2014年04月28日

「実は私は」第61話「昔話をしよう!」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

「実は私は」第61話「昔話をしよう!」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)です。

ネタバレあります、注意!!

第61話登場人物一覧:
黒峰朝陽:主人公、通称「アナザル」。
白神葉子:朝陽の意中の人物。ある秘密が……。
紫々戸獅狼:葉子の幼馴染。彼もまたある秘密を……。
紫々戸獅穂:葉子の幼馴染。彼女もまたある秘密を……。

藍澤渚:クラス委員長。彼女にも秘密が……。
藍澤涼:渚の兄、意外な形で登場することに……。
紅本茜:紅本の親族らしい。彼女にも秘密が……。
紅本明里:教師。彼女にも秘密が……。
黄龍院凛:33話より登場した謎の少女。彼女にも秘密が!?
黄龍丸:凛が駆るドラゴン。52話にて意外な正体が明らかに。

朱美みかん:朝陽の幼馴染。新聞部所属。通称「オレンジ」。
岡田:朝陽の友人の1人。通称・岡。眼鏡が特徴。割と友人想いの様子。
嶋田:朝陽の友人の1人。通称・嶋。軽い。
桜田:朝陽の友人の1人。通称・サクラ。渋い。
フクちゃん:「福の神見習い」を名乗る眼鏡。
フクの介:フクちゃんの先輩。やはり眼鏡。
フク太郎:フクちゃんとフクの介の先輩。やはり眼鏡。
フク蔵:フクちゃんとフクの介とフク太郎の先輩。やはり眼鏡。

朝陽の父:朝陽の家族。22話に初登場。
朝陽の母:朝陽の家族。22話に初登場。
黒峰鳴:朝陽の妹。22話、28話、48話に登場。48話にて名前と顔が判明。
白神源二郎:吸血鬼。額に十字傷を抱く巨人。39話にて名前が判明。
白神桐子:葉子の母で人間。和服の美女。38話にて名前が判明。
銀華恋:茜に続く第2のツノツキ……の筈だったが。58話から登場。

<あらすじ>

〜〜〜これまでのあらすじ〜〜〜〜

「アナザル」こと「絶対に秘密を守れない男」黒峰朝陽は憧れのヒロイン・白神葉子の秘密を知ってしまった。
その秘密とは「白神葉子がハーフの吸血鬼である」こと。
朝陽は葉子の為に、この秘密を守らねばならない―――。
取り巻く人々を相手に、朝陽は秘密を守り抜くことが出来るのか?

矢先、実は宇宙人であった委員長・渚、狼男で肉食系女子な獅穂、悪魔っ娘の茜、未来人の凛、幼馴染のみかん、天使の華恋も加わって……。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

茜に続く第2の悪魔と思われた銀華恋は天使であった。
しかも、当時から現在まで続く生徒会長であり、源二郎や桐子の同級生でもあったのだ。

自身を「堕天使であり、厳しい悪魔」と名乗る華恋。
源二郎の依頼を受けた為、葉子の正体が露見していれば連れ戻すと宣告するのだが……。

「へぷちん」
此処で葉子がくしゃみをひとつ。
屋外の遣り取りが続いたので、寒かったのであろう。

これを耳にした華恋の態度が豹変した。
それまでの高圧的な態度から、前話(60話)同様に物腰の柔らかな態度へと変わったのである。

「そう言えば此処寒いし。じゃあ、続きは生徒会室で」
告げるや、朝陽、葉子、茜を伴い大移動。
朝陽たちを生徒会室へ誘導すると、備え付けられた炬燵へ案内した。
さらに、お茶を淹れる心配りも忘れない。

(ああ、やっぱり天使なんだなぁ……)
朝陽たちの心が華恋の気遣いに癒されて行く。

しかし……。

「というワケで、正体が知られていれば絶対に連れ戻させて貰うわ」
華恋は、寒さ対策を終えると元の高圧的な態度に戻ってしまった。

とはいえ、それが表面的なものに過ぎないことに気付いてしまった朝陽たちは苦笑いを浮かべる。
葉子などは、そんなことよりも華恋が生徒会長であったことに興味津々である。

そう言えば、生徒会長見たことなかったなぁ……と気付く朝陽。
これに華恋は、自身が「誰も見たことのない生徒会長」として「学園七不思議」の1つに数え上げられていると胸を張るのだが……。
あっさりと葉子に否定されてしまう。

そう、現在の「学園七不思議」は次の7つだったからである。

1.謎の校長(茜)。
2.放課後の吸血鬼(葉子)。
3.保健室に出没する痴女(獅穂)。
4.光の変態(獅狼)。
5.廊下を走る小人(渚)。
6.調理室に現れる幽霊(涼)。
7.角付き少女(茜)。

「実は私は」第40話「七不思議を探ろう!!」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

此処に華恋の入り込む余地はない。
これを聞かされた華恋は茜が2枠も取っていることに怒りをぶつける。
そもそも華恋が堕天を余儀なくされたのも、茜の所為らしい。

天使のトレードマークである「天使の輪」を茜に奪われたのだ。
以来、それを取り戻そうと探しているのだが、未だに見つからないのだそうだ。

すると、そんな華恋の背後で茜がリングタイプの蛍光灯を取り換え始めた。
しかし、この蛍光灯は取り外しても点灯し続けている。
しかも、何処となく神々しいような……。

朝陽と葉子は互いに顔を見合わせ言葉を飲み込む。
次いで、おそるおそる「案外、身近なところにあるんじゃないかなぁ……。例えば蛍光灯とか」と切り出す。
しかし、華恋は「一体、何処にあるのか……」と上の空で全く聞いていない様子。
その背後では輪っかを戻し終えた茜が「単純な悪戯のつもりだったんだが……いつまでたっても気付かない」と困惑した表情を浮かべていた。
どうやら、ずっとこの調子のようだ。

此処で華恋は当時のことを語り出した。
源二郎、桐子、華恋が同級生、担任教師が茜であった時代。
それは源二郎と桐子の青春でもあった。

当初、桐子と華恋が親友同士だったらしい。
しかし、華恋が天使であることは秘密であり、源二郎は単なるクラスメートに過ぎなかった。

そんなある日、華恋たちがクラスに戻ると吸血鬼の羽を出したまま黒板にしがみつく源二郎を目撃してしまう。
何処かで聞いた話だと葉子を振り返る朝陽。

此処で源二郎の羽を目撃した華恋は悪魔の羽と勘違いし、咄嗟に天使であることをバラしてしまう。
うむ、此処も何処かで聞いた話だ。

こうして、秘密を共有することとなった3人の交流が始まったのだ。
茜も含めた4人の時間は貴重なモノだったらしい。
だが、残念ながら3人が揃って卒業することは出来なかった。

朝陽は源二郎も語っていた悲劇が此処にあるのでは……と身を乗り出して理由を尋ねるのだが。
返答は何とも締まらないものであった。

源二郎が吸血鬼だと周囲にバレたのだ。
そもそも身長が人と違うし、挙動も常人と違い過ぎた。
嫌でも目立った結果だったそうだ。

それはそうだろうなぁ……と深く頷く朝陽。
しかし、それは葉子にも言えることなのである。

朝陽は葉子には同じ悲劇を体験させないと宣言する。
これを聞いた葉子は顔を赤らめ、華恋は「応援するわ」と涙ながらに約束してしまうのだが……。

そして数日後。
白神家では源二郎が深酒しながら、くだを巻いていた。
「けっ、人望かよ。人望」
獅狼に続き依頼した華恋から一向に連絡がないことに苛立ち、自身の人望を疑っているのだ。

そんな源二郎の肩を「どんまい」と叩くオオコウモリ。
「華恋ちゃんにお願いしたら、こうなるのは分かってたでしょ」
さらには、桐子が源二郎を窘めていた。

それから数時間後。
華恋のもとに桐子から連絡が入り、すっかり源二郎の依頼を忘れていたことを華恋が思い出すのだが……この際、それは関係ない。
何故なら、源二郎の依頼は桐子により取り消されてしまうからである―――62話に続く。

ヤング源二郎と桐子が見られるのは「週刊少年チャンピオン」だけ。
本誌で確認せよ!!

<感想>

「週刊少年チャンピオン」にて「さくらDISCORD」を連載されていた増田英二先生の新作。
「さくらDISCORD」は未読の管理人ですが、1話を読んで注目している作品です。
コミックス1巻に続き2巻、3巻、4巻、5巻も重版出来とのことで、目出度い。
さらに、6巻も発売。ちなみに表紙は凛ちゃんですよ!!
そして、本作かなり面白い!!

さらにさらに、増田先生の初期作品「透明人間の作り方」も発売とのこと。
こちらも注目!!

その61話。
源二郎、桐子、華恋の過去が明らかに。
それに伴い源二郎の口にした悲劇の内容も判明……って、あれだけ派手に動いていればなぁ。
こうなると、朝陽と葉子の恋の行く手を源二郎がどんなに反対しようとも桐子も居るし特に問題にならないのではなかろうか。
少なくとも華恋については、源二郎の意に反し朝陽と葉子の恋路に大きな(小さな?)支援者が現れた印象。

さらに「七不思議」再来。
60話の感想でも述べたけど、やっぱり七不思議の1つだったか。
ただ、茜が2枠取ったと言うよりも、葉子たち後輩連中に根こそぎ持って行かれた感が無きにしも非ず。

「実は私は」第40話「七不思議を探ろう!!」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

そして、華恋が「天使の輪」の所在に気付くのは何時の日か!?
これも注目!!

総評として、今回も楽しめた!!
多くは語るまい、とりあえず読め!!

そう言えば、上でもお伝えした通りコミックス6巻が発売。
表紙は1巻の葉子、2巻の渚、3巻の獅穂、4巻の茜、5巻のフクちゃんとみかんに続き、凛。
うむ、此処までは予想通り。
こうなると、7巻が明里、8巻が華恋かな。

ちなみに、上記のあらすじは本作の魅力を伝えられるよう改変を加えてまとめていますが、その面白さを伝えきれていません。
やっぱり、あの絵とコマ割りなどのテンポあっての本作。
是非、「週刊少年チャンピオン」本誌を読んで欲しい。

もう1度繰り返しましょう。
本作に興味を持たれた方には、是非、「週刊少年チャンピオン」本誌を捜して読んで欲しい。
最近の「週刊少年チャンピオン」は「名探偵マーニー」や本作など本当に粒揃いでクオリティが高い作品が多い。
注目の雑誌の1つと言えるでしょう。

◆関連過去記事
「実は私は」第1話から第60話まで(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)まとめ

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実は私は(1) (少年チャンピオン・コミックス)





こちらはキンドル版「実は私は(1)」です!!
実は私は(1)





「実は私は(2) (少年チャンピオン・コミックス)」です!!
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