2014年05月20日

「最強少女さゆり」第12話(17話)「バニーのほろ酔い授業」(福田やすひろ作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

「最強少女さゆり」第12話(17話)「バニーのほろ酔い授業」(福田やすひろ作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)です。

ネタバレあります、注意!!

登場人物一覧:
さゆり(彩百合):謎の少女。4歳ながらとてつもない怪力を誇る。
豪田:さゆりの祖父。普通の人。
バニー・ラビット:宇宙警察の刑事。
リコス:バニーが追う逃亡犯。
源さん:さゆりの体当たりを受け止めることが出来る地球人。愛の力は偉大だ。
駐在さん:最近赴任してきたばかりの若い警官。集中連載1話でさゆりの三輪車に撥ねられトラウマに。
ヨシさん:隣町の住人。さゆりを侮ったが為に……。
恭也:さゆりが出会った年上の少年。さゆりに自身を「師匠」と呼ばせる命知らず。
メタボ:ヤスの兄貴分。
ヤス:メタボの弟分。出っ歯が特徴。心は折れても出っ歯は折れない。
オヤッサン:バッティングセンターの経営者。
タマちゃん:オヤッサンが作った自律制御AI搭載型ボールタイプロボット(たぶん)。
デービス親子:グリーンスライダー大会に参加した親子。
バニーの妹:正体不明。

<あらすじ>

〜〜〜前回までのあらすじ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

宇宙刑事であるバニー・ラビットは凶悪犯リコスを追って地球に飛来。
あと一息というところまで追いつめるが、現地の少女・さゆりにリコスともどものされてしまう。
こうして、さゆりの家に保護(囚われた)されることに。
仲間に救助を依頼するが助けは未だにやって来ない。
さゆりを通じ、何時の間にやら凶悪犯のリコスが善良になりつつあるなど、想定外な要素を抱え過ぎた彼女の明日はどっちだ(嘘)!?

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

その日、バニーは1人でさゆりの世話を任されていた。
頼りのリコスは、前回のバニーと同様にお使いを理由に早々に逃げ出していたからである。

何とかリコスの帰宅まで時間を稼ぐ必要があるバニー。
苦肉の策で、自身の情報を授業との形でさゆりに教え平和的に過ごそうと企む。

これは図に当たった。
さゆりは今までにない試みに興味津々である。

自身が地球人の年齢にして24歳の大人の女性であることを主張するバニー。
これを聞いたさゆりは「大人の女性凄〜〜〜い」と素直に感嘆。
バニーは満足するのだが……。

此処から思いも寄らない展開に。
さゆりは「大人」とのキーワードに反応。
リコスから聞いたと告げるや「大人ならばコレを呑める筈」とビールを差し出して来る。

実はバニー、アルコール類は一切駄目であった。
到底、呑める筈がない。
だが、それを言い出せる筈もない。

意を決するや、一息に飲み乾すことに。
途端、酔いが身体中に回ってしまった。

其処へ恭也がやって来た。
恭也は酔っ払ったバニーを見るなり逃げ出そうとするのだが……。

気が大きくなったバニーは、恭也を抱きかかえる。
バニーに抱き締められた恭也はその柔らかさに頬を赤らめる。

バニーはさらに上機嫌に。
遂には自身のプロフィールを声高に喋り出す。
宇宙警察のエリートとして選ばれたこと。
歳の離れた妹が居ること。
ひたすら熱く語り続ける。
これにはさゆりも恭也も閉口気味である。

其処へリコスが帰宅した。
バニーの状態を目にしたリコスに嫌な予感が……。

すると、バニーは酔っ払ったことで本来の職務を思い出した。
リコスを逮捕すべく飛び掛かるバニー。
と、同時に激しく動いたことで嘔吐感が込み上げて……。

哀れ、リコスは中空からバニーの吐瀉物を浴びてしまうのであった。

一方、バニーの手荷物が淡く輝いていた。
それはメールの受信を示していた―――エンド。

バニーのプロフィールが明らかに。
その素顔は意外なエリート!?
そして、メールの送り主の正体は!?
本作を真に楽しむ為に「週刊少年チャンピオン」本誌にて確認せよ!!

<感想>

「週刊少年チャンピオン」にて短期集中連載された福田やすひろ先生の作品「最強少女さゆり」。
そんな本作が正式な連載として帰って来ました!!
ファン大歓喜だぜ、ヒャッホウ(^O^)/!!

ちなみに連載になったことで本作のアプローチも多少変わった様子。
短期集中連載時は「さゆりを中心とし、人並み外れた怪力がありながら周囲の人々に保護される4歳児を描くハートフルコメディ」でしたが「人並み外れた怪力を有する少女と、これを温かく見守る周囲の人々を描いたハートフルコメディ」へと変わった印象あり。

つまり、何処が変わったかと言うと、短期集中連載時は「さゆりが中心だった」のに対し連載では「さゆりとその他の人々」にまで焦点の対象が広がったかな。
これは新キャラである恭也の登場にも顕著。
それに伴い源さんの「さゆりラブ」キャラに拍車がかかってます。
これにより、さゆり抜きでサブキャラたちのみ描かれる回も有り得ますね。
正直、個人的には短期連載時の「さゆり中心」のノリが好きだけど、連載が長期化することを見据えれば物語の幅を広げる意味で正しい判断だと思われます。
ただ、出来るなら主人公・さゆりの正体はもちろんのこと、リコスとバニーの掘り下げをもっとして欲しいかも。

そんな仕切り直しの12話(通算17話)。

前回(11話)からサブタイに変更が加えられましたね。
これまでは「さゆりと○○」の形式だったのですが、前回からは「その回のメインと○○」になりました。
これもサブキャラ重視の表れでしょうか。

そんなサブキャラ重視第2回は、リコスに続きバニーのキャラが強化された回。
今回、明かされたバニーのプロフィールは次の通り。

1.地球年齢で24歳。
2.妹がいる。
3.飲めない。
4.全宇宙規模のエリート。

中でも「2.妹がいる」は次回に繋がる重要な情報か。
謎のメールの送り主とは……バニーの妹か!?
だとすれば、バニー妹登場のフラグでしょうか。
注目です!!

本作の魅力は2つあると思う。
まず1つ目は、あのファンシーな絵柄で驚きのアクションを魅せること。
そして、2つ目は「思わぬ展開の意外性(キャラ追加など)」と「固定化された結末の安定性(さゆり大勝利)」この2つのバランスが伴うこと。
これが面白い!!

とはいえ、おそらく此処で幾ら言葉を尽くしたところで本作の面白さは伝えられないだろうなぁ。
やっぱり本作は理屈じゃないな。
実際に読んで感じるべし。

彩百合の両親が謎ですね。
山中の病院で1ヶ月に1度のお見舞い……「となりのトトロ」を思い出しました。
さゆりの母は静養中(「さゆりと峠とお見舞い」参照)なのでしょうか。
そう言えば、リコスはトトロっぽいと言えなくもないか。
入院中とのことですが、何か理由があるのでしょうか。
このあたりも謎だし、連載になった以上はいずれ明かして欲しい。

もう1度繰り返しましょう。
本作に興味を持たれた方には、是非、「週刊少年チャンピオン」本誌を捜して読んで欲しい。
最近の「週刊少年チャンピオン」は「名探偵マーニー」や「実は私は」など本当に粒揃いでクオリティが高い作品が多い。
注目の雑誌の1つと言えるでしょう。

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