2014年05月14日

水曜ミステリー9「刑事長2〜デカチョウ2 退職覚悟の越権捜査VSエリート銀行マンの宣戦布告!雷雨の夜…遺体が2度骨折?完全犯罪崩す1枚の写真」(5月14日放送)ネタバレ批評(レビュー)

水曜ミステリー9「刑事長2〜デカチョウ2 退職覚悟の越権捜査VSエリート銀行マンの宣戦布告!雷雨の夜…遺体が2度骨折?完全犯罪崩す1枚の写真」(5月14日放送)ネタバレ批評(レビュー)です!!

<あらすじ>

警視庁捜査一課の巡査部長・岩切鍛治(中村雅俊)は叩き上げのベテラン刑事。そんな岩切と後輩・川喜多良一(石黒英雄)が街中を歩いていると、田野倉栄二(草野康太)がガード下でエリート然とした男に絡んでいた。力ずくで抑えようとする川喜多だったが、弾みでケガを負わせてしまう。しかもチンピラ風の集団に囲まれ、何とかその場を逃げ切るが、翌朝の新聞に揉み合いの一部始終が掲載されていた。チンピラかと思った田野倉はフリージャーナリストだったのだ。事実を知った川喜多は、詫びるため一人で田野倉のもとへ向かう。

その日の夜、岩切と後輩の鳥居理香(加藤夏希)は岩切の姑・安永ふみ(水野久美)が営む小料理屋にいた。カウンターの中には岩切の娘・小百合(黒川智花)の姿も。しばらくすると息子で検察官の康司(鳥羽潤)が、稲垣咲子(高部あい)を連れてきた。3か月前から帰ってこない父・辰治(新井康弘)の行方を探して欲しいというのだ。部屋で、東京のクラブに勤めるホステス松居朱美(土肥美緒)の誕生日パーティーの招待状を見つけ、静岡から上京してきた咲子。捜索願も出したが取り合ってもらえず困っていた。岩切は越権捜査を承知の上で、父親探しを引き受ける。

翌日、ある工事現場で変死体が発見された。顔を確認した川喜多は立ち尽くす。謝罪後に和解し、深夜12時頃まで飲んでいた田野倉だった。所轄は泥酔による転落事故と断定するが、疑問が残る岩切たちは独自に捜査を始める。田野倉が"大きな事件を追っている"と話していたこと、最後に言いかけた「トウヨウ」という言葉を思い出した川喜多は、ガード下近くに「東洋銀行」があることに気づく。さらに田野倉が絡んだ男は、やり手の支店長・万堂道夫(佐野史郎)だった。

その後、岩切たちは田野倉のアパートで辰治と咲子のツーショット写真を発見する。しかも咲子が言っていた通り、辰治が朱美の常連だったことも判明するが、ホステスの話によれば、誕生日には辰治も朱美も姿を見せなかったという。
その時、意外な人物が来店する…!
(水曜ミステリー9公式HPより)


では、続きから(一部、重複アリ)……。

激しい雷雨の夜であった。
赤い服の女性が傘を差し、歩道を歩いていた。
と、ヒールが災いしたのかバランスを崩し、道路上へと転倒してしまう。
其処に車が突っ込んだ。
女性は車により舞い上げられた。

3ヶ月後、頑固一徹、叩き上げのベテラン刑事・岩切鍛治は後輩・川喜多良一と街中を歩いていた。
すると、ある騒動に出会う。

若い男性が別のエリート然とした男性に掴みかかっていたのだ。
これを見た川喜多は、若い男性に飛び掛かって取り押えるとエリート然とした男性を逃がす。
「何するんだ、離せよっ!!」と抵抗する若い男性に、問答無用で一、二発喰らわせる川喜多。

ところが、その翌日にはこれがニュースとなった。
何故なら、川喜多が無理に取り押さえた若い男性は田野倉栄二というフリージャーナリストだったのだ。
どうやら、田野倉の取材を川喜多が邪魔することになってしまったらしい。
事実を知った川喜多は、謝罪するべく一人で田野倉のもとへ。

同日夜、岩切は姑・安永ふみの小料理屋に居た。
其処に岩切の息子で検事の康司が依頼を持ち込んで来る。

依頼主の名は稲垣咲子。
何でも咲子の父・辰治が3か月前から帰って来ないらしい。
この行方を探して欲しいのだそうだ。
辰治は東京のクラブに勤めるホステス・松居朱美の誕生日パーティーに参加する予定だったそうだが……。

その翌日、岩切はある殺人事件の捜査に駆り出される。
被害者は……田野倉であった。
どうやら、工事現場から転落死したらしい。
現場の責任者である岸本は「よりにもよってこんなところで」と溢す。

田野倉と最後に会った川喜多に容疑が向かうが、川喜多はこれを否定。
なんでも、田野倉とはすぐに和解し、仲直りの飲み会をしていたそうだ。
その中で、田野倉がある不正事件を追っていることを明かしていたらしい。
「トウヨウ」某が関わっているそうだが……。

昨日の騒動の現場付近を調べた岩切は「東洋銀行」に行き当たる。
しかも、その支店長・万堂道夫こそ田野倉と揉めていたエリート然とした男性だったのだ。

万堂を訪ねた岩切。
其処へ行員らしき男性が入室して来る。
途端、万堂が男性を叱責。
男性は慌てて逃げるように部屋を飛び出す。
男性の名は那須政彦。
どうやら、万堂は那須と岩切を会わせたくなかったようだが……。

その後、岩切は田野倉のアパートで「三山工務店」のつなぎを着た辰治と咲子の写真を発見。
もしかして、辰治も事件に関係しているのか?
他にも、田野倉自身の転落現場の写真が残されていた。
その裏には「山津興業」と記載されていた、

続いて、岩切は辰治の行方を調べ始めた。
朱美の同僚に話を聞いたところ、3ヶ月前の6月7日が誕生日だったらしいのだが、朱美自身もパーティーを欠席したらしい。
さらに、万堂が朱美の顧客であることが判明する。
どうやら、朱美は2ヶ月ほど前に万堂にマンションまでプレゼントして貰ったらしい。

岩切は朱美のマンションを訪問。
すると、朱美までもが変死体で発見される。
その遺体の近くには薬物がぶちまけられており、使用量を誤ったことが死因かと思われた。
だが、岩切は朱美の足に注射痕があることに気付く。
事故に見せかけた他殺だったのだ。

さらに、現場からは「三山工務店」の鉛筆が発見される。
「三山工務店」と言えば、辰治の勤務先である。

田野倉、朱美、2人の死に万堂が関与していると考えた岩切。
だが、これに粟津参事官から捜査中止の圧力がかかる。
万堂と粟津は繋がっていたのだ。

しかし、岩切がこれに屈する筈がない。
岩切は那須政彦について調べ始める。
すると、那須の妻から意外な証言が。

どうやら、那須は朱美と浮気していたらしい。
これについて匿名の密告電話があったのだ。
電話の主は「ともかく聞いて御覧なさい」と主張していたそうだ。

那須の妻は東洋銀行重役の娘、那須にとって浮気を認めることはエリートコースから転落することを意味するのだが……。

そんな中、万堂の素行を調べた岩切は元万堂の部下である藤川に話を聞く。
藤川は万堂を手段を選ばぬ鬼と表現。
さらに、先日まで万堂が那須に頭が上がらなかったと語る。

それは岩切の知る彼らとは明らかに異なっている。
一体、何があったのか?

さらに、田野倉の死亡現場が万堂の融資先が手掛ける工事だったことも判明。
岩切は田野倉の言葉を思い出し、万堂が関わった「不正融資」を確信する。
しかし、調べてみるがそのような事実は出て来ない。
どうやら、田野倉は岸本個人を追っていたようなのだが……。

行き詰った岩切は事件を整理することに。
とりあえず、彼が思う疑わしい点に注目する岩切(注:此処の流れはあまりに強引過ぎるのですが、作中の通りです)。

那須にとって朱美は浮気関連で邪魔な存在だったに違いない。
岸本にとって田野倉は不正融資関連で邪魔な存在だったに違いない。

つまり、那須には朱美殺害の動機がある。
同様に、岸本にも田野倉殺害の動機があるのだ。

だが調べたところ、那須には朱美殺害時にアリバイがあった。
そして、岸本にも田野倉殺害時のアリバイがあったのである。

これはどういうことなのだろうか……。

目先を変えることにした岩切は咲子を利用し辰治を誘き出す。
辰治を捕らえた岩切は意外な事実を知ることに。

6月7日に、辰治は轢き逃げ事件を起こしていたらしい。
辰治によれば、朱美に呼び出されドライブに出かけたと言う。
その途中、朱美がキスを迫り、これに応じていたところ轢いてしまったのだそうだ。
被害者は山中に埋めたと語る辰治。

供述通りの場所を掘り返したところ、女性の遺体が発見される。
調べたところ、有本真央という女性であることが分かる。
真央の家族によれば、真央は雨の中、傘を路上に忘れ消えてしまったらしい。

岩切は雨の中で傘を差さずに辰治の事故現場に行けたとは思えないと主張。
遂にある仮説を導き出す。

その翌日、那須と岸本が呼び出されていた。
岩切は2人が交換殺人を行ったと断言。
これを万堂が仲介したと告げる。

田野倉は岸本が「山津興業」の名で万堂から不正融資を受けていることを突き止めた。
岸本は田野倉の口封じを迫られた。
一方、浮気の件で朱美への殺意を募らせた那須。

この2人に万堂が声をかけた。
そして、互いに交換殺人を実行させたのだ。
那須は田野倉を、岸本は朱美を殺害したのである。

証拠がないと主張する岸本と那須だが、岩切は動揺しない。

那須の場合は、突き落とした際に田野倉の掌紋が残っていた。
岸本の場合は、朱美宅から薬物を盗み出し使用していたのである。

これが証拠となり、那須と岸本は罪を認めた。
こうなれば残るは万堂だ。

岩切は万堂こそが那須の妻に匿名の密告電話を入れた本人と指摘。
さらに辰治を利用し罪を着せようとしたと弾劾する。

6月7日、前の中で真央を轢き逃げしたのは万堂だったのだ(冒頭の事件)。
困り果てた万堂は朱美に協力を依頼し、辰治を利用し罪を着せた。
しかし、朱美に脅迫されることとなった。
一方で、田野倉が不正融資に気付いた。

2人を一度に抹殺する必要がある。
其処で、岸本と那須を利用したのだ。

万堂の車から真央の血液が検出され、万堂も逮捕されることに。
粟津参事官も万堂からの収賄が立証され罪に問われることとなった。

辰治はと言えば、岩切の配慮で自首扱いとなったようである―――エンド。

<感想>

新シリーズ「刑事長」の第2弾です。
前作は2013年4月10日に放送されており、実に1年1ヶ月ぶりの新作となりました。

原作は姉小路祐先生の同名タイトルシリーズ第3弾『刑事長 越境捜査』(講談社刊)。
シリーズには『刑事長』、『四の告発』、『殉職』がある。
ちなみに、同じ水曜ミステリー9「街占師」シリーズの原作と同じ方です。

<あらすじ>

春団治(はるだんじ)刑事長(デカチョウ)こと岩切鍛冶は、組織や規律だけを重んじる警察の体質に刃向かう大阪府警の一匹狼だ。彼を慕う若手刑事が市内で屋台を撤去しようとして暴力警官として告発された。その直後、告発した男が不可解な死を遂げる。事件にきな臭さを感じた岩切は単独捜査を開始!〈刑事長〉シリーズ興奮の第3弾!
(講談社公式HPより)


あらすじを見る限り、ドラマ版のシナリオ展開は原作に忠実な様子。
さて、そんなドラマ版の感想を!!

真央、田野倉、朱美の3人が殺害され、それぞれ万堂、那須、岸本が犯人でした。

内容的には、岩切の独断と偏見に基づく推理が多々見られたのが……。
あれ、正しかったから良かったものの、間違ってたら冤罪の温床だよ。
完全なる見込み捜査……まさに岩切は「見込み捜査の鬼」やでぇ!!

そりゃ、川喜多がポカを続けるのも、あの上司の下じゃ仕方がない。
何しろ、岩切自身が見切り発車しまくりなのだもの。
川喜多、悪いことは言わない。あれは岩切だから出来ているのだ……君が見習うのは止めるべきだ。
現に、田野倉と岸本で2回も痛い目に遭ったではないか!!

特に、不正融資の導き方が尋常ではない。
一旦、否定されたのに「田野倉が不正融資を追っていたんだから、あるって言ったらあるんだよ」は流石に無茶。
証拠を掴んでからにしてくれ。

それ以外にも、話と話の繋がりがはっきりしないところが点在。
あらすじは縫うようにしてまとめてみたつもりだが、かなり怪しい。
それと、普段は許せるような点も本作だと何故か異様なほど気にかかる……何故だ!?

そう言えば、ラストの佐野さんは声が枯れてましたね……風邪かなぁ。
心配です。

などなど、いろいろ気にかかりました。
シリーズ次回は……どうなのかなぁ。

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<キャスト>

岩切鍛治:中村雅俊
川喜多良一:石黒英雄
万堂道夫:佐野史郎
安永ふみ:水野久美
粟津武:風間トオル
鳥居理香:加藤夏希
岩切康司:鳥羽潤
矢敷信夫:川崎麻世
岩切小百合:黒川智花
稲垣辰治:新井康弘
岩切由紀子:小林綾子
岸本昭:長谷川公彦
田野倉栄二:草野康太
稲垣咲子:高部あい
松居朱美:土肥美緒 ほか
(順不同、敬称略、公式HPより転載)


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