABX「ハートニュース」の看板キャスター。
沙織は真実の報道を心がけており、ディレクターの石田翼やカメラマンの梅崎忠司と目的を果たす為に日夜奮闘している。

そんなある日、通行人が火だるまになって死亡する事件が発生。
被害者は細貝志保という女性。
だが、夫・大輔は志保の死に涙も見せない。
どうやら、夫婦仲が破綻していたらしい。
志保には浮気癖があり、5年前の浮気に続き、2度目の浮気をしていたのだ。
大輔に容疑が向かうが、彼には鉄壁のアリバイがあった。

その2日後、今度は多摩川河川敷にて男性が焼き殺された。
被害者は真木洋介。
真木もまた5年前に浮気したことで、妻と別れていた。
浮気相手と五日市に旅行に出かけたことで、浮気が発覚したようだ。

そして、第3の事件が発生した。
被害者は今井田健二。
進学塾の人気講師であった。
調べたところ、今井田も5年前に五日市の教師を辞め講師に転身していた。

3人共に「5年前」が転機となっている。
沙織が志保を調べたところ、志保もまた5年前に五日市に不倫相手と旅行に出かけていたことが明らかになった。
そう、志保の不倫相手は牧だったのだ。

さらに今井田が教師を辞めた理由が判明。
今井田は5年前に発生した自動車修理工場放火殺人事件の現場を目撃しながら、事件について証言しなかったことがばれ、これを批難された為らしい。
当時、今井田は不法滞在中の外国人女性と同棲しており、この事実を知られることを怖れた為に見て見ぬふりを決め込んだようだ。

しかも、同様の目撃者に志保と牧の名もあったのだ。
2人とも不倫旅行だった為に、口を拭ったらしい。
沙織はこの放火殺人事件に秘密があり、3人が口封じされたと睨む。

5年前の放火殺人事件について調べ始めた沙織。
この時間は自動車修理工場の経営者である浅野和也が犯人として逮捕されていた。
調書によれば、浅野は苛立ちを灯油缶にぶつけ蹴り上げたところ、ストーブに当たり引火したのだそうだ。
この火事により、若林啓太や田丸などその場に居合わせた3人が焼死する事態に発展していた。
そして、事件直後から浅野は自身の犯行を認め服役、刑務所内で病死していた。

そう、犯人は既に死亡しているのだ!!
では、口封じする必要はないのではないか。

だが、沙織はある証言に目を留める。
それは浅野の修理工場で働いていた北川翔太の証言。
北川によれば、トイレに立った隙に事件が発生しており犯人の顔をこそ見ていないが、現場から走り去る人影は目撃したと言う。
もしも、これが事実ならば浅野以外に真犯人が居ることになる。
その人物には口封じの必要性が生じるではないか。

沙織は当時、事件を担当した鰐淵警部補に接触する。
すると、鰐淵は意外な言葉を口にする―――浅野は冤罪だと言うのだ。
取調を行っていた御厨警視が功を焦って自白を強要したに違いないと断言したのだ。
事実だとすれば大変なことである。

さらに、鰐淵は事件の真相を明かす為にもう1人存在する目撃者を探して欲しいと依頼する。
その名は佐々木牧夫、彼もまた目撃しながら何も語らなかったのだそうだ。
佐々木には過去に犯歴があり、それゆえに関わり合いを避けたらしい。

こうして、沙織は佐々木の行方を調べ始める。
一方で、浅野の娘・美咲と北川の行方も追うことに。

そんな中、御厨から圧力がかかる。
どうやら、御厨自身も浅野の犯行に疑問を抱いているようだ……。

北川の行方が判明。
北川に取材する沙織だが、北川は沈黙を守る。

次いで、美咲の行方が判明。
美咲は父である浅野を憎んでいた。
実は浅野は妻や美咲に暴力を奮っていたのだ。
美咲は放火事件当時の記憶を喪失しており、事件がそんな父に反発したが故の自分の犯行ではないかと密かに悩んでいた。

そんな中、遂に佐々木の居所が判明。
沙織は鰐淵を連れ、佐々木の下へ。
だが、佐々木もまた狙われているにも関わらず何も語ろうとしない。
不安を抱く沙織だが……。

沙織の危惧は的中。
その夜、佐々木もまた焼死してしまうことに。
病院に向かった沙織は、其処に鰐淵が居たことを訝しがる。
誰も鰐淵に連絡をしていなかったのだ。

沙織は鰐淵の過去を調べ、11年前の事件に辿り着く。
さらに、沈黙を守っていた北川が美咲の悩みを知り、真相を打ち明けて来た。
それは非常にセンセーショナルなものであった。

沙織はすべての事件に決着をつけるべきだと考え、生放送にゲストとして鰐淵と北川を招く。
其処で北川が明かした5年前の真相とは!?

なんと、放火殺人事件の真犯人は北川であった。
5年前のあの日、浅野はまたも美咲に暴力を奮っていた。
これを見ていられなかった北川は止めに入り、浅野に暴行を受けた。
身を護ろうとした北川が偶然、手に取って投げた灯油缶がストーブに引火したのだ。

浅野は美咲への暴力を悩んでいたが、止められない自分自身に無力を感じていた。
北川はそんな浅野を止めようとして事件を起こしてしまったのだ。
ショックを受けた浅野は北川の罪を被ることとなったのである。

「君さえ、君さえ、正直に話してくれていれば……」
事実を知った鰐淵は同じ言葉を繰り返す。
それもその筈、志保、牧、今井田、佐々木の4人を殺害したのは鰐淵だったのだ。

11年前、鰐淵の娘・小百合はストーカーに殺害されていた。
小百合は付近のマンション住民に助けを求めたが、誰もが傍観を決め込み助けようとしなかったらしい。
鰐淵は傍観者を憎んだ。

鰐淵は浅野の無罪を信じ、これを助けようとしない傍観者を許せなかったのだ。
最終的には御厨をも手にかけるつもりだったらしい。

沙織は「あなたが殺した命も、娘さんと同じ命なんですよ」と諭すのであった。
こうして、鰐淵と北川が逮捕された―――エンド。

<感想>

「逆転報道の女」シリーズ第3弾。
前作は2013年3月23日に放送されており、実に1年1ヶ月ぶりの新作となりました。
シリーズに関するネタバレ批評(レビュー)は過去記事リンクよりどうぞ。
ちなみに原作なし、オリジナル作品です。

では、ドラマの感想。

視聴した結果、個人的にかなりモヤモヤを抱えています。
おそらく感想にもそれが出ている筈。
読むと気分が落ち込む可能性があります、注意!!


中盤までは良かったんだけど、終盤がゴチャついた印象。
結局、鰐淵が何をしたかったのかイマイチ伝わらない。
おそらく、下記のすべての複合要因だとは思うのだがやっぱりモヤモヤする。

Q:鰐淵は娘・小百合を見殺しにした者に復讐したかったのか?
A:ならば何故、11年前の傍観者に復讐の矛先を向けなかったのか。
傍観者とは言えない御厨まで狙うのは何故だ。
そもそも、小百合を殺害した犯人に復讐すべきではないのか。

Q:鰐淵は浅野の冤罪を生んだ者を許せなかったのか?
A:ならば何故、最初に張本人とされた御厨を狙わないのか。
さらに、肝心の浅野は既に落命している。
本当に冤罪を晴らしたいなら、遅過ぎる。
おそらく鰐淵自身の病気が直接の動機なんだろうけど、だとすると病気が無ければ動かなかったのだろうか。

最終的に、鰐淵は娘を見殺しにした者たち=11年前の傍観者への怒りを5年前の傍観者へと転化したワケなのだろうと思うが、納得できない。
これ「江戸の仇を長崎で」なんてもんじゃないぞ。
どうしても、モヤモヤするものはモヤモヤするのだ。

ちなみに鰐淵の傍観者への憎しみについてだが、作中ではきわめて皮肉な形で結論が出ている。
助けを得られなかった鰐淵の娘・小百合は死亡。
助けを得た美咲は、助けた北川を犯罪者にしてしまった。
でもって、それぞれは利己的な理由だったとは言え、結果として若い北川を守った志保たちは鰐淵に殺害される。
いわば、護った人間は悉く報われない結末だ。
うむむむ。これは……かなり痛烈な皮肉のように思うのだが。
なんだか、情も勇気も何もかも否定されたようでとても切ない気分になってしまう。
これも制作サイドの狙いなのだろうか……なかなかエゲツナイぞ。

でもって、鰐淵に対する沙織の態度も納得できない。

最終的に鰐淵は娘を見殺しにした者たち=11年前の傍観者への怒りを5年前の傍観者へと転化したワケなのだが……。
これに対し沙織は「あなたが殺した命も、娘さんと同じ命なんですよ」と諭すに留めている。
確かにそれはそうなのだが、結局のところ傍観者問題に触れず棚上げしているような気が……。
いや寧ろ、逃げてるのではないか。

あれだったら「鰐淵の行動は許されないが彼を追い込んだ傍観者問題を番組で特集にして取り上げる」とのラストで良かったのに。
それで問題が解決するワケではないが、問題提起し世に問うだけでも意味は有ろう。
これでは何の為のキャスター設定なのか分からない。
生放送で告白させる為だけの設定なのだろうか。

さらに、北川と美咲たちが被害者だと主張していたが、もっとも被害者なのはその場にたまたま居合わせた5年前の被害者たち……若林たちだよなぁ。
あの点も凄く違和感があった。
鰐淵のあの動機が通用するのなら、事件を見て見ぬふりで済まそうとした傍観者たちへの遺族の復讐とかも考慮に入れるべきなのではないか。
まだ、その方が可能性が高い気が……。

何だろう……全体的に何だかとっても納得出来ない気分だ。
ある意味、このドラマ自体が世の不条理を問う(世の中、何でも納得できるワケではない)番組だったのかもしれない。

ちなみに、沙織が利用していた「Sagasoon」が凄く印象に残りました。
登場キャラ自体は立ち過ぎているほど立っているので、次回に期待です!!

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<キャスト>

西野沙織:高島礼子
石田翼:原田龍二
大倉健:益岡徹
小久保満:近江谷太朗
江畑佳代:秋本祐希
梅崎忠司:朝倉伸二
西野雅子:水野久美
北川翔太:若葉竜也
坂口銀三郎:渡辺哲
鰐渕武史:中原丈雄 ほか
(敬称略、順不同、公式HPより)


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