ネタバレあります、注意!!
<あらすじ>
――「読者への挑戦」だけで一冊作る。空前絶後の試みが生む超ミステリ
(新潮社公式HPより)
<感想>
「読者への挑戦」により成立している短編です。
「読者への挑戦」とは「手掛かりは既に示されている。読者諸氏に置かれては犯人を的中されんことを!!」のアレのことですね。
これを、レイモン・クノー(レーモン・クノー)の『文体練習』に基づいて、複数の「読者への挑戦」単体で短編として成立させたのが本作。
流石は『ノックス・マシン』の著者と言うべき仕上がりになっています。
その「読者への挑戦」がバラエティに富んでいて凄い。
まさにありとあらゆる「読者への挑戦」が存在することに。
通常パターンから敬語風(慇懃無礼)に始まり、ジョジョ風から果てはQRコード風までに及ぶソレは「天晴」の一言。
中でも特に印象に残った平泉進シリーズは実際に読んでみたいほど。
他にも『2代目フゴゥ刑事(富豪刑事のパロ)』や『幻獣事典』風もなかなかのもの。
ちなみに、これの犯人は「作者」であり「読者」になるのでしょうか。
読むべし!!
◆関連過去記事
・『キングを探せ』(法月綸太郎著、講談社刊)ネタバレ書評(レビュー)
・『三人の女神の問題』(法月綸太郎著、光文社刊『犯罪ホロスコープII 三人の女神の問題』収録)ネタバレ書評(レビュー)
・『一の悲劇』(法月綸太郎著、祥伝社刊)ネタバレ書評(レビュー)
コミック版もあります。
「都市伝説パズル―法月綸太郎の事件簿 (SUSPERIA MYSTERY COMICS)」です!!
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