2014年06月01日

「サイレーン」第49話「悔しくて…」(山崎紗也夏作、講談社刊「週刊モーニング」連載)ネタバレ批評(レビュー)

「サイレーン」第49話「悔しくて…」(山崎紗也夏作、講談社刊「週刊モーニング」連載)ネタバレ批評(レビュー)です。

ネタバレあります、注意!!

登場人物一覧:
里見偲:男性。警視庁機動捜査隊所属。相棒の猪熊と恋人同士。31歳。
猪熊夕貴:女性。警視庁機動捜査隊所属。相棒の里見と恋人同士。
橘カラ:女性マネージャー急性アルコール中毒死(実は他殺)の犯人。猪熊に興味を持つ。
渡:猪熊の寮の向かいに住む。カラを家に置くこととなった。
月本:美容整形外科医。実は高級売春クラブ「フルムーン」のオーナー。カラに正義執行される。
乃花:カラの元同僚。不倫の恋に生きていたがカラに殺害される。
千歳:生活安全課所属。
レナ:里見が潜入捜査を行った先の関係者。
アイ:里見が潜入捜査を行った先の関係者。
盛元:テレビ局有名アナウンサー。
田沢麻弥:月本のもとへ出入りしていた少女。カラの犯行を目撃し襲われるも一命を取り留めた。
倉本:入院した田沢麻弥の担当女医。
三河くん:月本の部下。
高槻とおる:5年前に発生した薬局店息子殺人事件の被害者。
時田:捜査一課未解決事件係の刑事。猪熊の先輩。
舞川:5年前からのカラの常連客。

<あらすじ>

・前回までのあらすじはこちら。
「サイレーン」第48話「決起したDT」(山崎紗也夏作、講談社刊「週刊モーニング」連載)ネタバレ批評(レビュー)

舞川によりカラの情報を集めていることを本人に知られてしまったアイ。
暫し気まずい空気が流れるが……。

カラは特にアイを批難するでもなく、むしろ恋人であった高槻とおるを失った心の傷の深さについて訴える。
これに「やっぱりそうだったんだ!!」と胸中で新情報をゲットしたと快哉を叫ぶアイ。
しかし、このときアイは見逃したのだ―――心の傷について語っていた筈のカラが笑っていることを。

一方、カラからストーカー被害について相談を受けた渡は彼女のナイトになるべく奮闘していた。
まずは所轄署に被害を訴えたのだ。

担当となったのは生活安全課の千歳。
だが、渡の言葉を聞いた千歳は彼の態度や内容から深く吟味するまでもなく虚言と判断し一蹴する。

おのれ〜〜〜と恨みを募らせる渡。
気分転換にコンビニへと立ち寄った。

すると、其処にカラから渡された写真の男=ストーカーが居るではないか!!
もちろん、この男こそ里見である。

あまりの衝撃に釣銭を取り落した渡。
まさか敵対視されているとは知らない里見は釣銭を拾うのを手伝うことに。
だが、この里見の好青年振りに渡は嫉妬心を燃やす。

その想いは行動に直結した。
此処で会ったが百年目とばかりに、渡は里見の尾行を開始する。

すると、里見は女性と連れ立ってカラオケボックスへ。
此の相手こそ、レナなのだが渡はそれを知らない。
可愛い彼女が居ながら、カラにまで手を出そうとしていると憤りを覚えることに。

ところが、そんな渡の憤りをさらに加速させる出来事が。
里見たちにアイが合流したのだ。

1人のみならず2人までも……もはや許せん!!
渡は身勝手な義憤に駆られつつ、懐からスマホを取り出すと打倒里見を目指すことに―――50話に続く。

早川書房刊『ミステリマガジン』でも取り上げられた本作。
未だ続くカラのターン。
そして、もしかしなくても渡大活躍の予感……。
今週号の「週刊モーニング」で確認せよ!!

<感想>

「週刊モーニング」では『レンアイ漫画家』や『シマシマ』、『はるか17』などで知られる山崎紗也夏先生の新連載です。
『レンアイ漫画家』は設定と展開が面白くて読みました。

そんな「サイレーン」。
遂に猪熊が捜査一課に配属。
これにより「猪熊&里見VSカラ」の物語が明確化されました。
とはいえ、「悪女カラ自身」がテーマだったりもしそうだが。
それだけ、敵役のカラのインパクトが凄い。

その第49話。
サブタイトルは「悔しくて…」。
そうです「決起したDT」こと渡が嫉妬の炎に身を焦がす回。
前回までだと、嫉妬に駆られた渡が里見を直接武力行使で排除しかねないと思っていましたが、今回の様子を見ればそれは無さそう。
ただし、別の意味で里見がピンチです!!
渡が狙うのは、里見の生命は生命でも社会的生命か。

ラストにてスマホを取り出した渡。
おそらく、里見たちの様子を盗撮するつもりなのでしょう。
どうやら、渡は里見のプライベートを公共の場(職場)でスキャンダルとして暴露するつもりらしい。
当然、その中には今回のようなアイやレナとの密会も含まれて来る筈。
つまり、里見の社会的信用を貶めにかかったのだ。

実は捜査の一環なのだが、それを知らない立場の者から見れば渡と同じ感想を持つことになりかねない。
しかも、これを猪熊に知られてしまえば……カラの件もある以上、不誠実な男と思われかねない。
里見、大ピンチ!!

一方、気にかかるのはアイ。
こちらも前回の感想ではカラからは逃れ得ないだろうとしましたが、カラの誘導に騙されている内は利用価値がある以上、易々とは殺されないか。
アイは何とか助かりそう……と思わせておいてからの〜〜〜抹殺の可能性はある。
その方がカラの残虐性をアピールし易いし。
ここらも注目だなぁ。

ちなみに、カラが現在のように変貌したと思われる理由を考えてみました。

<2014年5月8日現在の仮説>

自身の容姿に自信がなく整形したカラ。
その後、その容姿に惹かれた高槻と交際を開始。
カラは高槻を信じ、整形を打ち明けた。
ところが、高槻は「容姿だけで中身がカラッポじゃないか」とこれを拒否、別れを切り出す。
ショックを受けたカラは発作的に高槻を殺害してしまう。
以後、高槻の「中身が無い」との言葉を否定するべく、カラは持てる者からいろいろな特性を奪うことを思い立つ。
結果、マネージャーなどを殺害したのではないか。

<仮説終わり>

どうだろうか!?

でもって、カラの所持していた錠剤が痛み止めと判明。
これが何を意味するのか……カラは整形の後遺症に苦しんでいるのか、それとも病気を抱えている!?

カラによる猪熊殺害実行の日は近い筈。
カラの殺意を知らない猪熊は、その刃から逃れることが出来るのか。
そして、里見は猪熊を助けることが出来るのか。

さて、此処でまとめ。

目標である捜査一課へひた走る猪熊。
そんな猪熊をターゲットとしてロックオンしたカラ。
そんなカラをターゲットとしてロックオンした里見。
追う者と追われる者の構図が明らかになりつつあるようです。

そして、今のカラが整形により手に入れた顔であることが判明。
過去を捨てようとしていたらしいことと併せても、事件の匂い。

カラはその名の通り、中身の無い虚ろな「空」。
それゆえに、自身に欠ける物を補おうと求めている。
以前から予測している通り「カラは自身に無い物を持っている対象を特定すると、これに近付き相手を殺害することで、自身に欠けた物を相手から奪う」で正しいようです。

キャバクラの女性マネージャーを殺害し「その垢抜けた佇まい」を奪い、綺麗になった。
タクシー運転手は「自身は選ばれた」と語っていたが「その選ばれた存在であること」を彼を殺害することで奪ったものと思われます。
だとすると、これまでにも同様の犯行を重ねているのが当然。
そして、これまでは里見が過去に関連した「薬局店息子殺人事件」が契機になったと思っていましたが、45話の常連客の証言によるとそれ以前に変貌した可能性も出て来た。
だが、先述した仮説の可能性もある。
カラの闇は想像以上に深そうだ。

止められるのは里見と猪熊のカップルのみかも。
果たして、如何なる結末を迎えるのか……50話に期待!!

コミックス1巻が2013年9月20日、2巻も2013年12月20日に発売。
さらに3巻に続き4巻も発売とのこと、こちらも注目!!
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ちなみに、山崎先生と言えば『七瀬ふたたび』のコミカライズでも知られる方です。

「七瀬ふたたび」(筒井康隆著、新潮社刊)ネタバレ書評(レビュー)

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posted by 俺 at 12:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 漫画批評(レビュー) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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