2014年05月15日

「亡霊校舎の殺人」第6話(「金田一少年の事件簿R」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

「亡霊校舎の殺人」第6話(「金田一少年の事件簿R」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)ネタバレ批評(レビュー)です!!

「金田一少年の事件簿R」第2弾は「亡霊校舎の殺人」!!
舞台は「黄金島」。
遂に第3の殺人が発生。
同時に、もしかして犯人確定!?


【「亡霊校舎の殺人」登場人物一覧】
金田一:主人公。最終エピソードまで犯人にも被害者にもならないでしょう。
美雪:言わずと知れた金田一少年のベストパートナー。最終エピソードまで犯人にも被害者にも(以下略)。

赤熊猛:フリーのツアコン。
巴荘十郎:ベテランのトレジャーハンター。
首木友郎:どうにも怪しい雰囲気の持ち主だが……。
矢森雪雄:廃墟探索部のメンバー。目つきが悪い男性。
鬼城歩夢:廃墟探索部のメンバー。目つきが悪い女性。
花泉響也:廃墟探索部のメンバー。イケメン。
鶴野冬華:廃墟探索部のメンバー。ロングヘアの勝ち気そうな美女。
遠間もえぎ:廃墟探索部のメンバー。ショートヘアの元気少女。
室ノ井蘭:廃墟探索部のメンバー。おっとり系の美女。

高遠:ご存知「地獄の傀儡師」。今回も暗躍する!?
幽城玄将:亡霊教頭の正体とされる人物だが……。
亡霊教頭:今回の犯人だそうだが……。

蝶田:不動高校の教諭。某レスラーに似ている。
マスター:カフェふくろうのマスター。
ホー之介:マスターが飼ったふくろう。

<あらすじ>

・前話はこちら。
「亡霊校舎の殺人」第5話(「金田一少年の事件簿R」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

花泉響也がホールで殺害された。
死因は背中からの刺殺である。
どうやら、ショット金が同封された例の手紙に呼び出されたようだが……。

しかし、これは明智と金田一を悩ませることとなった。
同じ手紙を受け取った美雪やもえぎが指定場所には行かなかったように、響也もまたホールに足を運ばない可能性があったのだ。
にも関わらず、犯人は何故、響也の来訪を確信し殺害出来たのだろうか……。

同じ頃、高遠は事件の推移を確認しこれに満足していた。
どうやら、高遠にとって「黄金中学校」もまた「薔薇十字館」、「山中の洋館」に続きルーツに繋がる場所らしい。

食事時間となった。
食堂に集合し、カップ麺やパンなど各々が好きな食べ物を手に取り口にしていく。

そんな中、蘭はショット金の隠し場所について推理を組み立てる。
一方、これに触発されたのか巴が懐中電灯を手に外へ。

もえぎはと言えば、校舎の見取り図を紛失したと語り、赤熊から予備を貰い受けようとする。
だが、明智と剣持の参加により、予備は既に失われていた。
仕方なく、矢森から借りた見取り図を熱々のカップ麺に乗せて携帯で撮影することに。

さらに、冬華が赤熊からパンを分けて貰い自室へ運び込むが……。

それぞれがそれぞれの行動を取って数十分。
何時の間にか室外へ出かけていた矢森が帰って来ない。

気になった明智と金田一は矢森の部屋へと向かう。
だが、その途中にて床板を踏み抜き水流に転落死した矢森の死体を発見するのであった。

犯人は誰なのか!?
その手掛かりは今週号の『週刊少年マガジン』にある、読むべし!!―――7話に続く。

<感想&推理>

「金田一少年の事件簿」が「金田一少年の事件簿R」として帰って来ました。
その第2弾はクローズドサークルの王道「孤島での殺人事件」です!!

今回は6話、遂に第3の被害者が……。
う〜〜〜む、矢森殺害で容疑者が1人しか居なくなってしまったような気がするのだが……。

そんな6話のポイントは次の3つ。

1.花泉殺害の謎。
2.高遠のルーツ。
3.矢森殺害。

では、まず1から。
花泉殺害の謎とは「何故、花泉が犯人の素直に呼び出しに応じホールに足を運んだのか」でした。
つまり「犯人がどうやって花泉をホールに誘導したか説明せよ」と言うことですね。

現状、考えられる可能性は3つ。

・呼び出し状の内容は、場所指定以外はかなり曖昧なもの。
他の面々にはショット金を同封し「山分け」を持ちかけているが、花泉にのみショット金以外の物を同封していたとすれば……。
それが花泉の心を刺激する物ならば呼び出しに応じるのではないか。

・そもそも、呼び出し状自体を殺害後に摩り替えたのではないか。
殺害前の花泉宛の呼び出し状には「教頭殺害について話がある」と記載し、来なければ暴露すると脅迫していた。
これを花泉殺害後に「山分け」を持ちかける内容の手紙に摩り替えた。

・部屋割りがどうにも作為的な印象。
花泉にホールを通らざるを得ない状況を作りだしたのではないか?

個人的には「呼び出し状の摩り替え」説を推したいがシンプル過ぎるか……。

続いて2。
今回「薔薇十字館」と「山中の洋館」に続く、高遠のルーツ……それが黄金中学校にあるらしい。
すなわち、高遠実父に繋がる謎が此処にあるワケだ。
となれば、幽城玄将が高遠実父に関わって来るのは間違いない。
こちらは次の2つの可能性が挙げられる。

・幽城玄将が高遠実父の偽名だった。つまり、30年前の時点では幽城は生きていた。
黄金島の財宝も高遠実父の資産の一部に過ぎない。

・幽城玄将の死は高遠実父によるものだった。
高遠実父は幽城を殺害し、黄金島の財宝を奪った。
そう、高遠の潤沢な資産の一部は黄金島の財宝だったのだ……。

いずれにしろ、黄金島の財宝はかなり曰くのあるものになりそうだなぁ……。
呼び出しに使われたショット金の件もあるし、財宝は既に回収された後のような気もする。

そして、3「矢森殺害」。
6話の描写を見る限り、犯人は1人しか居ないなぁ……。
この犯人とは、もちろんもえぎのことです。

もえぎは、わざわざ矢森から見取り図を借りている。
それをお湯を注いだ熱々のカップ麺に乗せて、携帯付属のカメラで撮影した。

明らかに工作の匂いがプンプンです。
此処から導き出されるトリックは1つ。

お湯を注いだカップ麺は熱い。
この熱を利用し、熱で消えるインクを利用したのではないか。

つまり、矢森の見取り図に熱を加えることで、事前に工作して置いた通行不能部分のインクを消した。
矢森は見取り図通りに行動し、通行不能箇所に気付かず足を踏み入れた。
そして、転落死を遂げた。

これならばアリバイの有無は関係なくなる。
おそらく、もえぎの携帯に残った見取り図の撮影データが動かぬ証拠となるのではないだろうか。
ちなみに、此処までしなくても一度矢森の見取り図を手にしたのだから撮影するふりをしつつ摩り替えたでも良いくらいだ。

同時にこの犯行が可能なのはもえぎのみなので、犯人はもえぎとなる。

とすれば、歩夢と響也殺害については次のようになる。

まず、歩夢殺害。
詳しくは3話、4話の感想をご覧頂きたいが簡単に説明すると次のようになる。

歩夢が呼び出しに応じ音楽室へ。
もえぎがトイレへ。
トイレは音楽室の真下である。
トイレから準備室で奇妙な音を出す。
歩夢は開いていた穴から中を覗き込む。
すると、中にはピアノ線が輪っか状に張られていた。
これで首を絞められ拘束。
この時点で、歩夢は穴に拘束され地面に跪く体勢に。
其処に天井から吊るされていたナイフが落下。
首を貫かれ即死する。
ピアノ線は切れ、巻き取られる。
その途中で、ピアノの仲をピアノ線が通過し音を立てた。

ちなみに、歩夢殺害については赤熊パターンも検討してます。
詳しくは3話感想をどうぞ!!

続いて、花泉殺害。
ホールで花泉を殺害後、呼び出し状を摩り替える。
その後、自室へ籠り剣持を呼ぶ。以上。

ただ、もえぎ犯行説には幾つか謎も残る。

・「山分け」の手紙はいつ配ったのか?
・赤熊の協力なしに部屋割りや見取り図に工作可能なモノだろうか?
・何度か部屋へと移動している筈の矢森が、今更見取り図を頼り命を落とすだろうか?

この3つの壁を如何に超えるのかにも注目ですね。
第7話に期待!!

一方、山田涼介さん版「金田一少年の事件簿」が2014年7月から連続ドラマ化されることも明らかに。
その第1話は「銀幕の殺人鬼」とのこと。
こちらも注目!!

山田涼介さん版「金田一少年の事件簿」連続ドラマ化!!その名は「金田一少年の事件簿N(ネオ)」!!

さらに、2014年4月5日17時30分よりアニメ版「金田一少年の事件簿R」が放送中。
現在のエピソードは「錬金術殺人事件」。
アニメ版で、玲香のスカーフの謎が明らかになることはあるのかも注目!!

・「金田一少年の事件簿」より「錬金術殺人事件」のまとめはこちら。
「錬金術殺人事件」まとめ(「金田一少年の事件簿」より)

◆「亡霊校舎の殺人」関連過去記事
「亡霊校舎の殺人」第1話(「金田一少年の事件簿R」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

「亡霊校舎の殺人」第2話(「金田一少年の事件簿R」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

【犯人推定!?】「亡霊校舎の殺人」第3話(「金田一少年の事件簿R」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

【歩夢殺害トリック解明!?】「亡霊校舎の殺人」第4話(「金田一少年の事件簿R」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

「亡霊校舎の殺人」第5話(「金田一少年の事件簿R」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

◆シリーズ関連過去記事
・「金田一少年の事件簿R」より「雪鬼伝説殺人事件」のまとめはこちら。
「雪鬼伝説殺人事件」(「金田一少年の事件簿R」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)まとめ

・「金田一少年の事件簿」より「薔薇十字館殺人事件」のまとめはこちら。
「薔薇十字館殺人事件」(「金田一少年の事件簿」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)まとめ

・「金田一少年の事件簿」より「香港九龍財宝殺人事件」のまとめはこちら。
「香港九龍財宝殺人事件」(「金田一少年の事件簿」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)まとめ

・「金田一少年の事件簿」より「暗黒城殺人事件」のまとめはこちら。
「暗黒城殺人事件」(「金田一少年の事件簿」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)まとめ

・「金田一少年の事件簿」より「人喰い研究所殺人事件」のまとめはこちら。
「人喰い研究所殺人事件」(「金田一少年の事件簿」、講談社刊「週刊少年マガジン」連載)まとめ

・「金田一少年の事件簿」より「ゲームの館殺人事件」のまとめはこちら。
「ゲームの館殺人事件」まとめ(「金田一少年の事件簿」より)

・「金田一少年の事件簿」より「錬金術殺人事件」のまとめはこちら。
「錬金術殺人事件」まとめ(「金田一少年の事件簿」より)

・同じく「高度1万メートルの殺人」のまとめはこちら。
「高度1万メートルの殺人」まとめ(「金田一少年の事件簿」より)

・さとう先生による読み切り「トキメキトキナ消失宣言」のネタバレ批評(レビュー)はこちら。
「別冊少年マガジン」(講談社)より「トキメキトキナ消失宣言」ネタバレ批評(レビュー)

【ドラマ版】
ドラマ版「金田一少年の事件簿 香港九龍財宝殺人事件・アジア北米同日放送〜美雪誘拐!破滅の街の悲劇…死体出現密室トリックの謎はすべて解けた!」(1月12日放送)ネタバレ批評(レビュー)

「金田一少年の事件簿 獄門塾殺人事件 マレーシアのジャングルで合宿中の生徒達が次々と消えた…太陽と月が交わる時暴かれる驚愕のトリック!謎はすべて解けた!」(1月4日放送)ネタバレ批評(レビュー)

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◆金田一少年の事件簿シリーズコミックはこちら。


◆金田一少年の事件簿シリーズ映像作品はこちら。
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