ネタバレあります、注意!!
第64話登場人物一覧:
黒峰朝陽:主人公、通称「アナザル」。
白神葉子:朝陽の意中の人物。ある秘密が……。
紫々戸獅狼:葉子の幼馴染。彼もまたある秘密を……。
紫々戸獅穂:葉子の幼馴染。彼女もまたある秘密を……。
藍澤渚:クラス委員長。彼女にも秘密が……。
藍澤涼:渚の兄、意外な形で登場することに……。
紅本茜:紅本の親族らしい。彼女にも秘密が……。
紅本明里:教師。彼女にも秘密が……。
黄龍院凛:33話より登場した謎の少女。彼女にも秘密が!?
黄龍丸:凛が駆るドラゴン。52話にて意外な正体が明らかに。
朱美みかん:朝陽の幼馴染。新聞部所属。通称「オレンジ」。
岡田:朝陽の友人の1人。通称・岡。眼鏡が特徴。割と友人想いの様子。
嶋田:朝陽の友人の1人。通称・嶋。軽い。
桜田:朝陽の友人の1人。通称・サクラ。渋い。
フクちゃん:「福の神見習い」を名乗る眼鏡。
フクの介:フクちゃんの先輩。やはり眼鏡。
フク太郎:フクちゃんとフクの介の先輩。やはり眼鏡。
フク蔵:フクちゃんとフクの介とフク太郎の先輩。やはり眼鏡。
朝陽の父:朝陽の家族。22話に初登場。
朝陽の母:朝陽の家族。22話に初登場。
黒峰鳴:朝陽の妹。22話、28話、48話に登場。48話にて名前と顔が判明。
白神源二郎:吸血鬼。額に十字傷を抱く巨人。39話にて名前が判明。
白神桐子:葉子の母で人間。和服の美女。38話にて名前が判明。
銀華恋:茜に続く第2のツノツキ……の筈だったが。58話から登場。
<あらすじ>
〜〜〜これまでのあらすじ〜〜〜〜
「アナザル」こと「絶対に秘密を守れない男」黒峰朝陽は憧れのヒロイン・白神葉子の秘密を知ってしまった。
その秘密とは「白神葉子がハーフの吸血鬼である」こと。
朝陽は葉子の為に、この秘密を守らねばならない―――。
取り巻く人々を相手に、朝陽は秘密を守り抜くことが出来るのか?
矢先、実は宇宙人であった委員長・渚、狼男で肉食系女子な獅穂、悪魔っ娘の茜、未来人の凛、幼馴染のみかん、天使の華恋も加わって……。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ある日、廊下を歩いていた朝陽、岡、嶋、さくらは前方に人だかりが出来ていることに気付いた。
その中心に居たのは身体を覆い隠すようにマントを羽織った獅穂。
それを取り囲むようにカメラを構えたみかんら新聞部の面々が居る。
どうやら、獅穂の撮影会が開催されるようである……って、え!?
獅穂の撮影ってことは……マントの下はまさか、裸!?
思わぬ事態に戸惑う朝陽はみかんを咎めるが、みかんは平気な物だ。
「今晩のすき焼きの具が鳥肉になるか、牛肉になるかがこれにかかっている」と熱心に訴える。
つまり、みかんは獅穂の写真を販売する気満々なのだ。
これは大問題である。
ところが、涙もろい華恋はみかん宅の食事事情に絆され既に許可してしまった後であった。
生徒会長のお墨付きである。
こうなれば、止めよう筈もない。
獅穂の溢れんばかりの痴女力で廊下が血の海に染まるかと思われたが……。
はらりと舞ったマントの下は―――なんと自宅での明里を髣髴とさせるジャージの上下。
色気も素っ気もない。
これにガックリと膝を落とす嶋。
期待を裏切られたショックが大き過ぎたのか……その目は焦点が合わず虚ろである。
もちろん、ショックを受けたのは朝陽も同様である。
慌てて、獅穂に事情を尋ねる。
すると、何とも意外な返事が。
どうやら、獅穂は痴女としてスランプに陥っているようなのだ。
それもこれも、明里の誕生日に痴女指導を行ってからのことらしい。
アレはアレでなかなかに困難だったのだが、以降も明里に指導を続けていたのだそうだ。
だが、指導すればするほど、何が痴女らしいのか、何がセクシーなのかが分からなくなっていったと言う。
獅穂の考えるセクシーさは明里には通用しない。
何をやっても明里には野暮ったさが残った。
しかも、これを横で評していたのはあの葉子である。
これまた、セクシーとは程遠い。
獅穂が「これは無いかな」と思っても、葉子は「流石、セクシーさがアップしたよ!!」と褒めるのだ。
そのうちに基準が曖昧になって行き、この状態に陥った。
いわば、溢れんばかりの独身力に痴女力が敗れ、明里のセンスに呑まれてしまったとも言えるだろう。
自信を失い悩む獅穂。
これを見かねた朝陽は痴女として正しい道(?)を取り戻すよう協力する。
これに応援団も続いた。
応援団1号はみかんである。
彼女にとっては、獅穂のセクシー写真を撮影する必要がある。
何しろ、鳥肉と牛肉の境目なのである。
応援団2号は岡。
彼にとっては、初心な朝陽が鼻血を噴き出す光景が見たい。
その為には、獅穂は必須だ。
応援団3号は嶋。
彼は純粋にエロを求めていた。
嶋は、迸る欲望に率直に露な胸や太ももをただただ欲していたのである。
こうして、朝陽と私利私欲に走る3人の協力で獅穂復活大作戦が行われることに。
まずは普段の獅穂らしい行動を取り、朝陽をドギマギさせることに。
ところが、どんな行動を取ろうとも、どんなセクシーポーズを取ろうとも、「あの人」の影がちらつくのだ。
そう、明里だ。
その為に、どんなにセクシーアピールをしようとも明里のように凄んでいるようにしか見えないのである。
これはまさに明里の呪縛であった。
この事態に、みかんは「牛肉が、牛肉が……」と狼狽。
嶋は「男子の聖域が失われた!!」と叫ぶや血の涙を流しつつ、廊下を転げまわった。
さながら阿鼻叫喚である。
そうこうしているうちに、ひょっこり凛が現れた。
凛は獅穂から痴女力が感じられないと衝撃を受ける。
さらに、ライバルである獅穂の思わぬ状況に逆に励ますことに。
窮した獅穂は別な角度からのアプローチを求めるが……。
胸元を強調しつつ精一杯のセクシーポーズ。
ところが、お腹からは「く〜〜〜」と腹の虫が。
そう、次に獅穂に降臨したのは「腹ペコヒロイン」であった。
どうにも、打開は難しいようである。
目先を変えるべく、朝陽と獅穂は2人きりで外へ。
獅穂は朝陽に自身が痴女を目指した理由を明かす。
もともとは母であるカリスマ痴女に理由があるのだそうだ。
獅穂が「これは!!」と思う意中の相手を見つけても、カリスマ痴女に引き合わせると途端に奪われてしまうのだ。
だからこそ、負けないように痴女力に磨きをかけたのだと言う。
普段は見せない弱気の獅穂に胸の高鳴りを感じる朝陽。
其処へ、獅穂が身体を寄せて来る。
潤んだ瞳で朝陽を見詰め、濡れた唇で愛を囁く。
朝陽の鼓動は最高潮に。
さらに、獅穂は上目遣いに朝陽を眺めつつ押し倒すと馬乗りに。
その体勢から、上体を朝陽の顔へと導く……。
そのとき、朝陽の鼻から噴水の如く鮮血が!!
獅穂の痴女力に朝陽が反応したのだ!!
獅穂、完全復活である。
途端、身体を離す獅穂。
何時の間にか、何時もの彼女らしい笑顔が戻っていた。
どうやら遊ばれたようだ―――そう思った朝陽は「何処から嘘だったの!?」と叫ぶ。
これに何やら意味ありげなウインクを寄越す獅穂であった―――65話に続く。
少年誌の限界に挑んだ描写(すいません、誇張表現です)が目を見張る64話が読めるのは「週刊少年チャンピオン」だけ。
本誌で確認せよ!!
<感想>
「週刊少年チャンピオン」にて「さくらDISCORD」を連載されていた増田英二先生の新作。
「さくらDISCORD」は未読の管理人ですが、1話を読んで注目している作品です。
コミックス1巻に続き2巻、3巻、4巻、5巻も重版出来とのことで、目出度い。
さらに、6巻も発売。ちなみに表紙は凛ちゃんですよ!!
そして、本作かなり面白い!!
さらにさらに、増田先生の初期作品「透明人間の作り方」も発売とのこと。
こちらも注目!!
その64話。
思わせぶりな獅穂に朝陽が振り回された回。
とはいえ、獅穂の過去話は本当のことだろうし、朝陽の事を悪くは思っていないのも事実っぽいなぁ。
葉子のことがあるから遠慮しているのだろうか……複雑な乙女心だ。
ちなみに、独身力VS痴女力の対決は独身力の圧勝と判明。
これに対抗出来るのは、本家本元である獅穂の母だけか。
まさか、其処までの強さとは……明里、難儀な娘(涙)。
それと、獅穂に宿る明里の姿には大爆笑した。
このシーンは必読モノ。
でもって、サブキャラが良い仕事をした回でもあります。
特に、みかんと嶋が良い味出してた。
此処にも注目して欲しい。
キャラの配置と活かし方、そこから生じるテンポが本作の妙味。
それが存分に発揮された回でした。
総評として、今回も楽しめた!!
多くは語るまい、とりあえず読め!!
そう言えば、上でもお伝えした通りコミックス6巻が発売。
表紙は1巻の葉子、2巻の渚、3巻の獅穂、4巻の茜、5巻のフクちゃんとみかんに続き、凛。
うむ、此処までは予想通り。
こうなると、7巻が明里、8巻が華恋かな。
ちなみに、上記のあらすじは本作の魅力を伝えられるよう改変を加えてまとめていますが、その面白さを伝えきれていません。
やっぱり、あの絵とコマ割りなどのテンポあっての本作。
是非、「週刊少年チャンピオン」本誌を読んで欲しい。
もう1度繰り返しましょう。
本作に興味を持たれた方には、是非、「週刊少年チャンピオン」本誌を捜して読んで欲しい。
最近の「週刊少年チャンピオン」は「名探偵マーニー」や本作など本当に粒揃いでクオリティが高い作品が多い。
注目の雑誌の1つと言えるでしょう。
◆関連過去記事
・「実は私は」第1話から第60話まで(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)まとめ
・「実は私は」第61話「昔話をしよう!」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・「実は私は」第62話「天使の羽で遊ぼう!」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・「実は私は」第63話「誕生日を祝おう!」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
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