2014年07月07日

『満願』(米澤穂信著、新潮社刊)

『満願』(米澤穂信著、新潮社刊)ネタバレ書評(レビュー)です。

ネタバレあります、注意!!

<あらすじ>

人生を賭けた激しい願いが、6つの謎を呼び起こす。期待の若手が放つミステリの至芸!

人を殺め、静かに刑期を終えた妻の本当の動機とは――。驚愕の結末で唸らせる表題作はじめ、交番勤務の警官や在外ビジネスマン、フリーライターなど、切実に生きる人々が遭遇する6つの奇妙な事件。入念に磨き上げられた流麗な文章と精緻なロジック。「日常の謎」の名手が描く、王道的ミステリの新たな傑作誕生!

目次
夜警
死人宿
柘榴
万灯
関守
満願
(新潮社公式HPより)


<感想>

山本周五郎賞受賞作にして直木賞候補作(2014年6月末現在)。
収録6作の短編すべてに雑誌掲載での初出がある。

なお、短編集『満願』収録に伴い、それぞれ初出時から改稿が施されている。
初出時からの変更点は次の通り。

収録順に述べて行くと。

まずは『夜警』。
初出時『一続きの音』より改題。
それに伴いラストが追加され、主人公の去就がより明確になっています。

『一続きの音』(『小説新潮 2012年05月号 Story Seller 2012』掲載、米澤穂信著、新潮社刊)ネタバレ書評(レビュー)

続いて『死人宿』
ラストと舞台である「死人宿」の描写が強化。
より皮肉さが醸し出されています。

『死人宿(ザ・ベストミステリーズ2012収録)』(米澤穂信著、講談社刊)ネタバレ書評(レビュー)

そして『柘榴』。
要となる成実と夕子の関係描写が強調。
これにより夕子の心理がより鮮明に。

『柘榴』(米澤穂信著、新潮社『Mystery Seller(ミステリーセラー)』掲載)ネタバレ書評(レビュー)

そして『万灯』。
特に変更点が大きかった一篇。
何と言っても、結末が初出時と異なっています。
初出時は死を選んでいた主人公でしたが、収録版では「発病するかどうかにかかっている」とのことで「結末は神のみぞ知る」状態に。

「万灯(小説新潮5月号 Story Seller 2011収録)」(米澤穂信著、新潮社刊)ネタバレ書評(レビュー)

『関守』。
比較的、初出時と同じ。

『関守』(米澤穂信著、新潮社刊『小説新潮 2013年5月号』掲載)ネタバレ書評(レビュー)

最後に『満願』。
主人公周辺の心理描写が強調されたことにより、ラストのどんでん返しが効果的に。

「満願(Story Seller 3収録)」(米澤穂信著、新潮社刊)ネタバレ書評(レビュー)

これらから窺えるように、全体的にそれぞれの短編の持ち味を強化する改稿と思われる。
つまり、改稿部分を見れば作品のテーマや作者の意図が垣間見える。

中でも『万灯』はあの結末に変更されたことでより深みを増したと言えるだろう。
それと、個人的にすべての短編で改良されていると思う。

短編ということで米澤穂信先生作品の入門書としても最適かもしれない。
ファンなら、いやファンならずとも読むべし!!

ちなみに、2014年末発売予定の新作『E85.2』にも注目!!

米澤穂信先生、次なる新作は太刀洗シリーズ最新長編『E85.2(仮)』とのこと!!

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【その他】
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「世界堂書店 (文春文庫)」です!!
世界堂書店 (文春文庫)





2014年の短編集「満願」です!!
満願





古典部シリーズ『長い休日』が掲載された「小説 野性時代 第120号」です!!
小説 野性時代 第120号





古典部シリーズ『連峰は晴れているか』が掲載された「野性時代 第56号 62331-57 KADOKAWA文芸MOOK (KADOKAWA文芸MOOK 57)」です!!
野性時代 第56号 62331-57 KADOKAWA文芸MOOK (KADOKAWA文芸MOOK 57)





古典部シリーズ『鏡には映らない』が掲載された「小説 野性時代 第105号 KADOKAWA文芸MOOK 62332‐08 (KADOKAWA文芸MOOK 107)」です!!
小説 野性時代 第105号 KADOKAWA文芸MOOK 62332‐08 (KADOKAWA文芸MOOK 107)





◆米澤穂信先生の作品はこちら。


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